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2010 01,16 09:00 |
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【日本株週間展望】上値重い、業績や中国見極め-外国人買い一服も 1月第3週(18-22日)の日本株相場は上値の重い展開が予想される。米国で決算発表が本格化するが、業績改善は織り込み済みとの見方が多い。日経平均株価は心理的節目の1万1000円に接近、急ピッチの上げの反動から輸出関連や金融株などに戻り売りが出やすくなりそうだ。中国の経済指標も注視される。 りそな銀行の戸田浩司チーフ・ファンド・マネジャーは「日本株の出遅れ修正の要因となった外国人買いは第1弾目としてはピークに達した感がある」とし、日経平均1万1000円を大きく上回るには「為替や来期業績などもう一段の材料が必要」と見ている。 第2週の日経平均株価は、前の週に比べ1.7%(183円)高の1万982円で終了。2008年10月以来の1万1000円回復が目前に迫った。中国など世界景気の順調な回復を背景に、外国人投資家を中心にソニーなど輸出関連や新興国関連を見直す動きが活発化。日経平均は昨年来高値を更新した。 米国で1月3週から09年10-12月期(第4四半期)の決算発表が本格化してくるため、市場の関心はマクロ経済指標からミクロに移ると予想される。19日にはシティグループ、20日にはIBM、21日にはゴールドマン・サックス・グループ、モルガン・スタンレーなどテクノロジーや金融企業の決算が数多く発表される予定。ブルームバーグがまとめたアナリスト予想平均によると、S&P500種採用企業全体の第4四半期利益は62%増と、07年以降で初の増益となる見込みだ。 S&P500種株価指数は決算発表に先行する形で、昨年12月中旬以降に52週高値を更新する動きが続く。大和住銀投信投資顧問の門司総一郎投資戦略部長によると、「良好な業績を発表する企業が多くなろうが、株価水準も高いので、あらためて上値を買う動きになりにくい」という。金融株については業績下振れの観測もあり、米国株の上昇が日本株を大きくけん引する可能性は低いとみられる。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
一方、昨年パフォーマンスの悪さが目立った日本株は、足元で復調ぶりが顕著となっている。日経平均は1月1週、2週といずれも前週末水準を上回り、06年以来となる年初からの2週連続プラスを演じた。買いの主体となっているのは外国人だ。 東京証券取引所が15日発表した1月1週(4-8日)の投資主体別売買動向(東証、大証、名証の1・2部合計)によると、外国人の買越額は7080億円と04年3月以来、5年10カ月ぶりの高水準を記録した。市場推計の朝方の外資系証券の注文動向でも、15日まで14営業日連続で買い越しとなっており、第2週も買いは継続したもよう。 三菱UFJ証券の鮎貝正弘シニア投資ストラテジストは、「海外株高を受けて日本株ウエートが異様に低くなったため、昨年ウエートを落とし過ぎた反動による調整が入った」と指摘する。実際、年初からはソニーやパナソニック、任天堂、銀行株など、昨年外国人持ち株比率が低下した銘柄の上昇が目立つ。
ただ、「外国人買いは外部環境の変化や日本株に対して強気の見方をしているためでない」と、鮎貝氏は強調。外国人買いは第3週も続くと見る向きが多いものの、足元の買越額が大きいことから、買いの勢いは今後やや鈍化する可能性がある。 米雇用統計が市場予想より悪化したことで、為替市場ではやや円が強含んでおり、需給での相場支援要因が弱まれば、日経平均は1万1000円台を継続して維持するのは難しい。需給の節目となりやすいオプション1月限の特別清算値(SQ)1万798円、1月4日終値の1万654円、25日移動平均線である1万450円辺りが下値めどとして意識されそうだ。 相場の方向性を占う上で第3週に注視されるのは銀行株の動き。三井住友フィナンシャルグループは約8900億円を調達する公募増資で、20日から22日の間に発行価格を決める。昨年12月までは、価格決定前は株価が波乱となるケースが多く、需給悪化の現実悪も意識されやすい。さらに増資払い込みに備えるための既存銘柄の換金売りも想定される。そうした売り圧力を外国人買いがどこまで吸収できるかどうかで、相場全体のセンチメントも左右される公算が大きい。
もっとも市場では、本格的な日本株の調整を予測する向きは少数。「日本株は世界経済の回復による恩恵をそれなりに受けるため、下げ局面があっても着実に戻る」と、りそな銀の戸田氏。さらに第3週後半からの国内企業の決算発表も、下値を支える要因となりそうだ。 企業収益動向を調査している野村証券の伊藤高志シニアストラテジストは「7-9月期に比べた生産の改善、前年比での為替の円高一巡から、10-12期業績は期待して良い」と話している。伊藤氏によれば、10-12月期は電機や自動車などの業績が世界的に好調で、それらの影響が自動車部品や電子部品、電子材料、ガラス、プラスチック、ベアリングなどへすそ野が広がる傾向が出ているという。 好業績を織り込んで株価が上昇している点は米国株と同様だが、業績面で明るいニュースが増えることで、下値を買う動きも入りやすいと予想される。東海東京調査センターの隅谷俊夫投資調査部長は「経験的に大幅増益の時は株価が大幅上昇しやすい」とした上で、「4月から始まる来年度の大幅増益見通しに沿った業績相場が昨年12月から始まったと見たい」としていた。 第3週の日本株に影響を与えそうなそのほかの材料は、海外では20日に米国の12月住宅着工、21日に米12月コンファレンスボード景気先行指数が発表予定。なお18日の米市場は、キング牧師生誕の祝日で休場となる。 中国では21日に10-12月期の国内総生産(GDP)や12月鉱工業生産などが公表される。中国のGDPが予想以上に好調となれば、預金準備率の引き上げ観測が日本の新興国関連株の上値を抑える可能性がある。国内では、18日に通常国会が召集される。
【市場関係者の当面の日本株の見方】 ●パインブリッジ・インベツトメンツの中野次朗・株式調査部長 「年初からの流れを受け、株価は緩やかに上昇するだろう。本格化する第3四半期の決算発表を控え、自動車や自動車部品などに通期予想の上方修正期待が強まる。電子部品はクリスマス商戦が終わった1-3月期も堅調に推移しており、業績拡大が見込めそうだ。グローバルな景気回復への期待から海運や鉄鋼など素材関連などにも買いが入りそう」
「グローバルな投資を行う海外機関投資家が相場観を抜きにして日本株を買ってきているようだ。国内機関投資家は第3四半期決算を見極めてから動こうとしているようで、当面はTOPIXコア30指数構成銘柄を中心に堅調な推移が予想される。米国株式相場も流動性相場から業績相場に移行し始めた。日本にとって最も良いのは、米企業の業績回復により株高・ドル高となること。ひところのドル安の流れが消えているため、日本株はじり高が期待できよう」
「日経平均は1万1000円を抜け、次の節目となる1万1500円を目指す強い相場展開を予想する。大型株ほど上昇が目立っており、外国人投資家の買い意欲の強さがうかがえる。外国人の見直し買いはまだ始まったばかり。米企業の四半期決算は総じて良好な内容が見込め、日本株への好影響も期待できる。足元の相場上昇で個人投資家の余力が改善してきていることも、投資家層拡大に伴う市場エネルギー増加につながり、戻り売りを吸収しやすくなる」
「インテルの好決算を受け、米国企業の業績期待が高まっている。 記事:東京 長谷川 敏郎 Toshiro Hasegawa PR |
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