2024 11,27 06:02 |
|
2010 01,03 09:00 |
|
日経平均の憂鬱な記念日 ■最高値から20年、先進国で最悪のパフォーマンス 任天堂が携帯型ゲーム機「ゲームボーイ」を世に送り出した20年前、日本経済は年率6%を超える高成長を続けていた。世界の誰もが日本株に投資したがっていた。 日経平均株価は1989年12月29日、3万8915円87銭という高値をつけた。どれほど悲観的な人物でも、その後の展開がこれほどひどいものになるとは夢にも思わなかった。 4万円近いこの高値はそのまま史上最高値となり、ちょうど20年後に当たる2009年12月29日の終値は、これを4分の3近く下回る1万638円06銭にとどまった。過去20年間の株価パフォーマンスは、先進国の市場ではダントツの最下位である。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
■日本株の惨状に身震いする投資家 外国の疲れ切った投資家たちはこの数字に身震いし、過去2年間の金融危機からようやく立ち直りつつあるほかの市場でこの惨劇が繰り返されないことを祈るばかりとなっている。 KBCのストラテジスト、ジョナサン・アラム氏は、活況を呈していた1980年代末期の日本株市場のムードを次のように振り返る。「広く信じられていた説が2つあったと記憶している。1つは、4万円台に乗れば日経平均は10万円台に向けて勢いづくというもの。もう1つは、下落し始めても3万円で底を打って反発するというものだった」 どちらの説も当たらなかった。市場参加者の人気を集めていた――そして世界最大の時価総額を誇っていた――日本株はその地位から転げ落ちた。 資産バブルの崩壊とその後の経済成長の鈍化、銀行危機、企業のリストラ、デフレと災難が続き、20年の長きにわたって株価を押し下げ続けたのである。 日本には世界的な競争力を誇る企業がたくさんある。しかし国内経済は相変わらず低迷しており、デフレも再燃した。 企業の利益は1989年3月期から2007年3月期にかけて62%増えたにもかかわらず、株価はその後を追わなかった。だが、世界経済危機が企業業績を直撃した時には、それに合わせて株価も下落。今年は円高も進み、輸出関連株の頭を抑えてきた。 M&A(企業の合併・買収)は行われているものの敵対的買収の要素が乏しく、相場を盛り上げるには至っていない。コーポレートガバナンス(企業統治)にまつわる不満も外国人投資家を苛立たせている。新しい企業も比較的少ない。
先行きの展望も芳しくない。日本は急速に進む社会の高齢化や、高水準の公的債務残高といった長期的な問題を抱えている。特に公的債務残高はGDP(国内総生産)の200%相当額に近づいている。 失望した外国人投資家の一部は日本から撤退しつつある。ある外国人ファンドマネジャーは先日、友人が日本への投資をとうとうやめてしまったと嘆いていた。がっかりするほど悪い運用利回りしか上げられない年が多く、ついに耐えきれなくなったのだという。 同様に、あるストラテジストは、リポートのタイトルに「日本」という文字を入れないようアドバイスされたと冗談めかして語っていた。リポートを受け取った顧客の過半数に読んでもらいたいのならそうすべきだ、と言われたそうだ。 ある外国人投資家は次のように述べている。「この市場にはみな不信感を持っている。『日本株に投資したことはあるが、その度に急激な調整が起き、泣きの涙で手を引いた』とみんな言っている」 コーポレートガバナンスには不満の声も上がっているが、日本企業はこの5年間、配当性向を引き上げている。今年と昨年は経済危機のために企業の利益が落ち込んだが、配当の減り方はそれよりも小さくなっている。 来年1月には東京証券取引所で待望久しい新取引システムが稼働するため、売買が膨らむとの期待もある。新システムは高速かつ高効率で、ハイ・フリークエンシー・トレード(HFT)やそのほかの取引戦略による売買を呼び込めるという。
機関投資家も多数踏みとどまっている。ただ、売買のタイミングを計ったり銘柄を選択したりする仕事は以前より複雑になっている。 アクサのファンドマネジャー、アニヤ・バルフォア氏は次のように述べている。 「ここ20年余りは、かなり大きな利益を上げることも可能だったが、売買のタイミングが非常に重要だった。日本株市場は長期的に変動する市場だと思われてきたが、それは違う。ここは(景気循環に応じて変動する)シクリカルな市場だ。投資家たちは相場が回復する度に、今度こそ新しい成長局面の到来だと考えてきたけれども、実際は世界のほかの地域での経済成長に大きく依存していた相場だったのだ」 アーカス・リサーチ・リミテッドのストラテジスト、ピーター・タスカ氏はこう語る。「強気相場の時は誰でも儲けられる。だが弱気相場になると、話は恐ろしく複雑になる。株価が急騰したり、下落が始まったかと思ったら実はそうではなかったりするから、同じやり方を繰り返していては勝てない」 日本株市場に投資家を呼び戻すには、国内経済の回復と新しい企業の登場が欠かせない。
インベスコ・パペチュアルのファンドマネジャー、トニー・ロバーツ氏は言う。「これまでは規模の大きなグローバル企業の方が、国内市場中心の企業よりも速いペースで利益を伸ばしてきた。だから我々も、国内市場中心の日本企業への投資は年を追うごとに減らしている」 このように悪材料が山積する中でも、日本の株式市場の時価総額(ドルベース)は、今年進んだ円高も手伝って米国市場に次ぐ第2位だ。しかし、中国がその地位を日本から奪い取るのは、それほど先の話ではあるまい。しかも、日本が第3位の座を維持するためには、向こう20年間で株価パフォーマンスをかなり向上させる必要があるだろう。 PR |
|
コメント |
コメント投稿 |
|
trackback |
トラックバックURL |
忍者ブログ [PR] |