5/28 お昼の『株価材料』PART Ⅱ

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■株価材料

△日本製鋼所<5631>株が最高値を更新
午前の株式市場で、日本製鋼所が買い優勢の展開となり、１０日に付けた上場来高値１５９０円を更新した。原発関連株人気の一環として買われている。２７日付読売新聞が、中国は２０３０年までに原発による国内発電容量を現在の１５─２０倍に増強する目標を立てていると報じ、これが関連銘柄が買いを呼び込むきっかけとなった。日本製鋼所のほかでは、木村化工機<6378>、太平電業<1968>などが人気となっている。
（ロイター）

△ＪＤＣ<4815> ストップ高買い気配。
業績の回復期待から物色されているようだ。07年3月期実績は最終赤字幅が16.6億円に拡大、3期連続して営業損益段階から赤字となった。一方、08年3月期については経常利益で6.2億円となる見通し。四季報では3億円と予想していたこともあり、業績の回復期待が生じているもよう。

▼アプリ<3727> 日興シティでは投資判断「2S」を継続したものの、目標株価については25万円から15万円に引き下げたようだ。
ミドルウェア・フレームの出荷が見込めなくなったことは、成長ドライバーの消失と考えられると。

△Ｄワンダー<9611> 大幅続伸。
25日は業績予想の上方修正を好感して大幅高、本日は継続疑義の解消がポジティブに捉えられているようだ。25日に07年3月中間期の決算を発表しており、同決算で継続の疑義が解消したとしている。

△大日住友薬<4506>---しっかり、メリルでは新規に「買い」
しっかり。メリルが投資判断を新規に「買い」としている。目標株価は1600円と設定しているようだ。長期事業成長の源泉となるグローバル化への決意を高く評価しているほか、統合失調症治療薬の発売が見込まれる12.3期から利益は急拡大が期待できるとも。

▼Ｔ＆Ｇニーズ<4331>---ストップ安売り気配、処分売り止まず
ストップ安売り気配。今期の大幅減益見通しが嫌気される形で、先週末から見切り売りの動きが殺到している。本日はマッコーリーが「アウトＰ」から「アンダーＰ」に格下げで、目標株価も4万円まで引き下げている。ちなみに、先週末がＧＳが目標株価を3万5000円としている。

▼カッパクリ<7421>---下げ目立つ、優待権利取りの動きが一巡
下げが目立つ。権利付き最終商い日を通過したことで、優待権利取りの動きが一巡、本日は処分売りの動きに押される格好となっている。同社は年1回、50株以上の株主に対して優待券を発行している。

△ソフトバンク<9984> 今回は跳ね返されず。
4営業日ぶりに反発し、抵抗線として意識されていた25日線レベルを突破してきている。5日、25日線との短期ゴールデンクロスも今回は発生する可能性。均衡表では基準線を突破し、遅行スパンは上方転換シグナルを発生しつつある。

△東セロ<3971> 近戻り高値レベルでの膠着。
17億円を投じ、液晶ディスプレーの主要部材を保護する表面保護フィルム事業を強化すると伝えられている。日柄的には今週に均衡表の雲にぶつかる。これを突っ切れるか、上値を抑えられるかで変化が出てきそうだ。

△田辺薬<4508> 10日ぶりの反発。
日興シティでは投資判断を「２Ｍ」から「１Ｍ」、目標株価を1600円から1900円に引き上げている。業績予想を新・田辺三菱製薬へと移行したことがターゲット引き上げの背景、また、会社側の中期計画は楽観的とみているが、足元の株価下落で割安感が強まっているとの見方も。

△フォーサイド<2330> 買い気配。
悪材料出尽くしとの見方が生じているようだ。第1四半期は経常利益が前年同期比99.4％減の0.04億円、最終損益については2.55億円の赤字（前年同期3.55億円の黒字）となった。一方、08年12月期に減損損失が過大に計上されていたとして、有報を訂正している。また、単独ベースでの業績改善に加え、中期再生プランの進捗状況がポジティブに受け止められているとの見方も。

