2024 11,23 18:13 |
|
2010 04,17 09:00 |
|
【日本株週間展望】小休止、好決算に備え過熱感冷ます-円高は警戒 4月第3週(19-23日)の日本株相場は、年初来高値圏で調整を続けるとみられる。テクニカル指標などでの過熱感を冷ましたうえで、今月下旬から発表が本格化する企業決算を手掛かりとした再度の高値更新に備え、充電する週と位置付けられそうだ。 東海東京調査センターの隅谷俊夫投資調査部長は、第2週の相場は健全な調整だったとの認識を示し、「第3週前半までは日柄調整が続くだろう。それでも5月上旬まで好内容の企業決算の発表が相次ぐため、相場は徐々に上がりやすくなる」と話している。 4月2週の日経平均株価終値は前週末比0.9%安の1万1102円18銭。下落は2週連続で、5日に付けた2008年10月以来の高値1万1408円からは2.7%下げた水準にある。6日以降の緩やかな下げで、2月から約2カ月間の上昇で高まっていたテクニカル指標の過熱感は薄らいできた。日経平均の25日移動平均線からのかい離率は、16日時点で0.5%に縮小した。 ただ、東証1部の値上がり銘柄数と値下がり銘柄数の割合を表す騰落レシオ(25日移動平均)は15日時点で145%と、行き過ぎを示す120%をなお上回る状況。また裁定買い残が9日時点で2兆4990億円と、1年7カ月ぶりの高水準に積み上がっていることも、将来の売り圧力の高まりとして警戒される。 みずほ証券エクイティ調査部の三浦豊シニアテクニカルアナリストは、「テクニカルと株式需給の過熱感が指数の上値を重くしている」と指摘。一方で、例年4月下旬から5月の大型連休時にかけて相場は上昇していることから、「微調整によって過熱感を冷まし、ゴールデンウイークに上値を試す展開となろう」と予想する。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
好調な企業業績 日本よりひと足早く第1四半期(1-3月)決算の発表が本格化した米国では、アルミ最大手のアルコアや世界最大の半導体メーカー、インテルが市場予想を上回る数字を出した。事前の業績修正を発表する企業が少なかったこともあり、好業績はある程度予想されていたものの、インテルの株価は発表後の2日間で6.4%上昇した。 第3週も、シティグループ、モルガン・スタンレー、ゴールドマン・サックス・グループといった大手金融機関、IBMやヤフー、アップル、マイクロソフト、ボーイングなど大型企業が発表を予定する。 日本では、21日にJFEホールディングス、23日にKDDIと主要企業の前期(10年3月期)決算の発表がいよいよ始まる。株価は業績を反映するという鉄則があるが、昨年10月、ことし1月の四半期決算の発表では好業績に対する市場の反応は薄かった。この点について東海東京の隅谷氏は、「さすがに今回は今期業績予想と比較して株価がかなり割安になるため、素直に反応する可能性が高い」と見る。 SBI証券株式部の鈴木英之部長は、「時価総額上位企業合計で、今期(11年3月期)3割増益が期待されている。これだけ業績が伸びる時期に相場が本格的な下げ局面に入ることは考えにくい」とし、足元の相場下落は単なるスピード調整に過ぎないと、とらえている。
懸念材料として挙げられるのが中国だ。同国の1-3月(第1四半期)の実質国内総生産(GDP)は前年同期比で11.9%増加し、約3年ぶりの高い伸びを示した。また、3月の不動産価格は過去最大の伸び率を記録。過熱する景気を抑制するため、金融引き締めや人民元切り上げが実施されるのではとの見方が強まっており、世界経済への影響が懸念されている。 ブルームバーグのエコノミスト調査によれば、中国は6月30日までに人民元の上昇を容認する見込み。人民元の上昇が日本の相場に直接与える影響は少ないが、アジア通貨の一環として円も買われると見る向きがあり、業績への楽観的な見方に水を差す可能性もある。 実際、外国為替市場で円はじりじりと値を切り上げている。ドル・円相場は16日午後3時時点で1ドル=92円70銭と、5日に付けた94円79銭という直近の円安値から2.2%円が上昇した。対ユーロでは、ギリシャの財政問題への根強い警戒でユーロが売られやすいこともあって、1ユーロ=125円48銭と9日以来の円高値になった。 ギリシャの財政問題は、11日にユーロ圏諸国が、ギリシャに市場金利を下回る金利で最大450億ユーロ(約5兆7300億円)を融資することで合意した結果、いったん懸念が和らいだ。しかし15日には、10年物ギリシャ国債とドイツ国債のスプレッド(利回り格差)が再度急拡大し、不安が再燃している。 相場が調整する際は、それまでの上昇相場をけん引してきた銘柄や業種には売りが出やすい。日経平均が年初来安値を付けた2月9日からの東証1部業種別指数の騰落率ランキングを見ると、上昇率上位には石油・石炭製品や海運、保険、その他金融、その他製品が並ぶ。
半面、出遅れ銘柄には資金が向かいやすい。上昇率下位は電気・ガスや食料品、医薬品、情報・通信と、ディフェンシブセクターが並ぶ。そうした中で、SBI証の鈴木氏は通信株に注目。「もともと公益性が強くディフェンシブ性があることに加え、ことしはスマートフォンが登場し、利用料の増加につながる可能性があるため」という。 企業決算以外の第3週のスケジュールは、国内では19日に鉄鋼生産と消費動向調査、百貨店売上高、20日に工作機械受注とコンビニエンスストア売上高、22日に全国スーパー売上高といった3月の経済指標の発表が相次ぐ。海外では、19日に米国で3月の景気先行指標総合指数、22日に米3月の生産者物価指数と中古住宅販売などがある。
●三菱UFJ証券の藤戸則弘投資情報部長 「調整含みの展開を予想している。ギリシャ財政問題は450億ユーロの救済策が瓦解するかどうかという状況で、根本的解決には時間がかかる。中国も、不動産価格の上昇などから金融引き締めは時間の問題。元切り上げ後に引き締め強化を実施するだろう。第1週に大幅に日本株を買い越した外国人は、足元で利益確定売りも混ざって来た。ヘッジファンドの半期決算を5月末に控え、外国人売りが出やすい。好内容が予想される20日のアップル決算を受けた米国株の反応が注視される」
「企業決算の本格発表を控え、業績予想を修正した銘柄に関心が高まり、個別物色の動きが強まりそう。過熱感から上値を追うことは難しいが、業績回復期待が高まっているうえ、消費も回復の兆しが見え始めており、下がれば押し目買いが入りやすい。日経平均の下値めどは25日移動平均線の1万1000円程度だろう」
「3月以降、日本株相場が力強く上昇してきた原動力は円安。1ドル=92円台は円高もみ合いへの登竜門で、そこを超えて91円台に入ると大きく売られる可能性もある。当面、決算発表を控えて身動きが取れない人も多いのではないか、為替水準や株価指数動向とあまり関係のない銘柄群が個別で動くとみている」 記事:東京 浅井真樹子 Makiko Asai PR |
|
コメント |
コメント投稿 |
|
trackback |
トラックバックURL |
忍者ブログ [PR] |