6/5 お昼の『株価材料』PART Ⅱ

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■株価材料

△富士重<7270>、7年ぶり「インプレッサ」全面改良で月販計画2500台
富士重工業は５日、主力小型車「インプレッサ」を約７年ぶりに全面改良して発売した。国内での月間販売は２５００台を計画。低迷する国内販売の活性化を図る。海外でも、夏に北米、秋に欧州に投入する。世界で年間１２万台の販売を計画し、このうち半数が北米、２割が欧州になると見込む。３代目となる全面改良車は、前後タイヤ間を伸張して室内空間を拡大させつつ、板厚を薄くしやすい高張力鋼板の使用割合を増やしたり、車台構造やエンジン関連部品の見直しを進め、燃費を１０―１４％向上させた。

△韓国の現代自と起亜自、米新車品質調査で高評価
米市場調査会社ストラテジック・ビジョンが４日発表した新車品質調査で、韓国の現代自動車<005380>が３分野で首位、傘下の起亜自動車 <000270>が２分野で首位を占めた。同調査は毎年行われており、今年の調査は２００６年９─１１月に２００７年モデルを購入した消費者２万７０００人以上を対象に行われた。現代自動車は「アゼラ」が大型車部門で、「サンタフェ」が小型スポーツ多目的車（ＳＵＶ）部門で品質評価１位を獲得。「アントラージュ」が日産自動車 <7201> の「クエスト」および起亜自動車の「セドナ」と並んでミニバン部門の首位を占めた。

▼ソリッド グループ ＨＤ<7602>株売られる、決算発表を再々延期
午前の株式市場では、ソリッド グループ ホールディングス株が売られている。同社が４日、決算発表を再々延期して７日に実施すると発表したことで不透明感が強まっているという。発表によると、同社は継続的な営業損失や２００７年３月期に計上する貸し倒れ引当金などで継続企業の前提に重要な疑義が存在する。運転資金確保の観点も含め、親会社などと協議して決算について監査法人の意見を得られるように努めるとしている。

▼大林組<1802>株が下落、談合事件でトップが辞任
午前の株式市場では、大林組株が下落。談合事件の責任を取り社長と会長が辞任すると発表したことで嫌気売りが続いている。同社は４日、大阪府枚方市発注の清掃工場建設工事に関し競売入札妨害（談合）容疑により当時の役員が逮捕されたことの責任を取る形で、脇村典夫社長と大林剛郎会長が辞任すると発表した。脇村社長は特別顧問、大林会長は取締役に就任（６月２８日の定時株主総会で承認後）する。新社長には白石達専務執行役員が就任する。

△ＡＢＣマート<2670>株が堅調、5月売上高が増加
午前の株式市場では、エービーシー・マート株が堅調。同社が４日に発表した５月の売上高が増加したことなどが好感されている。既存店ベースで前年同月比１．３％増、全店ベースで同１４．８％増となった。

▼海運株が反落、利益確定売りに押される
午前の株式市場では、商船三井<9104>株や日本郵船<9101>株など海運株が反落。世界的な荷動きの増加に伴う業績拡大期待から人気化していたが、過熱感もあり、きょうはいったん利益確定の売りに押されている。乾汽船<9113>株や第一中央汽船<9132>株など中小型の海運株も反落している。

△ホンダ<7267>株が堅調、販社を統廃合との報道
午前の株式市場では、ホンダ株が堅調。５日付日経新聞朝刊で、同社が国内の販売会社の統廃合を加速し、地域の有力企業などが経営する地場系販社にも対象を広げると報道されたことなどが材料となっている。２００５年には１０００を超えた販社数を今秋に約８７０まで減らす。１社あたりの企業規模を拡大してサービス強化を狙うと報道では伝えている。

□オイレス工業<6282>株がしっかり、好決算を材料視
午前の株式市場では、オイレス工業株がしっかりで始まった。４日に発表した決算の内容が好調だったことが材料視されている。同社の連結営業利益は、２００７年３月期が６３億６２００万円（前年比４０．３％増）となったのに続き、０８年３月期も６８億円（同６．８％増）と連続増益を予想している。

