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2009 01,03 17:00 |
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クレジットカードが使いづらくなる? 悪質な商法から消費者を守るために、経済産業省が省令の策定作業を進めている改正割賦販売法に対し、小売業者や信販業界が困惑している。低所得層を中心にカードの利用限度額が引き下げられる可能性があるためで、「まともな使い方の消費者にも影響する」との声も上がっている。 「ローンを組むのが不便になり、売り上げにブレーキがかかる」。札幌・狸小路商店街にある老舗呉服店「竹内」の竹内宏二社長が表情を曇らせる。振り袖など高額商品が多いこともあり、同社の売上高の四割を占めるのがクレジットカードを通じた販売だ。 改正割賦販売法は六月に成立した。高級羽毛布団や住宅リフォームなど高額な商品、サービスをお年寄りなどに押しつける悪質な訪問販売業者などの撲滅が狙い。 現在、来年秋の法施行を目指して経産省が省令の詳細を詰めているが、カードを作る時の審査が厳しくなるのに加え、利用可能額を制限する内容。これがカードの利便性低下につながる恐れがある。 経産省によると、利用限度額は、利用者の年収から、家族構成や持ち家の有無を基に生活維持費として九十万円から二百四十万円までを差し引き、借金も勘案して決める案が有力だ。 また、夫や親に収入を依存する専業主婦や学生には三十万円以下の限度額でカードを交付する方針で、今までの限度額が四十万-五十万円だった人には不便になる。 さらに「年収二百万-三百万円の人は今までより丁寧な審査が行われる」(同省取引信用課)とされ、利用者の借金の調査をカード会社に義務づけることも検討されている。 このため、約四十万人が利用する信販道内大手のエスコートカード(札幌)は「入会時の審査に煩雑さが出る恐れがある」と懸念する。 デパートで洋服などをカードで買うという札幌市内の四十代の主婦も「限度額が厳しくなれば、今までのように気軽に使えなくなるかも」と不安を語っている。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
クレジットカードでバレる「本当の階級」 現金主義を貫き、クレジットカードをあまり使わない人が結構いる。しかし、カードの利用歴を磨いておかないと、上級カードへのグレードアップは望めない。しかも、「経済偏差値」と訳される、利用・返済歴に基づくクレジットスコアが日本にも導入されそうな気配だ。『「信用力」格差社会 カードでわかるあなたの経済偏差値』(東洋経済新報社刊)を書いた消費生活評論家の岩田昭男さんは「カード履歴が個人の新たな格付けとなりつつある。金融機関の待遇もクレジットスコア次第で変わってきかねない」と、履歴磨きをアドバイスする。 <消費生活評論家の岩田昭男さん>これからは個人の金銭的信用度が「クレジットスコア」で計られる時代が近付いている。既に米国では当たり前の存在となっているクレジットスコアだが、日本での導入は早くても来年以降となりそうだ。しかし、国内カード会社がそれぞれに管理しているクレジット履歴の共通データベース化の準備が進んでいることから、いずれは日本でもクレジットスコアが業界共有の判断基準として力を持っていくのは間違いないと見られる。 「経済偏差値」と訳されるクレジットスコアは、カード保有者の返済履歴を主なデータとしている。その点数は個人の信用度を推し量る有力なものさしとして、米国では様々な経済活動で役立てられている。 例えば、住宅ローンを組む場合の貸し出し上限金額や金利などを決める際にも、クレジットスコアは影響を及ぼす。個人のマネーライフにぴったりくっついてくるだけではなく、就職や借家といった、一見、クレジットカードとは関係が薄そうに見える面にもクレジットスコアは影を落とすことがある。分かりやすく言えば、クレジットスコアに問題のある人は思い通りに仕事に就くことも、家を借りることもできない。 預貯金の額や、社会的ステータスの高さと、クレジットスコアは直接的な関係を持たない。どんなに年収が高くても、クレジットスコアがトップクラスになるわけではないのだ。クレジットスコアは支払いの律儀さ、支出の着実度といった面を数値化している点に特徴がある。さらに、「時間」が関係する。長い時間をかけて個人が積み上げてきた支払い履歴をベースにしているので、短期的に数字をいじることは難しく、だからこそその信頼度は米国ではかなり高い。 クレジットカードをきれいに使っているか否かで、個人の信用力にかなりの開きが出る時代になってきた。今やカードは持っているだけでは意味はない。それなりの金額を使い、しかもきちんと返済して、自分の履歴を磨き上げてこそ、カードは持つ意味があるのだ。
