「京都！天下無双の別荘群」（京都の休日１４０）

　京都・東山。

　観光に訪れた人々が必ず足を運ぶ、名所が集まっています。
しかし、そこに、どんなガイドブックにも載っていないお屋敷が
あることをご存じでしょうか？
多くの人でにぎわう中、その屋敷は、いつも固く門を閉ざしています。

今日は特別に中をご案内しましょう。

･･･ってことで、昨夜午後８時からＮＨＫ総合ＴＶ「ワンダー×ワンダー」で
放送していた一部ではありますが、動画がありますのでご紹介します。

　庭に入ると、外の喧噪（けんそう）は嘘のよう。
まるで深い森に分け行ったかのようです。

細流（粼：せせらぎ）に耳をすませば、そこは、まさに現代の桃源郷。
明治から大正にかけて、政財界の頂点を極めた人々が富を注ぎ込んだ屋敷。
きょうは、あなたの心と体を潤す、京都の秘められたユートピア。
東山の懐に抱かれた贅沢な別荘の魅力をたっぷりとご堪能あれ。

ワンダー×ワンダー「京都！天下無双の別荘群」

[30回]

◆極上の庭と建物◆

　古都・京都。年間5000万人もの観光客が訪れる京都にあって、
ガイドマップに一切載らず、ひっそりとたたずむ別天地があります。

　南禅寺界隈の別荘群。

　明治維新で召し上げられた9万坪もの広大な南禅寺の敷地を、
明治から大正時代にかけて勃興した政財界の大物が買い求め、
持てる財力と美意識の全てを注ぎ込み、
競い合いながら作り上げた極上の空間が15軒、
今にそのまま残されています。

　一般に公開されることのなかった別荘の数々。
東山の豊かな緑に囲まれた、堂々たるお屋敷をどうぞご堪能ください。

◆水の庭の競演◆

　南禅寺界隈の別荘の特徴は、それぞれの庭を流れる豊かな水。
実は、この水は明治時代に作られた「琵琶湖疏水（そすい）」です。

水はトンネルをくぐりながら、東山を通り、南禅寺へ運ばれます。
別荘の主たちは、この豊富な水を引いて思い思いの趣向を凝らした滝や池、
細流（粼：せせらぎ）のある広大な庭園を造りました。
そして、最高の木材と匠による数寄屋の技を結集し、
失われゆく日本の美を個性豊かにこの地に結実させたのです。

◆流転の歴史◆

　明治のはじめ、自然と溶け合う理想郷を目指した南禅寺界隈の別荘は、
その後、幾たびも大きな変化を迎えることになります。
しかし、そのたびに主は変わっても、受け継がれていく大切なものがあります。

ある主は、受け継いだ別荘を「大切な預かり物」だと言います。
時代の荒波をくぐり抜けてきた南禅寺界隈の別荘群は、
100年の時を経て、今も輝き続けています。

　明治の政財界の大物たちが、持てる美意識と財力のすべてをつぎ込んだ
別荘群のご紹介です。

その別荘群を、それぞれの最も美しい季節にとらえ、
時空を超える極上の美を堪能する映像なのですが、
全体の1/8程度しかなく残念です。
再放送がありますのでご興味があれば観てくださいね♪
【再放送】 2010年7月6日　火曜日　午前1時05分～1時49分 総合

　歩いたことがある方も多い京都・南禅寺界隈に、
どんなガイドブックにも載っていない別荘が
１５軒もあるって、ご存知でしたか？

映像では、その扉がドーンッと開きます！！

「碧雲荘（へきうんそう）」 １５軒の中で最大規模の７０００坪を誇り、
建てたのはなんとあの野村證券でお世話になっている「野村財閥」の創設者！！

今回、ＴＶで取り上げられていたのは、

◆對龍山荘（たいりゅうさんそう）
◆碧雲荘（へきうんそう）
◆何有荘（かゆうそう）
◆流響院（りゅうきょういん）
◆清流亭

◆◆對龍山荘（たいりゅうさんそう）◆◆

　薩摩出身の実業家伊集院兼常の別荘として建てられ、
のちに市田弥一郎（京呉服商）の所有となって、建築、庭園が改造された。
小川治兵衛の作庭と考えられている。

　中村昌生（82）京都工芸繊維大学名誉教授は
「庭屋一如（ていおくいちじょ）」＝庭園と建物が一体になっていると解説。
離れの「聚遠亭（じゅおんてい）」は床が24ｃｍと低く、
庭のせせらぎが流れ込んで来るかのよう。

