1/10 朝の『株価材料』PART Ⅳ

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■株価材料

△伊藤忠テクノ<47396>－消費電力3割減の省エネデータセンター今秋新設

□学研<9470>－地球儀で台湾を台湾島と表記、中国政府指示に従う

△ホンダ<7267>、３社と提携　携帯へ災害情報サービス
ホンダは地図大手のゼンリン<9474>やカーナビ大手のパイオニア<6773>など３社と提携し、車内や歩行者のもつ携帯に、ナビゲーションシステムを通じて災害情報を提供し合うサービスの検討を始めた。
ホンダと３社は年内にもシステム開発に着手し、あわせて国や地方自治体、ライバルのトヨタ自動車<7203>や日産自動車<7201>にもシステムへの参加を呼びかける。
ホンダは、自社の車に搭載された純正カーナビ向けに情報を配信する会員制サービス「インターナビ・プレミアムクラブ」を展開中。昨年７月から、日本気象協会の豪雨地点情報や地震情報をもとに、震度５以上の地震発生の警告や時間雨量３０ミリを超える豪雨地点の予測、危険回避のルート案内サービスを始めた。ホンダの同サービスは、会員が運転した走行情報を携帯電話を介して情報処理センターに送信し、センターが渋滞情報や最適ルートを提示する独自の方式を採用。通常のカーナビが活用する「ＶＩＣＳ」（道路交通情報通信システム）より精度が高いとされる。協議がまとまれば、ホンダの災害情報サービスがパイオニア製カーナビやゼンリンが行う携帯電話の歩行者向けナビゲーションサービスなどでも利用可能になる。また、ホンダはシステムの精度向上に、自治体や同業他社にも参加を呼びかけ、災害情報インフラの業界標準にしたい考えだ。

△広がる高機能抗菌メッキ技術　神戸製鋼所<5406>が独自開発
神戸製鋼所が独自開発した高機能抗菌メッキ技術「ケニファイン」が、食品や医療、水産など衛生環境を重視する分野で活躍の場を広げている。病原性大腸菌「Ｏ（オー）１５７」による堺市の集団食中毒をきっかけに研究に取り組んだ技術で、従来の市販抗菌材と比べて抗菌・抗ウイルスに対する有効性を実証。新型肺炎（ＳＡＲＳ）ウイルスへの効果も期待されており、神戸空港の多目的トイレにも導入。空気清浄機のタンクに本格採用されるなど、家庭やオフィスへの普及が始まった。この技術は、ニッケルを主原料に有害性の低い非金属元素などを添加、大気中で吸着した水膜に抗菌イオンを溶出させる。大腸菌を２時間で１００分の１以下にできるうえ、従来の抗菌塗装や抗菌ステンレスなど市販抗菌材の１０倍のスピードで菌を減らし、高硬度でキズなどがつきにくいため、抗菌などの効果が長続きするのが特徴。他の菌類やかび類などを防ぐ効果があり、ＳＡＲＳウイルスと同属のコロナウイルスに対する効果も確認されている。開発のきっかけは、平成８年に起きた堺の「Ｏ１５７」による集団食中毒だった。同社技術開発本部の中山武典・研究首席が「いろんな抗菌商品があるのに、なぜ菌の繁殖を防止できなかったのか」と研究に着手したという。以降、抗菌性のあるニッケルに加え、有害性の低い非金属元素や還元性元素などの組み合わせを研究し、優れた抗菌性と持続性を発揮する技術を確立。１３年からメッキメーカーを対象にライセンス事業を展開し、１４年には量産を開始、現時点で１０社にライセンスを供与している。すでに神戸空港ターミナルビルの多目的トイレのドアハンドルに採用されているだけでなく、食品工場の食品棚の取っ手や病院の集中治療室（ＩＣＵ）のドアなどにメッキが施されている。魚類のサケ科の養殖設備の金網としても普及しており、卵消毒用の水産用医薬品の使用削減などにつながっているという。空気清浄機メーカーが清浄機の給水タンクなどに本格採用したほか、台所の流し台の排水口やエアコンに装着するフィルターにも使われている。中山研究首席は「衛生面に敏感な現代社会だけに、用途はいろいろな可能性がある。昨夏も大阪の保育所でＯ１５７の集団感染が起きたが、この技術でこのようなことが起きるのをなくしていきたい」と話している。
（産経新聞）

