ＮＹ株急落　１０００倍誤発注？
読売新聞　2010年5月7日
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/mnews/20100507-OYT8T00771.htm

■MILLION（１００万）のつもりがBILLION（１０億）に

　【ニューヨーク＝小谷野太郎】６日のニューヨーク株式市場でダウ平均株価（３０種）が急落したきっかけは、「大手金融機関による誤った取引」（金融筋）との見方が広がっている。

　主要銘柄である日用品大手Ｐ＆Ｇや化学大手スリーエムの株価が、明確な理由が不明なまま４～２割前後も急落した。大手金融機関が売り注文を出す際に、「ミリオン（ｍｉｌｌｉｏｎ＝１００万）」と「ビリオン（ｂｉｌｌｉｏｎ＝１０億）」を誤って入力した可能性がある。これに、株価が一定以上の比率で下落した際に、損失を回避するために自動的に売り注文を出す証券会社のコンピューターシステムによる取引が下落に拍車をかけた。

　米証券取引委員会（ＳＥＣ）などは６日、異常な取引について調査する方針を表明した。

　ニューヨーク証券取引所と、ナスダック店頭市場を運営するナスダックＯＭＸグループは６日、相場が急落した午後２時４０分～同３時に、株価が６０％以上変動した取引をすべて取り消すと発表した。

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[7回]

　これには時期も時期だっただけに色々とウワサは流れていますが、
この事件で思い出されるのが、

『みずほ証券のジェイコム株誤発注』事件ですねぇ～･････

ワタシは直接、リアルに観ていたのですが、真坂･･･と思い、
眺めているだけでした｡｡｡　今から思えば情けない！

この『みずほ証券のジェイコム株誤発注』事件の場合、
東証のシステムに問題があったにも拘らず、その責任を取ることも無く、
約定を無効にしようともしなかった。
（その後の裁判で東証は１０７億円の賠償を求められる判決が下った。）

　今も控訴審で争っているので、東証は自らの過ちを認めてはいない。

　日本では、たとえ間違いであっても一度起きた取引は絶対にキャンセルを
しないこと、すなわち、市場全体に大きな影響があっても、
個々のルールを守ることを優先した。

　今回のＮＹＳＥとＮＡＳＤＡＱは、プログラムミスによる誤発注が
あったかどうかはともかく、株式市場の存在意義を
「秩序ある取引市場の維持」に置き、ミスによる誤発注で市場を混乱に
陥れないことを主眼として一部の取引を無効にした。

すなわち、個々のルールよりもフェアな取引ができることを重んじたのだ。

　昔英国にいた時に、日々地元の銀行を使っていたのだが、
機械の調子が悪くて、　キャッシュカードをＡＴＭ機に食べられてしまい、
カードが出て来なくて慌てたことが何回かある。

　窓口でも、要領を得ない行員がいたりして、営業時間が終わった後に、
現金残高が果たして合うのかと疑問に思うこともしばしばだ。

　しかし、一旦信頼関係が生まれれば、窓口や電話での対処では真摯に、
こちらのことを思ってくれつつも、合理的な対応をしてくれるので、
信用できる取引が出来た。

　一方、日本の銀行は機械も人も正確で、１円たりとも誤らない。
しかし、手続きをする段になると、お役所の何倍も杓子定規になって
全体に何の影響もないちょっとミスでも面倒なくらいうるさくて、
話が前に進まない。

　こうした彼我の銀行の態度を、ワタシはこう言っている。
「日本の銀行は信頼できるが信用できない。
英国の銀行は信頼出来ないが信用できる。」

　あなたは「信頼できるが信用できない人」と
「信頼出来ないが信用できる人」のどちらが良いですか？

１０秒で読む日経！より一部抜粋