明日の戦略－大幅続落で9800円割れ　来週は調整色を強める展開か
T&Cフィナンシャルテクノロジーズ　2009/10/02 17:11

　2日の東京市場は大幅続落。約2ヵ月半ぶりに9800円台を割り込んだ。
全業種下落したが、特に保険、非鉄金属、鉄鋼、輸送用機器、電気機器などが値下り率上位。その一方で、電気・ガス、水産・農林、パルプ・紙、繊維製品、倉庫運輸などが底堅く推移した。
売買代金上位は、三菱ＵＦＪ、野村ＨＤ、三井住友、トヨタ、みずほ、任天堂など。

　米国株安を受けて全面安となった。日経平均は100円超安く寄り付いた後も下値模索の展開が続き、後場は米雇用統計への警戒感から換金売りに押された。
ほぼ安値圏で取引を終え、約半年ぶりに26週移動平均を割り込んだ。
東証1部の値下がり銘柄数は1508（全体の89.5％）に達し、規模別株価指数はすべて下落。国際優良株、金融、資源関連など、主力株が軒並み安となり下げを主導。その一方で、好業績の内需関連で堅調な銘柄が散見された。

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【来週の見通し】

　軟調な展開となりそうだ。日経平均は10000円の大台に続き、約半年ぶりに26週移動平均（9775円）を割り込んだことで、調整色を強める可能性が高い。心理的な節目の9500円をあっさり割り込むと、9000円台前半までの下落も警戒すべきだろう。9月日銀短観で大企業製造業の想定為替レートが94.50円だったことで、さらなる円高進行は企業業績に対する警戒感が強まりかねず、為替相場の動向に神経質になりそうだ。また、投資家心理が弱気に傾いてるだけに、海外市場の動向にも大きく左右されそうだ。米国では、米雇用統計後、中国では国慶節で長期休場（1～8日）明けの動向が注目される。国内では小売企業の8月中間決算が相次いでいるが、米国では四半期（7-9月期）決算がスタートする。先陣を切るアルコアは資源関連のみならず、今後の決算動向を占う意味でも注目を集めそうだ。週末にはSQを迎える。SQは相場の転換点となるケースが多いだけに、週末終値がSQ値を上回るか否かにも注目したい。9月のメジャーSQ時は、SQ算出日の高値が一度もSQ値にタッチしない「幻のSQ」となり、その後調整色を強めた経緯がある。

　来週のイベントでは、9月景気ウオッチャー調査と8月機械受注統計に注目したい。8月景気ウオッチャー調査では、現状判断DIが8ヵ月ぶりに低下し、先行き判断DIは2ヵ月連続で低下。好不調の判断の分かれ目である50に届かない状況で失速した。7月機械受注統計は前月比9.3％減となり、2ヵ月ぶりに過去最低を更新した。これまでは、株価上昇を裏付ける形でマクロ指標も改善してきたが、景気の先行となる2つの指標が悪化し、先行き不透明感が台頭している。今回もさらに悪化となれば、警戒感がさらに強まりそうだ。海外では、豪、英などで金融政策決定会合が開催されるが、出口戦略に向けた動きがでるのか注目されよう。

【今週を振り返る】

　下値模索の展開となった。世界的な金融株の増資警戒感に加え、景気腰折れ懸念、急速な円高ドル安の進行などを背景に売りが膨らんだ。日経平均は週初に約2週間ぶりとなる10000円の大台割れ。週半ばには、月末恒例のドレッシング買いなどで堅調な場面もみせたが、上値を積極的に買い進む動きは限定的だった。週末にかけて再び大幅下落し、約半年ぶり（3月3週以来）に26週移動平均を割り込んだ。市場エネルギーも乏しく、9月30日の東証1部の売買代金は1兆1220億円に留まり、2週間ぶりの低水準となった。
　マクロ指標では、9月日銀短観は大企業製造業の業況判断指数（DI）が-33（前回比+15pt）となり、前回6月調査（-48）から2期連続で大幅に改善した。ただ、今年度の設備投資計画は前年度比25.6％（前回は24.3％減）で過去最大の下落幅となったことや、雇用人員判断DIが高止まり。最も注目された2009年度の大企業製造業の想定為替レ－トは94.50円（上期：94.98円、下期：94.08円）で、前回94.85円（上期：94.93円、下期：94.77円）とほぼ同じで、円高への警戒感が強まった。米国では、9月米ISM製造業景況指数が9ヵ月ぶりに低下した（市場予想を下回った）ほか、買い替え支援策終了の影響で9月米自動車が大幅に落ち込み、先行き不透明感が強まった。

