京菓子「婚礼菓子」展  （京都の休日１４４）

　６月といえばJune Bride（ジューンブライド：6月の花嫁）
６月に結婚した花嫁は幸せになれるというのは、
元々はヨーロッパからの伝承です。

６月すなわちJuneという月名が、ローマ神話の結婚をつかさどる女神である
ジューノ"Juno"からきているためです。

現代女性にとって一生の中でも最も華やかで､重要な儀式｢結婚｣｡

しかしその形態は 古くは｢母系制｣から｢家父長制｣､｢婿入婚｣から｢嫁入婚｣と
時代と共に移り変わって参りました｡

　戦後の経済成長期以降､式場･ホテルなど多方面からの事業参入により、
地方ごとに守られてきた｢伝統｣や｢しきたり｣も画一化されてきました｡

そして現代では新郎新婦独自の希望を盛り込んだオリジナルスタイルや､
レストラン・パーティースペースを利用した様々な婚礼の形が生まれています｡

常に変化する結婚シーンの中で､菓子はその登場場面や使用方法を変えながら
｢結納｣｢宴席｣｢引出物｣などとして現在でも必ず用いられてきました｡

本展では婚礼菓子について､｢婚礼｣と｢菓子｣それぞれの歴史に絡めながら
ご紹介致します｡
また期間中､展示の婚礼菓子の一部を一階茶席｢祥雲軒｣にて
ご賞味頂ける趣向となっております｡
皆様のご来館を心からお待ち申し上げます｡

名　 称：｢婚礼菓子｣展
会　 期：平成22年4月22(木)～9月12日(日)　
　　　　　 ※但し毎水曜日は休館致します｡
時 　間：AM10：00～PM5：00
入館料：無料
お茶席：700円/人(お抹茶と京菓子)｡
　　　　　※ﾘｰﾌﾚｯﾄ提示にて､5名様まで500円にて承ります｡
　　　　　※別途､団体設定もございます｡
問い合せ先：京菓子司 俵屋吉富 烏丸店　℡075-432-3101
展示品一例：□式事菓子婚礼之巻 上より｢常世盛｣
　　　　　 　　　　(京都菓匠会編集部著､佐野文豊筆)
　　　　　　　　再現菓子の展示
　　　　　　　　□菓子考（高濱元茂著）より｢腰高饅頭｣
　　　　　　　　□現在の婚礼菓子など｡

興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック！

[2回]

　京菓子「婚礼菓子」展は、今出川駅近くの和菓子屋俵屋吉富の隣にある
「京菓子資料館」で開催されているんだけれども、
宝鏡寺からは歩いてスグの処です。

　建物は烏丸通りからすこし奥まって建ち、打ち水のさわやかな石畳の玄関が、
京都らしいゆかしさを感じさせます。
大通りから敷地に入り、資料館入口に向かう途中に、水の番をしている龍。

「龍」･･･っていったら「天を駈ける」「龍虎相対する」･････
･･･ってイメージなんだけれども、水盤にちょこんと停まっている姿は
なんだかユーモラスで可愛いよねぇ～･････

　建物２階で開催されていますのは、企画展『婚礼菓子』。
鶴亀、松竹梅、宝尽くしの文様にもある打出の小槌、金嚢、分銅など、
おめでたい品々が色とりどりに揃えてあります。

　目にも鮮やかで、この上なくめでたさを極めた
祝儀の日の喜びを自分たちだけでなく、
周囲の人々と共に分かち合う心を形にした京菓子文化に
いやはや･････言葉もございませんでした。

  出口は、京菓子司 俵屋吉富 さんの裏にある小さなお庭から。
そこに隣接した茶室が見られます。
庭には手水鉢と、水琴窟（すいきんくつ）があり、
すごく風情のある音を奏でますよ。

美しく・おめでたく・そしてとても美味しそうです。
本当に幸せのおすそわけをいただきたいものです･････が、
娘がいますので、まだまだ幸せのおすそわけをお配りするほうには
なりたくないです｡｡｡　まだまだ･････まだまだ･････まだまだ･････

期間中、展示の婚礼菓子の一部を、一階茶席「祥雲軒」で
有料にてご賞味できます。奥に水屋が見え、床の間と亭主席があります。
土の壁に木目の美しい床柱、障子の瀟洒なしつらえなど、
丁寧に作られた和の空間で、香が焚かれ、水琴窟のある中庭も見えます。
一歩入れば気持ちが落ち着き、掛け軸や花も季節に合わせて厳選されています。
京のもてなしの心を形にされています。

　昔は八百屋さんの店先で季節を感じたものなのですが、
今では季節を感じることが少なくなりました。
どうか和菓子で季節感を･･･四季を味わう喜びを感じて戴けたら幸いです｡｡｡

９月１２日（日）まで開催されますので、
興味のある方はどうぞ京菓子資料館まで♪

京菓子「婚礼菓子」展
http://www.kyogashi.co.jp/shiryokan/d-4-1.html