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2009 08,24 22:19 |
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東証が第三者割当増資で新ルール、透明性向上に期待と懸念交錯 東京証券取引所は24日、上場企業が実施する第三者割当増資に関する新しいルールを施行した。上場企業による開示を充実させ、市場の透明性を高めるのが狙いだ。 東証は、海外の投資家からも批判の多い第三者割当増資に一定のルールを定めることで、海外資金の積極的な呼び込みを図るが、発行される新株の価格が有利発行か否かなどの点で、ルールの抜け穴を悪用する事例が出かねないと懸念する市場関係者の声もある。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
<株主への説明責任を明確化> 24日から施行された新ルールは、 東京証券取引所の松崎裕之・上場部長は「相当程度の効果がある」と期待する。野村総合研究所・研究創発センター主席研究員の大崎貞和氏は、これまで多大な希薄化が起きても実質的に規制できていなかった第三者割当に「一瞬でもブレーキがかかるため意味がある」と話す。 第三者割当をめぐっては、ライブドアなど一部の新興企業の急成長と相まって問題が多発した。東証マザーズに上場していた結婚式場運営のモックが2007年に発表した増資計画はその一例。会社法では、発行可能株式総数は発行済み株式総数の4倍が上限で、それを増やすには定款を変更する必要がある。 しかし、モックは10株を1株に株式併合したうえでファンドを割当先とする新株予約権の発行で、当時の発行済株式総数の30倍にあたる大量の新株予約権の発行を計画した。公表時に東証は「流通市場への混乱をもたらすおそれがある」と、異例の公表措置を行った。 同年、オートバックスセブン(9832.OS)は、ファンドを割当先とし新株予約権付社債(CB)の発行を決めたが、期日までに資金は払い込まれず増資はとん挫。割当先の実態や、払込みに必要な財産の存在について十分な確認と情報開示が必要との認識を広げるきっかけになった。
東証の新ルールは、こうした「節度のないファイナンスを減らす予防線になる」(引受関係者)との期待がある。一方で、市場関係者からは「抜け穴が残っており実効性は不透明」との指摘もある。 たとえば、第三者割当増資を行う際の1株当たりの発行価額の妥当性については、判断が難しいケースが考えられる。新ルールでは、東証は必要に応じて、割り当てられる新株が引き受け者にとって、特に有利な条件で発行されていないかどうかについて監査役などの意見を求める。 普通株増資の場合は、日本証券業協会が定める自主ルールで新株の発行価額は取締役会 決議の直前の価格から90%以内とするのが原則となっており、その範囲内であれば有利発行にはあたらないとされる。 しかし、複数の証券関係者は、第三者割当でCBが用いられる場合、そのオプション価値の算出が困難なため、普通株のように有利発行か否かの根拠を示しにくいと指摘する。 ある引受担当者は「モンテカルロ方式などの算出モデルを使えば妥当とみられる株価は出せるが、市場全体の実態や固有銘柄の流動性などを織り込んだ数字は、だれも証明できない」と話し、監査役が意見を示すこと自体に意味があるのか疑問視する。 最終的には、ファイナンスする企業が社会の公器である株式市場に上場しているという自覚を持ち、株主の権利を尊重する経営姿勢をいかに貫くか「上場企業の自発的な判断に任される」(東証の松崎裕之氏)ことになる。
◎希薄化・支配株主の異動 1)希薄化率が300%超の場合 株主・投資者の利益を侵害するおそれが少ないと東証が認める場合を除き、上場廃止。 2)希薄化率が25%以上、または支配株主が異動する場合 経営陣から一定程度独立した者による第三者割当増資の必要性・相当性に関する意見の入手、または株主総会決議など株主の意思確認を必要とする。ただし、割当増資の緊急性が極めて高いと東証が認めた場合を除く。 ◎支配株主の異動/割当先に関する事項 3)支配株主が異動し、3年以内に支配株主との取引の健全性が著しくき損していると東証が認める場合、上場廃止。 4)割当先が反社会的勢力と関係が無いことを示す確認書を作成し、提出する。 ◎増資に伴う新株発行価額/払込み財産に関する事項 5)割当先の払込みに必要な財産の存在について確認した内容を適時開示。 6)払込金額の算定根拠や、その具体的な内容を適時開示。 東証が必要と認める場合は、払込金額が割当先に特に有利でないという適法性に関する監査役または監査委員会の意見などを含む。 ◎株式併合など 7)株主の議決権が失われることになる株式併合、その他同等の効果をもたらす行為では、東証が、株主または投資者の利益を侵害するおそれが大きいと認める場合、上場廃止。 ◎MBO 8)上場会社の意見の公表または株主に対する表示を行う場合の適時開示は必要かつ十分に行うよう求める。 (ロイターニュース 平田 紀之、江本 恵美;編集 田巻 一彦) PR |
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