△スズキ<7269>と伊藤忠<8001>、ロシアでの合弁自動車工場設立で覚書締結へ
業界筋が４日明らかにしたところでは、スズキと伊藤忠商事は、ロシア経済発展貿易省との間で６月８日、合弁の自動車工場設立について覚書を交わす見通し。関係者は「合弁で工場を設立する計画をしている。サンクトペテルブルクで開催される経済フォーラムの場で、調印する見通し」と述べた。ロシアのプーチン大統領は、６月８日─１０日にサンクトペテルブルクで開くフォーラムに、各国の政界・財界から有力者を招待している。これ以上の詳細は不明。ロシア経済省のコメントは得られていない。ロシアでは新車需要が急速に増加しており、今後３─４年以内に年２７０万─３００万台になると予想されている。サンクトペテルブルクは自動車産業の集積地として「ロシアのデトロイト」との呼び声も高い。
（ロイター）

△中央電<5566> ストップ高。
昨日ストップ高となっていた日電工が強含みで推移しており、刺激材料になっている。明日以降、05年5月以来の4ケタ乗せが意識され、3月高値1485円が最終的なターゲットとも。

△ソフトバンク<9984> 3営業日ぶり反発。
再び5/7戻り高値2760円を窺う展開をみせてきている。日経平均に対する上昇インパクトトップで、日経平均を10円程度押し上げている。均衡表の遅行スパンは上方転換シグナル発生、雲下限を捉えてきている。

△いすゞ<7202>---4日続伸、自部品などの割当増資完了で安心感も
4日続伸。トヨタなど出遅れ自動車株の見直しの動きが徐々に波及する格好になっているようだ。また、自動車部品とＴＤＦの第3者割当増資が完了、個人投資家による差し止め要求なども行なわれていたため、資金負担増などの懸念も後退する状況のようだ。

△東京テアトル<9633>---続伸、メリルのレポートなど材料視
出来高伴い続伸。前日にメリルでは、「人口の東京集中で注目される土地持ち会社」と題するレポートをリリース。首都圏に有効利用可能な土地を保有している企業として、同社や東京都競馬を取り上げていた。

△東映<9605>---5/8高値を再び射程に
利食い吸収し、5/8高値を再び射程に。前日は862円まで急騰した後は利食いに押されていたが、再び高値を意識した値動きに。メリルリンチでは、人口の東京集中で注目される土地持ち会社として取り上げている。

△東洋ゴム<5105>---続伸、ＵＢＳでは「中立」に格上げへ
続伸。ＵＢＳが投資判断を「ＲＥＤＵＣＥ」から「ＮＥＵＴＲＡＬ」に格上げしている。前期の決算通過で悪材料は出尽くし、今年度後半からの業績回復に期待としているようだ。目標株価も500円から580円に引き上げへ。

△木村化<6378>---3/30以来の年初来高値更新
3/30以来の年初来高値更新。委託保証金率の引き上げを受けて一旦は調整をみせたものの、上昇する5日線をサポートに反転。3/30高値突破し、昨年5/25高値754円を捉えると新たな上昇相場へ。

■荏原<6361> 反落で直近安値水準。
なお、ゴールドマン・サックスでは、新たなリスク要因として1月にドイツで受注した廃棄物焼却炉の案件が不採算案件に転じる懸念が生じ始めていると。今後12ヶ月の目標株価を500円とし、「売り」を継続。

□ハピネット<7552> 小じっかり。
コスモ証券では4日付けレポートで投資判断を新規「Ｂ+」としてカバレッジを開始したようだ。ＰＢＲ約1倍、08/3期予想ＰＥＲ12倍と、バリュエーション面から下値は限定的と。

▼ポイント<2685>---下げきつい、5月の既存店前年割れで
下げきつい。昨日発表した5月の月次動向がネガティブに捉えられている。5月の既存店売上は前年同月比で6.1％減、ＧＷ商戦の不振が響いた格好のようだ。ここ1年半で既存店売上がマイナスに転落したのは2回だけであったため、比較的大幅な落ち込みにはサプライズ誘われやすい状況。

△テアトル<9633>---25日線を一気に突破
3営業日続伸で5/11以来の300円を回復し、25日線を一気に突破してきている。メリルリンチでは、人口の東京集中で注目される土地持ち会社として取り上げているようである。信用倍率は4週連続で1倍台と需給妙味は大きい。

