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2009 12,19 10:00 |
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【日本株週間展望】堅調、円高一服で業績期待-年末接近でこう着も 12月第4週(21-25日)の日本株相場は堅調が予想される。為替の円高の勢いが一服していることで今・来期業績に対する期待が高まり、輸出関連や好業績株中心に買いが優勢となる見込み。もっとも、年末接近で売買エネルギーは低下し、こう着感も強そうだ。 DIAMアセットマネジメントの平川康彦ファンドマネジャーは、「為替の円安、増資の一巡、銀行資本規制の明確化などにより、1カ月前にあった下値不安が後退している」と指摘。まもなく企業の第3四半期(10-12月)末を迎えるが、「足元の業績は、おおむね第2四半期の時点より上振れしている企業が多い」と見ている。 第3週の日経平均株価は、前の週に比べ0.3%(34円)高の1万142円で終了した。資源価格の下落から商社株が売られ、円高一服で為替メリットが後退するパルプ・紙、内需低迷で小売や陸運株なども軟調だった。半面、銀行の新自己資本規制適用を猶予するというバーゼル銀行監督委員会の正式決定前から、増資懸念の後退を背景に銀行株が買われ、貸し渋りの緩和期待で不動産株の上げも大きかった。 為替市場では、10月末から進行していた円高の勢いがようやく落ち着きつつある。11月末には対ドルで84円台まであったが、12月第3週は88-90円台で推移。17日のニューヨーク外国為替市場では、主要6通貨のバスケットに対するドル指数が3カ月ぶりの高水準まで上昇した。大和投資信託の長野吉納シニアストラテジストは、「米国景気がしっかりし、将来の利上げの可能性、経済の強さという部分でドルが見直されている」と話す。 16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、実質的に大きな政策変更はなく、声明では労働市場の悪化ペースは「緩やかになりつつある」との認識を示した。MFグローバルのチーフエコノミスト、ジェームズ・オサリバン氏は「声明は経済成長見通しを若干上方修正し、持続的な景気回復に確信を強めていることを示唆した」と受け止めている。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
日本銀行の企業短期経済観測調査(短観)の12月調査では、企業の2009年度下半期想定レートは91円16銭。90円近辺では企業業績に与える悪影響は限定されるとの見方が強い。上場企業は、09年度の経常利益を前年度比2.3%増(新光総合研究所調べ)と計画。しかしUBS証券の平川昇二チーフストラテジストは、「11月からは輸出が加速しており、増益率は10数%までの上方修正があり得る」と見る。 りそな銀行の戸田浩司チーフ・ファンド・マネジャーは、「出口戦略が意識されることは、流動性やドル安が支えの米国株には良くないが、夏場以降に円高で出遅れていた日本株に外国人の目を向けさせることにつながる」と指摘する。こうした見方を裏付けるように、米メリルリンチの最新投資家調査では、今後日本株を最もオーバーウエート(アンダーウエートを引いたネット)したいとする投資家の割合は7月以来、5カ月ぶりに改善した。
ファンダメンタルズはおおむね堅調が予想される一方、株式需給面ではこう着ムードが強まる可能性もある。欧米株式市場は25日にクリスマス、国内では23日に天皇誕生日の休日を控える。特に海外では第4週から休暇を取る投資家が増えてくることで、売買代金の6割を占める外国人を中心に、国内金融機関や事業法人も年末接近で売買は低調になりそうだ。第4週は日米とも株価のトレンドを大きく変えるほどの経済指標の発表にも乏しい。 日経平均は12月に入り、1万200円台で急速に上値が重くなる傾向がある。三菱UFJ証券の鮎貝正弘シニア投資ストラテジストによると、「株価指数が9月末水準を上回ってくると、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)とみられる売りが増える」という。 9月末のGPIFの日本株ウエートは11.1%で、基本ポートフォリオの11%と同水準。9月末の日経平均は1万133円、TOPIXは909ポイントだったため、同水準を上回るとリバランスの売り、下回る場面では買いが入りやすいことも、相場が一方向に動きづらい要因だ。
相場の下値不安が後退する中、投資対象では業績回復トレンドが継続している自動車や電機のほか、10-12月期末を控え個別の好業績企業に買いが入りやすそうだ。外国人や機関投資家の売買見送りが予想されるだけに、個人投資家中心にテーマ性のある個別の材料銘柄の人気も高まる公算が大きい。 銀行株の動向も焦点だ。バーゼル銀行監督委員会が17日に発表した、国際的な銀行に対する新自己資本規制の原案では、コアTIER1(狭義の中核自己資本)は普通株と内部留保に限定し、資本の質・量を高める。また、適用を猶予する「移行期間」も盛り込んだ。 事前観測では、「延期」の色彩が強調されていたが、バークレイズ・キャピタル証券では、想定の範囲内ではあるが厳しい内容と指摘。大手行の資本拡充に向けた動きが「延期」されるとは考えにくい、との見解を示した。ただ、「これまでのような増資の恐怖感で一方的に売られてきた状況は変わる可能性がある」と、DIAMの平川氏は言う。 相場に影響を与えそうな材料は、海外で22日に米7-9月期国内総生産(GDP)確定値、米11月中古住宅販売、米10月連邦住宅金融局(FHFA)住宅価格指数などが発表予定、OPEC総会(アンゴラ)も開かれる。23日は米11月個人支出や米11月新築住宅販売、24日は米11月耐久財受注が予定されている。日本では、21日に11月貿易収支、24日に10-12月法人景気予測調査、25日に失業率や消費者物価の発表などがある。
●岩井証券イワイリサーチセンター長の有沢正一氏 「株価指数はあまり動かないだろうが、地相場は徐々に強くなっている。過度の円高・ドル安リスクが和らぎ、米景気回復の兆しもうかがえる。年末にかけては、個別材料株を物色する流れが予想できる。
「中古住宅販売件数などで、米景気の改善が見受けられるものが出そう。これを受け、ドル高・円安の流れになろう。これまで、ドル安進行の代替として金が上昇してきたが、この動きが反転、投資資金は株式市場に向かう。日本株は出遅れ感が強く、投資の対象となりやすい。ただ、クリスマス休暇に入る機関投資家も多く、個人投資家中心の展開が見込まれる。個別の材料がより注目され、海外の高速鉄道建設などに株価は敏感に反応すると見る」
「外国人投資家がクリスマス休暇に入る。為替相場では、出口論の高まりからドル安修正が続いているが、1ドル=90円付近で止まったままだ。本格的にトレンドが変わったわけではなく、クリスマス休暇前のポジション調整だった可能性がある。このため、本来なら来年を買う動きになろうが、先行きは不透明なため、様子見ムードが強まりそう。買い手が不在な中、材料系の個別物色になる」 記事:東京 長谷川 敏郎 Toshiro Hasegawa PR |
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