原子力発電のポテンシャルとリスクを考える
FOREIGN AFFAIRS REPORT　
http://www.foreignaffairsj.co.jp/

　様々な理由から、世界各地で原子力エネルギーが注目され、見直されつつある。
このトレンドには、エネルギー需要が上昇したことだけでなく、環境対策として脱化石燃料化の流れが高まり、一部の環境保護団体が、核エネルギーが環境に優しいことを認め始めたことも関係している。

ヨーロッパの指導者は原子力発電所の段階的な閉鎖計画を見直しているし、アジアでも、中国とインドを中心に、電力需要を満たすための新規プラントが建設されている。アメリカも原子力発電所の建設を３０年ぶりに再開した。

だが一方で原子力発電に対する懸念もなくなってはいない。原子力発電所が世界各地に建設されれば、その分、核拡散のリスクは高まっていく。使用済み核燃料の国際的管理体制も、核燃料の国際的供給も未解決の課題として残されている。さらに、原発の経済性を疑問視する声もある。実際、原子力発電施設の建設には莫大なコストと時間がかかり、石油や天然ガスの価格が大幅に下がれば、原子力発電が他の資源による電力生産に対する比較優位を失う可能性もある。・・・・

興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック！

[3回]

　原子力発電が求められているのは必然の流れだが、全く新しいシステムを用意する必要がある。
一つは核燃料サイクルを多国間で管理することだ。全ての国が核燃料を処理する権利や技術を持っているわけではない。原子力エネルギー利用に関する拘束力のある安全基準を確立すべきだ。
　原子力発電は今後非常に重要な役割を果たしていくだろうが、それには大きな責任も伴う。現在のところ、われわれはグレーゾーンにいる。原子力発電は様々な意味で非常に優れていると私は考えているが、各国が原子力エネルギー利用に向けた道を歩み始める前に、様々な（国際）合意を形成する必要があるだろう。
　前IAEA事務局長モハメド・エルバラダイ「核のない世界は幻想か？」より

　温室効果ガス排出に対する懸念の高まりを受けて、クリーンな代替エネルギー源としての原子力発電への関心も高まっている。
…だが、原子力発電は、原子炉事故による「放射能汚染のリスク」だけでなく、核燃料生産施設、使用済み核燃料の再処理施設による「核拡散のリスク」も伴う。
　核兵器を作る上でもっとも難易度が高いのは、核分裂性物質を生産する部分、具体的には、ウラン濃縮とプルトニウムの生産プロセスだ。
悩ましいのは、ウラン鉱から４％の濃縮ウランを核燃料として生産する施設の建設を（原子力発電のインフラ整備を望む諸国に）認めるかどうかだ。
こうした核燃料生産施設の建設を認めた場合、この施設を利用してウラン濃縮を繰り返せば90％の兵器級ウランを入手できてしまう。つまり、ＮＰＴで認められた「原子力を平和的に利用する（非核保有国の）権利」を尊重しつつ、核拡散のリスクを抑え込んでいくのは非常に難しい、ということになる。
　グレアム・アリソン「このままでは核拡散の大潮流が起きる」より

――　あなたは補助金を得て代替エネルギーの開発に投資をするのはリスクがあると発言している。その理由は。

　トタルのような企業にとって、長期的に補助金に依存するような開発モデルを採用するのは賢明ではない。短期的な補助金なら、問題はない。（代替エネルギーの）研究プロジェクトについて政府から補助金を得ても、おかしくはない。
しかし、補助金がなければ（長期的に）動かないようなプロジェクトやシステムを立ち上げることを心配するのは、何もトタルだけではないだろう。納税者もこれを心配するはずだ。長期にわたって進歩を遂げられず、補助金なしでは機能しないようなシステムは健全ではない。この場合、一体だれが付加価値を作りだすのか。
　「トタル社ＣＥＯドマルジェリーが語るエネルギーと環境のバランス」より

■□━━━━・・・・・‥‥‥………………………………

前原誠司国土交通相が、ダムに対する建設稼動後からも発生する
コスト（経費等）に掛かる事について言及していますが･････

湖面１号橋 費用対効果計算に疑義
東京新聞 ‎2010年2月3日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20100204/CK2010020402000138.html

現段階で、建設費用も含め、将来的にも一番、
莫大にコスト（経費等）が掛かるのが「原子力発電」であり、
リスクが一番あるのも「原子力発電」で、
当り前ですが、温室効果ガス排出も多いのが「原子力発電」です。

もし「温室効果ガス排出」を叫ぶのなら、まず最初に来るのが「風力発電」
でしょう。全く「風力発電」に言及しない処に
「原子力発電」の不思議な処があるのです。

まぁ～実は「風力発電」にも問題が大ありなんですけれども･････
問題の無い方式のモノもあるんですよねぇ～･････実は･･･

「原子力発電」よりかは数段「水力発電（ダム）」のほうがマシなのです。