◆◆碧雲荘（へきうんそう）◆◆

　野村徳七が別邸としてつくり、今も野村グループの所有。
17棟の数奇屋造りの建築物は北村捨次郎らの設計、庭園は小川治兵衛の作。
　平成18年「借景を生かした庭と調和した近代和風住宅建築」の到達点として、
重要文化財に指定された。
大書院には、狩野元信の「大滝図」がある。九つの茶室。
　能舞台（野村徳七は五十代の終りに能に出会い、
その庇護者となった、昭和15 年完成）。
　野村徳七のコレクションは、野村美術館（京都市左京区南禅寺下河原町61）で
春季と秋季に展示。

碧雲荘ホームページ
http://hekiunsou.jp/

◆◆何有荘（かゆうそう）◆◆

　旧稲畑勝太郎（稲畑産業）邸。
近代日本庭園の先駆者といわれる七代目小川治兵衛（通称・植治）作の庭園。
建物と庭園で「和楽庵」と称された。
　所有者が二代目の大宮庫吉に変ると
「何か有る様で何も無い。何も無い様で何か有る」という禅の言葉から
「何有荘」と命名され、現在に至る。
　傾斜地を利用した庭園内には「瑞龍滝」と呼ばれる滝などに、
琵琶湖疏水からの豊富な滝水を落としている。
防空壕が茶室への路地になっている。
　そして「何有荘」は、川井徳子さんという実業家の方が蘇生させたのですが、
昨年クリスティーズのオークションで米国人が落札したそうです。

◆◆流響院（りゅうきょういん）◆◆

福地庵→巨陶庵→織寶苑（しょくほうえん）→流響院（りゅうきょういん）
七代目小川治兵衛の作庭。　四代所有者が変る。
　地元の開発業者・塚本与三次→三菱の総帥岩崎家→
→米軍が接収して宿舎（三家族が暮し、まったく姿を変える･････
（煙突、トイレ、タイル張りのバスなど）→
→昭和28年織物業者（タツムラ・シルク？）が元に戻す→
→三年前、ある宗教団体（真如苑）が入手、庭と建物の再現・修復をした。

そのほか･････

清流亭（旧塚本邸」
有芳園（住友）
真々庵（松下電器）
織宝苑（龍村美術織物）
無鄰菴（むりんあん）は山縣有朋の別邸で七代目小川治兵衛の作庭。
清風荘（旧西園寺公望邸）
智水庵（横山隆興別邸）
怡園（いえん）（旧細川護立別邸）
旧上田秋成邸
洛翠（旧藤田小太郎邸庭園、現 ゆうりぞうと京都洛翠：郵政省共済組合宿泊施設）
旧寺村助右衛門邸 明治28年（現 料理旅館・料亭 菊水）

　ちなみに下世話な話なのですが、上記のような京都の別荘（別邸）が
売りに出されたとして、購入する金額は、おおよそ30億円～50億円程度
なのですが･････これは全く問題ではありません。

問題なのは、年間に掛かる維持費です。
庭の手入れや屋敷の手入れ等･･･その他、
最低でも年間２億円程度は見積もって下さいませ。

それが可能になって初めて所有できます｡｡｡
まぁ～勿論それ以前に「値打ち（価値）が理解出来る」･･･
･･･って処が非常に大切なのですが･････

※時折状況が変わりますので、訪問時には各自ご確認下さい。