△三菱ＵＦＪ<8306>－ＪＡＬ<9205>カード売却先有力に
（読売新聞）

△北海道電力<9509>　気温急降下、１時間当たり電力使用量が最大に
北海道電力は９日、午後５～６時に１時間当たりの電力使用量が過去最大になったと発表した。気温が前日に比べて一気に下がったことで暖房機器の稼働が高まり、灯油高騰によって暖房を電力でまかなう住宅が増えたことが原因とみられる。北電によると、この１時間に５５２万７０００キロワットの電力を消費した。これまでの最大電力は０６年１月１９日午後５～６時の５４６万２０００キロワットだった。札幌管区気象台によると、９日午後６時の札幌の気温はマイナス７．３度で、前日の同時刻よりも３．２度下がった。同気象台気候・調査課は「気温が実際に何度であるかよりも、前日に比べて気温がどれだけ変化するかで人間の体感気温は決まる。気温の変化が暖房の使用量を増やした要因の一つかもしれない」と話している。

■ＪＲ大阪環状線　ポイント誤作動、特急進入　ダイヤ乱れる
９日午後７時２０分ごろ、大阪市浪速区恵美須西３のＪＲ新今宮駅で、京都発新宮行き特急「オーシャンアロー２９号」（６両）が通過する際、ポイントが誤って切り替わり、本来走行すべき大和路線・阪和線方面ではなく、大阪環状線に進入した。運転士が誤進入に気づいて急ブレーキをかけ、約１５０メートル進んだところで停止した。その後、特急を後退させ、約２５分後に本来のルートで運転を再開した。誤進入した環状線には当時、ほかの列車が付近を走行していなかった。乗客約３００人にけがなどはなかったが、環状線などでダイヤが乱れ、約３万人に影響が出た。
ＪＲ西日本<9021>によると、ポイントは同駅のホームから約３０メートル先にあり、列車がホームを通過する前に駅のコンピューターで自動的に切り替わる。これまで同様のトラブルは発生しておらず、ポイントが誤作動した原因について、同社は「なぜ誤作動したのか見当がつかない」と説明し、今後詳しい調査を進める。また、ポイントと連動して、環状線側の信号機が青、大和路線・阪和線方面の信号機が赤を表示していたが、信号表示の誤りを運転士が見落としたことも誤進入の原因の一つとみている。
（毎日新聞）

△スバル フォレスター 新型発表　日本市場ありき
富士重工業<7270>スバル商品企画本部、プロジェクトジェネラルマネージャーの市川和治さんは、「新型『フォレスター』はコンパクトSUVのカテゴリに属し、
ライバルは、トヨタ『RAV4』、ホンダ『CR-V』、日産『エクストレイル』、『デュアリス』あたりになります」と、語っている。ターゲットユーザーについて市川さんは、「特定の年齢層・性別は設けていないが、強いて言うなら、スポーツやレジャーを楽しむなど、日常をエンジョイしている30 - 40歳代の人、あるいはこだわりが強く、アクティブに過ごしている気持ちの若い50歳代の人をメインにしたいです」と、言った。日本以外ではアメリカ・カナダ市場での人気が高く、月の販売計画台数の半数弱の5000台強を占めている。記者の「米国のニーズに合わせた結果のサイズ拡大なのか？」という問いに対しては、「アメリカを中心に見れば1800mmを超える全幅を持ってもいいと思うのですが、フォレスターは、日本でも販売するクルマなので、1800mmを切るサイズとしました。しっかり日本市場に目を向けて開発しました」と、市川さんは語った。
（レスポンス）