△津田駒<6217>---急伸、中国関連として物色の矛先向かう
急伸。中国関連銘柄として物色の矛先が向かっている模様だ。海運や鉄鋼、建設機械など、いわゆる中国関連が直近で賑わっており、中国が主要販売先となる同社にも期待感が先行の格好、同市場における値上げ期待なども材料視されているようだ。

△ＢＢタワー<3776> ストップ高買い気配。
オリックスとネット総研との経営統合が材料視されているようだ。上場廃止が決まっているネット総研をオリックスが完全子会社化、ネット総研の事業は継続される見通し。そのため、ネット総研の子会社であるユビテック<6662> に加え、ネット総研を筆頭株主にもつＢＢタワーにも買い安心感が広がっているとみられる。

▼ネットマークス<3713>---売り優勢、不適切な取引の判明で
軟調。過年度決算や前期決算の疑義に関するリリースを発表。社員の不適切な取引の存在が明らかになったとされている。前期までの4期間で最大10億 1300万円の売上総利益の減額修正が見込まれるなどとしている。先にＴＯＢで同社を連結子会社化している日本ユニシスも売り優勢の展開。

△ＮＯＫ<7240>---大幅高、みずほが「１」に格上げで
大幅高。みずほが投資判断を「３」から「１」に格上げしていることが材料視される。懸念要因とされてきたＦＰＣ事業の採算が持ち直す公算の台頭を背景としている模様。今期営業益は減益見込みから一転して増益予想に転換へ、基調変化と受け止めて積極姿勢に転換するとしている。

△国際帝石<1605>---続伸、アラビア半島へのサイクロン接近観測も
続伸で年初来高値更新。原油市況の上昇が手掛かり材料だが、アラビア半島にサイクロンが接近しているもようであり、生産施設の操業停止が懸念されるなど、市況の更なる先高感も背景にあるようだ。米国でも石油関連株が上昇で指数を押し上げる格好に。

△ローム<6963>---買い先行、みずほでは「１」に２段階格上げ
買い先行。みずほでは投資判断を「３」から「１」に格上げ、目標株価を14000円としている。300ミリウエハによる半導体チップ製造の本格化、ノートＰＣ向けバックライト市場の離陸による液晶ドライバーの成長期待などを評価している模様だ。今期営業利益は会社計画を上回り2ケタ増益を予想。

△アルチザ<6778> 買い気配から。
期中3度目の上方修正が好感されているようだ。前日に07年7月期の経常利益並びに最終利益予想を上方修正しており、経常利益で従来予想の4億円から5.23億円に増額された。なお、07年7月期の上方修正は昨年12月、今年3月に次いで3度目となる。

△ＩＲＩ<4741> 大量の買い注文。
株式交換比率にサヤ寄せしているようだ。オリックスとネット総研は4日、株式交換による経営統合で合意したと発表している。オリックスの4日終値をベースとした場合、ネット総研の理論株価は2万1778円（4日終値7650円）となる。6月24日付での上場廃止が決まっているだけに、サプライズとなっているもよう。

△日東電工<6988>---買い先行、5月月次売上は半年振り2ケタ増
買い先行。前日に発表した5月の月次動向が好感される。単独月次売上高は前年同月比で10％増と半年振りの2ケタ増になった模様。計画線も上回る推移と見られている。注目される液晶フィルムの売上高も同12％増、業績の回復基調が一段と認識される状況へ。
（フィスコ）

△川口金<5608>は純益大幅黒字転換で不動産流動化人気再燃し続伸
川口金属工業は、１３円高の５６６円と続伸している。５月１８日に発表した３月期決算で、今期純利益を大幅黒字転換と予想したことから不動産流動化関連人気が再燃しており、ＰＥＲ７倍台の割安修正期待を高めている。同社の前期純利益は、決算発表前の今年４月の下方修正通り１１億８９００万円の赤字（前々期は８億５９００万円の黒字）となった。これは、昨年１２月に三井不動産と同社本社工場を子会社工場（茨城県結城市）へ移転した跡地について、商業施設建設用地として２０年間の借地権設定契約を締結し、生産設備の一部処分、土壌改良費用の発生から減損損失を計上、さらに棚卸資産廃棄損、役員退職慰労金の過年度引当金も重なったことが要因となった。これに対して今期業績は、素形材事業が建機、自動車向けに好調に推移することから売り上げ、経常利益は続伸、純利益は特別損失一巡で１５億６０００万円と大幅黒字転換する。株価は、昨年末の借地権契約で１２０円高し業績減額で往って来いとなっていた。前回高値を上回ってきただけにＰＥＲ７倍台、ＰＢＲ０．９倍の割安修正に拍車をかけよう。

