明日の戦略－小幅反発　来週は主力企業の決算発表が本格化
T&Cフィナンシャルテクノロジーズ　2009/10/23 17:43

　23日の東京市場は反発したが、上値の重い展開となった。
業種別では、食料品、その他金融、建設、機械、水産・農林などが値上り率上位。
その一方で、空運、保険、銀行、電気・ガス、証券商品などが軟調に推移した。
売買代金上位は、東芝、野村ＨＤ、ＧＳユアサ、三菱ＵＦＪ、トヨタ、ソフトバンクなど。

　日経平均は小高く寄り付いた後は、高値圏でのもみあいに終始。後場若干上げ幅を拡大する場面もあったが、10400円に届かず失速。引けにかけて次第に値を消した。TOPIXは続落となり、25日移動平均を割り込んだ。東証1部の値下がり銘柄数は957（全体の56.6％）で、規模別株価指数はすべて下落。内需関連の一角が堅調だったが、国際優良株、資源関連などが利益確定売りに押された。ディフェンシブ系が軟調で電力株では安値更新が相次いだ。相場の手詰り感から、ＧＳユアサ、明電舎が商いを伴って上昇した。

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【来週の見通し】

　堅調な相場を期待したい。日経平均は上値の重い展開を続けているが、心理的な節目の10500円を突破すれば、年初来高値（10767円）も視野に入りそう。足元で円高が一服しつつあることに加え、1Q決算が本格化した7月最終週は主力企業の決算が評価され騰勢を強めた経緯があるのも心強い。その一方、外部環境の悪化などで、日経平均が25日移動平均（10126円）を下回ると、10000円の大台割れとなるケースも十分に考えられる。なお、週末30日は10月の月末に相当するだけに、週末終値も気になるところ。日経平均（月間ベース）の推移をみると、6ヵ月連続（3～8月）での上昇後に反落（9月）したが、現在は9月末の水準（10133円）とさほど変わらないレベル。それだけに、これを上回るかどうか注目されよう。

　イベント面からみると、決算発表に注目が集まる。国内では今週から9月中間決算発表がスタートしているが、来週は主力企業の決算発表が相次ぐ。業種によって一概にいえないが、概ね前年同期比では大幅減益ながらも四半期ベースでは改善、会社計画よりも上ブレし、通期予想を増額修正するというシナリオが期待されている。ただ、先行き不透明感から増額修正を見送るケースが多くなれば、失望売りが出る可能性もある。また、計画下ブレや下方修正となった場合には、容赦ない売りが浴びせられる危険もあり、警戒しておきたい。マクロ指標では、国内が9月鉱工業生産に注目か。6ヵ月連続で前月比プラスとなっているが、足元ではプラス幅が縮小傾向にあり、これを払拭できるかどうか焦点となりそう。米国では住宅関連の指標が多く、前月比で改善をみせるかどうか注目したい。

【今週を振り返る】

　方向感に乏しい展開となった。日経平均は連日で陽線になるなど、下値の底堅さを確認できたが、上値を積極的に買い進む動きも限定的だった。一日の値動きを示す日中値幅は、20日に50.00円となり、今年最低（9月7日の52.07円）を更新。2005年9月14日（40.66.円）以来の低水準となった。翌21日も値幅が58.06円で、下げ幅は僅か3.45円に留まった。主力企業の決算発表を控えて、様子見ムードが蔓延し、商いが低迷した。TOPIXは9月10日以来、約6週間ぶりに25日移動平均を奪回したが、週末の下落で再び割り込んだ。22日に中国で重要なマクロ統計の発表が相次ぎ、強い内容だったものの、概ね市場予想通りで反応は限定的だった。為替市場では、ドルが対ユーロで1年2ヵ月ぶりに節目の1ユーロ=1.50ドルを割り込むなど、ドル安の流れが強まった。

【物色動向】

　商品市況高を背景に資源関連が堅調に推移。ドル安を背景にNY原油が80ドル台突破したほか、キャタピラーの決算なども好感され、三菱商事、建機2社などが年初来高値を更新した。また、半導体の収益環境が好転していることで、東芝、エルピーダなどの上昇も目立った。週末の東京モーターショー開催で、環境対応の自動車に電池などを供給するＧＳユアサ、戸田工業、三洋電機が人気化。経営再建の方向で進んだＪＡＬが大幅高となったほか、メガバンクを筆頭に金融株にも買い戻しが入り大幅高となった。日経平均に対する指数寄与度が高いファーストリ、ソフトバンクが高値更新し、存在感は日増しに高まった。その一方で、下方修正のカシオなど業績が悪化した銘柄では急落する銘柄も散見された。また、9月百貨店売上高、コンビニ売上の低迷を受けて、小売株が総じて軟調だった。

