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2010 01,09 08:00 |
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【日本株週間展望】反落へ、年初高と円安に潜むリスク-同じ轍警戒 1月第2週(12-15日)の日本株相場は反落しそう。昨年末の余勢を駆って1年3カ月ぶりの高値を付けた日経平均株価だが、先物や一部値がさ株主導の色彩が強く、東証1部の実態を示すTOPIXとの温度差は顕著だ。ここ2年連続で見せた「1月高値・3月安値」の四半期特性も気掛かり。年初の株高を演出した円安にもリスクが潜む。 三菱UFJ証券投資情報部長の藤戸則弘氏は、世界株高の流れを受け日本株も上がってきたが、先物には一部参加者の買い手口が目立ち、近いうちに反対売買が起こると指摘する。「実需の買いで売買代金が膨らみ、高値を取ったなら一段の上昇もあるが、薄商いの中でヘッジファンド、CTA(商品取引顧問業者)などのさや取りに使われているのが現状」と見る。 1月1週の日経平均は、2009年大納会との比較で2.3%高と6週連続の上昇、TOPIXも3.7%上げた。日経平均は一時1万816円と、2008年10月以来の水準を回復。米国経済統計の好転や為替の円安、金融機関の大型増資への過剰な不安後退などが押し上げ要因だ。 経済の回復基調は、米国での超低金利の修正を図る出口戦略の時期を見据え、為替市場で売られ過ぎたドルを買い戻す動きにつながっている。昨年11月の1ドル=84円台という14年ぶりの円高水準から、足元は93円台まで円安・ドル高が進行。日本銀行の企業短期経済観測調査によると、大企業・製造業の09年度下期の想定レートは1ドル=91円16銭で、企業収益への投資家の不安心理が和らぐ一因となった。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
円高修正の動きはジャパン・パッシング(日本素通り)の姿勢を強めていた海外投資家を刺激、12月の日本株買越額は1兆3021億円と、月間では2年8カ月ぶりの高水準を記録した。09年年間で19%上げた日経平均が、12月だけで13%上昇した背後には彼らがいた。ペンガナ・キャピタルのファンドマネジャーで、シドニー在勤のダイアン・リン氏も「年末にかけて日本株の持ち高を積み増した」1人だ。 為替については、鳩山政権の閣僚交代劇も影響を与えている。09年度2次補正、10年度予算案の編成後、体調不良を訴えていた藤井裕久財務相が6日辞任し、後任に菅直人副総理が兼務していた国家戦略相から横滑りした。 藤井前財務相は昨秋の就任直後、円売り介入に否定的な立場を見せ円高が進んだ経緯があるが、新財務相の菅氏は、就任後初の会見で「もう少し円安の方向に進めば良いと思っている」「経済界からすれば90円台、できれば半ば辺りが貿易の関係で適切ではないかという見方が多い」などとやや踏み込んで発言。7日のニューヨーク市場を経て、8日の東京外国為替市場では約4カ月ぶりの円安水準となった。 BNPパリバの為替ストラテジスト、セバスチャン・ゲーリー氏は「新財務相は円安誘導に積極的だ。扉は開かれた。為替市場は開かれた扉を好み、ドルは対円で上昇基調を維持するだろう」と見ている。
世界的な景気の回復期待は新年入り後も健在で、過剰な円高警戒感も後退、12月に先進国中で最低パフォーマンスという汚名も返上し、日本株を取り巻く一時期の暗いムードは払しょくされた。しかし、騰落レシオなど一部テクニカル指標から見た過熱感が残る上、三菱U証の藤戸氏は「日本株の上昇も8、9合目まで来た。昨年、おととしも日本が正月気分の時に相場はつり上げられ、その後大きく調整しており、1月1週のアノマリーは要警戒」と言う。 09年の日経平均は1月7日高値から3月10日安値まで24%、08年は1月4日高値から3月17日安値へ22%下げた。