△ローランドＤ<6789>---05/3/25高値（分割修正前）5990円を捉えるような勢い
3営業日続伸で5000円乗せ。05/3/25高値（分割修正前）5990円を捉えるような勢いである。Ｍ＆Ａ観測のほか、海外ファンドによる継続買いとの声も。コスモ証券では主力プリンター好調で強気判断としていた。

△ナカノフドー<1827>---続伸、決算受けて一段と上値追い
続伸で連日の高値更新。先週末は決算発表を控えて期待感が先行する状況となったが、引け後の決算発表を受けて一段と評価の動きが強まる格好。前期実績は先の上方修正どおりの着地となったが、今期も2ケタの増収営業増益の予想、ＰＢＲ水準の割安感も買い安心感につながる。

△ダイビル<8806>---大幅高、中計評価で格上げの動き目立つ
大幅高。先週末に発表している中期経営計画が評価材料となっているもよう。営業利益は今期予想の99億円に対して、17.3期には185億円にまで拡大の見通しなどが示されているようだ。野村や三菱ＵＦＪが投資判断を「３」から「２」へ格上げしている。野村では、2100円-2300円の評価が可能としているもよう。

△日ガイシ<5333>---大幅反発、ＣＳでは目標株価3450円に上げ
大幅反発。ＣＳでは投資判断「アウトパフォーム」継続、目標株価を従来の2700円から3450円にまで引き上げており、評価材料につながっているもようだ。今期の会社側業績計画は極端な円高前提など保守的な部分が多く、ＣＳでは営業利益を627億円と予想（会社予想530億円）。

△ダイセル<4202>---みずほ証券では「1」に引き上げ
4営業日ぶり反発。先週末までの調整で05年10月以来の安値水準をつけていた。なお、みずほ証券では投資判断を「2」から「1」に引き上げたようだ。個別取材で、今期業績はメタノール市況安、為替安、セルロースの採算回復などから会社計画を上回る見通しと。

△大平洋金属<5541>---4日ぶり反発、非鉄市況反発受けて
4日ぶりに反発。ニッケル市況の反発がリバウンド材料につながっている。先週末にかけては非鉄市況が軟化、とりわけ、ニッケル価格の下げがきつかったため、同社の株価も調整色を強めていた。ただ、週末は他の非鉄市況同様に反発に転じており、関連銘柄の中心となる同社の見直しの動きにつながる状況へ。

△日製鋼<5631>---続伸で高値更新、中国の原発拡充計画報道で
3日続伸で5月10日の上場来高値を更新している。先週末は野村の投資判断格上げが評価材料とされたが、本日は原発関連の中心銘柄として一段と人気化する展開に。一部報道では、中国政府が2030年までに原子力発電所による発電能力を15-20倍に増強する計画であると伝わっている。世界的な原発需要の高まりによるメリットがあらためて期待される状況へ。

△日立<6501>---均衡表の先行スパン（雲）上限を捉える
買い気配スタートで一気に25日線を突破してきている。これにより均衡表の先行スパン（雲）上限を捉えている。中国が、2030年までに原発を15-20倍に増強するとの報道が手掛かり材料に。

△大日住薬<4506> 5営業日ぶり反発。
先週末までの調整で3/16安値とのダブルボトムを意識。買い先行スタートで一気に25日線レベルに到達。なお、メリルリンチでは投資評価を「買い」としてカバレッジを開始したようだ。目標株価は1600円。

△マイクロニクス<6871> 買い気配から。
利益の上積みが好感されているようだ。07年3月中間期の決算を発表、併せて07年9月期の営業利益並びに経常利益予想を上方修正している。通期の経常利益については、従来予想の58億円から62億円に増額された。なお、ＧＳでは投資判断「買い」並びに目標株価5500円を継続、三菱ＵＦＪでは「2」を継続するなど、アナリストは総じてポジティブな見方を示しているもよう。

△木村化<6378>---再び抵抗線として意識されている25日線を窺う展開
買い気配スタート。原発関連が軒並み買い気配からのスタートに。中国政府が原子力発電所による国内の発電容量を、2030年までに15-20倍に増強する目標を立てていると、報じられている。再び抵抗線として意識されている25日線を窺う展開に。

