5/31 朝の『株価材料』PART Ⅱ

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■株価材料

▼日航<9205>が商社に増資要請、新型機導入へ１０００億超を検討
経営再建中の日本航空が、双日<2768>や三井物産<8031>、伊藤忠商事<8001>など大手商社を引受先に計１０００億～１５００億円の第三者割当増資を検討していることが３０日、明らかになった。日航を巡っては、金融機関に対して２０００億円規模の資本支援を要請していることが明らかになっており、合わせて３０００億～４０００億円規模の資本増強となる見込みだ。新たな増資の引受先となる商社は、航空機の購入やリースなどで取引関係がある。三菱商事などにも要請する可能性がある。発行するのは、議決権がない代わりに普通株より優先して配当を受け取ることができる優先株となる見通しだ。６月２６日の株主総会までの合意を目指しており、主力取引銀行などとの調整を経て、今夏にも実施したい意向だ。
（読売新聞）

■セコム<9735>　テレビＣＭの内容変更へ　人の猛獣変身に不快感
大手警備会社のセコムは、放映中のテレビＣＭを中止し、６月１日から別の内容のものと差し替えることを決めた。　放映を中止するのは、子どもや女性が携帯機器のボタンを押せば、セコムが現場に急行する「ココセコム」のＣＭ。道行く人や電柱で作業中の人が突然、猛獣などに変身する内容で、「ごく普通の人が犯罪者になりうることを比ゆ的に表現した」という。　しかし同社は、このＣＭが、電設工事などに携わる人たちに不快な思いをさせたと判断し、中止を決めた。
（毎日新聞）

△ＫＤＤＩ<9433>、法人向け携帯電話事業強化へプリセット能力倍増
ＫＤＤＩは法人向け携帯電話事業を拡大するため、社内外の体制を強化する。納入先のニーズに合わせて携帯端末にアプリケーション（応用ソフト）をあらかじめ搭載する作業を行う拠点の能力を月３万台から６万台に倍増。また販売代理店を拡大するほか、電話やメールで情報提供を行うテレマーケティング型の販促活動にも乗り出す。大手企業向けへの取り組みとして同社は、携帯電話とソリューションをセットにした提案を強めている。このため携帯電話にセキュリティー機能や業務系アプリケーションといった納入先企業が求める機能の搭載作業を手がける「プリセットセンター」（東京都大田区）の処理能力を倍増。物流センターに隣接している立地を生かし、搭載作業が完了次第、顧客に直送することで納期についても短縮する。中小企業の開拓では、既存の携帯電話販売代理店のほか、新たにＯＡ機器販売業者やシステム構築（ＳＩ）事業者も組織化。簡易なソリューションと携帯電話をセットで提案する活動を強化する。同時に外部のテレマーケティング事業者と組み、単なる電話によるセールスではなく、企業が求める情報を提供しながらニーズを探り出し成約に結びつける、といった新たな販促手法も導入する。ＫＤＤＩは０７年度の携帯電話事業戦略として、法人市場の開拓を主要施策に位置付けている。携帯電話契約者２８４３万件における法人契約の割合は明らかにしていないが、市場全体では８％程度が法人契約と想定されまだ大きな開拓の余地があると見ている。

△ＮＥＣ<6701>、データセンター向け事業強化へサポート拠点開設
ＮＥＣはデータセンター向け事業を強化する。サーバの導入コンサルティングなどを行うサポートセンターを６月１日に開設。サポート体制を充実し、データセンター事業者へのサーバの販売促進につなげる。サポートセンター「エクスプレス５８００ｉＤＣビジネスサポートセンター」は１０人程度の要員でスタート。サーバシリーズ「エクスプレス５８００」製品に対し、導入前のハードウエアや基本ソフト（ＯＳ）の選定を無償支援する「導入前コンサルティングサービス」を提供する。また顧客指定のアプリケーション（応用ソフト）などをインストールする「キッティングサービス」のほか、筐体やファームウエアなどのカスタマイズ（個別対応）を行う「ライトカスタマイズサービス」を用意した。一部のサービスは有料になり、キッティングサービスの場合、最低価格が１台１万円から。センターはサービス内容の紹介や最新情報などについても提供。顧客との接点を持つことで市場のニーズを収集するアンテナ機能の役目も果たす。

