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2010 05,22 09:00 |
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【日本株週間展望】自律反発、短期的に売られ過ぎ-不安解決には時間 5月第4週(24-28日)の日本株相場は、自律反発する見込み。欧州債務危機への懸念から一時的に下値を試す動きが予想されるものの、株価下落が急ピッチなことで短期的な売られ過ぎや株価の割高感解消から徐々に見直し買いが入りそう。直近で下げが大きかった金融や輸出関連株などの反発が予想される。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
りそな銀行の戸田浩司チーフ・ファンド・マネジャーは、「市場の不安はギリシャの財政問題からリーマン破たん後の後遺症を引きずる欧州金融問題に移っている」と指摘。同問題が落ち着くにはあと数カ月かかるが、「売りの加速には行き過ぎ感がある」と見る。 第3週の日経平均株価はその前の週に比べ、6.5%(677円)安の9784円で終了、昨年12月2日以来、5カ月半ぶりの安値に落ち込んだ。週間では昨年1月第2週(6.9%)以来の下落率を記録した。 欧州のソブリン債危機を受けた金融混乱への対応で欧州諸国の足並みがそろわない中、南欧諸国の国債に端を発した欧米金融機関の損失懸念が膨らみ、金融機関のソルベンシー(支払い能力)リスクにまで疑念が生じつつある。「現在の市場の混乱は、金融システムが機能不全に陥り、それが世界経済に悪影響を及ぼす最悪シナリオを織り込み始めている」と、マネックス証券の村上尚己チーフエコノミストは言う。 さらに混迷を深めているのが、ドイツが打ち出した欧州国債と一部の独金融株のネーキッド(現物による裏付けを伴わない)の空売り禁止措置。同国の動きは他国との政策連携が取れていないとの不安につながっているほか、投資家にとって「リスク資産をヘッジする手段が失われることは痛手で、リスク資産そのものを圧縮せざるを得ない」と、東海東京調査センターの隅谷俊夫投資調査部長は話している。
グローバルにリスク資産を圧縮する動きが強まり、20日の米ダウ工業株30種平均の下げ幅は376ドルと、2009年2月10日(391ドル)以来に達した。5月に入って米ダウが200ドル超下落する日がすでに3日を数える異常事態にある。米株下落に備えた保険の役割を果たすオプションの価格に連動するシカゴ・オプション取引所のボラティリティ指数(VIX指数)は20日、45.79に急上昇。リーマンショック後の金融不安が根強く残っていた09年3月以来の高水準となった。 こうした結果、投資マネーは株式や商品市場から、相対的に安全性が高い債券市場に流れている。グリーチャー・セキュリティーズのマネジングディレクター兼金利取引責任者、ラス・サート氏はリスク回避が鮮明になっているのは政治危機から来ているとし、「投資家は投資判断にファンダメンタルズやテクニカル分析といった従来の基準が使えなくなっており、リスクテークを避けつつある」との認識だ。 大和証券キャピタル・マーケッツ金融証券研究所・投資戦略部の高橋和宏部長は、「日経平均が9500円を割り込むと、金融危機を感じる7000 -9500円のレンジに突入する」とし、政策面でユーロ安・円高の流れを食い止められるかが焦点で、「相場の先行きは政策次第」と見ている。米国のガイトナー米財務長官は26-27日にドイツと英国を訪問し、欧州の債務危機について協議する予定。各国の政策に対する失望が高まるようなら、下げが拡大する懸念もある。
一方、株価の下落ピッチの速さから、テクニカル面では下げ過ぎシグナルも出ている。東海東京調査センターによれば、米ニューヨーク株式市場の上昇銘柄数と下落銘柄数の割合を示す騰落レシオは20 日に75.6%まで低下し、米国株が歴史的安値を付けた昨年3月時点の64%に接近した。米ダウは4月高値から1カ月間で10%下げた。 大和住銀投信投資顧問の門司総一郎投資戦略部長は、「欧州ソブリン危機の震源地だったギリシャの10年債利回りがピーク時の12%台から7-8%台へとやや落ち着き、ユーロも対ドルで20日から持ち直しの動きとなり、悪材料は徐々にねた切れになっている」と言う。
金融緩和と世界景気の回復を背景に、投資家が株式などのリスクを積極的に取る動きが足元で鮮明化したのは3月以降。米ダウが2月安値9835ドルに近付きつつあることで、過度なリスクテークの反動はいったん一巡しやすい。また、米商品先物取引委員会(CFTC)の週間データによると、ヘッジファンドなど大口投機家のユーロの売り持ちポジションは、11日時点で買い持ちを11万3890枚上回り、差引で過去最高。きっかけがあれば、逆回転しやすい水準にある。 日本株も、東証1部の騰落レシオが21日に69%と、5カ月半ぶりの低水準になった。4月27日まで30倍台で推移していた東証1部のPER(株価収益率)は、18倍に低下。三菱UFJ投信運用戦略部の石金淳シニアストラテジストは、「株価下落と収益改善が同時に進んでいるため、日本株のPERは急激に下がっており、日経平均は9000円台半ばまで下落したとしても、長続きしない」と強調する。 東証33業種で月初来下落率の上位は、その他金融、海運、精密機器、不動産、証券・商品先物取引、電気機器、その他製品、機械など。市場が落ち着きを取り戻せば、これら業種には見直し買いが入りやすいとみられる。 相場に影響を与え得る日程では、米国で24日に4月の中古住宅販売、25日に5月の消費者信頼感指数や3月S&P/ケース・シラー住宅価格指数、26日に4月耐久財受注などが発表される。国内では、28日に4月の消費者物価指数、完全失業率、家計調査などを予定。
●水戸証券投資情報部の門馬且康課長 「ひとまず反発局面を迎えるだろう。このところの相場急落は、現物株を保有したまま、先物にヘッジ売りを出す『つなぎ』が膨らみ、先物主導の下げにつながった色彩が強い。市場心理は過度の悲観に傾いているが、世界的にファンダメンタルズが回復局面にあることに変わりはなく、悲観センチメントが長続きする可能性は低いと見る」
「相場は不安心理が支配している。心理が好転する対応策として、ユ-ロ介入などが考えられる。日本株はPERなどで見ると明らかに割安な水準まで売られており、好業績銘柄に投資をするチャンス。リスク要因は、欧州連合(EU)内で意見が対立すること。その場合、ユーロ安が一段と進むだろう」
「足元の世界的な金融証券市場の混乱は、いろいろと仕掛けてきた向きがアンワインド(ポジションの解消)に入ったため。ただ、そろそろ落ち着くとも考えられ、第3週、4週が変化点の可能性がある。ドル・円相場は21日に5月7日の直近円高値を抜け、理想的なチャートとなった。これ以上の円高はないだろう」 記事:東京 長谷川敏郎 Toshiro Hasegawa PR |
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