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2010 06,12 09:00 |
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【日本株週間展望】不安心理根強く続落、W杯開催年のアノマリーも 6月第3週(14-18日)の日本株相場は続落する見通し。欧州各国の債務問題に対する協調体制は構築されつつあるが、中長期ではスタグフレーション(景気停滞下のインフレ)も警戒され、日本株に強気で臨む向きは少ない。持ち高調整の動きが一巡すれば、海外金融市場の動きに連動する可能性が高い。 著名資産家のジョージ・ソロス氏は10日、ウィーンで開催された国際金融協会(IIF)の会合で、「ようやく危機の第2幕が始まった。現状は1930年代をほうふつとさせる」と指摘。市場には、自らの行き過ぎた動きを修正するだけの自助能力がないと述べた。 投資顧問ヴァレックス・パートナーズの寺本義雄氏は、「欧州中央銀行(ECB)が必死になって流動性を供給しても、欧州経済は緩やかに落ちていかざるを得ない」と見ている。日本は10年以上の月日をかけて不良債権処理を行ったが、「欧州にそれだけの時間的猶予が与えられるのかは分からない」と言う同氏は、ユーロ安トレンドの長期化で見かけ上のGDPは伸びるため、「スタグフレーションのリスクが高い」と予想している。 6月2週の日経平均株価は、前週末比2%安の9705円。週末にかけ新興国経済の成長期待から戻したが、欧州不安はギリシャ、スペインなどの南欧からブルガリア、ハンガリーといった東欧に飛び火、日経平均は9日に9378円と年初来安値を付けた。原油流出事故の対策に追われる英石油大手BPの債券とクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)のスプレッドは、同社が投資適格級の格付けを失ったかのような水準に急拡大。危機伝染の動きがいまだに続いている。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
ブルームバーグが8日に公表した世界6大陸の投資家・アナリスト調査によると、世界経済が悪化しているとみる向きは全体の42%となり、1月調査時(21%)の2倍に膨らんだ。今後1年で最大の下振れリスクが警戒される市場の1位は欧州(51%)、2位が英国(25%)、3位が日本と中国(19%)。一方、今後1年で最高の投資機会を提供する市場は、米国(39%)、ブラジル(29%)、中国(28%)の順となり、日本は7%でアフリカと並ぶ6位にとどまる。 債券運用最大手の米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のストラテジスト、アンソニー・クレセンツィ氏は「多くの国が、ケインズ主義の終点に達した」と強調。2008年の世界的な金融危機後に打たれた積極的な財政出動策について、「毒に変質してしまった魔法の万能薬」と例えた。 UBS証券の平川昇二ストラテジストは、日経クィックが行う調査を基に過去15年間の投資家センチメントと日経平均の動きを検証、「かなりアンダーウエート」と回答した人の比率が直近6月にゼロ%となったことや、景気・業績への関心度合いが低下している点に触れ、「調整継続を示唆するセンチメント」と結論付けている。
JPモルガン証券の北野一ストラジストは、リスク回避志向などを背景に金先物価格とドル・インデックスが足元で共に高値を更新している点を注視、「金とドルの同時高が市場の不安心理を表しているなら、かなりの不透明感に覆われていることになる」と指摘する。 金先物とドル相場の組み合わせは、「金高・ドル高」「金安・ドル高」「金高・ドル安」「金安・ドル安」の4通りがあるが、同証が1975年以降の約35年間の各週の組み合わせを調べたところ、出現比率は「金高・ドル高」が19.3%、「金安・ドル高」が30.0%、「金高・ドル安」が33.0%、「金安・ドル安」が16.7%だったという。 この出現頻度を参考にすれば、通常は8週間のうち1-2週程度が「金高・ドル高」の組み合わせとなるが、足元では8週間のうち7週で出現、その頻度は87.5%と1979年のイラン革命時の75%を超す過去最高水準に達する。北野氏は「ある意味、かなり限界的なところまで金高とドル高が続いてきたことになる」と指摘、過去のパターンからは「遅くとも来週にはこの組み合わせが崩れ、株式相場も底入れする」との見方を示した。
4年に1度開催される世界的なスポーツイベント、「サッカー・ワールドカップ」が11日、南アフリカで開幕する。コスモ証券が開催年度の日経平均の動きを調べたところ、1990年のイタリア大会以降、過去5回は、夏までに高値を付けるケースが多く、その後の安値まで平均30%値下がりしている。 同証投資情報部の清水三津雄副部長は、このアノマリー(合理的説明のつかない経験則)について「パソコンやテレビなどのデジタル家電の需要を見込み、日本の部品メーカーやセットメーカーは先んじて製品を作り込んでしまうため、株価がピークを打つのは春先で、大会開催後は反動安となるケースが多い」と分析する。今回も、7月以降は調整色を強めるとの見方だ。日本代表は、14日に1次リーグ初戦のカメルーン戦を迎え、19日に第2戦のオランダ戦がある。 このほか、6月3週の主な予定は、海外では14日に4月のユーロ圏鉱工業生産指数、15日にドイツのZEW景況感指数と米国のニューヨーク連銀製造業景気指数、16日に米国のMBA住宅ローン申請指数と鉱工業生産指数、17日に米新規失業保険申請件数など。また15日からは、ロサンゼルスでゲーム見本市「E3」が開催される。日本では14-15日に日本銀行の金融政策決定会合、16日から18日まで東京ビックサイトでスマートグリッド展が予定されている。
●いちよし証券投資情報部の高橋幸洋課長 「相場の下げ局面時はプット・オプション(売る権利)の建て玉が増えるが、最近はたとえ下落しても日経平均9000円以下のプットオプションの建て玉が増えなくなってきた。裁定買い残の大幅な減少も売りが最終局面にあることを示す。日経平均の85-93日サイクル、2月安値との相似形から判断しても、9日がかなりの確率で安値だった可能性があり、6月4週は戻りを試す週になりそうだ。4日高値の9962円を抜けると、ショートカバーが膨らみやすい」
「下値を固め、反発のタイミングをうかがう展開に入ってきた。6月3週は欧州諸国で開催される首脳会議で、財政赤字問題の広がりへの対応策に進展が見られるかに最も注目する。欧州を中心に海外が落ち着きを示せば、日経平均は先物6月限の特別清算値(SQ)9747円を明確に上抜け、4月10日に付けた直近高値の9962円が次のチャート上の戻りめどになる。同水準の回復は、チャート分析上で先高観を示す『ダブルボトム』の形成につながるからだ」
「国内企業の想定為替レートは1ユーロ=120円、1ドル=90円。足元の水準は1ユーロ=110円程度、1ドル=92円程度。想定レートに対しユーロは10円の円高、対ドルは2円の円安だ。ユーロの振れの方が大きいが、国内企業業績に占める海外比率は欧州に比べると米国が断然大きい。悲観しているほど企業業績は悪くないのではないか」 記事:東京 鷺池秀樹 Hideki Sagiike PR |
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