△総務省、ＮＧＮ開放を義務づけ－第１種設備に指定、料金厳しく監視
総務省は、ＮＴＴ<9432>が３月に商用サービスを始める次世代ネットワーク（ＮＧＮ）を他の通信事業者に開放することを義務づける方針を固めた。ＮＴＴ自身も開放意向を示しているが、将来日本の基幹通信網となるＮＧＮが公正公平に開放されるのを国が担保する必要があると判断した。義務づけ根拠としてＮＧＮを「第１種指定電気通信設備」に指定。その上でインターネット・プロトコル電話「ひかり電話」と法人向けデータ通信サービス「イーササービス」は、他事業者が利用する料金（接続料）の妥当性を総務省が特に厳しく監視し認可する「アンバンドル」の対象とする。第１種指定電気通信設備に指定されると、ＮＴＴは他事業者がその設備を借りる際の具体的な条件を示した接続約款と、設備構築に要した費用や収入の詳細を明記した接続会計の作成・公表が義務づけられる。さらに特に他事業者がサービス提供を行う上で必要不可欠と判断した設備はアンバンドルの対象とし、対象設備ごとに設備の利用状況や原価を詳細に開示し接続料が適正に設定されているかが評価される。今回、総務省はアンバンドル対象をひかり電話とイーササービスとすることとした。その根拠はひかり電話は今後約５０００万件が利用する加入電話に置き換わるものであること。イーササービスも現在は県内通信だけだがＮＧＮでは県間を直接接続し、東日本、西日本の広域で高速データ通信サービスの一括提供が可能となり法人向けの主力サービスと位置づけられるなど、他事業者に大きな影響を持つ設備になると判断したため。一方で、ＮＧＮならではの機能である品質制御機能（ＱｏＳ）については、具体的なサービス提供が明確でなく技術の進歩も激しいことから、現時点では対象とせず、今後も状況を見て再検討することとした。ＮＴＴはＮＧＮの第１種指定電気通信設備への指定やアンバンドル化について、「自ら開放方針を示しており、さらに他社も同様の通信網構築が可能なことから指定には反対」との姿勢を打ち出している。
一方、ＫＤＤＩ<9433>やソフトバンク<9984>は「通信市場におけるＮＴＴの独占性はますます高まっており、より厳しい監視体制が必要」と主張していた。

△ホーチキ<6745>、煙感知器の海外生産を再編－米国工場に集約
ホーチキは煙感知器の海外生産を再編する。３月に英国工場での生産を終了し、米国工場で一極生産する。米国工場で生産する欧州向けは新型を投入する。６月までに総額２５０万ドル（約２億７０００万円）を投じて米国工場の生産設備を増強。生産能力を年１００万個とする。英国工場は中継器や音響装置の主力工場とする。ホーチキが海外生産する煙感知器は８５万個。うち英ホーチキヨーロッパ（ケント州）が４５万個、米ホーチキ・アメリカコーポレーション（カリフォルニア州）が４０万個。英ポンド―米ドル間の為替はポンド高が続いており、米国で生産した方が価格競争力を高められると判断した。米英工場とも中国メーカーから部品を共同購入していたが、一極生産に転換することで調達コストを削減できる。生産移管はすでに一部製品で始まっており、ホーチキヨーロッパは０８年３月までに感知器の生産移管を終了する。

■今年の工作機械受注見通し、１兆５０００億円台－日工会まとめ
日本工作機械工業会は９日、０８年の工作機械の年間受注見通しを１兆５０００億円台と発表した。中村健一会長は「工作機械市場は世界規模で広がっているが控え目に設定した」と判断理由を説明した。０８年は０７年同様、外需主導による高水準の受注が続く。さらに「上方修正できることを期待している」と話し、１兆６０００億円到達に含みを持たせた。１６日発表する０７年の年間受注額は前年比約１０％増の１兆６０００億円前後が見込まれる。０８年については原油高や住宅着工の鈍化、サブプライム問題など不安要素があるため固めに予想した。ただ、０８年のけん引役となりそうな外需は、アジアや欧州向けが活発に推移する。インドやロシア、南米など新興市場向けの受注拡大も期待できる。

△森精機<6141>、立型ＭＣ・旋盤の生産再編－量産型を協力会社に委託
森精機製作所は工作機械の生産を工場別に再編し、各機種を増産する。第１弾として、立型マシニングセンター（ＭＣ）とＣＮＣ旋盤の量販機「Ｄｕｒａ（デュラ）」を協力会社に生産を委託した。生産スペースが空く奈良事業所（奈良県大和郡山市）では、５軸立型ＭＣとＣＮＣ旋盤を増産する。増加する受注量を生産委託で乗り切るとともに効率的な増産体制も築く。Ｄｕｒａを委託した協力会社は明らかにしていないが、すでに組み立てを始めた。Ｄｕｒａは奈良事業所だけで月１００台を生産していたが、高水準の受注でフル生産が続いている。まずは月８０台を委託先で組み立てることにした。生産スペースに余裕が生じる奈良事業所では５軸立型ＭＣ「ＮＭＶシリーズ」を増産する。同機は０７年末比５０％増の月産３０台以上に引き上げる。ＣＮＣ旋盤「ＮＬシリーズ」「ＳＬシリーズ」も余剰スペースを活用して増産する。