【来週の予定】

　国内では、10月末権利付最終売買日、臨時国会召集（26日）、
ジョン・キーNZ首相が来日〔～11/1〕（27日）、
9月商業販売統計、鳩山首相が公邸に引越し（28日）、
9月鉱工業生産、9月自動車生産（29日）、
9月失業率、9月有効求人倍率、9月家計調査、9月消費者物価、9月住宅着工戸数、9月建設工事受注、白川日銀総裁記者会見（30日）などが予定されている。

　決算発表は、グリー、トーメンデバ、カゴメ、信越化学、ＪＳＲ、高純度化、電気硝、ＪＦＥＨＤ、森精機、日本電産、メルコＨＤ、小糸工、サンクス、トーメンエレク、マクニカ、松井証券、ダイビル、タカラレーベン、コクヨ、キヤノンＭＪ、ニッセンＨＤ（26日）、
三井ホーム、日立プラント、ＤＥＮＡ、ニチレイ、花王、オービック、ヤフー、ＯＢＣ、日立金属、日立建機、富士通ゼネラル、パナ電工、日本車輌、ホンダ、京都友禅、リコー、日本郵船、商船三井、川崎汽船、日立ソフト、中外製薬、キヤノン（27日）、
日清食品ＨＤ、グンゼ、ＪＦＥ商事ＨＤ、サミーネット、住友精化、邦チタ、島精機、富士通、クラリオン、アドバンテスト、スタンレー電気、ファナック、日野自、野村ＨＤ、みずほインベ、ＪＲ東日本、ＪＲ西日本、ＪＲ東海、東ガス、大ガス、邦ガス、日立情報（28日）、
住石ＨＤ、ＮＳＳＯＬ、ＪＴ、協和キリン、積水化学、田辺三菱、テルモ、コニカミノルタ、資生堂、新日鉄、住友金属、神戸鋼、住友鉱山、コマツ、日立、オムロン、ＮＥＣ、エプソン、シャープ、ＴＤＫ、三洋電機、佐世保重工、三菱自、マツダ、任天堂、ＳＢＩ、オリコ、三井不、小田急、京王、ヤマトＨＤ、ＮＴＴデータ、ソフトバンク（29日）、
日清粉Ｇ、キッコーマン、ハウス食品、富士紡ＨＤ、日本紙、住友化学、三井化学、武田、エーザイ、第一三共、富士フイルム、新日石、新日鉱ＨＤ、浜ゴム、栗田工業、セガサミーＨＤ、東芝、三菱電機、ソニー、京セラ、村田製、日東電工、三菱重工、武蔵精密、豊田合成、ＨＯＹＡ、伊藤忠、丸紅、東京エレク、住友商事、三菱商事、ユニチャーム、Ｈ２Ｏリテ、大和証券、三菱地所、ＡＮＡ、ＮＴＴドコモ、東電、関電、アサヒビール、昭和シェル（30日）などが行う予定。

　海外では、香港市場休場〔重陽節〕、米9月シカゴ連銀全米活動指数、米10月ダラス連銀製造業活動指数（26日）、
米8月S&P/ケース・シラー住宅価格指数、米10月コンファレンスボード消費者信頼感指数、ABC消費者信頼感指数（27日）、
MBA住宅ローン申請指数、米9月耐久財受注、米9月新築住宅販売件数（28日）、
APEC財務相会合〔シンガポール〕、EU首脳会合〔ブリュッセル〕、ニュージーランド中央銀行金融政策決定会合、米7-9月GDP、米7-9月個人消費、米7-9月GDP価格指数、米新規失業保険申請件数（29日）、
米9月個人所得、米9月個人支出、米7-9月雇用コスト指数、米10月シカゴ購買部協会景気指数（30日）などが予定されている。

　決算発表は、コーニング、ベライゾン（26日）、グッドイヤー、ファーストソーラー、アフラック、シマンテック（28日）、ＣＭＥグループ、エクソンモービル、マカフィー（29日）、サン・マイクロシステムズ（30日）などが行う予定。

提供：株式会社T&Cフィナンシャルテクノロジーズ