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2010 02,27 09:00 |
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【日本株週間展望】上値重い、ギリシャに神経質続く-米指標も注視 3月第1週(1-5日)の日本株相場は、上値の重い展開が予想される。ギリシャの財政問題に伴う為替の円高進行不安が継続、米国の景況感を確認したいとの姿勢も買い手控え要因になりそうだ。日経平均株価は、心理的な節目の1万円を割り込む場面もあり得る。 大和住銀投信投資顧問の門司総一郎投資戦略部長は、「ギリシャ問題次第でどちらに振れる可能性もある」と指摘。この問題をめぐり現状は、「欧州連合(EU)の救済や思い切った財政削減を迫る催促相場に入っており、市場にはマイナスに働きやすい」と見ている。 2月第4週の日経平均は、前週末比2円45銭高の1万126円で終了。週初は早期の米金融引き締め懸念の後退から大幅高となったが、ギリシャの財政問題や米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長の発言をきっかけにした円高傾向から、その後は失速した。 ギリシャは4月と5月に、合わせて160億ユーロ(約1兆9300 億円)を超す債務が償還期限を迎える。こうした中、米格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスは25日、ギリシャのソブリン格付け「A2」を数カ月内に引き下げる可能性を示唆した。欧州中央銀行(ECB)は年内に融資担保基準の変更を計画しており、ギリシャ国債が格下げされると、変更後の基準で担保として不適格になる。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
ギリシャ政府は、3月16日までに財政赤字削減策(行程表)の提出を求められている。2月最終週は外国為替市場で円が対ユーロで1年ぶりの高値となるなど、ギリシャ財政問題を背景にリスクの高い資産の持ち高を解消する動きが活発化。金融市場や為替市場を通じ、日本株の不安定要因となっている。 門司氏によると、今後予想されるシナリオは第1が「ギリシャ政府が打ち出す具体策が市場の信頼を得て、市場からの資金調達が可能になる」、第2は「具体策が市場の信頼を得ないが、最終的には思い切った赤字削減策が盛り込まれ、市場からの資金調達が可能になる」、第3は「具体策が市場の信頼を得ず、EUはより厳しい赤字削減策を条件に財政的な支援に乗り出す」――という3つ。 このうち、楽観シナリオの第1は実現性が低く、第2か第3の可能性が高いと同氏は分析する。第2のケースは、当初株価やユーロが売り込まれるが、政府がその後に思い切った策を出すことで行程表発表を待たずに市場は反発に転じる。第3のケースでは、EUの支援が発表されるまで市場の下落が続く「催促相場」になりそうだと言う。3月1週は、引き続き行程表に対する市場の評価や実効性の有無などをめぐり、一喜一憂する公算が大きい。
米国の景況感も焦点になりそうだ。2月最終週に発表された2月の米消費者信頼感指数は46.0と、09年4月以来の低水準へと落ち込んだ。「景気、特に個人消費の先行きに対し一定の警鐘を鳴らすもの」とシティグループ証券の村嶋帰一チーフエコノミストは指摘する。また、20日までの1週間の新規失業保険申請件数も3カ月ぶりの高水準で、ブルームバーグがまとめた事前予想より悪化。雇用減少による消費環境の厳しさを確認させる結果となった。 米国では、3月2日に2月の米供給管理協会(ISM)の製造業景況指数、5日に2月雇用統計と相場の方向性を占う重要指標が発表される。ブルームバーグの事前調査では、ISM景況指数は58.0と前回(58.4)からやや低下、雇用統計では非農業部門雇用者数が3万人減と前回(2万人減)から悪化が予想される。 三菱UFJ証券の鮎貝正弘シニア投資ストラテジストは、「米景気指標はこのところ、予想に対して下振れるケースが出ている。ギリシャ問題と併せ、警戒感の方が先に出そう」と話している。日経平均の1万円近辺は、投資家の中長期の売買コストである200日移動平均線(1万31 円)などが下値支持線となっているが、3月期末接近で需給面でも企業の持ち合い解消売りが出やすく、悪材料が重なれば2月10 日以来の1万円割れとなる懸念はぬぐえない。
もっとも、景気の緩やかな改善による企業業績の回復傾向は、相場の下値を支えそう。日本の1月の名目輸出は前年同月比で2カ月連続プラス。1月の鉱工業生産は輸送機械などが寄与、前月比11カ月連続で上昇し、事前予想も上回った。MDAMアセットマネジメント福島毅執行役員は、「アジアの恩恵を受け日本の輸出や生産は伸びており、景気実態は良好。来期の企業業績は5割増益が予想される」と見る。 福島氏によれば、東証1部銘柄の6割以上がPBR(株価純資産倍率)1倍以下。「PBRは株価を押し上げるドライバーにはならないが、下値のサポート要因になる」という。さらに、投資家の心理状況を表す東証1部の騰落レシオも75%と、経験的に「売られ過ぎ」とされる70%割れに近づいてきた。 国内では、4日に昨年10-12月期の法人企業統計が発表予定。第一生命経済研究所の斉藤俊輔副主任エコノミストは、「コスト削減や売上高の持ち直しを背景に、10四半期ぶりの増益に転じたと考えられる」とし、設備投資も「いくぶん持ち直した可能性がある」と予想する。設備投資の回復が確認されれば、機械や電機セクターを中心に設備投資関連株の再評価につながりそうだ。 このほか、海外では1日に中国の製造業購買担当者指数(PMI)、2日に米国で2月の自動車販売台数、3日に2月の米ADP雇用統計が発表予定、4日にはECB理事会が開かれる。国内では、2日に1月の完全失業率や家計調査の公表がある。米自動車販売では、リコール(無料の回収・修理)問題で揺れるトヨタ自動車の販売動向が焦点。
●大和証券キャピタル・マーケッツ金融証券研究所・投資戦略部の高橋和宏部長 ●オフィスセントポーリアの馬渕治好代表 ●GCSAMの佐藤博最高投資責任者 PR |
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