□太平洋セメ<5233>は連続最高純益を買い直し小反発
太平洋セメントは、６円高の５５２円と３営業日ぶりに小反発し５００円台央での三角保ち合いに煮詰まり感を強めている。５月１５日の３月期決算発表以来、今期予想純利益が市場コンセンサスを約１５億円下回るとして上値が重く推移していたが、利益水準は前期に次ぐ過去最高更新となることを見直し割安株買いが増勢となっている。同社の前期業績は、売り上げ、経常利益が昨年１１月の上方修正値を上回ったものの、純利益は単独決算の保有株式の減損損失が響いて約３６億円下回った。それでも２４４億８００万円（前々期比２．６倍）と大きく伸び、１６期ぶりに過去最高を更新した。国内セメント販売量が、高水準をキープし燃料価格高騰の価格転嫁が進み、建設発生土処理事業、産業廃棄物処理事業も順調に拡大、セラミックス・エレクトロニクス事業でも半導体製造装置向けの堅調な需要や子会社２社の連結子会社化などが寄与した。今期は、売り上げが前期比３％増、経常利益は７％減の増収減益を予想しているが、純利益は特損一巡から３２０億円（前期比３１％増）と連続して過去最高を更新する。株価は、信用取組倍率が４倍台とやや荷もたれ感があるが、買い残はピ－ク比４割減と整理が進捗しているだけに、ＰＥＲ１６倍台の割安修正が続きそうだ。

△三条機<6437>は連続最高純益の見直し買い続き連日の高値
三條機械製作所は、１２円高の６８６円と続伸し連日の昨年来高値更新となっている。５月１５日の３月期決算発表でいったん材料出尽くしとして利益確定売りに押されたが、改めて今期の業績続伸、連続最高純益更新を見直し下値に割安株買いが根強く続いている。同社の前期業績は、期中の２回の上方修正値を上ぶれて着地、純利益は前々期比３５％増益と２ケタ増益を続け連続して過去最高を更新した。自動車業界向けに鍛工品やダイカスト金型の需要が拡大し、一般機械でも自動車・電機業界向けの専用機が回復してきたことが寄与した。今期業績も、売り上げ１８４億２０００万円（前期比２％増）、経常利益１７億７０００万円（同８％増）、純利益１０億２０００万円（同１２％増）と続伸を見込んでいる。株価は、高値更新でもＰＥＲはわずか１０倍台、ＰＢＲも１倍割れと大幅に出遅れている。このところ親会社のＪＴの高人気化も目立っており、連想買いもフォローし上値追いに拍車をかけよう。

△三桜工<6584>は１５期ぶり最高純益に自社株買い重なり５連騰
三桜工業は、１６円高の９２７円と５営業日続伸し昨年来安値に並ぶ５月１６日につけた７０４円からのＶ字反騰に弾みをつけている。５月１６日の３月期決算の発表で、今期純利益を前期比５１％増益、１５期ぶりの過去最高更新と予想したことから割安株買いが続いているもので、５月２４日に発表した１２０万株（発行済み株式数の３．２３％）の自己株式取得終了もフォローの材料となっている。昨年来の株価急落が大きかった分だけリバウンド幅の拡大思惑を高めている。同社の前期業績は、再三にわたり下方修正され、最終的に純利益は１５億８２００万円（前々期比７％増）の小幅増益にとどまった。米国子会社サンオー　アメリカ　インコーポレーテッドを北米・中南米地域の中核拠点として位置付け抜本的な構造改革を推進してきたが、この改善効果効果が遅れ、営業損失計上となったことなどが影響した。これに対して今期は、売り上げ８９０億円（前期比２％増）、経常利益４６億円（同３４％増）、純利益２４億円（同５１％増）と予想している。北米子会社の経営強化やグローバルな車両配管製品や樹脂製品の需要拡大を見込んでおり、前期までの減額ペースとは一変する。株価は、２００５年１２月の１２２４円からほぼ半値となる長期調整となってきただけに、ＰＥＲ１１倍台、ＰＢＲ１倍ソコソコの割安訂正に溜め込んだエネルギーを発散しよう。

