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2009 09,12 09:00 |
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【日本株週間展望】為替や新政策にらみ反落も、大型連休控え売買低調 9月第3週(14-18日)の日本株相場は反落する見通し。 トヨタアセットマネジメント投資戦略部の浜崎優シニアストラテジストは、「量的金融緩和の継続で目先は米ドル安が止まりそうにない。下半期企業業績の回復という前提が、いったん仕切り直しとなる可能性がある」と指摘する。 第2週の日経平均株価は前の週に比べ2.5%(257円)高の1万444 円で終了。世界的な金融緩和によるリスクマネーの増加や景気回復による資源価格の上昇から、大手商社や非鉄金属、海運など世界景気敏感株が上げ、不動産株も高くなった。 外国為替市場でドルが主要通貨に対し全面安となっている。金融緩和を背景として、低金利のドルから高利回り資産に資金を振り向ける動きが進んでおり、10日のニューヨーク外国為替市場ではドルは対ユーロで年初来高値を更新、主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のドル指数は08年9月以来の安値を付けた。 3カ月物ドル建てロンドン銀行間取引金利(LIBOR)は1カ月前に0.50%だったが、10日では0.30%と短期金利は低下している。金融緩和によって生じたドル安は、為替感応度の高い日本株にとっては重しだ。「投資家の間では1ドル=90円割れを予測する意見が増えている」と、しんきんアセットマネジメントの山下智己主任ファンドマネージャーは警戒感を隠さない。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
大和証券SMBC金融経済研究所が10日に発表した最新の企業業績予測では、2009年度の経常利益は前期比3%減益と前回6月調査(15.8%減益)から増額修正された。上半期は72%減益となるものの、在庫調整一巡やコスト削減効果から下半期には回復を予想している。来期は今期予想比61%増益の見込み。 しかし企業業績の前提条件は、09年度のドル・円相場が1ドル=95.6 円(来期は95円)。大和SMBC金融研の高品佳正次長は、この前提による増額修正後でも「PER(株価収益率)20倍という来期のバリュエーションから考えると、株価を押し上げるほどではない」と話しており、このまま円高が進めば、輸出関連を中心に株価の下押し圧力につながりやすい。 米国では、15日に8月の小売売上高や9月のニューヨーク連銀景況指数、16日に8月の鉱工業生産、17日にはフィラデルフィア連銀指数の発表が予定されている。企業部門の改善は株価が織り込んでいるだけに、注目材料は小売売上高の動向。ブルームバーグ・ニュースの事前調査によると、政策効果が予想される自動車を除いたベースで前月比0.4%増が予想されている。「予想を下回るようなら、ドル売り材料になる」とトヨタアセットの浜崎氏は強調。悪材料が重なれば、日経平均は1万円に接近する懸念もある。
もっとも、世界的な金融緩和の継続は、為替による影響を除けばリスクマネーの増加を通じて株式市場にとってはプラス材料だ。為替の円高傾向が一服すれば、海外株高が日本株に刺激となる可能性は高い。 日経平均は、8月10日に今年初めて心理的な節目である1万500円台に乗せてから、約1カ月間もみ合いが続いている。東海東京調査センターの隅谷俊夫投資調査部長は、「日柄で見ると、そろそろ調整が終了してもおかしくない」と分析。 一方、国内では16日にも発足する民主党を中心とした連立新政権の政策への関心が、投資対象に影響を与える可能性がある。民主党の鳩山由紀夫代表は閣僚人事の最終決定について、15日の両院議員総会まで持ち越す構えを見せていると大手メディアなどは報じている。三菱UFJ証券の鮎貝正弘シニア投資ストラテジストは、「実際の組閣と各閣僚の発言が明らかになれば、新政権の方向性がおぼろげながらも見えてくる」とし、それが投資対象にも影響を与えるだろうと予想する。
ゴールドマン・サックス証券では11日、民主党政権による新環境政策は膨大なコスト負担になるとの鉄鋼業界レポートを発行。「日本の鉄鋼業界の競争力がますます弱まる可能性がある」と指摘したこともマイナス材料となり、同日の東証1部の業種別33指数では鉄鋼が値下がり1位となった。 厳格な環境政策が明確に示されれば、鉄鋼やパルプ・紙、セメントといった素材株のほか、それら素材を使用する自動車など加工産業にとっても売り材料となる不透明感は残る。半面、太陽電池など環境関連株にとっては、人気再燃につながる場面もありそうだ。 このほか、日本株相場に影響を与えそうな材料は、国内で17日に7-9月期の法人企業景気予測調査が発表される予定。足元の企業の景況感を図る上で、注目度は高い。さらに翌週21-23日までが休日で、国内投資家の多くが大型連休を迎える。第3週後半には手控えムードの高まりから、次第に売買エネルギーが低下することも想定される。
【市場関係者の当面の日本株相場の見方】 ●しんきんアセットマネジメントの鈴木和仁ストラテジスト 「日経平均は8月のレンジ内での動きが続きそう。先進国での超金融緩和策によりマネーが行き場を探す中、景気や企業業績の底入れ・回復期待を背景に8月初めにかけ急速に上げたが、その後上昇の勢いを欠き、今は投資家が冷静に企業の7-9月期決算や民主新政権の政策実施能力を見極めようと、売り買いを手控えている。不安材料は銀行株の動向。自己資本規制強化観測による増資懸念から、銀行株が下げ止まらないようだと、日経平均がレンジ下限をブレイクする可能性もある」
「円高となる中、日経平均が1万500円台まで上昇してきたのには違和感があった。株価指数先物・オプションの特別清算値(SQ)算出に絡む思惑で上昇した。機関投資家は年度末で動きづらく、手掛かり材料もない状態だ。民主党新政権は安定政権となるのか、相場はまだ政策を織り込みづらく、市場エネルギーは非常に減少している。政治姿勢として反米トーンが出れば、円高に進みかねず、相場にマイナスだ」
「商いが低調にもかかわらず、日経平均が1万円を割り込むそぶりを見せないところをみると、相場は底堅い。19日以降の5連休を控え、今週は様子見する向きが多くなろう。楽しみは、14日の会社四季報と会社情報の秋号発売。個人投資家の一部は新情報をみて個別物色を強めるとみられ、大きく動く銘柄も出てくる。事業法人は上半期決算を控えほとんど動けず、主要投資家も勝負は連休明けと決め込んでいる」 記事:東京 長谷川 敏郎 Toshiro Hasegawa PR |
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