△日製鋼<5631>---5/10以来の高値を一気に突破
買い気配スタートで5/10以来の高値を一気に突破。中国政府が原子力発電所による国内の発電容量を、2030年までに15-20倍に増強する目標を立てていると、報じられており、原発関連銘柄への物色が強まっている。
（フィスコ）

△キヤノン<7751>はＳＥＤの発売再延期も反応なく反発
キヤノンは前場、６０円高の７０４０円と反発した。前週末２５日に２００７年第４四半期に予定していた次世代薄型ディスプレイ「ＳＥＤ（表面電界ディスプレイ）」搭載テレビの発売を再延期する決定を発表したが、価格低下が顕著な薄型テレビの販売競争に巻き込まれないとの評価も高まり、嫌気売りにはつながっていない。発売延期は現在、米国で行われている訴訟の長期化に加え、さらにコストダウンを実現する量産技術の確立を行うためとしている。東芝（６５０２）も、同日にキヤノンから当初予定していたスケジュールで薄型ディスプレイ「ＳＥＤ」パネルを供給できないとの連絡を受けたため、第４四半期に予定していた同テレビの発売を延期すると発表した。ＳＥＤテレビは、低消費電力でブラウン管並みの高精細な映像を表示できるとして期待されているが、同テレビの発売延期は昨年３月に続き２度目となる。株価は、今年４月の第１四半期決算発表時に今期業績を上方修正し、株式分割権利落ち後高値を更新してきた。もともとＳＥＤそのものを株価材料として取り上げてきておらず、業績再評価で高値を窺おう。

△近鉄エクス<9375>は好決算買いを信用好需給が支援し反発
近鉄エクスプレスは、８０円高の４３１０円と４営業日ぶりに反発し５月２３日につけた上場来高値４４４０円を射程圏に捉えている。３月期決算の発表とともに好業績株は買い、悪業績株買いは売りと選別物色が強まっているが、同社の連続の２ケタ増益で過去最高を更新する好実態評価と株不足で逆日歩つく信用好需給が押し目買いを誘っている。同社の３月期決算は、５月１４日に発表されたが、純利益は前期が前々期比３３％、今期は１０％増益と連続して過去最高を更新する絶好調推移となっている。国際航空貨物混載中心の物流大手として、半導体、薄型テレビのＩＴ（情報技術）関連や自動車関連品などのグローバル輸送が、海上貨物輸送や内陸輸送のロジスティック業務とともに輸送増となっていることが背景となっている。今期も、国内、オランダ、北アイルランド、中国、インド、ベトナムなどに開設した現地事務所がフル稼働し業績を押し上げる。売り上げは３２００億円（前期比１０％増）、経常利益は１４５億円（同９％増）、純利益は８５億円（同１０％増）を予想、配当は２３円（前期実績２１円）に連続増配される。株価は、最高値水準だがＰＥＲは１８倍台と割安で売り方の買い戻しも加わり上値拡大余地を示唆している。

△日精工<6471>は市場予想上回る最高純益を買い直し反発
日本精工は、１７円高の１２４１円と反発し５月２４日につけた昨年来高値１２５７円を意識している。１１日の３月期決算発表で、今期純利益を２ケタ増益の連続過去最高更新と予想し、市場コンセンサスを約１２億円上回ったことが引き続き手掛かり材料で押し目にはすかさず割安株買いが入っている。同社業績は、前期が期中の２回の上方修正値を上回り前々期比１４％増収、４８％経常増益、３６％純益増益と高変化した。産業機械軸受が鉄鋼、工作機械、一般機械向けに、自動車軸受もグローバルにそれぞれ好調に推移、昨年３月に完全子会社化した天辻鋼球も上乗せとなり大幅増収増益につながった。今期も、自動車の中国、インドなどの新興国市場の需要拡大が追い風となり、続伸を予想している。売り上げは７４５０億円（前期比３％増）、経常利益は６３５億円（同１０％増）、純利益は３９０億円（同１１％増）と連続して過去最高を更新する。株価は、昨年７月安値７９２円から前期業績の上方修正とともに上値を追い、すでに６割高となっているが、投資採算はＰＥＲ１７倍台と割安である。なお上値を伸ばす展開が有力となる。