【物色動向】

　金融株の下落が目立った。増資への警戒感や政策リスクが重しとなり、銀行株が商いを伴って売られたほか、日経平均が10000円割れしたことで証券株も下落。アイフルショックでノンバンクも下値模索が続いた。商品市況の急落を受けて、資源関連も総崩れになったほか、急速な円高進行（為替相場が1ドル＝90円割れ）で国際優良株が軒並み安。特に最近堅調だった半導体や、米自動車販売の低迷を受けて自動車株などが売り込まれた。その一方で、内需ディフェンシブ系はリスクマネーの受け皿となり底
堅く推移。特に円高メリット享受のニトリなど、好業績の内需株で高値更新する銘柄が散見された。

【来週の予定】

　国内では、CEATEC JAPAN2009〔幕張メッセ～10日〕（6日）、8月景気動向指数、9月携帯電話契約数（7日）、8月国際収支、9月企業倒産件数、9月景気ウォッチャー調査、9月工作機械受注（8日）、オプションSQ、8月機械受注（9日）などが予定されている。

　決算発表は、メディアクリエイト、サンエー、フェリシモ、カッパ・クリエイト、カスミ、フジ、ベルク、サーラコーポレーション、マルカキカイ（5日）、大黒天物産、ハニーズ、米久、わらべや日洋、イオン北海道、ＭＶ東海、イズミヤ、イオン、イオンディライト、ミニストップ、ヤマトインター（6日）、三協・立山ＨＤ、住江織物、佐鳥電機、ＡＢＣマート、丸久、イズミ、天満屋ストア、富士エレク、イマージュＨＤ、川口化学、日本フイルコン、鉄人化計画（7日）、ローソン、シー・ヴイ・エス、トレファク、Ｐワークス、エコートレーディング、オオゼキ、ファミリーＭ、マルエツ、セントラル警備、吉野家ＨＤ、ユニオンツール、イヌイ倉庫、ケンタッキー、ファーストリテイリング（8日）、サカタのタネ、アウンコンサル、コスモス薬、インターアクション、タクトホーム、魚喜、ワイズテーブル、東京個別、ＭＯＲＥＳＣＯ、トーヨーアサノ、マルゼン、ガリバー、エスケイジャパン、スギＨＤ、オンワードＨＤ、タカキュー、チヨダ、高島屋、ダイエー、歌舞伎座、タキヒヨー、関門海、トーセイ、ＭＫキャピタル（9日）などが行う予定。

　海外では、米9月ISM非製造業景気指数（5日）、オーストラリア準備銀行金融政策決定会合、世界銀行・国際通貨基金（IMF）年次総会〔イスタンブール～7日〕、ABC消費者信頼感指数（6日）、英金融政策決定委員会〔～8日〕、MBA住宅ローン申請指数、米8月消費者信用残高（7日）、APEC中小企業担当相会議〔シンガポール～9日〕、米新規失業保険申請件数、米8月卸売在庫、米9月チェーンストア売上高（8日）、OECD8月景気先行指数、米8月貿易収支（9日）、日中韓首脳会談（10日）などが予定されてい
る。

　決算発表は、ペプシ・ボトリング・グループ、ヤム・ブランズ（6日）、ファミリー・ダラー、モンサント、アルコア、コストコホールセール（7日）、マリオット・インターナショナル、ペプシコ（8日）、プログレッシブ・コープ、トータル・システム・サービス（9日）などが行う予定。

提供：株式会社T&Cフィナンシャルテクノロジーズ