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2009 12,12 11:00 |
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【日本株週間展望】1万円挟み一進一退、政策期待と短観警戒綱引き 12月11日(ブルームバーグ):12月第3週(14-18日)の日本株市場では、日経平均株価が節目の1万円を挟み一進一退となりそうだ。財政・金融の政策期待が支えとなる半面、欧州を中心とした信用不安が上値を抑制、日本銀行による企業短期経済観測調査(短観)への警戒感も強い。為替動向の影響は引き続き注視される。 トヨタアセットマネジメント投資戦略部の浜崎優チーフストラテジストによると、「デフレと円高の阻止に向け、政府・日銀が協調姿勢を見せ始めたことで、政策発動への期待感が醸成されつつある」という。ただ、リーマン・ショックから1年以上経過した今も、市場関係者は信用リスクの再燃を最も警戒し、「欧州国家の格付け引き下げのショックを引きずり、リスク許容度は上がりくい状況」と指摘する。 12月2週は、前週末発表の米国の雇用統計が市場予想を上回ったことを受け、為替市場で1ドル=90円台まで円安・ドル高方向に動いた週初、日経平均は一時1万200円台に乗せた。その後、ギリシャなど欧州の信用不安の浮上が嫌気される場面もあったが、経済統計を受け米雇用や中国経済への安心感が高まった週末に大幅高となり、日経平均は週間で85円(0.9%)上昇し、1万107円で終えた。 政府による3年5カ月ぶりの「デフレ」認定を受ける形で、日銀は今月1日に臨時の金融政策決定会合で追加金融緩和策を発表。8日には政府が、鳩山政権発足後初となる緊急経済対策を閣議決定した。財政措置を伴う国費は7.2兆円程度、事業規模は24.4兆円程度で、年明けの通常国会でこれらを含む09年度第2次補正予算の成立を目指す。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
市場では、対策の規模や内容に課題があるとしながらも、政府と日銀が危機感を共有している意思表示を示した意義は大きいとの見方が大勢だ。日興コーディアル証券エクイティ部の西広市部長は、「外国人投資家などの過度の不安後退につながっており、日本株の出遅れ修正が期待できる」と見ている。 東京証券取引所が10日発表した12月第1週の投資主体別売買動向では、外国人は6081億円の買い越しと、週間買越額としては4年4カ月ぶりの高水準を記録した。みずほ証券エクイティ調査部の三浦豊シニアテクニカルアナリスによると、海外勢の買い戻しは第2週で一巡したものの、「日本の政策に対する不信感が弱まっているだけに、米国株の上昇など外部環境の改善があれば、実需の外国人買いも入りやすい」という。
一方、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ首長国の政府系企業が債務返済の繰り延べを求めたことを受け、世界的な株安連鎖となった11月27日の「ドバイ・ショック」をきっかけに、世界的なマネーの変調が意識されている。仮にドバイ政府系企業の債務返済延期が決まるようだと、中東とのつながりが強い欧州経済への打撃は避けられない。今週、ギリシャ国債の格下げ、スペインの格付け見通しの引き下げがあり、ドバイ問題は広がりを見せつつある。 グローバルなリスク資産圧縮の動きが警戒される中、日本では、外国為替市場での円高進行による輸出関連企業の業績悪化懸念も根強い。米国での根強い超低金利の長期化観測を背景としたドル売りの流れに加え、欧州の信用不安からユーロ売りも出やすく、「消去法的に再び円買いが強まるようだと、輸出株からの資金流出は避けられない」と、大和証券SMBCの西村由美シニア・エクイティ・マーケットアナリストは警戒している。 また日銀は14日、12月の企業短期経済観測調査(短観)を発表する。ブルームバーグ・ニュースが調査機関17社を対象にまとめた予想調査では、景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を引いた業況判断指数(DI)は、大企業・製造業がマイナス27 と、前回9月調査から6ポイントの改善が見込まれている。前回調査で1ドル=94円50銭だった今年度の想定為替レートが、どの程度円高方向に見直されるかも注目される。 12月短観のアンケート調査期間は11月9日から12月11日。第一生命経済研究所の永浜利広主席エコノミストは、ドバイ・ショック直後に、円相場が14年ぶりに1ドル=84円台に突入するなど「急激な円高進行の時期と重なるだけに、企業経営者は予想以上に慎重に回答している可能性がある」と指摘。相場のネガティブ要因に働く可能性に言及した。トヨタアセットの浜崎氏も、「DIの先行き見通しが悪化に転じた場合、日本株からの資金流出が一時的に強まりそう」と見る。
15-16日に米連邦公開市場委員会(FOMC)、17-18日には日銀金融政策決定会合の開催が予定され、日米で金融政策の変化が示唆されるかどうかにも投資家の関心は高い。「FOMCで米景気認識について強めの声明が出たり、日銀が金融緩和をさらに強めることを示唆するようなハト派的な発言をすれば、為替市場で円安方向へ動き、株式相場の支援材料になる」と、永浜氏は話す。 このほか、12月3週は米国でマクロ経済指標の発表が相次ぐ。15日に12月のニューヨーク連銀製造業景気指数とNAHB住宅市場指数、11月の鉱工業生産など。16日には11月の消費者物価指数と住宅着工・建設許可件数、17日に11月のコンファレンスボード景気先行指数と北米半導体製造装置BBレシオ、12月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数が予定されている。米国以外では、15日にドイツで12月のZEW景況感指数の発表がある。
●みずほインベスターズ証券エクイティ情報部の石川照久部長 「日経平均は1万円の節目の攻防を想定。世界のGDPの約90%を占めるG20は景気を回復させようと懸命に努力している。そのスピード感が各国の事情で違うだけで、1万円を大きく割り込むようなことはない。むしろ、出遅れ気味の日本は周りをうかがいながら成長できるため、確実性が高く、中長期的には安心して投資できる」
「11日の日経平均は、日経225オプションの特別清算指数(SQ)値を超えて終えた。CTA(商品投資顧問会社)などから売り方の踏み上げも多く出ているようで、相場の方向性としてはしっかりではないか。ただ、日経平均1万円台は8-10月にもみ合った水準で、個人などから戻り待ちの売りも多く出そう。ぽんぽん上がる状況ではない」
「日銀短観と、金融政策決定会合に注目している。日銀短観で仮に悪い状況判断が出ても、金融政策決定会合で一歩踏み込んだ金融緩和策が出ることが期待される。このため、急激な円高に歯止めがかかり、円安への方向転換につながるだろう。輸出関連を中心に株価は上昇に向かい、日経平均は1万300円程度まで値上がりしそうだ」 記事:河野 敏 Satoshi Kawano PR |
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