△ライトオン<7445>は業績減額織り込み下げ過ぎ訂正で急反発
ライトオンは、８０円高の２６３５円と３営業日ぶりに急反発し５月１８日につけた昨年来安値２４８５円水準で再動意となっている。同社株は、暖冬による今８月期業績の下方修正や同社の最大思惑材料となった投資ファンドのダルトン・ストラテジックの保有株比率縮小などが響き２２００円幅の急落となった。１３週移動平均線から約１９％のマイナスかい離は下げ過ぎとして、下値で打診の割安株買いを誘っている。同社の今期業績は、２月中間期決算が、暖冬による季節商品の伸び悩みやアルバイトの派遣社員変更の人的投資増、店舗減損損失などから前年同期比１４％経常減益、２４％純益減益で着地し、通期予想を下方修正した。売り上げは期初予想を１２億円上回るが、経常利益は１０億円、純利益は１２億４７００万円それぞれ引き下げたもので、純利益は５０億５３００万円（前期比１９％減）と増益予想が減益へマイナス転換する。このため株価は急落となったが、経常利益は増益を維持し、年間配当も５０円（前期実績４０円）と連続増配、ＰＥＲも１５倍台と割安となることから底値感も台頭している。底値対応も一考の余地がありそうだ。

△富通ゼネ<6755>は２．８倍増益巡り強弱感の対立から続伸
富士通ゼネラルは、８円高の３３４円と続伸し今年２月につけた昨年来安値２２９円からのＶ字反騰を鮮明にしている。４月２５日の３月期決算発表以来１００円高し、この過程で強弱感が対立し信用売り・買いが拡大均衡して逆日歩がつく好需給となっており、このところ富士通グループで続く事業再編も思惑要因となり押し上げ効果を発揮している。同社業績は、前期純利益が期中２回の下方修正値を下ぶれ８億６３００万円（前々期比７７％減）と大幅減益着地となった。タイバーツ高、銅などの原材料価格高止まりに北米・欧州のプラズマディスプレイの在庫評価損、冷蔵庫の製品補償費用増などが重なったことが響いた。今期は、引き続き省エネ性の高いエアコンの世界的拡販や銅使用量を３割削減する熱交換器などに注力し増収増益転換を見込み、売り上げは２０４０億円（前期比７％増）、経常利益５５億円（同５８％増）、純利益２５億円（同２．８倍）とＶ字回復する。このため決算発表とともに株価は底離れとなったが、前期も純利益は、期初予想に対し約４分の１の利益計上にとどまり、業績予想の信頼性不足から信用売り拡大につながっている。強弱感対立のなか、ＰＥＲ１４倍台の３００円台の値ごろが、最大の株価材料となる展開も続きそうだ。

△新規上場の幼児活動<2152>は買い気配を切り上げる
幼児活動研究所が、大証ヘラクレスに新規上場された。公開価格は１８５０円、公開株式数は株式売り出しがなく公募増資のみの２２万株となっている。寄り付きから買い気配を切り上げ９時４０分現在、公開価格を３６０円上回る２２１０円買い気配で売り買い差し引き約２６万株と公開株式数を上回る買い物が集まっている。５月２２日に約１カ月のインターバルを置いてＩＰＯ（新規株式公開）再開第１号となった日本テクノ・ラボが公開価格割れで初値をつけ、新興市場ではインターネット総合研究所、サンライズ・テクノロジーと上場廃止が相次ぐなどＩＰＯ環境に逆風が吹くが、同社の独自のビジネスモデルや資金吸収額が４億円強と小規模で公開価格がＰＥＲ８倍台と割安なことが評価され買い先行となっている。同社は、体育指導講師の人材派遣を通じた幼児・小学生の体育指導を主力業務とし、保育所の運営も手掛ける。体育指導は、私立幼稚園・保育園の授業指導だけでなく、課外授業としてスポーツクラブ、サッカークラブ、新体操クラブのどの運営をする。少子化が進んでいるが、逆に子供への教育費は増えており多様で高付加価値なサービス展開につながっている。今２００８年３月期業績は、売り上げ４０億７００万円（前期比６％増）、経常利益５億４１００万円（同２％増）、純利益２億６９００万円（同３６％増）、１株利益２１２．２円を予想している。

