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2010 03,06 09:00 |
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【日本株週間展望】一進一退、日米欧イベント前に様子見-先物主導 3月第2週(8-12日)の日本株相場は、一進一退が予想される。翌週に日米欧で重要イベントが相次ぐため、投資家は様子見姿勢を強める見通し。一方で、週末に株価指数先物・オプション3月限の特別清算値(SQ)算出を控え、SQ絡みの取引から先物主導で上下に振れる場面は増えそうだ。 フォルティス・アセットマネジメントの清川鉉徳シニア・ファンド・マネジャーは、「ギリシャ問題の行方は誰にも分からない。為替の円高進行懸念もあり、輸出関連株を中心に現状水準より上値で買うことはできない」と話している。当面の投資戦略は、「来期増益モメンタム(勢い)の強い銘柄への押し目買いで対応したい」という。 第1週の日経平均株価終値は、前週末比242円(2.4%)高の1万368円と4週連続の上昇。週初から方向感がなく、もみ合う展開が続いたが、日本銀行の追加金融緩和観測が広がった週末5日に急伸した。 日経平均の日足チャートを見ると、25日、75日、200日の各移動平均線がいずれも1万円台前半で収れんしつつあり、上下どちらにも行きにくい投資家の気迷い状態が読める。ただ、5日の大幅高により平均株価が各移動平均線を上回ってきたことで、「チャート分析上は『三角保ち合い』からの上放れが期待できる」と、立花証券の平野憲一執行役員は指摘する。 もっとも、「相場が本格的に動意づくには、売買が膨らむ必要がある」と平野氏。第1週は東証1部の売買代金平均が1兆1347億円と、今年に入ってからの平均(1兆3900億円)を2割弱下回る。第2週は経済統計やイベントが豊富な1週と3週に挟まれ、「空白感から模様眺め気分がさらに強まる。売買水準は一段と低迷する可能性が高い」と大和投資信託の長野吉納シニアストラテジストは見ている。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
第3週は、16日に欧州連合(EU)がギリシャの財政赤字削減策(行程表)を点検する財務相理事会があるほか、米国では同日に米連邦準備制度理事会(FRB)が連邦公開市場委員会(FOMC)会合を開催、日本でも16-17日に日本銀行が金融政策決定会合を開く。 日米欧で目立った材料に乏しい中、中国では全国人民代表大会(全人代)が5日に開幕した。会期は10日間で、景気刺激策の中身や政策変更の有無に市場関係者の関心が高い。温家宝首相は先月27日、適度に緩和的な金融政策を維持する、との考えをあらためて表明。同時に、経済成長の持続と成長モデルの調整、インフレ期待の制御の要素が絡み、今年は同国にとって難しい年になるとの認識を示した。 中国は、昨年10-12月期の国内総生産(GDP)が前年同期比10.7%増となるなど景気が過熱する中、金融政策を危機モードから徐々に正常化させる過程に入り始めたところ。全人代で、不動産融資に対する監視強化の具体策などが打ち出される可能性はあるが、「金融引き締めの方向性は事前に広く想定されているだけに、全人代での政策議論が世界的なマネーの変調をもたらす事態になるとは考えにくい」と、フォルティスアセットの清川氏は言う。 中国ではマクロ経済統計の発表も目白押し。10日に2月の貿易収支、11日には2月の鉱工業生産、小売売上高、消費者物価指数などが予定されている。金融引き締め加速によるマーケットへの悪影響の懸念が薄れつつあるだけに、「全人代で新たな景気刺激策が示されたり、マクロ統計で中国経済の強さが確認できれば、投資家は素直に前向きな反応をし、日本株にもプラスに働く」と、清川氏は予想する。 一方、12日は株価指数先物・オプションのSQ算出日。3カ月に1度のメジャーSQで注目度は高く、現段階では期先物へのロールオーバー(乗り換え)が順調に進んでいるとの声は多い。ただ、材料難で売買の減少が見込まれ、SQ絡みの持ち高調整に仕掛け的な売買が加わると、「先物主導で上下に振れやすい」(みずほ証券エクイティ調査部の三浦豊シニアテクニカルアナリスト)場面も出てきそうだ。
3月2週の経済統計は、国内では8日に2月の景気ウォッチャー調査、9日に1月の景気動向指数と2月の工作機械受注、10日に1月の機械受注、11日には昨年10-12月期のGDP2次速報値が発表される予定だ。米国では11日に1月の貿易収支、12日に2月の小売売上高と3月のミシガン大学消費者信頼感指数など。欧州では、トリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁の講演が10日に予定されている。 国内では8日から住宅版エコポイント制度の申請受付が始まることから、「分かりやすい材料株として、住宅リフォーム関連銘柄が人気化するかもしれない」と、東洋証券の土田祐也ストラテジストは予想。同証では、関連銘柄として大和ハウス工業や積水ハウス、TOTO、ニチアス、住生活グループなどに注目する。12日に三鬼商事が発表する2月のオフィス空室状況は、不動産株に影響を与えるとみられる。
●岩井証券イワイリサーチセンター長の有沢正一氏
記事:東京 河野敏 Satoshi Kawano PR |
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