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2009 08,29 09:00 |
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【日本株週間展望】衆院選受け短期上昇へ、欧米景気見通し降り際探る 9月第1週(8月31日-9月4日)の日本株相場は、日経平均株価が年初来高値圏で緩やかに上昇する見通し。30日投開票の総選挙を受け、新政権に対する変革期待などからご祝儀相場となる可能性がある。 パルナッソス・インベストメント・ストラテジーズの宮島秀直チーフストラテジストは、民主党圧勝が市場のコンセンサスだとした上で、「政治リセット期待から、株価の短期上昇期待が強い」と話す。 パルナッソスが海外の機関投資家85社を対象にヒアリングした結果、「民主党の最大のサポーターであるヘッジファンドは、選挙後早ければ1週間で株価がピークを打つとみている」という。宮島氏は、日経平均が1万1000円から1万1500円で停滞すれば、ヘッジファンドが利益を確定する動きを強めると予想。「9月末にかけて下落し、9月の株価ピークが年初来高値となる可能性が高い」との認識を示した。 28日の日経平均は前週末比2.9%高の1万534円14銭で2週ぶりの上昇、TOPIXは2.3%高の969.31ポイントだった。米国の消費、住宅関連統計が事前予想以上に良好だった影響で、米ダウ工業株30種平均は27日まででことし4月以降では最長となる8連騰。欧米株堅調で投資家のリスク許容度が増した恩恵に、東京市場もあずかった。 ただ世界経済の先行きについては、依然不透明感が残る。三菱UFJ証券投資情報部の折見世記シニア投資ストラテジストは、足元でドイツのマネタリーベースの伸び率が大きくなっている点に言及、欧州金融政策当局が資金供給方針を転換し、不良債権処理を促し始めたと受け取るべき、と注意喚起する。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
欧州の火種 欧州中央銀行(ECB)は6月の「金融安定化リポート」で、ユーロ圏内の商業銀行が2010年末までに約27兆円の不良債権処理関連の追加損失を計上する可能性があると報告した。これと前後し、ECBなど当局は域内金融機関に不良債権処理を早めるよう要請、1年物の無制限資金供給策を導入するなど信用サポートの姿勢を強めた。 折見氏は、欧米の不良債権問題は「生ごみをラップで包み、上から風呂敷をかぶせた状態」で、6月以降は欧州の政策当局が風呂敷をはがそうとしていると指摘。不良債権問題を棚上げしたことで過剰流動性相場が演出されてきたが、いったん不良債権処理を始めると「砂漠に水をまくような話で、もはや金余りとは言えない」という。 流動性が低く、時価評価が困難な「レベル3資産」の扱いが問題。米会計当局は、同資産の時価評価を無理にすることはないと問題先送りを示唆するが、欧州委員会は国際財務報告基準の適用を要求。欧州大手行は自主的にレベル3資産を開示し、スイスのUBSとクレディ・スイス、ドイツ銀行の3行合計の3月末のレベル3資産は22兆円と、自己資本の2倍強であることが明らかになっている。 フランスやアイルランドなどの不良債権問題の深刻化も欧州実体経済の下押し要因。7月のユーロ圏16カ国の失業率は9.4%と、10年ぶりの高水準だ。丸紅経済研究所の榎本裕洋シニアエコノミストは、2010年には11.5%への悪化も視野に入ると予想。今秋にかけて各国の財政政策が一巡し、「景気後退からの脱出劇をけん引した米中が故障するとみられる中、欧州が足を引っ張るリスクが顕在化してきた」と話す。 日米欧の大企業の株価収益率(PER)は2002年以降、15倍前後で推移してきた。PERは「1÷(割引率-利益成長率)」で求められるため、15倍のPERの分母は6.7%。SOZO工房投資取締役の山本功氏は、「今回の金融危機を機に分母が8.2-8.7%に上昇すると、PERは11.5-12.2倍になり、現状から約2割低下する」と予想する。現在の日経平均1万500円に当てはめると、8000円台に下がる計算だ。
「他人の犠牲を前提としたモノポリー(ひとり占め)経済は終わりを告げた。米オバマ政権誕生の意義は、レーガノミックス以来の強欲な市場主義との決別」――。HCアセットマネジメントの森本紀行社長はこう指摘したうえで、日本は周回遅れでも世界の潮流に乗り、「生活に立脚した地産地消経済に戻していくべき」と、日本の新政権に対して行き過ぎた市場主義との離別を望む。 戦後復興期の日本は、旧日本興業銀行などが時間をかけて債権者と債務者の信頼関係を構築していく融資姿勢を徹底し、経済再生に結びつけた。こうした「リレーションシップバンキング」、地域密着で逃げない金融機関の創出が重要で、信用金庫など地域金融機関の果たすべき役割が大きい、と森本氏は指摘。「環境や第三世界、弱者に負荷をかけて利益を得ている企業にサステナビリティ(持続的成長)はない。地域こそが、質の高い利益を上げる投資対象を創出できる」と話す。 9月第1週の日本株相場に影響を与えそうな材料は、海外では1日に発表される8月の独失業率、7月のユーロ圏失業率、8月の米ISM製造業景況指数。3日は欧州中銀理事会、4日は8月の米雇用統計が控える。国内では、8月31日に7月の鉱工業生産や商業販売統計、9月4日には4-6月の法人企業統計が公表される予定だ。 PR |
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