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2010 03,27 09:00 |
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【日本株週間展望】高値圏推移、景気期待から輸出株主導で一段高も 3月5週(29日-4月2日)の日本株相場は、世界的な景気回復期待を背景に高値圏で推移する見通し。4月1日には名実ともに新年度入り。大型IPO(新規株式公開)や経済統計発表などをきっかけに輸出株主導で一段と強含む可能性がある。 富国生命投資顧問の桜井祐記社長は「各種経済統計は過去数カ月にわたって、じりじりと改善している。日本株にとってネガティブな材料はさほどない」と言う。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
第4週(23-26日)の日本株相場は、為替相場で円安が進み、輸出関連株を中心に一段高。主要指数は約2カ月ぶりに52週高値を更新した。26日終値は日経平均が前週末比1.6%高の1万996円37銭、TOPIXが同1.9%高の966.72ポイント。 2050億ドル(約18兆5300億円)の資産を運用する米カリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)の最高投資責任者(CIO)、ジョゼフ・ディア氏は「市場は紛れもなく改善しており、深刻な金融危機のどん底に陥るのではないかと悩まされることはなくなった」と指摘し、市場関係者の信頼感が足元で高まっているとの認識を示す。 3月のブルームバーグ・プロフェッショナル・グローバル信頼感調査によると、米S&P500種株価指数に対するセンチメントを表す指数は47.80と、前月から34%改善した。同指数は50を上回ると、投資家が今後半年での株価上昇を予想していることを示す。日本は54.25と、前回から7.7%上昇し、3カ月連続で50を超えている。
1日公表の日本銀行の企業短期経済観測調査(短観、3月調査)では、大企業製造業を中心に景況感の改善が確認できる見込み。ブルームバーグ調査では、大企業製造業の業況判断指数(DI)がマイナス14(前回マイナス24)で、4期連続の改善が予想されている。アジア向け輸出がけん引して輸出や生産の増加基調が継続、「改善幅は前回調査より拡大する」と大和総研の熊谷亮丸シニアエコノミストは読む。 独立系調査会社ティー・アイ・ダヴリュ取締役の西村尚純氏は、TOPIX構成銘柄の年初来リターンランキング上位にツガミ、アルテックなど設備投資関連株が並んでいることに触れ、「中小型機械を手掛ける設備投資関連株は景気回復初期に動意づくことが多い。景気でも相場でも先導役を果たす」と指摘、今後は中小型株から大型株に物色のすそ野が広がると予想する。
1年半ぶりの高値圏にある米S&P500を足元でリードしてきたのは、建設機器のキャタピラー、半導体最大手のインテル、外食大手のマクドナルドなどだ。いずれも「新興国の売上高構成比が高い多国籍企業群」と草野グローバルフロンティア代表の草野豊己氏は指摘する。 三菱東京UFJ銀行企画部経済調査室長の内田和人氏は、2020年には世界の名目国内総生産に占める主要7カ国(G7)と新興国との割合は、08年時点の70対30から50対50になると読む。内田氏は「驚異的な新興国経済のキャッチアップによって、100年に一度の経済構造の変化が起こりつつある」と強調する。 日本でも海外売上高比率が6割を超えるキヤノン、任天堂、ファナックなどが高値を更新し、米国同様に相場をけん引している。この流れは当面続きそうだ。 市場関係者が注目しているのが、4月1日の第一生命保険の東証1部上場だ。市場からの資金調達額は約1兆円に達し、1998年上場のNTTドコモ(調達額2兆1300億円)以来の大型IPO。東証は混乱を防ぐため、4月1日は売り買いを午後1時に1回のみ付け合わせる板寄せ方式を採用、実質的な売買は2日以降になり売り圧力も限定される。 上場先物・オプション仲介大手、MFグローバルで金融機関の分析業務を手掛ける山中威人シニアアナリストは、第一生命の売り出し価格14万円が、企業価値を示すエンベディッド・バリュー(EV)で0.55倍であることに触れ、「欧州の大手が1倍前後であることを考えると、かなり割安」と指摘する。海外でのM&A(企業の合併・買収)成功など成長戦略が見えてくれば、EVの向上もあり得ると山中氏はみる。 1日には大型企業の経営統合による新会社も上場する予定。新日本石油と新日鉱ホールディングスの持ち株会社であるJXホールディングスと、損保ジャパンと日本興亜損害保険の持ち株会社、NKSJホールディングスがそれぞれ東証1部と大証1部に上場し、取引を開始する。 30日には2月の失業率や鉱工業生産、31日に2月の住宅着工戸数などが公表される。4月1日に改正省エネ法が施行されるほか、コメ農家を対象とした戸別所得補償制度も開始する予定。高校の授業料無償化も始まる見通し。 米国でも経済統計の発表が多い。30日に1月のS&Pケース・シラー住宅価格指数、3月の消費者信頼感指数、4月1日に3月の供給管理協会(ISM)製造業景況指数、3月の自動車販売、2日に3月の雇用統計がそれぞれ予定されている。
【市場関係者の当面の日本株見通し】 ●明和証券シニアマーケットアナリストの矢野正義氏 「日経平均の上限は1万1500円を予想している。年度末を控えた需給の特殊要因が一巡しているほか、為替相場が円安に向かいつつあるためだ。これまでは決算期末を迎えた国内企業のレパトリ(資金の自国内への還流)の影響から円安に振れにくかった。発表される米雇用統計は改善が見込まれ、期待感から米国の金利が上昇している。日米金利差からドル高・円安になる可能性が高く、業績期待が高まりやすい」
「週後半に第一生命の上場や日銀短観、米雇用統計といった主要経済指標の発表などを控え、前半は動きにくそうだ。ただ、日銀短観で企業の設備投資の改善が鮮明となれば、輸出関連企業を中心に株価上昇も見込まれる。円安も素直に好感されるだろう」
「上値めどを探る強い相場展開を想定している。名実ともに4月相場入りし、国内機関投資家や証券自己が動きやすくなる。取引開始前の外資系証券10社経由の注文状況が16日連続買い越しとなり、外国人投資家の日本株買い意欲も高まっているようだ。戦後の東証取引再開後の月別勝敗で4月は68%と、1月(70%)に次いでパフォーマンスが良い。過去の経験則からも、上昇バイアスがかかりやすい」 記事:東京 鷺池 秀樹 Hideki Sagiike PR |
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