2024 11,23 03:25 |
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2010 02,18 15:00 |
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遅きに失した日本のインフレ目標議論 遅ればせながら、日本がようやく物価の安定に関して、他の先進諸国と同じ方向に動き始めたようだ。だが、他の先進諸国では、議論はとっくに次へと移っている。 好戦的な日本の政治家、菅直人副総理・財務相は今週、物価上昇率について、1%程度を「政策的な目標にすべきだ」との爆弾発言を行った。菅氏は以前から、こうしたインフレ目標の導入を日銀に求める姿勢を示しており、日銀は昨年12月の声明で、中長期的な物価安定の「理解」について、「(金融政策決定)委員の大勢は1%程度を中心と考えている」と発表せざるを得ない状況に追い込まれた。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
まだ正式決定は行われていないものの、日本が初めてインフレ目標の設定に踏み切る可能性が高まってきた。他の大半の先進国は、2%程度というインフレ目標を設定しているにもかかわらず、日本ではこれまで、日銀の強い抵抗により、インフレ目標の設定は行われていなかった。 インフレ目標を設定することで、中央銀行は明確な指針を掲げることになる。そうなれば、想定外の物価の上昇や下落に直面した場合、何も行動を起こさないわけにはいかなくなる。またインフレ目標は消費者や企業が物価を見通しやすくするのにも役立つ。 確かに、昨年12月時点で消費者物価指数が10カ月連続で下落している日本にとって、1%のインフレ目標は夢のような話だろう。だが、デフレは、借り手の実質金利負担を増加させ、収益の不透明さから企業の設備投資を遅らせる。企業の価格決定力は失われ、その結果、利益率が圧縮されることになる。 だが、長期的には、日本はインフレ目標を1%よりも、さらに引き上げる必要があるだろう。1%という水準では、大幅な需要減退を招きかねない危機に直面した場合、そのショックを吸収しきれない可能性がある。深刻なリセッション(景気後退)を背景にデフレに陥っている日本の最近の状況は、その可能性を明確に物語っている。 だが、たとえ1%のインフレ目標を設定したところで、日本が他の先進諸国に遅れをとっていることに変わりはない。つい先週、国際通貨基金(IMF)のエコノミストによって、金融危機から学んだ教訓の1つは、より一般的な2%というインフレ目標でさえ低すぎるということではないかとの議論がなされたばかりだ。 インフレ目標が何もないよりは、ましだというのが日本の言い分かもしれない。だが、遅すぎることに加え、少なくとも1ポイント低すぎる。 [ハード・オン・ザ・ストリート(Heard on the Street)は1960年代から続く全米のビジネス・リーダー必読のWSJ定番コラム。2008年のリニューアルでアメリカ、ヨーロッパ、アジア各国に駐在する10人以上の記者が加わり、グローバルな取材力をさらに強化。刻々と変わる世界市場の動きをWSJ日本版でもスピーディーに紹介していく] 記者: James Simms PR |
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