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2009 12,05 09:00 |
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【日本株週間展望】戻り歩調、国内政策懸念が後退-上昇速度は緩む 12月第2週(7-11日)の日本株相場は、戻り基調を維持しそうだ。世界の中で日本株が出遅れる理由の1つだった国内政策への懸念が後退、売られ過ぎた国際競争力のある日本企業への買い戻しが進んでいる。ただ、反発ピッチの速さに戸惑い、過熱警戒感があり、上昇速度は緩む公算が大きい。 ちばぎんアセットマネジメントの桶矢雅嗣運用部長は、「政府と日本銀行がデフレ克服で協調姿勢を示し、上昇の原動力となった。民主党も現実路線に修正しつつあるようで、週末の株価指数先物のSQ(特別清算指数)算出もにらみながら、買い戻しが続くだろう」とみる。 第1週の日経平均株価は前の週末比941円高の1万22円と、1カ月ぶりに1万円の大台を回復。週間上昇率は10.4%と、2008年10月第5週に付けた12%以来の大きさだった。その前の週は、ドバイの政府系企業、ドバイ・ワールドが債権者に支払い繰り延べを求め、世界の金融市場が大揺れ。日経平均も4.4%下げたが、同問題が新興国や欧州銀行などに与える影響は当初懸念されたほどではないとの見方が広がり、急速に戻した。 日本独自の上昇要因として、日銀が1日に発表した10兆円の資金供給が挙げられる。政府がデフレ宣言を行った11月20日に日銀の白川方明総裁は、デフレを解消する上で金融政策には限界があるとの見方を示唆。政府と日銀の足並みがそろっていないと受け止められ、日本株売りを誘った面もあった。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
政府・日銀の協調、円高修正 それだけに、第1週に政府が今年度の2次補正予算に盛り込む経済対策の大枠を固め、日銀が新たな資金供給手段を発表したことは「市場のセンチメントを高めた」と、ばんせい山丸証券トレーディング本部の広重勝彦氏は指摘。その結果、「先物ヘッジの買い戻しに加え、打診的な買いも入ってきた」という。 電気機器と自動車という2大輸出セクターが時価総額の4分の1を占める日本株にとって、輸出企業の収益にマイナスに働く円高が修正されたことも大きい。1週間前の11月27日に1ドル=84円83銭まで円が急上昇したドル・円レートは、投資家のリスク回避姿勢が後退したことで88円台まで戻した。 9月調査分の日銀短観では、大企業製造業の今年度の想定為替レートは1ドル=94円50銭。依然同水準を下回り、為替が利益押し下げ要因となっているものの、一時期よりはその懸念は薄らいでいる。 高木証券金融商品部株式課・菊池重夫次長は、「グローバルなポートフォリオで、先駆して上昇した米国や新興国株を利益確定の意味で一部売却し、その資金を日本株に移すのは自然なこと」と話し、日本株の見直し買いは継続するとみる。TOPIXの年初来上昇率は3日時点で3.3%。中国シンセン総合指数の2.2倍、米S&P500種株価指数の22%に対して大きく見劣りする。
テクニカル分析では、日経平均は約1カ月ぶりに25日移動平均線を上回り、目先強気シグナルも点灯した。ただ、第1週の週末に日経平均が朝方1万円の大台を回復した後は上値が重くなり、短期間の急上昇に対する警戒感は否めない。 ちばぎんアセットの桶矢氏は、日経平均は10月26日に付けた戻り高値1万400円程度まで駆け上がる可能性がある半面、「上昇の大きさや、日本電産など主力株が相次いで年初来高値を取ってきた理由は十分説明できない」ことから、「第1週の上げ幅の3分の1程度、9700円まで下げてもおかしくない」とみている。 市場関係者の間で徐々に強弱感が対立、SBI証券株式部の鈴木英之部長は「反騰後の足元を見つめる局面」と言う。企業の相次ぐ大型増資による需給悪化や政策への不安、円高による企業収益の悪化懸念などで日本株は低空飛行を続けてきたが、これを正当化してきた投資家も、必要以上に日本株は売られていたのではとの疑念を持ち始めた。大きく上がった現状の株価水準からどう行動すべきか、悩める第2週になりそうだ。 こうしたなかでの投資銘柄として、世界景気の回復を収益につなげられる企業に注目が集まる。日本株全体の出遅れ感が強い中で、「ユニ・チャームなど成長が著しい中国などで事業展開を加速している企業は、将来性を考えるともっと評価されても良いはず」とみるのは高木証の菊池氏だ。
第2週は、8日に景気ウォッチャー調査(11月)と10月の景気動向指数、10日に11月の企業物価指数や中古車販売台数、オフィス空室状況、11日に11月の消費動向調査が発表される。また9日には、野村証券金融経済研究所が09-11年度の企業業績見通しを公表予定。国内のデフレ進行による売上高の低迷、為替の円高など厳しい材料が多い中でも、費用削減効果などで増益を確保できるかが焦点になる。 海外では、世界的な危機を乗り越えた今、主要先進国の多くが過去最低水準の政策金利を維持していることから、各中央銀行の出口戦略が注視されている。こうしたなか、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が7日にワシントンで講演、欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁も同日欧州議会経済通貨委員会で証言する。ECB政策委員会メンバーも欧州各地で講演を予定、要人の発言内容によって世界の相場が動く可能性に留意したい。
●RCMジャパンの寺尾和之最高投資責任者 「民主党がようやくマクロ経済や為替動向に目を向け始め、期待感が出てきた。日経平均は直近高値水準の1万500円程度まで戻ってもおかしくない。しかし民主党に景気回復のサポート以外を求めることができないため、そこを超えていくのは難しい。それ以上の上昇にはグローバル景気の回復や為替のさらなる円高修正など、外部環境の好転が必要だ」
「7日からデンマークで第15回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)が開かれ、環境関連株が注目されそう。電池関連ではジーエス・ユアサ コーポレーション、原子力関連では東芝、鉄道関連では日本車両製造や近畿車両などの株価上昇を期待したい。ただ、米国で悪い経済指標が発表されれば円高ドル安が進行する可能性がある。日経平均の上値は1万200円、下値は9500円を見込んでいる」
「日経平均が二番底を形成した7月の安値(9050円)を目前に急反発し、3月安値を大底とした株価回復トレンドが崩れなかった。根強い出遅れ感を背景に日本株買いは継続するものの、急伸や日経平均1万円乗せの達成感から目先の利益確定や戻り売りも出やすく、再び方向感が出にくくなりそう。COP15を受け環境関連株への関心が強まる。GSユアサが人気化すればほかの関連株にも買いが波及する可能性が高い」
「金融危機後は中央銀行や政府が民間のリスクを肩代わりしてきたが、ドバイ・ワールドのように政府系投資会社がリスクを管理できなくなっているのが現状。今後、ドバイ首長国、UAE、サウジアラビアと広がっていき、中欧や東欧に飛び火するリスクもある。イタリアやギリシャなど財政が比較的弱い欧州諸国の5年国債のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)が上昇している状況を軽視してはならない」 記事:東京 浅井 真樹子 Makiko Asai PR |
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