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2009 11,28 09:00 |
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【日本株週間展望】一段安、円先高観で収益不安-リスクマネー収縮」 12月第1週(11月30-12月4日)の日本株相場は一段安となりそうだ。米低金利政策の長期化観測を背景にドル安・円高傾向が続いており、輸出企業の収益不安が高まっている。アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ首長国で政府系企業の資金繰り危機が表面化するなど、新興国への投資リスクも浮上し、リスクマネーも収縮気味だ。 三菱UFJ投信株式運用部の高田穣次長は、「ドバイの件で市場の不透明要因が増した。読みきれない部分が多いが、金融市場で再びクレジットクランチ(信用収縮)のような話になると衝撃が走るかもしれない」と警戒する。 11月第4週の日本株は大幅安。日経平均株価は前の週末比416円(4.4%)安の9081円で終了した。終値で投資家の長期な平均売買コストである200日移動平均線(9371円)を5月26日以来、約半年ぶりに下回り、下値不安が漂う。仮に7月安値(9050円、13日)を割ると、「目先の底値と思われていた3月安値(7054円、10 日)が底値でなくなる危険性が出てくる」と立花証券の平野憲一執行役員は懸念する。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
14年ぶりの円高水準 日本株の足を引っ張っているのが為替相場の円急伸だ。米国の低金利継続観測を背景にドル安が進行し、27日の東京外国為替市場では円相場が1ドル=84円83銭と、1995年7月以来の円高値を更新した。9月の日銀短観で示された大企業製造業の2009年度の想定為替レートは1ドル=94円50銭。想定より10円近く円高となり、輸出企業の業績への影響が警戒されている。 ビスタマックス・ファンド・アドバイザーズの藤原正邦・最高経営責任者(CEO)は、「米国は紙幣を大量に印刷しており、財政支出は拡大している。経済運営を平時に戻す『出口戦略』が見えてくるまでドル安傾向は続くだろう」と予想。来年にかけて1ドル=80円台を試す場面があっても不思議ではないという。 下値を模索する日本株とは裏腹に、米株式相場は高値を更新し続けている。感謝祭前日の25日、ダウ工業株30種平均は昨年10月来の高値を更新。年初来上昇率は19%に達した。一方、日経平均は2.5%高にとどまる。 大和総研の野間口毅投資戦略部部長は、「米株高の背景には、超低金利政策による過剰流動性がある。この結果、低金利でドルが売られて円が買われ、日本株が出遅れた。この構図はしばらく続く可能性が高い」と予想する。 このところドル安を加速させたのが新興国リスクだ。ドバイの政府系投資持ち株会社、ドバイ・ワールドが25日、約590億ドルの債務について返済延期を債権者に対して求めると発表。資金繰り危機が表面化し、大型開発で急成長してきた中東への信用不安が一気に広がった。その結果、リスクマネーが収縮し、ドル売りに拍車をかけた。主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のドル・インデックスは26日、08年8月以来の低水準に沈んだ。
円高に加えて、日本がデフレ状況にあることも積極的に上値を追えない要因だ。日本政府は20日の11月の月例経済報告で、焦点だった物価の判断について「緩やかなデフレ状況にある」とし、06年6月以来、3年5カ月ぶりに「デフレ」を認定した。 農林中金全共連アセットマネジメント運用部の中村一也次長は、「政府は『デフレ宣言』をしたが、物価の番人である日本銀行は金融緩和などデフレ対策に消極的だ」と指摘。「政府と日銀の認識の違いがあらためて浮き彫りになっており、これは株式相場にとってネガティブ」と懸念する。 輸出企業の収益悪化、海外からの安価な輸入品流入など円高はデフレ状況を悪化させる可能性が高く、株式市場に資金は入りにくい。東京証券取引所が27日に発表した11月第3週(16-20日)の投資主体別売買動向(東証、大証、名証1・2部合計)によると、外国人は8週ぶりに売り越した。金額は983億円。
もっとも、テクニカルで見ると、日本株は売られ過ぎの水準にある。東証1部の騰落率レシオ(25日移動平均線)は27日に57.68%と、昨年10月以来の60%割れとなった。経験則では120%超で相場の過熱感を示し、70%以下では押し目買いが入りやすいとされる。 いちよし投資顧問の秋野充成運用部長は、「ドバイショックをきっかけに新興国市場から投資資金が逃避し、世界的に出遅れている日本株に向かう可能性もある」と予想する。 第1週に発表される経済指標は、国内では30日に10月の鉱工業生産、3日に法人企業統計調査が予定されている。米国では1日に11月の供給管理協会(ISM)製造業景況指数、2日に11月のADP雇用統計とベージュブック(地区連銀経済報告)、3日にISM非製造業景況指数、4日に11月の雇用統計が発表される予定だ。
●みずほ投信投資顧問の荒野浩理事 「相場に下方バイアスのかかりやすい状況が続く。ドバイ政府系企業の債務返済延期が正式に決まれば、中東とのつながりが強い欧州経済への打撃は大きく、再び世界的な金融混乱に陥る可能性も低くない。売られ過ぎを示すテクニカル指標が相次ぎ、『陰の極』でセオリーでは買いのタイミング。しかし、ファンダメンタルズ面での不安材料が重なる上、下値サポートラインとなってきた日経平均の200日移動平均線を大きく割り込み、チャート的に崩れ、買い出動できずにいる」
「下落が続きそう。リスク許容度の低下、急激な円高への警戒により株式市場への資金流入は減少しそう。ドバイ・ワールドの債務繰り延べ要請を受け、中東に進出する建設やプラント関連銘柄では工事代金が回収できないとの懸念が払しょくできず、下がりやすい。為替相場は一時1ドル=84円台まで進み、輸出関連企業は買いにくい」
「27日は引けにかけて投げも出たようで、下げがきつかった。もっとも、RSI(株価相対力指数)や騰落率レシオなどテクニカル指標を見ると、日本株はリバウンドしてもおかしくない水準まで下げている。円高で輸出株には手を出しづらいが、好業績の内需関連、円高メリットのある銘柄は堅調に推移しそうだ」 記事:常冨 浩太郎 Kotaro Tsunetomi PR |
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