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2009 09,10 07:00 |
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榊原英資早大教授(元財務官)は9日、日本記者クラブで講演し、日本経済は年末から来年初にかけて二番底を打つ可能性があると述べ、9月中旬に発足する鳩山由紀夫政権は新規国債の発行を財源に、景気対策を早急に打つべきと提言した。国債増発に伴う金利上昇懸念に対しては、日本は世界最大の債権国であり、10─15兆円の国債発行は市場で吸収可能と述べ、影響は限定的と語った。 世界的な金融・経済危機の広がりを背景に、ドルの信認に懸念を示す声も出ているが、少なくとも今後20年はドル基軸通貨体制は変わらないとの見解を述べた。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
榊原氏は冒頭、自身を民主党のサポーターの1人と述べる一方、民主党のマニフェスト(政権公約)について「マクロ政策に対する記述がほとんどない」ことに苦言を呈した。 その上で、日本経済は「微妙な段階にある。このままいけば年末から来年初にかけて、二番底を打つ可能性がある」と懸念を示し、鳩山政権に対して「そう遠くない時期、この1カ月間くらいに景気対策を打つべきだ」と提言した。具体的には、現政権が実施したエコ・ポイントやエコ減税などの継続、民主党が掲げる「子ども手当」や高速道路料金の無料化、ガソリン税などの暫定税率廃止を景気対策として実施すべきと主張。 こうした対策の財源については「予算の執行を止めれば経済が無茶苦茶になる。不況の時は国債を新規発行しなければ景気対策にならない。当面は財源問題に配慮せず、新規施策を打つことが大事だ」と国債発行で賄うべきとし、民主党が表明している予算の執行停止や組み替えによる財源確保は「中長期的に財政規律が大切なのは間違いない。4年間かけて、じっくり無駄な歳出を削ればいい」との考えを示した。 国債増発に伴う長期金利の上昇が懸念されるが、榊原氏は日本の個人金融資産が1400兆円程度にのぼることなどを挙げ、「日本は世界最大の債権国。日本の財政状況が危機的とは思っていない」とし、「現在の国債市場は、10─15兆円の国債発行を十分に吸収できる。金利が若干上がっても、(現在1.3%台の長期金利が)2%を上回ることはない」と語った。
また、榊原氏は世界の現状を「20世紀型、米国資本主義の崩壊」と表現、「モノを中心とした経済の崩壊だ」と語った。 米国が昨秋の「リーマン・ショック」の震源地となり、世界的に金融・経済危機が広がる中で米ドルの信認に懸念を示す声も聞かれるが、榊原氏は「相対的に弱くはなっているが、米国が世界のリーダーであることは10─20年は変わらない。ドルが基軸通貨であることは、少なくとも今後20年は変わらない」と指摘。 今後の日米関係について「米国は力を持ち、速く変化を実現できる国であり、連携していかなければならない」としながら、「米国と日本が対等な関係であることをはっきり認識すべき。対等な関係で議論することは当然だ」と語った。 アジア共通通貨構想に対しては「長期的な課題として考えていい。ただ、(実現は)20─30年先の話だ」と指摘。「中国が為替介入を撤廃するのも10年はかかる」との見方を示した。
さらに、榊原氏は、政治主導をめざす鳩山新政権に対し、「官僚をうまく使っていくことが重要」とし、具体策として1)事務次官や局長などの人事サイクルを首相任期と同一にする、2)省庁設置法を廃止する、3)改革派の閣僚と連携する ことなどをアドバイスした。 新政権が設置する首相直属の「国家戦略局」に参加を要請された場合の対応を問われ、「何らかのかたちで新しい改革をサポートできるオファーがあれば考えたい」と語った。 PR |
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