△ＮＴＮ<6472>、専用モーター不要の両面印刷向け用紙反転ユニット開発
ＮＴＮはプリンターやコピー機で用紙の両面印刷時に専用モーターなしで紙送りを反転できる装置「事務機用紙反転ユニット」を開発した。別の紙送りモーターから動力を流用し、三つの歯車の組み合わせで紙送りを正方向と逆方向に切り替える。専用モーターを内蔵する場合に比べ約２５％コストを削減できるという。事務用印刷機の部品として０８年度に２億円の販売を目指す。

△三菱電機<6503>エンジ、ＥＭＣサービス拡大－広島・福山に大型電波暗室
三菱電機エンジニアリングは電磁環境適合性（ＥＭＣ）・安全認証取得サービス事業を拡大する。電子機器が出す電磁波の確認や対応策についてのニーズが高まっているためで、広島県福山市に大型電波暗室を新設するほか、新たに車載用電子機器の試験測定を始める。この分野で０６年度６億４０００万円だった売上高を２０１０年度には１０億円にする。福山市内で用地を取得し、２億円を投じて１０メートル法対応の大型電波暗室を建設する。敷地面積は１５００平方メートルで、暗室の大きさは幅１４・５メートル、奥行き２１・５メートル、高さ９メートル。６月着工、１２月に稼働する。

△三菱重工<7011>、ニチユ<7105>との提携強化－フォーク事業で世界シェア３位狙う
三菱重工業が建設機械とフォークリフトで「選択と集中」の路線を明確に打ち出した。米キャタピラーとの折半出資合弁会社、新キャタピラー三菱の経営主導権を米キャタに移譲する交渉を２月に始めた一方、フォークについてはニチユへの出資比率を７・７％から２０％に引き上げ。関係強化で「国内は２位、世界は３位のシェアをねらう」（吉田雄彦取締役常務執行役員汎用機・特車事業本部長）と強気だ。建機は実質的に撤退し、フォークは打って出る―。三菱重の戦略と意図を探った。（今西丈典）「出資比率を引き上げたからといって、（経営を）どうにかしようという意図はない」―。三菱重工業の吉田取締役は、２４日に発表したバッテリー式フォーク大手のニチユとの提携関係強化について「力技の資本増強ではない」と強調した。汎特事業本部はフォーク、汎用エンジン、ターボチャージャーなどを担当。

△エフテック<7212>、米オハイオの工場拡張－ホンダ<7267>新工場からの受注に対応
エフテックは米国オハイオの工場を拡張する。０８年秋に稼働予定のホンダのインディアナ新工場からの受注に対応する。０８年中旬までをめどに、建屋を増築して３０００トンのトランスファープレス機を１基設置。溶接ラインも一部拡張し、サスペンション（懸架装置）やペダル類を増産する。投資額は今後詰めるが、プレス機だけで５億円以上になる見通しだ。従業員も若干増員する。ホンダ系部品メーカーは、ホンダの新工場に合わせて、工場新設や既存拠点の拡張を進めている。エフテックは当面、オハイオの拠点からの仕向けで対応することにした。同社現地法人のエフアンドピーアメリカ・マニュファクチュアリングの工場設備を増強する。新設するプレス機のほか、大型部品は０６年に導入した、水圧を使って複雑な形状加工が可能なハイドロフォーミング用の高圧プレス機２基を活用する。

