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2010 07,10 09:00 |
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【日本株週間展望】一進一退、マクロとミクロ綱引き-選挙影響限定 7月第2週(12-16日)の日本株相場は、一進一退が予想される。世界的なマクロ景気の回復鈍化が重しとなる一方、ミクロ面では米企業が発表する四半期決算で良好な内容が見込まれ、両者の綱引きで方向感を欠きそう。投資家の関心は海外経済にあり、参院選など国内要因の影響は限定的とみられる。 第1週の日経平均株価終値は前週末に比べ382円(4.2%)高の9585円と、3週ぶりに反発した。週前半には9100円を割り込み、昨年11月のドバイ・ショック時に付けた安値(9076円)に接近する場 面もあったが、その後反転。米景気への過度の悲観が弱まった8日に は、256円高と約1カ月ぶりの上げ幅を記録した。 第一生命保険国内株式グループの伊藤弘康次長は、日本の10年債利回りから日経平均の予想株式益回りを差し引いたイールドスプレッドがリーマン・ショック時以来の水準になるなど、「投資指標での割安感が強まっており、直近安値を割り込む状況にはない」と指摘。ただ、世界経済の先行き不安が根強く「強気にもなれない」という。 米供給管理協会(ISM)が6日に発表した6月の非製造業総合景況指数は53.8と、7カ月ぶりに前月比でマイナスとなり、エコノミスト予想の中央値(55)にも届かなかった。中国でも6月の製造業購 買担当者指数(PMI)が2カ月連続でマイナスとなるなど、年前半 まで回復基調にあった米中景気の先行き不安が広がりつつある。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
7月2週は米中両国で注目イベントが多く、輸出関連を中心に日本企業の収益環境を探る観点からも関心が高い。米国では、13日に5月の貿易収支、14日に6月の小売売上高、15日に6月の鉱工業生産、ニューヨーク連銀とフィラデルフィア連銀による7月の製造業景気指数が発表予定。米GDP(国内総生産)の約7割を占める個人消費動向を示す小売売上高については、エコノミストの予測中央値が前月比0.2%減と、5月(1.2%減)に続くマイナスが予想されている。 中国では15日に4-6月のGDP、6月の消費者物価、小売売上高、鉱工業生産と重要統計の発表が集中。しんきんアセットマネジメント投信の藤本洋主任ファンドマネジャーは、「高成長を続けてきた中国経済に変調の兆しが読み取れる内容となれば、中国株安を通じ日本株にもネガティブに働く」と警戒感を示す。 15日は、顧客数で中国最大の銀行、中国農業銀行が上海証券取引所に上場、同行は16日に香港証券取引所にも上場する。アジアの銀行株というくくりで、邦銀株には「農業銀株の購入資金を手当てするための換金売り懸念がある」と、大和証券キャピタル・マーケッツの山本真淑マーケットアナリストは言う。増資に伴う新株発行価格の決定(13日から15日のいずれかの日)も重なるみずほフィナンシャルグループは、引き受け投資家による価格抑制狙いの売りも懸念される。
欧州では13日に欧州連合(EU)財務相会合が開催されるほか、ドイツの欧州経済研究所センター(ZEW)による7月の独景況感指数の発表がある。財務相会合では、EUの銀行に対するストレステスト(健全性審査)についても議論される見通しだ。 欧州銀行監督者委員会(CEBS)は7日、欧州の銀行91行がストレステストの審査対象であることを明らかにし、同テストでは貸出債権と保有国債による損失を吸収する力を査定すると説明した。91行は、EUの銀行業界のほぼ65%に相当する。23日の結果発表を控え「ストレステスト関連のニュースフローが出やすく、それに一喜一憂する 格好で、金融市場では上下に振幅が激しくなる可能性もある」と、三 菱UFJモルガン・スタンレー証券の山岸永幸ストラテジストは見る。 一方、米国では、アルミ生産大手のアルコアが12日、ダウ工業株30種平均銘柄の先陣を切って四半期(4-6月)決算を発表する。13日に半導体最大手のインテルが続き、15日にはJPモルガン・チェース、16日にはシティグループ、バンク・オブ・アメリカ(BOA)、ゼネラル・エレクトリック(GE)などが予定している。
第一生命の伊藤氏によると、米企業決算は「増益ペースが多少鈍るものの、総じて良好な内容が予想される」という。年後半には財政の下支え効果が途切れ、ミクロ面への悪影響も出始める見込みで先行き不透明感はあるが、「足元の好調さが確認されれば、ひとまず割安な株価の水準訂正につながる公算が大きい」と同氏は話す。 ブルームバーグ・データによると、S&P500種採用企業(最終赤字企業を除く)の向こう12カ月間の予想平均EPS(1株当たり純利益)は前期比32%増。 また日本では、11日に参院選の投開票がある。民主党、国民新党の連立与党が過半数維持に必要な56議席を確保できるかが焦点だが、報道各社は過半数確保は厳しい情勢と分析している。過半数割れとなれば、「政治的な混乱と政策の停滞が意識され、市場心理を下押す可能性がある」とUBS証券の会田卓司シニアエコノミストは指摘する。もっとも、投資家の目は海外経済に向いており、しんきんアセットの藤本氏は「政権選択選挙でない参院選の影響は薄い」との認識だ。 このほかの国内イベントとしては、14-15日に日本銀行の金融政策決定会合が開催される。6月分の経済統計は12日に企業物価、13 日に消費者態度指数、15日にマンション販売が発表される。
●みずほ証券の倉持靖彦投資情報部長
「外部環境に引きずられる展開が続いているが、イベントの集中する7月2週を波乱なく乗り切れれば、日本の企業業績にも目が向くのではないか。中国農業銀行のIPOが成功すれば、中国株も底打ち、世界の株式市場にとってもプラスに働く。ミクロに目が向き始めるのは電機など大手企業の決算が出始める7月最終週と思うが、7月25日の天神祭を前に相場が底打つ可能性も高い。少し早目の『天神底』到来を念頭に買いの姿勢を取りたい」 記事:東京 河野敏 Satoshi Kawano PR |
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