▼ＮＯＶＡ<4655>は大幅赤字転落着地を嫌い最安値を覗く
ＮＯＶＡは、２円安の９９円と変わらずを挟み２営業日ぶりに反落し今年５月１８日につけた上場来安値９７円を覗いている。前週末に３月期決算を発表、前期業績が昨年１１月の下方修正値を大きく下回り、赤字転落となったことが再び失望感を高めている。同社の前期業績は、売り上げが昨年１１月修正値を４３億３６００万円、経常利益が３０億６１００万円、純利益が２８億５００万円それぞれ下回り、純利益は２４億９５００万円の赤字（前々期は３０億７０００万円の赤字）と急悪化した。経営方針をこれまでの拠点拡張策から不採算店の撤退・統合などの効率化政策に転換し業績回復を目指したが、今年２月以降に同社外国人講師の薬物所持容疑での逮捕、経済産業省など所掌官庁の立ち入り検査、最高裁での中途解約金返金訴訟の敗訴などの悪材料が重ねり、２－３月の新規入学者の落ち込みが響き下方修正要因となった。今３月期は、事業再構築をさらに進め、売り上げは前期比７％減と続落するが、利益は黒字転換、純利益は６億７３００万円と予想している。株価は、相次ぐ悪材料に押されて調整一方となったが、４月に発表した固定資産売却でいったんは持ち直した。最安値をキープできるか、なお先行き予断を許さない。

△ダイビル<8806>はＭ＆Ａと今期業績の早期上方修正が重なり高値更新
ダイビルは、寄り付きの買い気配から１５８円高の１９４２円まで買い進まれ３営業日続伸している。５月１日につけた昨年来高値１９３８円を更新している。前週末に同社が属する商船三井グループのＰＭ（プロパティイ・マネジメント）事業を再構築するために、グループ各社株式を取得、譲渡するＭ＆Ａを実施、これに伴い今期業績の上方修正を発表したことが、内需関連株人気を再燃させている。同時発表の新中期経営計画も、ポジティブに評価されている。同社は不動産賃貸専業の不動産会社で、建物の維持管理をするＰＭ事業も経営の２本柱としている。このＰＭ事業で、商船三井興産（東京都中央区）の第３者割当増資を引き受けと株式取得で保有比率を５１％に高めて連結子会社化する一方で、自社の１００％子会社３社の株式４９％を商船三井興産に譲渡し組織を再編成、グループ外の物件管理も行う外部営業も強化する事業再構築をする。今期業績は、今年７月に再編成するこの連結子会社が９カ月寄与するため上方修正された。このうち３月通期業績は、売り上げが４月２７日発表の期初予想を５６億円、経常利益が４億円、純利益が３億円それぞれ上回り、純利益は５０億円（前期比８％減）と減益率を縮小する。株価は、公示地価上昇、空室率改善、賃料アップの不動産人気で１９３８円まで買い進まれたが、今期業績の減益転換などが響き反省場面が続いている。親会社の商船三井人気もフォローし上値追いに拍車がかかろう。