△ＷＢＢ、「ＷｉＭＡＸ」事業化準備に着手－３月めど協力企業を選定
ワイヤレスブロードバンド企画（ＷＢＢ、東京都千代田区）は、０７年１２月に周波数免許を獲得した高速無線通信「モバイルＷｉＭＡＸ」の事業化準備に着手する。基地局などネットワーク整備に協力する通信機器メーカーの選定作業を３月までに完了。０８年度から基地局の建設を始める。
建設用地は３月に提供を終了するＫＤＤＩ<9433>の第２世代携帯電話「ツーカー」の基地局跡地を有効活用する。ＷＢＢはＫＤＤＩなどが出資する事業運営会社。すでに複数の通信機器メーカーに対し、期待する性能や調達方針を示した提案依頼書（ＲＦＰ）を送付した。今後ＲＦＰを得たメーカーが納入への具体的な計画を記した提案書を提出し、それをもとに選定する。主な調達対象は基地局やゲートウエー装置、基幹網装置（ＣＳＮ）。それぞれ１、２社程度を選考する。

△ＮＥＣ<6701>と米ＥＭＣ、中堅・中小向け低価格の小型ストレージ発売
ＮＥＣと米ＥＭＣは９日、共同開発したストレージ（外部記憶装置）を発売すると発表した。１００万円を切る低価格の小型ストレージ・エリア・ネットワーク（ＳＡＮ）製品で、生産はＮＥＣが担当し２４日に出荷する。販売はそれぞれが自社ブランドで国内外に投入。「両社合わせて３年後に世界シェア３０％を目指す」（丸山好一ＮＥＣ執行役員常務）目標を設定した。中堅・中小企業向けの戦略製品で価格は最小構成が８９万８０００円。ブランド名はＮＥＣが「ｉストレージＥ１」、ＥＭＣは「クラリオン／クラリックスＡＸ４」。小型ストレージ市場は国内外とも年率１０％以上の成長が見込まれ、開発と生産の両面で協業し競争優位に立つ。新製品はサーバとの接続仕様として通常のファイバーチャネルに加えて最新のｉＳＣＳＩ規格に対応。

△ＯＫＩ<6703>、中国でＡＴＭ事業強化－事業統括会社を設立
ＯＫＩは中国で現金自動預払機（ＡＴＭ）事業を強化する。中国市場でＡＴＭの製造・販売業務を自立的に行う事業統括会社を４月にも設立する。経済発展の著しい中国で拡大するＡＴＭ需要に迅速に対応できる体制づくりを進めるのが狙い。０７年度の中国でのＡＴＭ販売台数は４５００台以上と前年度比で４倍に増える見込み。中国のＡＴＭ市場でのシェアを現在の１２―１３％から、０８年度に３０％を目指す。中国のＡＴＭ事業統括会社はＯＫＩの資本を主体にし、金融機関や商業施設の多い上海と北京を候補地に検討を進めている。０７年には中国・深センにあるＡＴＭ工場を地区内で移転、拡張。生産能力を従来比３倍以上の年３万台に増強した。これまで深セン工場は日本や韓国などの海外向け製品の割合が高かったが、中国市場の拡大に伴い現地での生産・販売体制を強化する必要があるとみて、事業統括会社の新設を決めた。

△ＮＴＮ<6472>、岡山に車向けベアリング生産工場を新設
ＮＴＮは岡山県内に自動車部品の新工場を建設する。０８年内に着工、０９年にも完成する見通し。投資額は８０億円程度。生産額は１００億円規模になると見られる。自動車の足回りに使う軸受であるアクスルベアリングを量産。需要増に対応して増産を図るとともに、同製品の国内第２生産拠点とし、災害時などのリスク分散にもつなげる。新工場は、生産子会社ＮＴＮ袋井製作所（静岡県袋井市、敷地面積７万７０００平方メートル）と同等以上の規模を想定する。建設地は明らかにしていないが、岡山製作所（岡山県備前市）とは離れた場所となる。岡山製作所ではアクスルベアリングと等速ジョイント（ＣＶＪ）を生産する。アクスルベアリングの国内生産は同製作所のみで行っている。