△電通<4324>が反発、市場予想上回る２ケタ増益転換を見直し内需人気
電通は、８０００円高の３３万８０００円と３営業日ぶりに反発している。５月１１日に発表した今３月期純利益が、市場コンセンサスを約６億円上回って２ケタ増益転換するとして買い上がったものの、上値の伸びが鈍いとして見切売りが続いていたが、信用好需給などを手掛かりに再度、内需関株買いが高まっている。７月の参議院選挙、１年後に迫った北京オリンピックへ向けビジネス機会が拡大するとの期待感も背景となっている。同社の今期業績は、売り上げ２兆１０７０億７３００万円（前期比０．６％増）、経常利益７３１億１３００万円（同４％増）、純利益３７０億４００万円（同２０％増）と予想されている。消費者金融・ノンバンクの広告出稿の絞り込みはあるが、景気・消費回復により広告出稿量全体は、３年連続で前年比プラスを続け、サッカー、メジゃーリーグなどでスポーツイベントが相次ぐコンテンツサービスが続伸することなどが業績を押し上げる。株価は、昨年のサッカー・ワールドカップの日本代表予選リーグ敗退以来、３０万円ドタを下値、３７万円台を高値とするゾーン往来が長引き、高値水準では信用売りが積み上がり株不足、逆日歩のつく好需給となっている。参議院選関連の最右翼株とする観測も有力で、強弱感が拮抗するなかゾーン上値を目指そう。

▼松井証券<8628>は続落、一橋大との共同研究に苦情報道
松井証券は、１４円安の９６９円と続落している。この日付けの読売新聞で、同社が５月３０日に発表した一橋大学との共同研究に顧客から数百件の苦情が寄せられていると伝えられ、顧客離れにつながると懸念され売り先行となっている。共同研究は、一橋大学大学院の三隅隆司教授（金融システム論）の研究グループと実施するもので、人間の心理バイアスに起因する投資家の非合理的な行動が市場価格形成に及ぼす影響を分析する行動ファイナンスの本格的な基礎研究となる。このため個人投資家の株式売買データを研究グループに提供するが、顧客からは「取引履歴は顧客の財産で、外部提供はおかしい」などとする反発が出ているとされた。同社は、ネット専業証券の草分けだが、このところネット取引全体の売買代金は、新興市場への個人投資家離れ、４年で半値以下に値下がりした手数料などから低迷続きとなっている。同社も「株券電子化入庫キャンペーン」の第２弾を実施するなど新規顧客開拓を進めているが、顧客獲得競争が激化するなかで、今回の共同研究にの苦情報道が口座解約なｄｐにつながるなどと懸念されている。株価自体は、低ＰＥＲ、好配当利回りの売られすぎ水準にあるが、下値確認が継続しそうだ。

△ＩＲＩ<4741>はオリックス<8591>との経営統合をバネに買い気配アップ
インターネット総合研究所は、寄り付きから買い気配を切り上げ７００円高の８３５０円買い気配と３営業日続伸し、５月２８日につけた上場来安値５３５０円から大きくリバウンドしている。前日にオリックスとの株式交換方式による経営統合を発表、株式交換比率換算でなお１万円超の上値余地が計算できるとして思惑買い先行となっている。経営統合は金融、ＩＴ（情報技術）の異なる分野で新事業を創造してきた共通の歴史とＤＮＡを持つ両社が、それぞれ単独では得られないアセット、リソース、ノウハウを補完しさらに飛躍を遂げることができるとして決定された。株式交換は、今年９月中のＩＲＩの株主総会を経て１１月中に実施され、株式交換比率はＩＲＩ株式１株に対してオリックス株式０．６６７株を割り当て交付する。ＩＲＩは、子会社の経営破たんに伴い監査報告書に監査法人の意見表明が得られず上場廃止基準に該当、５月２３日に６月２４日付けで上場廃止となることが決定し、株価はストップ安を交え急落した。当初、経営統合を予定しその後解除されたＳＢＩＨＤに代わる救世主の登場であり、上場廃止日までの期間限定でリバウンド相場が展開されることになる。なおオリックスの株価は、ＩＲＩに有利な交換比率への反動から逆に８００円安の３万１８５０円と売られ続落している。