「グローバルプレーヤーが株を買う条件は経済成長率、経常収支、財政収支の3つ。デフレで低成長、財政赤字、世界の時価総額ウエートで7%の日本を、香港や中国、インド、ブラジルと比べてわざわざ買わない」と藤戸氏は指摘、あくまで現状の株高は先物主導、買い戻し中心と受け止める。 また同氏は、足元の為替動向に関しても「CFTC(米商品先物取引委員会)のポジションを見ると、円買い持ちがほぼ解消された」と述べ、一段の円安・ドル高の可能性に疑問を呈した。CFTCによると、シカゴマーカンタイル取引所(CME)国際通貨市場(IMM)の円通貨先物の取組残高で、非商業部門の買い持ちは12月29日時点で1万9943枚と前の週比で9500枚減少、直近ピークだった同1日時点の7万3793枚からは7割超減った。 11月下旬の中東ドバイの信用リスク浮上をきっかけに、米国の低金利持続観測の高まりから一時1ドル=84円台と、1995年以来の円高が進んだが、こうした背後にあった円の需給環境が反転した格好だ。また、円買い持ち高の2万枚割れは過去3年で見ても最低水準に位置し、持ち高解消による円安圧力が高まりにくい現状も示している。 1月2週は、11日にアルミニウムメーカーのアルコア、14日に半導体世界最大手のインテルと、米国で企業決算の発表が始まる。米格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズとブルームバーグの集計したアナリスト予想によれば、S&P500種株価指数の構成企業の2009年10-12月(第4四半期)決算は60%増益となり、10四半期ぶりの伸び率となりそう。 ただ、こうした状況を想定してS&P500指数は10-12月に5.5%高とじりじりと上げてきただけに、決算内容が予想通りなら材料出尽くしとなる可能性がある。半導体や薄型テレビ製造でアジア最大手の韓国サムスン電子は7日、10-12月の営業利益が暫定ベースで約3兆7000億ウォンと、前年同期の7400億ウォンの営業損失から大きく改善したと発表、アナリスト予想の中央値3兆6700億ウォン並みの数字となったが、株価は同日の取引で3%下げた。
●ちばぎんアセットマネジメントの桶矢雅嗣運用部長 「押し目待ちに押し目なしの格言を地でいく強い相場を続けてきたが、持続性を考えるといったん調整局面に入ることが望ましい。経済回復の足取りがしっかりし、米国では金融の出口戦略への意識が高まる。将来の利上げをにらむ形で米金利の上昇が続くようだと、米株下落を通じて日本株に悪影響を与える可能性がある。ただ、円安基調と世界景気の回復期待がある限り、リスク許容度の増した外国人の日本株買い姿勢に大きな変化は起きにくく、急落はなさそうだ」
「日経平均はドバイ・ショック前の水準に戻り、09年8月ごろの『鯨幕相場』の地合いとなった。1万-1万700円までの『幕』間で動いているので高値警戒感はない。秋以降に米景気が回復するのなら、株式投資としては少し前に動かなければ利益が得られないので、3-4月に割安な銘柄を拾うことが肝要だ。中国、インド、ブラジルなど人口が多く、国の勢いがあるところで勝負できる商品を持つ企業なら、長期投資で今から買える。新型ウォークマンを投入したソニー、カメラ技術で世界有数のキヤノンなど、グローバル企業に注目したい」
「短期的に上げ一服となっておかしくないが、テクニカル的に日足の一目均衡表の抵抗帯である『雲』の上に顔を出して間がないため、日経平均1万1000円を目指す上昇基調が継続する公算が大きい。週足でも一目均衡表の雲の上に顔を出し、中期的に強力な強気シグナルが点灯した。このシグナルは『だまし』に終わるケースが非常に少なく、99年や03年と同様の上昇基調が続くと見たい」 記事:東京 院去 信太郎 Shintaro Inkyo PR |
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