△ＴＣＭ<6374>、フォーク・建機の納期を短縮－１０億円投じ効率化
ＴＣＭは０７年度中に、フォークリフトと建設機械のスキッドステアローダーの納期を従来の約３週間から２週間に短縮する。滋賀工場（写真、滋賀県近江八幡市）の部品加工と塗装、組み立てライン、溶接などの各工程の同期化を進め、生産を効率化することで短納期化を実現する。投資額は約１０億円。仕掛かり在庫や残業代の圧縮にもつなげ、高騰する資材や機材などのコスト増加を吸収する。今秋から新設備の導入を順次進める。溶接のロボットシステムラインを２ライン新設し、フォークリフトのフォークを昇降させるマストの製造工程の生産能力を増強。車体組み立てラインに比べ１日１０台程度少ない生産能力を引き上げ、組み立てとの能力差をなくす。塗装工程も２ライン増設し、これまでの夜勤を含む２交代制から、交代なしの日勤に改める。

△豊田織機<6201>、ユニット式パレット用自動倉庫を１０年ぶり一新
豊田自動織機は３０日、製造業や運輸業向けのユニット式パレット用自動倉庫「ラックソーターＰ」（最大荷重１トンモデル）を１０年ぶりにフルモデルチェンジし、発売した。故障時に自動倉庫の早期復旧を支援する機能を盛り込むなど、安定稼働に配慮したのが特徴。価格は１７０１万２０００円から。２０１０年に０６年実績比約６割増の４５０基の販売を見込む。新自動倉庫は、異常時に異常内容と復旧手順を操作盤のカラー液晶タッチパネルに図解表示し、早期復旧を支援できる。自動倉庫の部品の交換時期も自動で操作盤画面に表示。故障を未然に防ぐ機能も盛り込んだ。

△オークマ<6103>、コスト削減へ物流センター改築
オークマは１０億円を投じ本社工場（愛知県大口町）の、部品や材料を扱う物流センターを０７年中に建て直す。これに伴い、情報システムも更新する。工場内での工作機械の部品物流を効率化し、コスト削減を加速するのが狙い。同社は総合的な物流コスト削減を目指し、機種ごとに一貫生産体制を構築中。同センター改築もこのコスト削減策の一環。同社は統合業務パッケージ（ＥＲＰ）を活用した生産システム「オークマ式ＥＲＰ生産」を導入している。受注した段階で製品のデータを流す生産方式で、リードタイム短縮など生産効率向上につなげている。しかし実際の運用では情報が先行し過ぎて、物流との間にズレが生じるケースもあるという。このため物流センターを改築して物流精度を高め、ズレを減らす考え。

△ＳＵＮＸ<6860>、金などに高精度な印字を行うレーザー装置を発売
ＳＵＮＸは３０日、金や銅などに高精度な印字を行う「グリーンレーザマーカＬＰ―Ｇシリーズ」装置を発売した。波長５３２ナノメートル（ナノは１０億分の１）のレーザーを採用。金属や樹脂などに深さ１０マイクロメートル（マイクロは１００万分の１）以下で０・１ミリメートル四方に文字を書き込める。実勢価格は約８００万円。電機・半導体関連メーカーを対象に年間２００台の販売を見込む。レーザー発振器の構造を最適化し、コンパクトで高出力のレーザー照射を実現。一般的な印字機のレーザー波長の半分の波長を用い、材料を傷つけずに高精度な印字を可能にした。平均出力は６ワットで、印字範囲は１００ミリメートル角。漢字や英数字、記号などが印字できる。このほか今夏にはレーザーを使ったカラー印字機を発売する。レーザーを照射して金属に酸化膜を形成。膜厚を変えることで異なる反射光をつくり、赤や青など五つの色を表現する。

△日平トヤマ<6130>、コマツ<6301>と建機仕様のトランスファーマシン開発へ
日平トヤマは建設機械向けに工作機械販売を強化するとともに、コマツと共同で建機仕様のトランスファーマシンの開発を始める。資本提携したコマツと日平トヤマの協業の一環。コマツの協力会社が日平トヤマの機械を購入するほか、日平トヤマは建機業界への販路拡大を進め、コマツと協力会社は自社仕様の日平トヤマ製機械の導入により生産体制の強化を狙う。建機のキャビンを生産するコマツの協力会社が順次、日平トヤマの３次元レーザー加工機を導入する。コマツの協力会社が日平トヤマの機械を導入するのは初めて。日平トヤマは協業により販路拡大を実現する。日平トヤマはコマツと協力し、コマツ仕様のトランスファーマシンを開発する。日平トヤマは自動車向けのトランスファーマシンを扱っているが、建機向けにはほとんど実績がなかった。コマツの生産ノウハウを生かし、建機向けの大型部品を加工できるトランスファーマシンを開発する。

