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2010 06,19 09:00 |
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【日本株週間展望】1万円攻防、悲観巻き戻しは一巡-欧米動向注視 6月第4週(21-25日)の日本株相場は、日経平均株価が1万円を挟むもみ合いとなりそう。欧州の財政事情、米国景気の先行きに対する過度な悲観の修正で、株式などリスク資産は見直されてきたが、それにも一巡感が出てきた。株主総会シーズン、参院選控えと国内材料面で買い上がりにくく、欧米株式、為替動向に左右される展開が続く。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
米S&P500種株価指数の予想変動率を示し、投資家心理を映すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ・インデックス(VIX)は、17日に25.05と5月5日以来の水準に低下。5月20日には09年3月来の高水準となる45.79を記録、6月月初も30台で推移していただけに、足元の落ち着きぶりは顕著だ。 東海東京証券エクイティ部の倉持宏朗部長は、1万円回復の過程を「6月の月中平均をにらんだ米年金資金とみられる買いが入り、それが売り方の買い戻しを誘った面が強い」と指摘した。実際、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、シカゴ日経平均先物(円建て)の売り建ては8日時点で1万7290枚と、過去1年で最高水準に達しており、9日に年初来安値(9378円)を付けた後の反発局面で、これらが縮小方向に向かった公算は大きい。
5月以降の世界的株安は、ギリシャの財政危機問題がポルトガルやスペインなど南欧、さらにハンガリーなど東欧にも飛び火し、ユーロ急落を通じて6月初めにピークを迎えた。しかし、ハンガリーの財政赤字の対国内総生産(GDP)比率は09年時点で3.9%(三菱UFJモルガン・スタンレー証券調べ)と、ギリシャの13.6%、スペインの11.2%と比べ格段に低く、不安心理の行き過ぎは否めないところだ。 独立系シンクタンクの武者リサーチ代表、武者陵司氏はギリシャ国債の格下げに市場が反応しなかった例を挙げながら、株価は「いったん底入れをした可能性が強い。一度はリーマン・ショックの再現、国際流動性危機ぼっ発まで織り込み、過剰悲観が市場を覆ったが、それは昨年1年間の8割以上上昇後の絶好の調整口実」と指摘。しかし、現在の国際金融市場の関心事は「ソブリンリスクではなく、その先に何が待っているのかに移っている」と言う。 MSCIワールド指数は終値ベースで、4月15日の高値から6月7日の安値まで16%調整、17日には安値から約7%戻した水準にあり、チャート上のいわゆる半値戻しに近づいた。対円のユーロチャートにも頭打ち感があり、戻り一巡から次の展開待ちの局面に入ったようだ。
ドイツ銀行の米国債調査責任者、ムスタファ・チャウドリー氏は「足元のリスクは公的債務の持続性や流動性不安ではなく、一部の欧州銀行セクターの状態に起因する」ととらえている。欧州連合(EU)は17日、ベルギーで開いた首脳会議で、銀行や金融取引に対する世界規模での課税を推進させる方針を表明、金融機関を対象にしたストレステスト(健全性審査)の結果を公表することでも合意した。 一方、東京証券取引所の発表によると、6月2週に外国人投資家は日本株を8562億円売り越し、週間の売越額としては2008年3月に次ぐ過去3番目の大きさを記録した。世界的な金融規制、監督強化の流れが再び市場で意識され始める中、外国人動向への警戒が一層強まれば、株式相場の反発力を鈍らせる要因になりそうだ。 東海東京証の倉持氏は、政局不透明感、株主総会を控え国内機関投資家は動けないなど国内の主体性に乏しい上、「米国の経済統計も明確な方向性を見出しづらく、欧州問題もなお不透明。ユーロへの不安はぬぐえず、日本株も下値が固まったとは言い難い」と話している。
第4週の日本株に影響を与えそうな経済統計は、海外で22日に米国の中古住宅販売件数、独Ifo景況感指数、24日に米耐久財受注、国内で25日に消費者物価指数の発表など。また、米国では22、23日に連邦公開市場委員会(FOMC)が開催予定、連邦準備制度理事会(FRB)の景気認識や金融政策をめぐる声明内容は気掛かりだ。25-27 日はカナダで主要8カ国(G8)、20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)があり、菅直人首相は就任後初の国際会議デビューで、各国からの信頼感を得られるかどうか、注視される。 輸出、金融など相場の方向性を左右する時価総額上位セクターを積極的に手掛けにくい材料が多いだけに、目先は中小型株、新興市場などに投資資金が向かう可能性がありそうだ。
●みずほ証券投資情報部の瀬川剛エクイティストラテジスト 「海外投資家の関心は南アフリカに向かっているため、来週も薄商いの日が多くなる。買いも少ない代わりに売りも少なく、決して悪いことではない。24日の参院選公示日を控え、与党と野党第1党が消費増税を打ち出している。マーケットがどうこれを消化していくのかに注目したい。1989年の消費税導入時も、97年の税率引き上げ時も、高額品の駆け込み消費が発生し、その反動が出た。今回も同じ動きが繰り返されるのか見極めたい」
「目立った経済指標もなく、材料の谷間。焦点は26-27日のG20で、政策協調や金融規制問題について形が見えてくるか。特に金融規制は、銀行課税やヘッジファンドに対する規制の行方がどうなるか不透明で、好材料・悪材料どちらに転ぶか分からない。週末に向け見極めムードが強まりそうなことから、日経平均1万円を挟んで上下300円ずつの狭いレンジでのこう着感の強い相場になろう」
「日経平均は9800円から1万円をやや上回る程度で、小幅なレンジと見る。為替のユーロ安一服を受けた、リターン・リバーサル的な買い戻し相場は一巡した。国内では株主総会シーズン入りすることで、持ち合い解消の売りは出にくくなろう。信用取引での評価損が高水準にあり、個人投資家は様子見姿勢になりやすく、薄商いの『省エネ相場』が続きそうだ」
「日経平均1万円の水準を固める動きになろう。欧州の財政不安などの悪材料はあらかた織り込んでしまい、売り込む理由はない。一方、ここから上を買う材料も特にはない。米国で5月の中古住宅販売件数、新築住宅販売件数など住宅統計の発表が相次ぐため、これらを見極めながらの展開になる。週末にG8首脳会議を控え、為替政策などを見極めようと、徐々に商いは減少する可能性は高い。外部環境の影響を受けにくい好業績の内需銘柄などを拾いたい」 記事:東京 院去信太郎 Shintaro Inkyo PR |
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