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2010 02,13 09:00 |
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【日本株週間展望】財政リスク懸念続き反落へ、国内デフレも警戒視 2月第3週(15-19日)の日本株相場は、反落する見通し。欧州を中心に財政問題が懸念され、投資家のリスク回避姿勢が強まっている。日本でも、経済構造の変化に伴うデフレ進行が警戒され、積極的に日本株を買い進める向きは少ない。 RBCインベストメント(アジア)で11億ドル相当の資産運用に携わる香港在勤のファンドマネジャー、武田洋二氏は「欧州の財政問題や中国の金融引き締めなどを、マーケットはある程度織り込んだと思うが、消化している最中。引き続き欧州発のニュースや為替動向に注意が必要」と見る。特に、日本円が対ユーロや対米ドルで強含んでおり、「円高傾向の中では日本株は上昇しにくい」との認識だ。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
12日の日経平均は前週末比0.3%高の1万92円で、TOPIXは0.04%高の892.16と小幅ながら4週ぶりに反発した。ギリシャの財政問題をきっかけに、スペインやポルトガルなど南欧諸国の財政赤字リスクが警戒され、日経平均は9日に約2カ月ぶりの低水準に沈んだ。ただ週半ば以降、投資家の間で欧州連合(EU)がギリシャの財政再建を支援するとの観測が広がり、EU加盟国の株式相場が急反発、日本株も連動して戻した。 ドイツ銀行のロンドン在勤ストラテジスト、ジム・リード氏は「一部欧州諸国が現在直面している問題は、米国と英国が将来に遭遇し得る事態の予行演習だ」と指摘。いずれは、英国や米国のソブリンリスクが意識される局面が来ると予測している。 ブルームバーグのGCDS機能によると、英国国債(通称:ギルト債)のデフォルト(債務不履行)に備えた保証コストを示すクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の5年物スプレッドは、1月下旬の75ベーシスポイント(bp)から2月4日には102bpまで急拡大、9カ月ぶりの高水準に達した。ギリシャへの支援が取り沙汰された2月9日以降は同スプレッドも縮小しているが、足元も87bpとなお高い。
主要格付け機関から「トリプルA」の最上位格付けを付与されるギルト債だが、市場では格下げを織り込むかのような動きを見せており、英民間企業のCDSスプレッドとのかい離が広がっている。新生証券の松本康宏シニアクレジットアナリストは、「もともとファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)が悪い上、傷んでしまった金融セクターに対する支援額も大きく、ギルト債が投機対象になりやすい」と話す。 イングランド銀行の金融政策委員会(MPC)のメンバーを務めたディアンヌ・ジュリアス氏は、「総選挙までに英国が通貨危機や債務危機に陥る深刻なリスクがある」と危機感を隠さない。 ヘッジファンドの動きに詳しい草野グローバルフロンティアの草野豊己代表は、2008年以降の金融混乱で勝ち残ったヘッジファンドは、米大手企業の破たんを正確に予測し、CDSなどのデリバティブ市場で稼いでいたと指摘。「英国と日本のソブリン債のCDSスプレッドが足元で顕著に拡大していることを考えると、今後はこれらの国のソブリン債相場の暴落と株式相場の下落が想定される」と言う。
2月3週は、主要各国で経済指標の発表が相次ぐ。15日には、取引開始前に日本の10-12月期国内総生産(GDP)速報値が明らかになる。ブルームバーグ・ニュースのエコノミスト調査によると、予想中央値は前期比0.9%増(年率換算3.6%増)と増加が見込まれ、設備投資も7期ぶりに小幅なプラスになるもよう。 丸紅経済研究所の榎本裕洋シニアエコノミストは、GDP成長率が示唆するのは景気の「方向性」でしかないとした上で、「08年を100とした場合の経済規模はいまだ93前後で、水準自体はまだまだ低い」と強調。水準が伴わない以上、景気回復の実感は広がらないと見る。 バークレイズ・キャピタル証券の森田京平チーフエコノミストは、日本経済が「生産拠点」と「企業ガバナンス」の面でグローバル化した結果、日本の賃金や物価も「ニューノーマル」と言われる世界的な均衡に向けてレベル調整を強いられると分析。「市場機能をフルに活用していない日本においては、その調整はだらだらと進まざるを得ず、必然的にデフレ自体がだらだらと進む」と、森田氏は話している。
「メダル獲得数ゼロの時はマイナス1.01%、1個の場合はプラス0.77%」――。大和証券キャピタルマーケッツ金融証券研究所・投資戦略部の吉野貴晶チーフクオンツアナリストは、冬季五輪での日本選手団のメダル獲得数と日経平均の相関関係を調べ、「メダル獲得数が増えるに連れ、開催期間の株価はポジティブとなる」と結論付けた。 1952年の第6回オスロ大会以降、計15回の五輪を分析した結果、メダル獲得数が2-3個の時の日経平均の上昇率は4.42%だった。今回は、カナダのバンクーバー市で2月12日から28日までの約半月、スキーやスケートなど計7競技86種目が行われる。日本選手団の橋本聖子団長は8日、バンクーバー市内のホテルで開いた会見で、「長野五輪のメダルの個数に匹敵する数を目標に掲げる」と、10個以上のメダル獲得に意欲を見せた。 このほか、世界の株式市場に影響を与えそうな材料は、国内では17日に昨年12月の第3次産業活動指数、19日に日本銀行の金融経済月報の公表など。海外では、15-18日にスペイン・バルセロナ市で世界携帯電話会議が開催され、17日に米国で1月の米住宅着工件数と鉱工業生産、18日に2月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数、19日に1月の米消費者物価指数の発表がある。また15日の米国市場はプレジデンツ・デーの祝日で休場、17日はチベットのダライ・ラマ14世が米ワシントンでオバマ米大統領と会談する予定だ。
●損保ジャパン・アセットマネジメントの中尾剛也シニア・インベスメントマネジャー ●十字屋証券・投資情報室の岡本征良室長 ●立花証券の平野憲一執行役員 記事:東京 鷺池 秀樹 Hideki Sagiike PR |
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