2024 11,23 02:29 |
|
2010 02,17 11:00 |
|
ウィルコム、18日にも会社更生法申請 再生機構支援へ 経営再建中のPHS事業者ウィルコムが、18日にも東京地裁に会社更生法の適用を申請する方針を固めたことが明らかになった。同社から支援要請を受けている、官民による企業再生ファンド「企業再生支援機構」は25日までに正式に支援決定する見通し。新たなスポンサーのソフトバンクと国内投資ファンドも出資方針を内定済みで、日本航空と同様に大口債権者とあらかじめ再建計画で大筋合意を得ておく「事前調整型」での法的整理となる。 法的整理に踏み切るのは、350億円にのぼる社債の圧縮や、取引銀行に債権放棄を求めるうえで、透明性と公平性を確保するのが狙いだ。社内や機構の一部では、信用低下を心配し、法的整理への反対意見もあった。しかし、債権放棄額を巡って難航していた取引銀行団との交渉が合意にこぎ着け、機構やスポンサーの支援見通しも固まり、深刻な顧客離れは避けられると判断した模様だ。 機構は更生法の適用申請後、1週間以内にウィルコム支援を正式決定する見通し。支援は利害関係者の調整が中心で、出資はせず、融資にとどめる計画だ。 機構による企業支援は日本航空に続いて2例目となる。もともと中小企業支援を目的とする機構が相次いで大企業を救済することに批判もあるが、ウィルコムは国内唯一のPHS事業者で、約420万人の利用者を抱える。電磁波の弱いPHSは特に医療機関や救急医療の現場で活用されている。機構はこうした「公益性」を考慮したようだ。 ウィルコムは昨年9月、高速の次世代通信サービス「XGP」の本格展開に向けて約1千億円の有利子負債の負担を軽減するため、私的整理の手法である「事業再生ADR」手続きに踏み切った。しかし、取引銀行団との交渉が難航し、今年に入り、企業再生支援機構に支援を要請し、新たな再建策を模索してきた。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
いやぁ~・・・原口がケツ持ちだと強気だねぇ~・・・・・
ADRによる私的再生を模索していたPHSのウィルコムが一転して、会社更生法を申請し、日本航空(JAL)の再生支援で一躍有名になった「企業再生支援機構」の支援を受けようとしているとの報道が1月27日の新聞各紙を賑わせた。 しかし、報道された内容を精査して浮かび上がってくるのは、水面下で進んでいる交渉がウィルコムの再建支援というよりも、むしろ、ソフトバンクが、データ通信速度が飛躍的に向上するウィルコムの次世代PHS事業を事業買収すると言い表すべき実態がそこに存在する事実だ。 換言すれば、中小企業の再建を支援するために設立されたはずの「機構」が、ソフトバンクの事業買収のために公的資金を投入するという世にも奇怪な流用劇である。 最初に問題の記事をスクープしたのは、27日付の日本経済新聞朝刊だ。1面トップで、「ウィルコム 更生法活用で再建へ 機構・ソフトバンクと調整」という見出しを冠し、「PHS最大手のウィルコムは会社更生法を活用して再建を目指す方向で、支援を仰ぐ公的機関の企業再生支援機構やソフトバンクと最終調整に入った」などと報道した。 様々な問題が指摘されて再建自体が危ぶまれているとはいえ、JALが今月19日に東京地裁に会社更生法の適用を申請し事業会社として国内最大の破たん劇となったことや、機構が同社の再建を支援する方針を表明したことの連想が働いたのだろう。
各報道機関はこぞって、この記事をほぼそのまま追い掛けた。例えば、朝日新聞は、同じ日の夕刊(3版)12面のアタマ記事の扱いで、「ウィルコム 更生法活用へ 『事前調整型』機構などと調整」と追随した。他の大手紙も、ホームページの報道などを見る限り、「ウィルコム、更正法活用を検討」(読売新聞)、「ウィルコム:更生法活用で再建 機構と最終調整」(毎日新聞)、「ウィルコム 更生法活用も検討 機構支援前提に透明性確保」(Sankei Biz)といった具合だ。 会社のイメージ低下を懸念する声や交渉の難航から、実現までの紆余曲折が予想されるといった指摘を加えるぐらいで、いずれも、機構の融資の妥当性そのものに焦点を充てる記事は存在しなかった。 だが、当のウィルコムは、これらの報道を否定するコメントを公表した。同社のホームページにも掲載されているが、「本日の一部報道について」と題して、「(問題の記事は)報道機関による憶測記事であり、報道された内容は弊社から発表したものではありません」としていたのだ。 さらに「現在、弊社ではADR手続き成立に向けて債権者の皆様のご理解とご協力のもと、関係各所と鋭意調整を進めております。当社サービスをご利用いただいているお客様、また販売店さまやメーカーさまなどお取引先の皆様への影響はございませんのでご安心ください」とも述べられていた。 この点について踏み込んで取材すると、どうやら「法的整理は、まだ選択肢のひとつの段階に過ぎない」(複数の関係者)というのが実情のようだ。ただ、従来の法的整理では、実施が常識とされていた金融機関以外の「一般債権」の整理が、JALのケースで行わない前例ができたことなどから、急きょ、法的整理も選択肢に入れた検討が始まったというのが実態らしい。 そこで、もう一度、最初の日経のスクープ記事をよく読むと、行われている交渉で、ウィルコムが主導権を持った自主的な再建が本当に可能なのかどうか疑問視せざるを得ない表現が盛り込まれている。 それは、「機構はウィルコムを現行のPHS事業を手掛ける会社と、通信速度が速い次世代PHS事業を手掛ける会社に分割する案を検討している。現行PHS会社の再建は機構が、次世代PHSの展開はソフトバンクがそれぞれ主導する見通しだ」という部分である。