△ティラド<7236>、独ベーアと欧の日系メーカー向けに車部品の共同提案
ティラドは提携先の独ベーアと、欧州の日系乗用車メーカー向けに自動車部品の共同提案に乗り出す。ティラドのラジエーター（熱交換器）やＥＧＲ（排気ガス再循環装置）クーラー、ベーアのエアコンなどを組み合わせて提案し、拡販を狙う。国内ではすでに日系トラックメーカー向けに同様のスキームを採り入れ、システムとして受注に成功。強みのある自動車部品の相互補完を通じ、新規顧客を開拓する。共同提案は独シュツットガルトにある合弁会社で行う。ティラドにとっては、自社で生産していないエアコンなどをラジエーターやディーゼルエンジン用のＥＧＲクーラーと組み合わせて提案でき、単品より自動車メーカーから受注がしやすくなるメリットがあるという。ティラドとベーアの提携は、ティラドがベーアが持つ大型実験設備を活用するなど、技術的な連携がメーンだった。販売でも連携を本格化し、欧州事業を拡大する。

▼昨年度の車メーカー再資源化実績、トヨタ<7203>・ホンダ<7267>が７０％未満
自動車リサイクル法で実質２年目となる０６年度の自動車メーカー各社の再資源化実績がまとまった。カーシュレッダーダスト（ＡＳＲ）を処理する国内２グループの処理と費用対効果に対する考え方の差を受けて、トヨタ自動車・ホンダグループがＡＳＲ再資源化の最終目標の７０％まで行かず、日産自動車・三菱自動車などＡＲＴグループは７０％を実現する結果となった。収支はほとんどの企業が「ほぼ予定通り」の赤字。引き取り台数は３５７万台で、輸出を合わせると５００万近くに達しており、廃車のほとんどが「見えるかたち」で処理されている。同法では全体の２０％程度を占めるＡＳＲの処理目標をまず３０％とした上で、２０１０年までに５０％、２０１５年までに７０％まで高め、全体で９５％のリサイクル率を実現しようとしている。

△双葉電子<6986>、スイッチ８個で操作パターン豊富な遠隔操作装置を発売
双葉電子工業は周波数４２９メガヘルツ帯の特定小電力無線で産業機器を遠隔操作する装置「ＦＲＱ―０８０１」を６月４日に発売する。リモコンの操作スイッチを従来の六つから八つに増やして操作パターンを豊富にしたほか、受信機を防水仕様にして屋外設置を可能にした。油圧機器や土木建築機械に取り付けて遠隔制御する。無線の有効距離は約８０メートル。価格はオープンで実勢１８万円前後。初年度３０００台以上の販売を目指す。

△鹿島<1812>、国内最大級の焼酎かすリサイクルシステムを霧島酒造に納入
鹿島は高温で有機性廃棄物をメタン発酵し再資源化する独自開発の「メタクレスシステム」を用いて、霧島酒造（宮崎県都城市）向けに日量４００トンと国内最大級の焼酎かすリサイクルシステムを完成、納入した。固形分も一緒に発酵して処理することで、最終処分する残さの発生をほとんどなくした。また発生熱をフル利用し、既存のメタン発酵装置の前処理で取り出した固形分を乾燥。市場が沸騰している飼料として販売する高いエネルギー効果も実現している。メタクレスシステムは微生物を高温でも住み着かせることができる担体（炭素繊維の不織布）を用いて５５度Ｃでメタン発酵し、有機性廃棄物から従来の２倍以上の高い比率でメタンを取り出す。今回、霧島酒造が本社工場に設置したシステムは焼酎カスを１日４００トン処理する。食品廃棄物のメタン発酵システムでは日本最大規模となる。２６億５０００万円を投じて導入した。