日本では現金主義が尊ばれてきた。「カードを持ってはいるが、使うのは現金が足りない緊急時だけ」「海外やガソリンスタンドでしか使わない」という主義のシニアは珍しくないようだ。現金の補完的役割と位置付けているわけだ。 しかし、カード社会の米国で広まったクレジットスコアは、「カードを全然使わない」という暮らしぶりを高く評価するわけではない。この仕組みでは現金主義は必ずしも堅実さの証とはならないのだ。 カード会社にとっても似たような事情がある。年会費をきちんと支払ってくれるカードホルダーはその点ではありがたい客だが、買い物の支払いにほとんど使ってくれないのでは、取扱店からの手数料収入が上がらない。つまり、現金主義の顧客は上顧客とは言えないのだ。 米国で最も広まっているクレジットスコアは最低300点から最高850点の幅で個人の信用力を評価する。米国で発して世界の金融市場をガタガタにしたサブプライムローン問題は、このスコアが低く、普通には住宅ローンの申し込みが通らない低所得層向けの住宅ローン貸し付けの事だ。 日本では勤め先の格や年収の水準が個人の信用力を推し量る目安に使われてきた。しかし、クレジットスコアが浸透していくのはそう遠くない先の事だろう。その時になってあわててクレジットスコアを磨こうとしてももう遅い。自分の履歴をブラッシュアップするのは、今のうちから始めておくに越したことはない。
クレジットスコアの算出方法はいくつかあるが、主流となっているのは、過去の支払い履歴を筆頭に、現在の借り入れ残高、与信取引の長さ、現在のカード保有状況などを総合的に評価する方式だ。これらの中で最も重視されるのが、過去の支払い履歴。延滞があれば、スコアが下がり、とりわけ直近1年間の延滞は傷が深いと見なされがちだ。1年間以内に延滞があれば、次のカード申請や、グレードアップはしばらく待つのが得策だろう。 収入額とは関係ないクレジットスコアだけに、ちょっと意外な項目もある。直近の新規カード申請の記録がそれだ。既に持っているカードに加えて、新しいカードを作ろうとするのは、それ自体が別に悪いことではないが、立て続けに別のカードを欲しがるという行為に、カード会社側は信用面での不信をかぎ取る。急にカード枚数を増やした人が過去に起こした返済トラブルのリスクが高かったせいで、急な枚数増加はリスク要因と見られているのだ。半年は間を開けたい。 勤続年数と居住年数も、収入額とは関係なく問題になりやすい。勤め始めてから1年以内の人は概してカード申請が通りにくい。長く勤めた後に、転職した場合でも、トータルの社会人経験ではなく、新しい勤務先での年数だけがカウントされるので、転職者は1年間はカード申請を見送るつもりでいた方がよい。転居に関しても1年間はマイナスの評価を受けやすい。下手に申請して落ちた履歴を残すより、転職・転居の後は1年待つ方が賢いだろう。 金額をたくさん使えば、カード会社からの評価が上がるとも限らない。適度の利用は歓迎されるが、多すぎるのも評価が下がる。限度額の50%を超えるような感じで使い込んでいると、多重債務者ではないかと疑われてしまう。 年会費の高さを嫌うカードホルダーは少なくない。ゴールドが持てる立場になっても、最も年会費の安いエントリークラスのカードを持ち続ける人もいる。しかし、あまり格好のよいものではない。米国流の考え方で言えば、ポジションや暮らしぶりに見合ったグレードのカードを持つのが当たり前で、グレードの低いカードを使う人は、「その程度のカードしか持てない人」「カードの使い方を知らない人」と見なされかねない。
「必要を感じるようになったら、グレードを上げればいい」。こう考えて、グレードを抑えている人は、カード会社との付き合い方を考え直した方がいいかも知れない。カード会社は結構シビアに会員の利用態度を見極めている。いつまでも同じ評価が継続するとは限らない。とりわけ、定年退職が近付いているプレシニア層は油断しない事だ。安定した収入が約束されなくなる定年が近付くと、カード会社は新規カードのカードを渋る傾向にある。ゴールドやプラチナに上げるどころか、中流以下のカードですら、新たな発行は難しくなる。ミドルエージを迎えたら、「カードのグレードアップ、新規発行は先送りしない」と意識しておこう。 海外、とりわけ米国で生活する計画のある人は、国際的なネットワークを持つカードを作っておきたい。そして、時間を掛けてそのグレードを引き上げておこう。カードがなければ、暮らしていけないのが米国の現実。きれいな使い方を続けて、国際的カードのクレジットスコアを引き上げておくのは、リタイア後の旅行三昧やロングステイにも役立つはずだ。 住宅ローン金利や金融商品金利などは金融機関との付き合いの深さ、信用度の高さなどに応じて価格も低くもなる時代になっている。今後、クレジットスコアがこの評価材料に加わるのは間違いないだろう。クレジットスコアを磨いて、金融機関からの信頼度を高めておくことは、カード以外のマネーライフ全体にメリットをもたらす可能性が高い。「信用力格差社会」の到来はもう目の前に迫っている。
消費生活評論家、 1952年生まれ。早稲田大学第一文学部卒。同大学院修士課程修了。テレビ局勤務、月刊誌記者などを経て独立。流通、情報通信、金融分野を中心に活動する消費生活ジャーナリスト。特にクレジットカードと消費者金融は20年来取材を続けている主要テーマ。消費者信用分野でのセミナー講師も数多く務める。カード選び専門サイト「岩田昭男のカード道場」を主宰。2003年にNPO法人「ICカードとカード教育を考える会(略称JICC)」を設立し、電子マネーや個人情報保護問題にも取り組んでいる。 |
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