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2010 01,30 18:46 |
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【日本株週間展望】下値固め、世界金融引き締め注視-好決算は買い 2月第1週(1-5日)の日本株相場は下値を固める展開となりそう。米オバマ政権による新金融規制案、中国の金融引き締めなど、世界的に経済運営を平時に戻す「出口論」が警戒され始めている。ただ、国内企業の第3四半期決算への期待感は根強くあり、好決算銘柄には買いが入りそうだ。 大和住銀投信投資顧問の門司総一郎投資戦略部長は、「米新金融規制案に関し、ボルカー経済回復諮問会議議長が何を話すかに注目している。週前半は様子見が強まるだろう」と言うが、直近の相場は大きく下げており、「テクニカル的に買われやすい水準。好決算を発表した銘柄に買いを入れやすい」と見ている。 「米国民が大き過ぎてつぶせない銀行の人質に取られるようなことは二度とあってはならない」――。米国時間21日のホワイトハウス。ポール・ボルカー議長との会談後、記者会見したオバマ大統領は金融機関の規模の制限に動き出すことを表明した。銀行に対し自社の利益を追求する自己勘定トレーディングの運営、ヘッジファンドへの投資を禁止するというものだ。 具体的な内容は明らかにされていないが、金融機関の業務が大幅に制限されれば、米国の経済活動が圧迫される可能性がある。景気の先行き懸念から、為替相場ではドル売りが先行し、27日に一時1ドル=89円14銭と、昨年12月18日以来のドル安・円高水準を更新。日本株相場は輸出関連株中心に下げ、今週の日経平均株価終値は前週末比3.7%安の1万198円と、昨年12月21日以来の安値を付けた。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
総量規制を思い出させる 立花証券の平野憲一執行役員は、米新金融規制案について「日本のバブル経済を崩壊させた悪名高き総量規制を思い出させる。株式相場が『金融相場』から『業績相場』へ移っていない時に実行するのは危険なことだ」と警戒する。総量規制は、1990年に旧大蔵省から金融機関に対し行われた行政指導。不動産向け融資の伸び率を総貸出の伸び率以下に抑えさせた。 こうした中で2月2日、米上院銀行委員会が金融規制について公聴会を開催、ボルカー議長が証言する予定だ。三菱UFJ証券の荒井誠治投資ストラテジストは、「議長は規制案に関わる中心人物。来週の前半は発言の内容を見極めたいという雰囲気になりそう」と話す。 中国の金融政策の動向にも注意が必要だ。過剰融資を抑えようと当局は圧力を強めており、中国の銀行は与信の引き締めを開始している。事情に詳しい関係者によると、中国銀行は上海地区での法人向け新規融資を停止。中国建設銀行の上海支店は個人向けと住宅ローンの審査を厳格化した。経済成長が鈍化するとの見方から、今週の中国シンセン総合指数は前週末比3.6%安と大幅安となった。
中国の金融引き締め強化、米国の金融規制に対する警戒感から、投資家のリスク許容度が低下し、今週の外国為替市場ではオーストラリアドルやブラジルレアルなど新興・資源国通貨も急落した。また、欧州ではギリシャの信用不安が高まっており、ユーロ安が進展、相対的に円高になりやすい状況だ。円高が進展すれば、輸出関連株の下げにつながりかねない。 大和証券キャピタル・マーケッツ金融証券研究所・投資戦略部の高橋和宏部長は、「来週は欧州中央銀行(ECB)の定例政策委員会、7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議が予定され、為替相場をにらみながらの展開になるだろう」と予想する。 もっとも、景気は着実に回復しているため、下値は固いとの見方は多い。経済産業省が29日発表した12月の鉱工業指数速報は前月比で10カ月連続して上昇した。アジア向けを中心とした輸出回復や内外の消費刺激策の効果により、企業の生産活動は持ち直しが続く。 東海東京調査センターの中井裕幸専務は、「在庫水準は依然低く、在庫の積み増しは十分に考えられる。中国の金融引き締め強化懸念から新興国関連銘柄は売られているが、新興国を中心に景気は回復しており、押し目を拾いたい」と指摘する。
本格化している国内企業の第3四半期(4-12月)の決算を見ると、中国など新興国の景気拡大の恩恵を受ける銘柄の業績は好調だ。新興国需要の拡大から半導体や自動車部品、医療関連などの一角は好調で、10年3月期業績予想を上方修正したオムロン、エクセディは29日の取引で大幅高となった。 外国人投資家からの買いも続いており、需給環境も悪くない。東京証券取引所が28日に発表した投資部門別売買動向によると、東京、大阪、名古屋3市場の1・2部合計で、1月第3週に外国人は3236億円を買い越し、買い越しは9週連続。中井氏は、「金融引き締めなどで中国や欧米株が軟調になる中、これまで保有していなかった日本株に資金が流れ込んでいる。しばらく続く可能性があるため、相場は大きくは崩れない」との見方を示している。 記事: 常冨 浩太郎 Kotaro Tsunetomi PR |
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