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G7共同声明:識者はこうみる ロイターNEWS 2008年 04月 12日 14:17 JST 11日にワシントンで開かれた7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)で、欧米は市場混乱や世界経済に厳しい認識を示した。またG7は、金融安定化フォーラム(FSF)の最終報告書に盛り込まれた市場混乱の再発防止に向けた提言について、支持を表明し、具体的な項目を挙げて実行する方針を示した。市場関係者のコメントは以下の通り。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
共同声明では、世界経済への危機感、為替レートへの懸念が強めに出ている。為替については特に欧州やカナダなどの不安を反映させているのだろう。会合後の首脳の記者会見でも、為替についての不満が出てきている。ただ、米国はドル安のメリットを享受している面もあり、そもそもドル安の大本の原因は米国の金融システムの混乱なので協調介入に動くといったような印象はない。共同声明の発表を受けた外為市場を見ても反応は冷静で、市場もドル買い介入のニュアンスを汲み取ったということではないようだ。 むしろ今回の会合で議論の中心となったのは、金融安定化フォーラム(FSF)だろう。最終報告では、問題の解決に向けて「2008年中に」などと期限を区切っており、評価できる点だ。時価評価の柔軟な対応というような示唆があり、大きな問題なのでまだ議論を要するため、この段階では大きく踏み込んだ言及はないが、会計基準がどうなるかには注目している。 流動性対策については、各国の中央銀行間で為替スワップ枠を設定することを推奨、担保の共通化を中銀間で進めたらどうかという提案をしている。担保の共通化については、短期市場に参加する外銀勢の中にはすぐに実施されることを期待する声もあるようだが、報告書を見る限りでは年末までの検討課題であり、議論の行方を確認したいという表現にとどめている。 こうして提示された対策は個々の国の努力にかかってくる面もあり、どう現実化させていくのかが課題。市場にとっては、失望感はないがサプライズもなく、期待を持って想定したものの範囲内の内容だった。 日本は混乱の渦の中心にはいないので、もともと極めて重要な役割を担っていたわけではない。また、今は海外当局から日本の金融政策に対する要望や圧力がある状況でもない。ただ、金融安定化の枠組みを議論していく中では日本としての立場をきちんと主張しないと、不利益な議論が出てくるおそれがある。その意味では、白川日銀総裁はこれまで事務方としてG7に関わっていた経験もあり、議論への参加など実務的な点ではまったく問題はなかっただろう。
7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)の共同声明で、最近の主要通貨における為替相場の急激な変動に懸念を示したことに関し、ドルやユーロ、円などに暗に言及したと受け止めている。ただ、金融当局の危機感の表れとも言えるが、それによって相場が変化するとは思えない。弱含んでいるドルが、これで反発するとは考えにくい。というのは、週明け以降も米金融機関の決算発表が予定されており、そこでの資本増強の発表などの方が影響は大きいからだ。 一方、急激な変動が経済や金融の安定に与える影響を懸念する、という内容の文言は、最終的には介入も辞さないとのニュアンスを感じないこともない。 週明け以降の相場に関しては、米金融機関の資本増強などにより、ドル/円は円高になりにくく、ユーロ/ドルはユーロの高止まりが続くだろう。ただ、米国経済が回復し、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ打ち止め感も出てくればドル安の流れが反転するのではないか。