△日ピス<6461>、アルミボア用ピストンリングを国内投入
日本ピストンリングは、アルミボアに対応したピストンリングを国内市場に投入する。欧州ではすでに、一部自動車メーカーがアルミボア対応の新しい仕様のピストンリングを採用している。国内では、一部の０８年モデル車種で採用が決定しており、軽量化ニーズをにらみ、製品バリエーションを拡充させる考え。アルミボアは鋳鉄ボアに比べ、軽量でクルマの燃費の改善が見込まれるほか、加工しやすいなど利点が多い。国内市場でも近年の軽量化を背景にニーズが高まっており、今後、採用車種は増えていくと見られている。ただアルミは柔らかく、従来のピストンリングでは、アルミボアを傷めるスカッフ（引っかきキズ）や摩耗が発生する。同社は物理気相成長（ＰＶＤ）やダイヤモンドライクカーボン（ＤＬＣ）など複数ある表面処理方法から最適なものを選択。

△車の対ロ輸出、ドル安リスク拡大－「強いルーブル」取引通貨が重要に
日系自動車７社の０７年１―１１月のロシア販売が約４７万６０００台になり、通年で５０万台を大きく上回ることが確実になった。
トヨタ自動車<7203>が０７年末にサンクトペテルブルクで工場を稼働させたが、現状は大半が日本からの輸出。問題なのがドル安リスクの高まりだ。
トヨタ自動車や三菱自動車<7011>はドル建て輸出で、０９年３月期は円収入が目減りする可能性もある。トヨタは１４万７０００台のうち１２万９０００台が日本からの輸出。
マツダ<7261>は全量輸出している。
一方、日産自動車<7201>では日本や欧州工場からの輸出取引はユーロ建てで、為替の影響は少ない。
輸出販売に商社を利用するスズキ<7269>や富士重工業<7270>は円建てで、直接、為替変動リスクを負うことはない。ただ富士重によると、ルーブルに大きな変化があった際、商社と卸価格を調整するという。トヨタは「ドル建てを変える予定はない」とする。

△帝人<3401>化成、ポリカーボネートのリサイクルで来年度中に連続運転を実証
帝人化成はポリカーボネート（ＰＣ）のケミカルリサイクルで、０８年度中に連続運転の実証実験に着手する。同技術は将来的な光ディスクなど廃棄物のリサイクルを視野に入れて開発を進めているもの。バッチ処理によるリサイクル技術が確立したことから、実用化を目指した連続運転のための技術確立を目指す。今後の実用化にあたっては、まず工場内の製造工程などで発生する端材や不良品などのリサイクルから導入していく考え。同技術は粉砕・融解したＰＣの廃材を原料モノマーにもどすため、低温かつ長い時間をかけて解重合。精製してＰＣの主原料である高純度ビスフェノールＡ（ＢＰＡ）を抽出するもの。低温、長時間の解重合で副生成物の発生を防ぎ、９９％以上の純度のＢＰＡが得られる。

△ダイセル<4202>、エタノールから酢酸エチルを精製する設備を大竹工場に導入
ダイセル化学工業は酢酸エチルをエタノールから精製する量産設備を大竹工場（広島県大竹市）に導入する。稼働開始は０９年４月。生産能力は年間５万トン。酢酸エチルは電子材料向け接着剤などの材料で、需要拡大が見込めるため設備導入を決めた。これまで酢酸エチルの原料はナフサを使用、今回のエタノール由来によりナフサ価格高騰の影響も受けにくくなる。売り上げ計画は明らかにしていない。現在、酢酸エチルの生産はチッソとの共同出資会社である千葉酢酸エチル（東京都千代田区）が担当。ナフサから得たアセトアルデヒドを原料に年間４万４０００トンを生産している。電子材料向け接着剤のほか、塗料やインク向け需要も拡大していることから、千葉酢酸エチルとは別にダイセル本体でも生産に乗り出すことにした。

△ＴＯＴＯ<5332>ハイリビング、キャビネットの生産効率を向上
ＴＯＴＯハイリビングは、システムキッチンに搭載するキャビネットの生産効率を高める。塗装の不良率改善に取り組むほか、０９年４月からは、同じ顧客に届けるキャビネットごとに部材を加工・生産する「邸別生産方式」に切り替える計画。これらの取り組みにより、キャビネットの生産効率を年１０％ずつ向上させる。システムキッチンの主要部品であるキャビネットは邸別にすべてそろってから出荷するため、生産効率をいかに高めるかがメーカー各社の課題となっている。また、顧客の都合で納期がずれることもあり、柔軟な生産体制が求められる。ＴＯＴＯハイリビングも納期回答の信頼性向上を目指し、キャビネットの生産を完全邸別に切り替え、部材加工から組み立てまで３日かかっていた生産リードタイムを２日に短縮する。

