2024 11,24 17:08 |
|
2009 10,12 10:00 |
|
現在、東京都写真美術館ホールなど全国でアンコール上映中。スケジュールは公式サイトでご確認ください。 「バスーラ」とは、フィリピンのタガログ語で「ゴミ」を意味する言葉。この写真に写っている子どもがいるのは、フィリピンの、おそらく、「スモーキーマウンテン」。 スモーキーマウンテンとは、スモーク(煙)の山という意味なのだけど、その由来は、この場所に集まるゴミ山が自然発火し、そこから煙があがることに起因している。 映画『BASURA』は、スモーキーマウンテンで、ゴミ拾いをして、生計を立てている(立てていた)人々を追ったドキュメンタリー映画。 四ノ宮浩(しのみや・ひろし)監督は、『BASURA』の前に、『忘れられた子供たち スカベンジャー』(1995年のマンハイム国際映画祭ベストドキュメンタリー賞受賞ほか)、『神の子たち』(2002年シネマアンビエンテ国際映画祭グランプリ受賞ほか)を発表している。 約20年前、四ノ宮監督が30代のころ、フィリピンのスモーキーマウンテンで、生きるためにゴミを拾う子どもたちに出会う。悪臭が漂い、死んだ赤ん坊や、人間の手足といった見るに堪えないものが、ゴミ山に集まってくる。それでも子どもたちは、生きるため、家族を支えるため、ゴミ拾いをする。 そんな彼らを6年間撮影して完成したのが『忘れられた子供たち スカベンジャー』である。 続く『神の子たち』の撮影が終了した2000年7月には、パヤタスゴミ捨て場で崩落事故がおこり、報道では約200人が、住民登録されていない人も含むと1000人を超える人が犠牲者となった。事故によって、生活を支えていたゴミ拾いができなくなった人々に救いの手を求められ、「助けたいと切望する自分」と「監督としての自分」に挟まれ、苦悩したという。 「この現実をなんとかしたい」という思いが強くなり、「アジアの貧しい子どものためのサポートプロジェクト」などを立ち上げたという。 そして、今回完成した『BASURA』。 20年間、同じ人々を追ってきたが、何一つ変わっていなことに、心が痛んだという。(スモーキーマウンテンについては、海外メディアが、貧困のシンボルとしてこぞって報道したこともあり、時の政府によって、1995年に突如閉鎖。住民は強制退去を命じられている。 四ノ宮監督は、映画の製作費の一部で、ゴミ拾いで生計をたてている貧しい人たちに、クリスマスプレゼントを配った。味気ないビニール袋(いわゆるレジ袋)に入った食料品は、その日の食べ物にもありつけない人々にとっては、何よりもうれしいプレゼントであっただろう。 かつて、「助けたいと切望する自分」と「監督としての自分」に挟まれ、苦悩した四ノ宮監督は、監督ではなく、一人の人間として、目の前で困っている人にできることをした。その模様はすべて、映画に含まれている。 このような行動にでたことは、「映画監督としては失格」と批判されるべきことなのだろうか? 以前読んだ本に、新聞記者が災害の現場の取材中、救援活動に参加していたことに驚いた―という体験談があった。 一般常識がなんであれ、 四ノ宮監督の「何とかしたい」という思いは、映画のスクリーンを超えて、この映画をスゴイ映画にしている。 と私は思うのだけど、そのスゴイ理由は以下の通り。 『BASURA』は、高校生以下であれば無料で鑑賞できる さらに、 DVDの無料貸出には条件があるので、詳しくは、公式ホームページから、問い合わせをしていただきたい。中高の先生が、授業や学校の行事で上映会をするのであれば、条件をクリアしているはず。 関心のありそうな中高の先生、あるいは、高校生と交流のあるNPO、地域のサークルなどご存じでしたら、ぜひ、教えてあげてください。 ここまでする映画は、ないと思います。 泣け歌☆中西圭三×Yae×原田真二 ♪LIGHTHOUSE OF LOVE 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
世界の貧困問題について、日本の中高生に知ってもらいたい。中高生の持つ純粋さこそが、大きな問題解決の動きになるはず… と、四ノ宮監督はいう。 自分の死について考えることがある。 とも。 こう言われて、「私はどうか」と考えてしまった。 今、私にできることは、『BASURA』を多くの人に見てもらうことだと思う。高校生以下無料&過去の2作品の鑑賞も無料、といった映画上映のありかたは、斬新だ。 初めての試みに、映画業界は、『BASURA』の成り行きを静かに見ているようだ。 6月27日からのロードショーでの人の入り具合。見た人の感想などによって、『BASURA』が、東京以外で上映されるかどうかが決まる。各地の映画館が、「東京では多くの人が見に行ったらしいよ。うちでも上映させてほしいな」と言ってくれないと、上映されないので。 ぜひ、初日の27日、そして最初の一週間は、『BASURA』を見に来る人があふれるようにしましょう! 「私は映画関係の人間じゃないし、あんまりできることないんだけど」 私も私にできることをやりたい。 PR |
|
コメント |
コメント投稿 |
|
trackback |
トラックバックURL |
忍者ブログ [PR] |