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2010 03,26 14:21 |
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円安/株高の展開、米債入札不調やソブリン問題など背景 週末26日の東京市場は、ドル/円が92円台の円安水準で推移していることを背景に、輸出株などに買いが入り、日経平均は1万0900円台の高値圏での取引が続いている。 ただ、円安の背景に米国債入札の不調やギリシャの国債問題などユーロ圏の不安要素があり、円安を単純に株高材料として捉えられないとの警戒感もくすぶっている。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
株式市場では日経平均が続伸している。ドル/円が92円台半ばまで円安方向にうごいたことを受け、主力の輸出株を中心に買いが先行。昨年来高値の1万0982円を視野に入れている。ただ、円安の背景が米国債入札の不調による米長期金利の上昇や、ユーロ経済圏への不安を示すユーロ安/ドル高とあって警戒感は残っている。「海外勢の買いは入っているが、指値ベースの注文が多く上値を買い上がるエネルギーは乏しい。米景気底入れシナリオに陰りが見えてくると、株価の先行きも楽観できなくなる」(東海東京証券・エクイティ部部長の倉持宏朗氏)との声が出ている。 国内証券の株式トレーダーによると、前日から年金筋がTOPIX銘柄を売って流動性のある日経平均銘柄を買いに動くのではないかとの思惑が浮上し、大型株の買いが入っているという。 三菱UFJ証券・投資ストラテジストの山岸永幸氏は「例年株価が下がりやすい3月だが、予想したほど(海外勢の)リパトリエーション(資金の本国還流)や処分売りが観測されず、株価は上昇した。国内ファンダメンタルズの回復を2月中旬以降、先取りして織り込んだことも背景にあるかもしれない。先取りした分、1万1000円を前に追加材料がなければ、上値はいったん重くなるだろう。売買高が膨らまない中での株高には警戒感も強い」と話している。 また、日興コーディアル証券・エクイティ部部長の宮原浩之氏は「円安がサポート要因になって押し目待ちに押し目なしといった状況になっている。過熱感を冷やすのは値幅調整ではなく日柄調整ということになりそうで、当面は上値の重いもみあいの展開が続きそうだ」と述べる。その上で「世界的にマクロ指標の改善が続いており、ファンダメンタルズ面ではしっかりしているので、為替などが大きく動いていなければ、調整後は世界の景気敏感株としての日本株が注目される可能性がある」との見通しを示した。 <ドル高値で輸出筋の売り> ドル/円は海外市場で92.96円まで上昇し、2カ月半ぶり高値をつけた。米債入札の不調で米長期金利が3.88%付近まで上昇したことに加え、ギリシャ問題をにらんだユーロ売りが止まらず、この裏側のドル買いがドル/円にも波及した。しかし、期末接近で「東京市場では輸出の売りが出るためドルの上昇がストップした。日中を通じて上値が重そうだ。ただ、海外勢のドル買いが強いため、海外時間には買い直されるだろう」(邦銀)という。 きょう発表された日本の消費者物価指数を受けて「デフレ基調が続いている一方で、米国金利の上昇もあって金利差がついてきた。実需売りが一服する4月以降、ドル/円は1月高値(93.78円)をクリアできれば、95円が現実味を増す」(国内銀行)との声も聞かれた。ユーロ/ドルは未明の下攻め局面で10カ月ぶり安値となる1.3267ドルまで売られたものの、その後続いた下攻めでもこの水準が底堅く一段の下値をトライできなかったことから跳ね返された。「ギリシャ支援に関してトリシェ欧州中銀(ECB)総裁がIMF(国際通貨基金)の関与を容認する発言をしたことがユーロを支えているようだ」(ドイツ証券シニア為替ストラテジスト、深谷幸司氏)との声も聞かれた。 市場では「下値にはまだストップロスオーダーがあり、これをつけにいく可能性もある。ただ、1.32ドル台でしのげれば、軟調地合いがいったん落ち着く可能性が出てくる。ただ、戻ったところは売り。基本的な方向感は下だ」(邦銀)との声が上がっていた。
EU首脳会議のとりまとめに先立ち、ユーロ圏首脳は25日、ギリシャ向けの緊急時の支援策について、ユーロ圏諸国による二国間融資と国際通貨基金(IMF)からの資金を活用することで合意した。また、欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は25日、ECBによる流動性供給オペの担保基準について、2011年まで現行の緩やかな基準を維持する意向を表明、ギリシャ債が引き続き担保適格となる可能性が高まっており、ギリシャの資金繰りに安心材料が増えている。
バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長は25日、国内経済には依然として超低金利政策による支援が必要との認識を示した上で、経済の拡大が「成熟」すればFRBは刺激策を解除する用意があると述べた。市場では「引き続き慎重な金融政策スタンスが続いている」(国内金融機関)と受け止められている。 一方、5年債に続いて7年債入札も不調だったことで米10年債利回りは3.88%付近に上昇した。「海外からの需要が落ちている。人民元をめぐる対立もあり、市場では中国からの需要に懸念も出てきそうだ。4月の為替操作国認定をにらんで、米中関係が米国金利のポイントになる」(住友信託銀行マーケット・ストラテジスト、瀬良礼子氏)との声が出ている。 FRBの慎重な政策スタンスに対して、これまでのレンジ上限を試す10年債利回りという不整合が起きており「10年債利回りが4%を超えてくるようなら、米当局から口先介入などが入る可能性がある。ただ、ファンダメンタルズでなく需給による上昇のため、センチメントを落ち着かせる意味からはやはり米中関係をみておきたい」(瀬良氏)という。 国債先物が一時、前日終値より40銭安い138円16銭となり、2009年11月12日以来の水準に下落した。現物市場では、10年最長期国債利回りが09年11月12日以来となる1.385%に、5年債利回りが09年11月27日以来の0.550%に、それぞれ上昇する場面があった。
相場下落の理由として挙げられているのは、3月決算期末である季節的要因だ。外資系証券の関係者は「国内の証券会社などは、債券需給の良好さもあり、買い持ちでいれば、そのうち相場が持ち直すだろうとの期待感をもっていたのだろう。それが、米国債相場の下落を受けて、はしごを外された格好となっている」と話した。国内証券の関係者は「会計処理上、痛まずにすむ先物でヘッジ売りを出さざるを得ない状況となっている」と話した。市場関係者によると、こうした売り圧力が、海外ファンドのストップロスを誘発した。 日銀が4月1日に発表する企業短期経済観測調査(短観)をにらみ、主要投資家である銀行や年金基金の一角が、景気改善に賭けたポジションを構築し始めたとの指摘も、一部に出ている。ロイターが18日発表した3月ロイター短観調査(400社ベース)によると、製造業の業況判断DIは3カ月前の09年12月から19ポイント改善。輸送用機器を除いた全業種で改善し、リーマン・ショック前の08年6月以来の水準に回復した。目を引いたのは、非製造業も17ポイントの改善と金融危機後で最大の上昇幅となったことだ。 外銀の幹部は「二番底回避のシナリオが取りざたされるようになってきた」と話す。「日銀短観で景気回復の足取りが鮮明になれば、残存10年ゾーンにかけた金利格差拡大につながり、長期金利が予想外に上昇する可能性もある」(前出の外資系証券)という。 PR |
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