△ＣＳクリエイト<8921>は自己株式取得を買い手掛かりに急反発
シーズクリエイトは、３１００円高の５万４００万円と３営業日ぶりに反発し、５月１８日につけた１部指定替え後の安値４万５９００円から出直急となっている。前日に発表した自己株式取得が需給好転要因として評価され、割安株買い再燃を誘発している。自己株式取得は、経営環境の変化に対応して機動的な資本政策を遂行する目的で、５０００株（発行済み株式総数の１．９６％）、３億円を上限に６月５日から７月３１日までの間に実施される。同社は５月１１日にも２７００株の自己株式取得を発表、実施しており矢継ぎ早の取得になる。同社の株価は、同じく１５日開示の今３月期業績が、売り上げは前期比３％増となるものの、経常利益は１８％減、純利益は２３％減と予想されたことがショックとなって急落した。前期業績が、自社分譲マンションや不動産流動化の大型案件の寄与により期中に再三上方修正され、連続過去最高純益で着地したことと大きく落差となったためだ。ただ、ＰＥＲは１１倍台と下げ過ぎ示唆となっており、自己株式取得の需給要因でどこまでリバウンドするか注目される。

△積水ハ<1928>は１Ｑの大幅増益着地を評価し急反発
積水ハウスは、６５円高の１８３６円と３営業日ぶりに急反発している。前日に開示した今１月期第１四半期（１Ｑ）決算が大幅増益で着地、期初に今期予想業績が市場コンセンサスを下回ったとして売られた反動で業績上ぶれ期待を強め買い先行となっている。同社の１Ｑ業績は、前年同期比１％増収、７．７倍経常増益と伸び、純利益は３７億５２００万円（前年同期は２８００万円の黒字）と高変化した。昨年竣工したオフィスビル「赤坂ガーデンシティ」の留保分を前期の３分の２に続き売却したことが寄与した。中間期・通期業績については期初予想を据え置き、純利益は６５５億円（前期比４％増）と連続の過去最高更新となる。ただ同社は、「赤坂ガーデンシティ」のほか、先にオープンした「東京ミッドタウン」などの複数の再開発案件に参画しており、この売却益の発生から前期と同様の業績増額思惑につながっている。株価は、１月期決算発表で下ぶれたあと、ソニーの旧本社跡地の買収・再開発の材料が出て持ち直した。ＰＥＲは１９倍台と市場平均並みだが、信用取組は株不足と拮抗しており、不動産流動化関連人気が再燃しよう。

△石油資源<1662>が続伸、原油価格上昇が株式売り出し押し返す
石油資源開発は、４０円高の８７５０円と続伸している。同社株は、５月２９日に経済産業省保有株の一部９１１万１０００株を売り出すと発表され、株式需給悪化懸念で下値を試す展開を続けてきた。この日は、前日の米国市場で原油先物（ＷＴＩ）価格が、１．１３ドル高の１バーレル＝６６．２１ドルと４営業日続伸し４月末以来約１カ月ぶりの高値となったことが買い材料となっている。ペルシャ湾岸周辺にサイクロンが接近、原油供給に影響が出るとの観測が原油高要因となっており、これから北半球がトライブシーズンの石油需要期を迎えるだけにさらに上ぶれの可能性も指摘されている。同社の株式売り出しは、６月８日ー１３日の間に売り出し価格が決定されるスケジュールとなっており、思惑買いにつながっている。石油株は、このほか新日本石油が、３３円高の１１０４円と４連騰して２００５年９月高値１０８２円を約２年ぶりに上回るなど人気化して、寄り付きの業種別値上がり率でトップとなっている。前日軒並み高した海運株は、バンカーオイル（燃料油）価格上昇が懸念された、寄り付き後に反落しており、業種別値下がり率でワーストワンと明暗を分けている。
（東洋経済新報社）