これを字義通り読めば、ウィルコムの手許に残るのは現行PHSを手掛ける会社だけということが明らかだ。そして、もう一方の次世代PHSを手掛ける会社は、ソフトバンクが傘下に収めることになる。 つまり、ソフトバンクの「支援を仰ぐ」という記事の表現は、ある種の“詭弁”に過ぎない。実態は、ソフトバンクが美味しい次世代PHS会社だけを買い取り、儲けが期待できなくなった現行PHS会社を機構とウィルコムに押しつけるということに過ぎなくなる。 ここで説明しておきたいのは、なぜ、ウィルコムが今日のような経営不振に陥ったのか、その原因は何だったのかと言う問題である。 実は、ウィルコムの加入契約数は昨年12月末段階で429万9400件。2年前の477万2200件に比べて、実に、47万2800件も加入者を減らしている。この加入者の減少が、言い換えれば、利用客離れが経営危機の主たる原因だ。 そして、ウィルコムの加入者を最も多く奪ったとされているのは、イーモバイルとソフトバンクの2社である。ウィルコムは過去に、エアーエッジの名称で、電子メールの送受信などに便利な定額のデータ通信サービスをいち早く開始し人気を博したが、技術革新の波に乗り後れ、イーモバイルが開始した第3世代携帯電話を活用した高速データ通信サービスに、データ通信の利用客を奪われた。また、低料金が売り物だった「もしもし」の音声電話の利用客は、ソフトバンクの低額サービスに流れたとされるのだ。 この利用客の奪い合いの中で見逃せないのは、ウィルコムが、次世代PHSサービスの開始で大幅に遅れを取り、イーモバイルに利用客を奪われていた点である。ようやく体制が整い、その遅れを取り戻すことになる、この次世代PHSを、ソフトバンクに吸収されると、ウィルコムは過去2年間の利用者離れで戦えないことが実証されている現行PHS会社だけを持つ会社に逆戻りしてしまう。つまり、将来の成長性が無く、ジリ貧になるしかない会社に陥ってしまうのだ。 なんとも愚かな戦略だが、関係者によると「自信を喪失し、保身に汲々とするウィルコム取締役陣に、主導権を取って、会社を再建する気概はない」(ウィルコム中堅幹部)という。それどころか、ウィルコムはソフトバンクに「(次世代PHSどころか)400万超の契約者を奪われかねない」(総務省幹部)とか、「食い物にされるのは、雲散霧消した日本テレコムの例を見れば明らかだ」(電気通信事業に詳しいエコノミスト)といった分析が専門家の間ではほぼ常識となっている。 企業は、日常的に、食うか食われるかの激しい市場競争を繰り広げる存在だ。それゆえ、筆者は、ソフトバンクがウィルコムを買収し、新型PHS事業や400万を超す加入者を掌中にすること自体に異を唱えるつもりは毛頭ない。 だが、今回のようにウィルコムの法的整理の実態が、ウィルコムの再建でなく、ここまで見てきたようなソフトバンクによる買収に過ぎないのならば、話は大きく違ってくる。というのは、特別立法によって、中小企業の再建支援を目的に設置された機構が、資金などの支援を行うことがとても容認できるような話ではなくなってくるからだ。
結論を出す前に、JAL支援でこれまでに明らかになった機構の問題点にごく簡単に触れておくと、まず、機構は、「中小企業」ではない、「巨大企業のJAL」の再建支援に乗り出してしまった。その更生計画の杜撰さは、関係者の間では、よく知られた話だ。 筆者も本コラムで、過去2週にわたって、「JAL国際線撤退派に突如転向した 前原“子ども大臣”のしたたかな計算」(1月22日)、 だが、今回のようにソフトバンクによるウィルコムの実質買収劇を機構が支援するのは、公的資金で、巨大企業のM&A資金の肩代わりをすることに他ならない。 利用者利便を損なう行為にも関わらず、携帯電話の契約約款を会社都合で乱暴に変更して、消費者センターから是正を迫られたり、技術基準への適合義務を怠り総務省から行政指導を受けてきた経緯から、ソフトバンクはこれまでも再三、行儀の悪さ、顧客軽視の問題が指摘されている会社だ。 そして、今回の支援劇は、あまりにも不透明である。むしろ、「(次世代PHS獲得に回すような資金があるなら)怠ってきた自社のネットワークの性能や能力の増強投資にこそ、ソフトバンクは注力すべきだ」(前述の総務省幹部)といった批判も少なくない。 加えて、ウィルコムの設立、育成などに大きく関わった稲盛和夫氏は、今なお、自身が大きく関与する京セラやKDDIが大株主にとどまっているウィルコム再建をそっちのけにして、JALのCEO(最高経営責任者)座に収まった。このことが、財界から「法人として、JALの顧客にとどまり、支援する意欲を削ぐ行為だ」との厳しい批判も囁かれはじめている。機構は、こうした人事でも裁きが悪かったうえ、今回も問題噴出の様相となってきた。放置せず、早急に機構の抜本改革する必要がありそうだ。 PR |
|
コメント |
コメント投稿 |
|
trackback |
トラックバックURL |
忍者ブログ [PR] |