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2010 04,24 09:00 |
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【日本株週間展望】業績期待で小幅反発へ、米中金融政策には要警戒 4月第4週(26-30日)の日本株相場は小幅に反発する見通し。国内企業の決算発表が本格化するため、今期(2011年3月期)業績予想への期待感が高まりそう。ただ、引き締めへの懸念がくすぶる米国、中国の金融政策には警戒が必要なほか、ギリシャの財政問題も根深く、大型連休を前に上値は限られる。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
第3週の日本株相場は、日経平均株価が前週末比1.7%安の1万914円46銭で終え、3週連続で下落した。米国の金融検査当局が、米金融大手のゴールドマン・サックス・グループを証券詐欺があったとして民事提訴した「ゴールドマン・ショック」をきっかけに、リスク資産圧縮の動きが鮮明化。一方、心理的節目の1万1000円を下回った状況では、国内企業業績の改善を見込む買いが入り、下支えした。 国内企業の決算発表がこれから本格化する。主な発表予定は、26日に日立建機やキヤノン、27日はシャープ、コマツ、28日は野村ホールディングス、新日本製鉄、30日はTDK、三菱地所、信越化学工業など。1日に発表された日本銀行の企業短期経済観測調査(短観、3月調査)によると、2010年度の大企業製造業の経常利益は前年度比49.3%増と、当初の計画としては過去最大が見込まれている。 アジアなど新興国を中心にした海外需要の拡大やコスト削減効果などを背景に、今期は大幅増益が予想され、投資家の期待値は高い。三菱UFJ投信戦略運用部の石金淳シニアストラテジストは、「米国の雇用情勢が改善するなど新興国だけでなく、海外先進国の景気回復も明確になってきた。輸出関連企業を中心に日本の景気も回復に向かうだろう」と予想する。
強気派の心理を支えているのが、日銀短観の想定レートより円安にある足元の為替相場だ。短観によると、今年度の大企業製造業の想定為替レートはドル・円相場が1ドル=91円。ブルームバーグ・データによると、今年度に入った4月1日から前日22日までの1日当たりの平均値は同93円36銭と、想定レートより2円以上円安の水準にあり、輸出企業の業績上振れ期待が高まりやすい状況にある。 立花証券の平野憲一執行役員によると、「企業は直前の為替水準を参考にして今期業績予想を発表するため、今期業績は日銀の予想値を上回る可能性がある」という。為替水準次第では、経常5割増益以上の業績が期待できると平野氏は見る。ただ、ビスタマックスの藤原氏は、「ガイダンスは保守的に出てくる可能性があり、反応しないことも考えられる」と指摘。状況を見極める必要がありそうだ。
良好な需給環境も続く。東京証券取引所が22日発表した4月第2週(12-16日)の投資部門別売買動向(東京、大阪、名古屋3市場の1・2部合計)によると、外国人投資家は5週連続で買い越し、買越額は2227億円。立花証券の平野氏は、「昨年日本株は外国人に無視され続けただけに、見直し買いが続いている」という。 「ゴールドマン・ショック」をきっかけに、第3週の日経平均は週初に約3週間ぶりの1万1000円割れとなった後、週半ばに大きく切り返した。大和総研の野間口毅投資戦略部部長によると、21日の取引開始前の外資系経由の売買動向は昨年12月上旬以来の大幅な買い越しとなった。「外国人にとって大きく下げた時は押し目買いの好機となっており、相場は大幅に下げにくくなっている」という。
波乱材料となりそうなのが、海外の動向だ。第3週もギリシャの財政問題や中国の金融引き締め懸念などが上値を抑えた。財政不安でギリシャの信用リスクは高まっており、5月19日のギリシャ国債の大量償還に向け、予断を許さない状況は続く。また、中国政府の不動産投機規制への警戒感も残る。 27-28日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)の動向も気掛かりだ。経済運営を平常時に戻す「出口論」が高まれば、株式相場が調整入りする可能性に言及する声がある。大和総研の野間口氏は、「FOMCの声明文で文言が変わった場合、米国の利上げ観測が一気に高まりかねない。ちょうど6年前の4月、利上げ観測から日米の株式相場の調整のきっかけになった」と警戒感を示す。 04年4月下旬、インフレ関連指標の上昇による米利上げ観測が高まったことに加え、中国政府による一部銀行への一時的な融資停止の指示をきっかけに金融引き締めリスクが現実味を帯び、世界的にリスク資金が圧縮、日経平均は5月半ばまで約2週間で約13%調整した経緯がある。 このほか注視される材料としては、30日に3月の鉱工業生産や消費者物価指数、完全失業率の発表があり、日銀の「経済・物価情勢の展望」も公表予定だ。米国では27日に2月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数、30日は1-3月期の国内総生産(GDP)、4月のロイター・ミシガン大学消費者マインド指数などが発表される。
●大和証券キャピタル・マーケッツ金融証券研究所の西村由美シニアマーケットアナリスト 「日経平均1万1000円を挟んでのレンジ相場となりそう。ギリシャなど外部環境は不透明、米金融規制に対する懸念もなお残る。ただ、足元の決算はすでに高い市場コンセンサスをさらに上回る企業が出ており、意外感がある。業績期待は継続するだろう。日本の大型連休期間中に発表される米中の重要経済指標の期待も下値を支え、よほどの悪材料が出ない限り、指数は底堅い」
「日経平均は11000円を手前に調整色を強めるだろう。インドが金融政策決定会合で利上げするとの観測が出ている上、中国が不動産規制を強化、米国もFOMC開催と、各国で『出口』戦略への警戒感が強まっている。日経平均は2月の安値から1500円以上値上がりしている上、大型連休を控えポジションを調整しておきたい向きも多く、利益確定売りが出やすい地合いだ」
「高値圏のもみ合いが見込まれる。主要企業の決算や経済指標の発表、米FOMCの開催、日本銀行の政策委員会・金融政策決定会合の実施などイベントが目白押し。決算発表では国内の景気回復が裏付けられるだろうが、積極的なポジションは取りにくい。大型連休の時期に入り、投資家も少なくなりそう。一方で、ギリシャの信用不安問題は根深く、簡単に解消ができそうにない」 記事:東京 常冨浩太郎 Kotaro Tsunetomi PR |
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