△４月の都市ガス販売、工業用続伸し３．１％増
日本ガス協会が３０日発表した４月の都市ガス販売量実績は、前年同月比３・１％増の３０億３２４万立方メートルとなり、２カ月連続で増加した。気温が昨年より高めに推移したことで家庭用は６カ月連続、商業用は５カ月連続でマイナスとなったが、大きく伸びた工業用が補った格好だ。工業用は同１４・０％増の１４億２４５５万立方メートルで、５カ月ぶりに２ケタ増を記録。
特に同２６・２％増を記録した西部ガス<9536>の伸びが際立っている。家庭用は同６・０％減の１０億１１９８万立方メートルで、商業用は同１・９％減の３億６０１５万立方メートル。家庭用は顧客数は増えているものの気温高が響いた。その他用（病院・公共施設など）は同６・１％減の２億６５５４万立方メートルで、工業用以外は総じて不振。

△ハリマ化成<4410>、兵庫・加古川に鉛フリーハンダペースト材の新生産棟
ハリマ化成は加古川製造所（兵庫県加古川市）内に、鉛フリーハンダペーストなどの材料となるロジン（松やに）系フラックスの生産棟を新設する。海外を中心としたペーストの需要拡大に対応するのが狙い。同社は生産棟の新設などにより、電子材料事業の売上高を２０１０年３月期で０７年３月期比２倍弱の９０億円に引き上げる。新生産棟は加古川製造所内の倉庫跡地に設置、９月の完成を予定している。投資額は約５億２０００万円。敷地面積は約８００平方メートル、延べ床面積約１３００平方メートルの３階建て。ハンダに使用する金属粉の内製化設備も導入する。生産能力は明らかにしていない。ハンダペーストは自動車や電子基板向けを中心に日系企業からの需要が高く、フラックス生産を強化することにした。供給は米国、中国、マレーシアのほか９月の稼働を予定するチェコの各子会社を通じて行う。

△日本金属<5491>、今年度の設備投資を倍増－極薄ステンレスなど増強
日本金属は０７年度の設備投資を前年度比で倍増させる。付加価値の高い極薄ステンレスなどの生産能力を高めるため、２０億円を投じて最新鋭の圧延機を導入するなど、減価償却費込みの投資額を前年度の実質１６億円から３０億円に引き上げる。オフィス機器や情報家電、ゲーム機の内蔵部品向けに精密ステンレスの需要が増えており、新設備導入後、高付加価値製品の比率を、数量ベースで現在の７１％から今年度末までに８０％へ高める。板橋工場（東京都板橋区）にステンレスの極薄鋼帯・箔用圧延機を１０月までに導入する。これにより５０００トンのトータル月産能力うち同４０００トンを高付加価値品が占めるようになる。全製品の平均の厚さも現在の０・４ミリメートルから０・３ミリメートル台まで下がると見ている。同社の高付加価値品は厚さ０・３ミリメートル未満のステンレス鋼とバネ、高輝度ステンレスで構成する。

△水産・冷食６社、０７年３月期－養殖拡大で４社増収
水産・冷凍食品大手６社の０７年３月期（加ト吉は修正値）が３０日出そろった。世界的に魚価が高止まりする中、養殖事業の拡大や水産物の取扱量を増やした４社が増収を確保。ただ、欧米・中国をはじめ、国際的に水産物の需要が増加し、水産物の仕入コストが上昇していることから、利益面ではまだら模様となっている。また、不正取引が発覚した加ト吉<2873>は当期赤字に転落する見込み。水産事業では南米の養殖事業拡大や北米の水産物販会社買収が寄与した日水<1332>、カンパチやハマチなどの養殖部門が好調な上、荷受事業も伸びたマルハ<1334>が、それぞれ増収、営業増益となった。一方、取扱商材の見直しを進めたニチレイ<2871>、「水産物の“買い負け”の状況が続いている」ため取扱数量が減少したニチロ<1331>は減収。極洋は買い付け量は拡大したものの、仕入コスト上昇で営業減益。

