明日の戦略
T&Cフィナンシャルテクノロジーズ2010/01/15/17:07

－連日で高値更新　来週は真空地帯の11000円台を駆け上がるか

　15日の東京市場は続伸。後場上昇に転じ、高値引けとなった。業種別では、銀行、小売、不動産、卸売、輸送用機器などが値上り率上位。その一方で、空運、鉄鋼、石油石炭、海運、ゴムなどが軟調に推移した。売買代金上位は、三菱ＵＦＪ、三井住友、みずほ、トヨタ、ソニー、三菱商など。

　日経平均は朝方の買い一巡後に伸び悩み、下げに転じた。しばらく前日終値を挟んだもみ合いを続けたが、先物主導で大引けにかけて上げ幅を拡大。高値引けとなり、連日で昨年来高値を更新した。東証1部の騰落状況は上昇795/下落720でほぼ拮抗だが、規模別株価指数はすべて上昇。銀行など内需関連が堅調となり相場をけん引した。その一方で、資源関連や国際優良株の一角は利益確定売りに押された。

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[3回]

【来週の見通し】

　堅調な推移となりそうだ。心理的な節目の11000円をあっさり突破すると、騰勢を強める展開が期待されよう。リーマン・ショック後の相場急落において、11000円～12000円の価格帯（終値ベース）は、わずか9営業日しかなく、真空地帯といっても過言ではない。カルパース（米最大の公的年金基金）などが主力株に積極的な買いを入れているとの観測もあるだけに、年初からの勢いが持続する可能性が高いだろう。とはいえ、足元の急ピッチな上昇はややスピード違反の感も否めない。相場の過熱感を示す東証1部の騰落レシオ（25日移動平均）は、買われ過ぎと目される「120％」を上回っており、外部環境の悪化などがあると利益確定売りに転じる投資家も多いだろう。

　イベント面からみると、米国・中国市場の動向に左右されそうだ。米国では、シティ、ゴールドマンなどの大手金融機関、ＩＢＭ、グーグル、ＧＭなど主力企業の決算発表が相次ぐ。また、住宅など重要な経済統計も多い。主要指数は高値更新を続けているが、これらのイベントを消化したうえで、さらに騰勢を強めるのか否か注目されよう。中国では、週末に10-12月期GDPなど重要な経済統計が相次いで発表される。中国人民銀行（中央銀行）は12日に、約1年半ぶりとなる金融引き締めに踏み切ったが、主要統計次第ではさらなる引き締めに動く可能性もあり、その動向から目が離せない。

【来週の予定】

　国内では、通常国会召集、11月鉱工業生産確報、11月設備稼動率確報（18日）、日米新安全保障条約の調印から50年、12月消費者態度指数（19日）、11月第三次産業活動指数、12月工作機械受注確報、12月コンビニエンスストア売上高（20日）、12月日本製半導体製造装置BBレシオ（21日）、11月全産業活動指数（22日）、「ここが変だよ、民主党の政策」と題した討論会〔自民党党本部〕（23日）などが予定されている。

　決算発表は、ＴＡＩＹＯ、川口化学、不二越、ティムコ（18日）、ユナイテッドＵ、東京Ｇリート、総合メディ、津田駒、ユーシン（19日）、高純度化、ミルボン（20日）、日本レジ、クレッシェンド、阪急リート、安川情報、信越化学、日本鋳造、ＹＥデータ、ＳＰＫ、カテナ（21日）、東陽テクニカ、養命酒、ＮＴＴＤＩＭ、ＪＩＥＣ、東京製鉄、マックス、安川電機、芝浦メカ、ジャフコ、沖縄セルラー（22日）などが予定している。

　海外では、米国市場休場〔キング牧師の日〕、WHO理事会〔スイス・ジュネーブ～23日〕（18日）、米上院議員補欠選挙、独1月ZEW景況感指数、米11月ネット長期TICフロー、米1月NAHB住宅市場指数（19日）、米MBA住宅ローン申請指数、米12月生産者物価指数、米12月住宅着工件数、米12月着工許可件数（20日）、米新規失業保険申請件数、米1月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、米12月コンファレンスボード景気先行指数、北米12月半導体製造装置BBレシオ（21日）、日中韓米印エネルギー相会合、中国10-12月期GDP、中国12月小売売上高、中国1-12月固定資産投資、中国12月鉱工業生産、中国12月消費者物価（22日）などが予定されている。

　決算発表は、シティーグループ、ＩＢＭ、コーチ（19日）、ＵＳバンコープ、ノーザン・トラスト、ステート・ストリート、バンク・オブ・アメリカ、ウェルズ・ファーゴ、モルガン・スタンレー、イーベイ（20日）、ゴールドマン・サックス・グループ、グーグル、アメリカン・エキスプレス、ロッキード・マーチン、ゼロックス（21日）、マクドナルド、ハーレー・ダビッドソン、ゼネラル・エレクトリック（22日）などが予定している。

提供：株式会社T&Cフィナンシャルテクノロジーズ