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2009 09,15 16:53 |
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21世紀米国版「徳政令」、ドル安バブルが胎動 米経済底打ちとともに、基軸通貨離れが鮮明になり、ドル安バブルの胎動が始まった。オバマ政権はクリントン政権時代のルービン財務長官が編み出し、ブッシュ政権へと引き継がれてきた「強いドル政策」をそのまま継続しているが、実体は「弱いドル政策」に転換している。 ガイトナー米財務長官は7月15日に歴訪中のアラブ首長国連邦(UAE)で、「強いドルを変わらずに支持するのが米国の政策であり、今後もこの政策を継続する」と表明。バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長も7月26日にミズーリ州カンザスシティーで開かれたタウンミーティングで「強いドルを実現するという財務省の政策を支持する」と言明。財政当局と協調して「強いドル政策」を追求していく姿勢を強調した。 さらに、バーナンキ議長は「強いドルを維持するには強い経済を持つことが最善の道だ」と表明。「強いドル」を実現するため、米経済を強化する決意を示したが、現在の緩やかなドル安を心地よく思っていることは間違いあるまい。同議長はプリンストン大学教授を務めていた当時、バブル崩壊後の日本に対し、まず金融システムの整備と自国通貨の減価を指南していた。 米国の主要貿易相手国6通貨に対するドル指数はリーマン・ブラザーズ破たん直後の昨年9月半ばを起点に上昇波動を描き、今年3月5日の89.1でピークに到達。バーナンキ議長がその直後に「米経済に緑の新芽が現れてきた」と発言するとほぼ同時に下げ足を速めてきた。9月11日には76.6と、今春のピークから14%も下げている。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
急激なドル安は制御 米財務省・FRBにとって緩やかなドル安は好ましい。折に触れて「強いドル政策は国益」などと繰り返すのは、ドル安は好ましいものの、急激なペースを避けるためのレトリックである。「強いドル政策」とは、ドル暴落を防止しながら、緩やかなドル安を実現するための制御装置の役割を果たしている。しかし、これは危険な綱渡りであることに変わりはない。 そして、同じく綱渡りである巨額の財政赤字政策や超金融緩和策とも密接に結び付いている。米議会予算局(CBO)が8月25日発表した見通しによると、2009年度(2008年10月-09年9月)の財政赤字は大型景気対策のほか、金融機関や自動車メーカーなどへの公的資金投入で1兆6000億ドルに達する。赤字幅はこれまで米史上最大を記録した前年度の4548億ドルの何と3.5倍だ。 米政策当局者の財政赤字に対する感覚麻痺を裏付けている。米国の財政赤字は「強い米国」の復活を訴えたレーガン政権から急速な拡大トレンドを続けてきたが、1980年代から90年代は先代ブッシュ政権、クリントン政権とも財政赤字削減への意欲を保っていた。実際、クリントン政権末期には長期的な好況も手伝って財政黒字を一時的に実現している。
2000年11月の大統領選挙で勝利したブッシュ大統領は2001年の就任とともに歳入の裏付けのない減税を実行。さらに無謀なイラク戦争へ突入し、財政を再び危機的状況へと誘うことになる。 財政収支は2002年度に早くも赤字に転落。04年度には赤字額が4130億ドルとそれまでの過去最大に膨らむ。その後、バブル膨張に伴う景気拡大で財政赤字幅が縮小するが、2007年度の1615億ドルの赤字でストップ。金融バブル破裂に伴う景気後退入りで08年度には財政赤字の再膨張過程に突入、オバマ政権発足で青天井の様相を呈している。 1930年代の大恐慌を克服したとされるフランクリン・D・ルーズベルト大統領のニューディール政策に心酔するオバマ大統領と、大恐慌を回避するためには紙幣を印刷してヘリコプターから撒けば良いと提唱してヘリコプターベンの異名をとるベン・バーナンキFRB議長が出会ったことでドル紙幣印刷機の回転が加速された。
そのオバマ大統領は8月25日に記者会見し、バーナンキ議長の再任を発表。その理由として、バーナンキ議長が最悪の金融パニックを克服し、「大恐慌を回避した」ことを挙げた。そして、同議長を「大恐慌のエキスパート」と賞賛。さらに「議長が自らその再来を防ぐ役回りになろうとは夢にも思わなかっただろう」と述べ、歴史のアイロニーに思いを馳せた。 しかし、ルーズベルト大統領の政策に心酔するオバマ大統領と1930年代のFRBを反面教師と見立てて、大量資金供給政策に絶大な自信を持つバーナンキ議長の出会いが、将来「歴史の皮肉」として振り返られるシナリオは夢にも浮かばないのだろう。 米政府が8月25日に議会に提出した財政見通しによると、2010年度から19年度まで10年間の財政赤字は合計9兆510億ドルに膨らむ。景気後退の長期化による失業給付金の支出増加や国債の大量発行による利払い負担などがかさみ、財政健全化など夢物語の世界になろう。
オバマ政権とバーナンキ議長のドル紙幣膨張策への自信はどこから来るのだろうか。米国政府は建国時代に欧州からの移民に対し、資金を貸与して開拓予定地を供給していた。こうした政府融資を原動力に国土を拡張してきた歴史を背景に、米国では「借金は善」とする思想が底流にある。しかし、これはあくまでも、経済がまだ若い時代の話だ。 経済の発展と成熟と同時にベビーブーマーも老齢期にさしかかっており、「借金は悪」へと変貌してきた。高齢者向け公的医療保険(メディケア)など社会保障費も一段とかさむ。今後10年間に財政赤字累計が9兆ドルにも拡張する中で、借金の返済どころか、利子も雪だるま式に膨れ上がってくる。 オバマ大統領もバーナンキ議長もなお米国の先行きに強い自信を表明している。確かに、ドルは世界の基軸通貨であり、基本的に対外債務は輪転機を回せば返済できる。「強いドル政策」という仮面の下で進む「基軸通貨の緩やかな減価政策」により、21世紀の「徳政令」は既に実行に移されている。 (FRBウオッチの内容は記者個人の見解です) 記事:ワシントン 山広恒夫 Tsuneo Yamahiro ■□━━━━・・・・・‥‥‥……………………………… 「徳政令」かどうかは別にして、ドル安がバブルを引き起こす可能性が 以前に言ったのですが、覚えていらっしゃる方がいるかどうか・・・ スーパーインフレ・・・正確にはバブルを引き起こして ・・・が、しかし、その前に日本は貿易不均衡是正を考えなければなりません。 自動車産業は、米国のクルマ減税措置の恩恵を世界一受けました。 米の新車購入支援策、70万台の買い替え効果 そして、日本でも日本車は一番恩恵を受けました。 もうスグ日米間で貿易摩擦が勃発するでしょう。 米大統領:報復の連鎖にはならない-中国製タイヤ関税で PR |
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