△ローランド<7944>、米社を来月子会社化－音楽制作の新製品開発
ローランドは２月末をめどに、米音楽ソフト会社のトゥエルブ・トーン・システムズ（マサチューセッツ州）を子会社化する。他株主からの株式取得と第三者割当増資の引き受けで出資比率を約１５％から約６０％に引き上げる。開発力を強化し、売上高を２年後に１・５倍の１５億円とする計画。トゥエルブ・トーン・システムズは「ケークウォーク」の商標で音楽制作用ソフトを開発、販売し、０３年にローランドが資本参加した。子会社化でローランドのハード技術と組み合わせた新製品を０８年中にも発売する。ローランドはコンピューター・ミュージック関連機器を電子楽器に次ぐ柱に育てる方針。今回の子会社化もその一環。

▼昨年のネット証券大手５社年間売買、サブプライム響き８．２％減
０７年のインターネット証券大手５社の口座数・売買代金が９日でそろった。昨年末の５社合計口座数は０６年末比４０・９％増の４４８万７６８７口座。０６年のライブドアショック以降、個人の売買の中心となる新興市場が低迷していることに加え、昨年は２月の「中国発同時株安」、８月の「サブプライムショック」など３度にわたる大幅下落の影響で、年間売買代金は０６年比８・２％減の１８５兆４３０９億円になった。
年間売買代金では、最大手のＳＢＩイー・トレード証券<8701>が９３兆６９億円と同４・５％増加したものの、ほか４社は減少。
楽天<4755>証券は同１２・４％減の３６兆６６９９億円、
松井証券<8628>は同２７・９％減の２２兆１２５１億円、
カブドットコム証券<8703>は同１４・５％減の１６兆１２２９億円、
マネックス<8698>証券は同１９・２％減の１７兆５０６０億円。
（日刊工業新聞）

△感熱紙に写真並み印刷　ローム<6963>がプリントヘッド量産
ロームは、高速印刷で写真並みの高画質表現ができるサーマルプリントヘッド（感熱式印刷機器部品）を開発、１月から量産体制に入った。この部品は、熱を加えて感熱紙（熱で変色する紙）に押し付ける部分。ロームは、毎秒２５センチメートルの感熱式印刷で、業界で初めて４８段階の階調（色の濃淡の変化）を実現。スーパーやコンビニのレジで発行するレシートに顔写真や商品写真など高精細な画像を印刷できる。また、独自開発の特殊なヘッド構造と、最新のＬＳＩ（大規模集積回路）技術を導入した新型ドライバーＩＣの採用で、３・１３～５・２５ボルトの広い動作電源電圧範囲で高品質な印字を達成している。主な用途は、レシートやバーコードラベルなどの高速プリンター用。食料品店のレシートに料理の献立を写真付きで提案したり、衣料品店のレシートに流行の服装やアクセサリーを写真付きで紹介して顧客の消費意欲を刺激するツールとして売り込んでいく方針。すでに販促活動とサンプル出荷を開始しており、サンプル価格は７５００円。大口顧客との交渉がまとまりしだい、中国子会社のロームエレクトロニクス大連で量産を開始する。

△航空機部品用ＲＦＩＤタグ　富士通<6702>が大容量化
富士通は９日、航空機のメンテナンス向けに、６４キロバイトの大容量ＦＲＡＭ（強誘電体メモリー）を搭載したＲＦＩＤタグ（無線認識荷札）を世界で初めて開発したと発表した。メンテナンス精度を高めるため航空会社は徹底した部品管理を行っているが、大量の部品・整備情報を記録するＲＦＩＤタグに対するニーズが高まっていた。富士通は今年第１四半期から販売を始める。新製品はＵＨＦ帯ＲＦＩＤの国際標準規格に準拠し、国ごとに異なる認可周波数帯に対応した。大容量化によって国や企業をまたがってやりとりされる航空機の膨大な部品・整備情報の追跡が可能になり、メンテナンスの品質向上やコスト削減が見込めるという。価格は未定。
（FujiSankei Business i）