△メガネトップ<7541>は５０％純益続伸予想が権利取り刺激し急反発
メガネトップは、８０円高の２３２５円と急反発している。前週末２５日発表の３月期決算で、前期は黒字転換して７期ぶり過去最高純益を更新して着地、今期も５０％純益増益を予想したことから、６月末割り当ての１対２の株式分割の権利を取る動きが再燃している。同社は、今年４月にこの株式分割と同時に公募増資（発行価格２４０５円）も発表し調整を余儀なくされていたが、好実態評価から押し返す展開を強めている。同社の今期業績は、売り上げ４１４億１００万円（前期比２３％増）、経常利益３１億４５００万円（同３５％増）、純利益１５億２２００万円（同５０％増）と予想されている。昨年１０月に立ち上げ好調に推移しているブランドフレームとレンズを１万８０００円の単一価格で提供する新業態店「眼鏡市場」の多店舗展開を急ぎ、同７月の子会社２社の吸収合併による効率化効果などもフル寄与することが連続の過去最高純益の要因となる。株価は、昨年年間の東証１部値上がり率ランキングでトップとなる一方、今年２月の前期業績の小幅下方修正では８００円安となるなど急騰急落習性が持ち前である。分割権利取りでリバウンド幅を拡大しよう。

△ＫＤＤＩ<9433>はＳ＆Ｐの格上げを買い手掛かりに反発
ＫＤＤＩは、１万２０００円高の１０１万円と変わらずを挟み５営業日ぶりに反発している。スタンダード・アンド・プアーズ（Ｓ＆Ｐ）が、前週末２５日に同社の長期会社格付けと長期優先債券（既発債）の格付けをＡ－からＡに１段階引き上げると発表したことが、好実態の見直し買いを誘っている。格付けアップは、携帯電話事業で高い契約者純増シェアを安定的に獲得し、好調な業績を背景に高水準の設備投資を十分に賄う高いキャッシュフロー創出力を維持するとともに、有利子負債削減により財務体質が強化されていることなどを反映している。２００７年３月期の営業利益は、固定通信事業の赤字（４９０億円）を吸収して３４４７億円と前々期比１６％増加、有利子負債は、ピーク時の２００１年３月期末の２兆円超から前期期末には６２００億円余りまで削減された。今後数年の設備投資は、年間５０００億円前後と高水準が続くが、高いキャッシュフロー創出力に問題はなく、財務体質が悪化することはないとしている。株価は、４月２４日発表の３月期決算で、今期予想純利益が市場コンセンサスを約１２０億円下回るとして高値で強弱感が対立、信用取組が拮抗している。全般相場の先行きが不透明化する環境下で内需関連株人気の再燃もありそうだ。
（東洋経済新報社）

▼ヤマウ<5284>が新安値、今期経常益の５割減益予想を嫌気
ヤマウが急落。一時４１円安の１８３円まで売られ、５月１６日の年初来安値１８５円を割り込んでいる。前場、ジャスダック市場で値下がり率トップ。２５日に前０７年３月期連結決算を発表、今期見通しの経常利益を前期比５６．４％減の１億６１００万円としたことが嫌気されている。公共事業への依存の割合が高いため、公共事業予算の縮小傾向が売上に響くという。このほか、主要原材料の高騰が予想され、利益の圧迫要因となる見通し。

△太平製<6342>が急伸、今期見通しの経常３割増を評価
太平製作所が急伸。一時１１円高の１６８円まで買われている。同社は２５日、前０７年３月期連結決算を発表。今期の経常利益を前期比３３．０％増の５億６０００万円としたことに評価買いが入っている。予想１株利益１８円７０銭で計算した連結ＰＥＲが１０倍を割り込んでいることも、支援材料となった。今期は新技術や新製品の開発に取り組み、積極的な営業活動を展開するとしている。配当は３円を継続する方針。

▼カウボーイ<9971>が上場来安値、今期業績予想の下方修正を嫌気
カウボーイが６日続落。３円安の２１４円まで下落し、０３年４月１日の上場来安値２１５円を割り込んでいる。北海道地盤でディスカウントストアを展開する同社は２５日、今０７年９月期の連結業績予想を下方修正し、嫌気されている。経常損益を３億６００万円の黒字から４億８１００万円の赤字（前期は２５００万円の黒字）、最終損益を１億７７００万円の黒字から１０６億９１００万円の赤字（同３０億１６００万円の赤字）にそれぞれ減額した。会社分割関連損失の計上や事業撤退による固定資産除却損が発生したほか、貸倒引当金などの特別損失を計上した点が響いた。
（株式新聞ダイジェスト）