声明文の為替部分で急激な変動に懸念が表明されたことで、これまでのようなドルの急落リスクは後退した。ドル高誘導の合意などといった大きな政策転換ではなく、これまでのG7声明文の考え方を踏襲、微調整したに過ぎないが、文言そのものが変更されたという心理的インパクトもあり、3月につけた12年半ぶりの円高水準である95円台への円高は遠のいたと見ている。週明けには米大手金融機関の決算が始まるが、大幅なドル売り仕掛けを踏み止まらせる効果はある。 ただ、会合終了後に各国当局者が声明文以上の言及を相次ぎ避けたため、声明文がどの通貨のどの水準を指しているかはうかがい知れない。仏経済財務雇用相が為替部分の作成は「難しくなかった」としており、仏の主張は取り入れられたのかもしれないが、95円への急速な円高進行で困っているはずの日本当局は特段の言及をしていない。米国のコメントも以前と同様だ。本当に懸念しているなら、記者会見等で直接フォローアップしていいはずだが、必ずしも全員の意見が一致した感じではない。声明文の文言は各国の最大限の妥協点であり、ドル高誘導まではできないという限界を認めたとも言える。パニック的ではないが、ドルのじり安地合いは続くだろう。 声明文に盛り込まれたFSFの提案に、特段のサプライズはない。「金融問題G7」としてこの点を強調したかったのは理解できるし、示された内容ももっともで、市場関係者にとって異論はない。しかし、年末までという時間設定は長すぎる。各国は最近の政策を自画自賛し、公的資金投入の是非を含めた議論を封じ込めたようだ。トリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁は4%という金利水準は物価安定に寄与すると発言しており、金利差を手掛かりとするユーロ高/ドル安は続くと見ている。
G7の共同声明では、金融機関の資本増強を歓迎すると述べるにとどまり、表向きは具体的な内容が明らかになっていないが、世界の主要金融機関を含めた拡大会合では、各行が1―3月期決算発表前の状況を説明し、資本増強に向けた根回しが行われた可能性がある。 損失は拡大している可能性が大きいものの、資本不足による不測の事態を避けるためのセーフティネット構築を金融当局との間で確認したのではないか。 伏線は10日のリッチモンドでのバーナンキFRB議長の発言にあった。バーナンキ議長は金融商品の時価会計が市場の不安定要因になっているとの認識を示した。4―6月決算ではこれを踏まえた時価会計見直しの動きが出てくるだろう。そうなれば1―3月期さえ乗り切れば、先は見えてくる。拡大会合では1―3月期決算をどう乗り切るかが焦点になったはずだ。具体策はこれから各行が出してくるだろう。市場は公的資金注入への言及がなかったことに失望する可能性もあるが、最悪の場合は、ベアースターンズ救済がモデルケースになり、実質的な資金注入が行われるだろう。 11日の米国株はGEの決算や弱い経済指標を嫌気して急落した。週明けの東京株式市場でも売りが先行するとみられるが、下げたところは買い場になるとみている。
声明文の為替部分で急激な変動に懸念が表明されたこと、FSFの提言を受けて、当事者がどう課題をこなしていくかを見極める時間的猶予が生まれた。その間はドルが売り込まれる動きは限られるのではないか。しかし声明文でも言及しているように、レバレッジ解消を含む負の循環が続く中、市場は不安定な状況が続く。結果としてのドルの弱さは残り、年後半にドルは90円を割れるかもしれないという思いは引き続き残っている。 声明文は変更されたが、踏み込んだ発言も特段なく、為替市場の動きを反転、あるいは誘導するようなものではない。誘導するにはインパクトに欠ける。ポールソン米財務長官は「強いドルへのコミットメントを強い調子で再度述べる」としており、その捉え方をめぐって市場はいったん様子見ムードになるかもしれない。会議の大半が金融システム安定という観点で、出された課題への取り組みを見極めたい部分もある。短期的にドル相場が安定する余地が生まれたといえる。パニック的な動きは和らぎ、市場は落ち着きを取り戻す雰囲気となるだろう。 FSFの提案が実際に機能するかを現段階で見極める決定的な手掛かりはなく、やはり最終的には公的資金の投入が必要になるかもしれない。現在はその前段にあり危惧される状況との見方は変わらず、ドルが長期下落トレンドから抜け出せないという認識にも変化はない。 来週に相次ぎ発表される米大手金融機関の決算では、損失の拡大状況だけでなく、資本増強など何らかの対策が同時に打ち出されるかを確認したい。損失をめぐる悪材料はある程度市場に織り込まれているが、再びパニック的な動きが何をきっかけに出てくるかは不透明だ。 PR |
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