△エディオン<2730>、原価引き下げへ提携２社と仕入れ統合
エディオンは経営統合先や提携先との仕入れの統合に乗り出す。傘下のミドリ電化とは４月からスタートしているが、「１００満ボルト」を展開する資本提携先のサンキュー（福井市）とも９月から開始する。また、経営統合を撤回して提携関係を続けるビックカメラとは、一部消耗品などの共同仕入れや開発を１０月から始める計画。エディオンの今期（０８年３月期）の業績見通しは、サンキューの売り上げが上乗せされ、８６００億円と１兆円に迫る。拡大する規模を背景に仕入れを統合することで原価引き下げにつなげる。ビックカメラとは３％ずつの株式持ち合いにとどめたため、ナショナルブランド（ＮＢ）商品の仕入れ面でメーカーから有利な条件は引き出せない。だが、４月からミドリ電化との仕入れ統合に着手、今期は粗利益率で「１・２―１・３％」（久保允誉エディオン社長）の改善効果が見込まれるという。
（日刊工業新聞）

△ＧＭＯインターネット<9449>　独自電子認証を世界展開　売上高３５億円めざす
ネットインフラ事業を展開するＧＭＯインターネット（東京都渋谷区）は３０日、欧州で展開している独自ブランドの電子認証サービス「グローバルサイン」を７月から日米の両市場で提供すると発表した。年内には中国でも販売を開始し、世界展開に乗り出す。２０１０年に売上高を現行の３倍強の３５億円に引き上げる計画だ。電子認証は、接続先のサーバーが偽装された偽サイトでなく正式なものであることを確認するために、第三者である電子認証局の証明書を発行するサービス。今回の計画では日本で「ジオトラスト」ブランドの電子認証を販売していた子会社の日本ジオトラストの社名をグローバルサインに改称。７月から「グローバルサイン」ブランドを優先的に販売する。自社開発の強みを生かし、証明期間の小刻みな設定ができるようにするなど世界初のサービスを次々に導入する。また、７月には電子認証の世界最大市場である米国に現地法人を設立するほか、年内には将来の市場拡大を見込んで中国にも現地法人を設立。日本から世界へ「グローバルサイン」ブランドを発信する。ＧＭＯグループは、０３年に米ジオトラストの日本における独占販売権を取得して国内シェアを約３０％へと引き上げ、首位のベリサインを追い上げてきた。しかし、米ベリサインが昨年５月に米ジオトラストを買収したことで、「ジオトラスト」ブランドの先行きが不透明となった。このため昨年にベルギーの認証局「グローバルサインＮＶ」と、「ジオトラスト」ブランドを欧州で販売していた英ジオトラスト・ヨーロッパ（グローバルサイン・ヨーロッパに改称）を買収。今回の世界展開を決めた。会見した熊谷正寿社長は、「生まれはベルギーですが、資本的には日本発のＩＴブランドとして応援してほしい」と話した。「ジオトラスト」ブランドもラインアップの１つとして今後も販売を継続する。

□半導体市場　初の３０兆円台へ
世界の半導体メーカー６８社が加盟する世界半導体市場統計（ＷＳＴＳ）は３０日、２００７年の世界の半導体市場規模が前年比２・３％増の２５３５億ドル（約３０兆３０００億円）と過去最高を更新するとの予測を発表した。日本円で３０兆円を突破するのは初めてで、ＷＳＴＳ日本協議会の小川敏夫会長は「パソコン向けが価格を維持し、携帯電話向けも２けた台の伸びを確保している」と要因を説明した。日本の市場規模は、５・４％増の５兆６９００億円と堅調な伸びを見込んでいる。しかし、０９年には０８年比３・１％増の６兆２７００億円と成長は鈍化する。小川会長は「アジア全体では市場が膨らんでいる。日本企業が生産拠点を海外に移していることが原因だ」と語った。
（FujiSankei Business i）