12/26 朝の『株価材料』PART Ⅲ

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■株価材料

△河西工業<7256>、米国子会社の決算期を変更
河西工業は、米国子会社の決算期を変更すると発表した。米国子会社のM-TEKは、現在2月が決算月となっているが、2008年12月期から12月期に変更する。経過期間となる2008年度は2008年3月1日から2008年12月31日までの10か月決算となる。決算期を変更するのは、事業年度を他の海外子会社の決算期である12月期に統一し、効率的な連結事業運営を推進するのが目的としている。

△トヨタ<7203>、08年の米国販売は1％増の計画
トヨタ自動車の渡辺捷昭社長は25日の年末会見で、2008年の同社の米国販売は「今年をやや上回るレベル」とし、小幅の伸びとなる見通しを示した。具体的には07年実績見通しの262万台より1％多い264万台を計画している。渡辺社長は08年の米経済を「サブプライムローン問題や原油高などの影響で「やや減速する」と観測。自動車市場も「良くて精々今年並み」と述べ、1600万台前後になるとの予測を示した。ただ、トヨタは小幅増となるためシェアは伸長することになる。このほかの主要海外市場での販売計画は、欧州が2％増の127万台、中国を含むアジアが20％増の158万台で、うち中国は43％増の70万台などとしている。全体として新興市場で大きな伸びを見込んでいる。

△トヨタ<7203>、海外でもサスティナブルプラント
トヨタ自動車は、今年堤工場をモデル工場として7月から展開している「サステイナブル・プラント」活動を海外の4か所の工場をモデル工場として、グローバル展開していくことを決定したと発表した。サステイナブル・プラント活動は、「自然を活用し、自然と調和する工場づくり」を目指した工場づくり、工場運営の取り組み活動。具体的には「革新技術の導入とカイゼンによる飛躍的な環境パフォーマンスの実現」、「太陽光・風力などの自然エネルギーやバイオマス等の再生可能エネルギーの活用によるCO2削減」、「工場の森作りを通じた、地域貢献・生態系保護」。米国では、トヨタ・モーター・マニュファクチャリング・ミシシッピ（TMMMS）をモデル工場に決定した。TMMMSは2010年頃の稼動開始を目指して現在、ミシシッピ州に建設中の最新工場で、「環境と地域社会との共生」をコンセプトに、革新ラインを導入する。また、森の中の工場として植樹および緑化活動も積極的に展開する予定だ。欧州では、英国のトヨタ・モーター・マニュファクチャリング（UK）（TMUK）とフランスのトヨタ・モーター・マニュファクチャリング・フランス（TMMF）を、アジア地域では、タイのトヨタ・モーター・マニュファクチャリング・タイランド（TMT）をモデル工場として活動を展開する。特にタイで今年1月から稼動を開始したTMTのバンポー工場は、「アジア太平洋地域における生産技術、環境対応面での最新工場」を目指し建設された工場で、既にコージェネレーションシステムと太陽光発電の併用、排水のリサイクル、ボデー塗装ラインへ水性塗装を導入した。また、操業当初から埋立廃棄物ゼロを達成している。今後は「工場の森作り」活動を展開する予定だ。今回決定した海外のモデル工場での取り組みの詳細は、今後各地域及び各工場の特性を考慮した上で決定する。

□HKS<7219>の9-11月期決算…増収増益　海外不振を国内でカバー
HKSが発表した第1四半期（9 - 11月期）の連結決算は当期純利益が前年同期比968.0％増の2700万円となった。売上高は同5.0％増の19億4600万円と好調だった。、国内は、電子関連商品の販売が前年同期に比べて減少したが、その他の商品の販売が好調に推移し、アフターパーツの国内売上高が前年同期実績を上回った。自動車メーカー向け部品の受託加工は減少したが、マリンジェット用スーパーチャージャーの本格的出荷が10月からスタートした。一方、海外は、米国ではガソリン価格高騰や福祉車両用部品の販売中止の影響により売上高が減少し、欧州での販売はほぼ前年同期並みとだった。また、アジア地域は、タイ子会社経由で行っていた一部の現地代理店との取引を、本社からの直接取引化することで、製販技一体となった市場開拓活動の強化を図った結果、所在地別セグメントでのアジア売上高は減少したが、連結でのアジア向け売上高は増加した。営業利益は6100万円と前期の営業赤字から黒字に転換した。経常利益は同488.8％増の5700万円だった。収益貢献度の高い自動車メーカー向けの受注加工売上の減少による影響があったが、売上高増加による売上総利益の増加に加えて、アフターパーツの荒利率の改善と広告宣伝費等の経費支出が減少した。急激な円高に伴う為替差損が発生したが、経常利益は増加した。通期業績見通しは前回発表したものを据え置いた。

△ファナック<6954>、DDモータを吸収合併
ファナックは、2008年3月1日付で、完全子会社のファナックDDモータを吸収合併すると発表した。今回の合併は、連結子会社の簡易吸収合併。ファナックグループでの生産体制の見直しの一環として、ファナックDDモータが行っている同期ビルトインモータなどのモータ及びそれらの部品の製造をファナックが直接行うこととするもの。合併に伴うファナックの業績への影響は軽微としている。

△サークルKサンクス<3337>、クイックPayなどを全国展開
サークルKサンクスは、トヨタファイナンスなどが推進するモバイル決済推進協議会推奨『QUICPay』、三菱UFJニコスなどが推進するビザ・インターナショナル『Visa Touch』、三菱UFJニコス『Smartplus』の利用を2008年1月21日から全国のサークルK、サンクス6193店舗で開始する。電子決済サービス市場にはクレジット業界をはじめ、さまざまな企業が新規参入しており、決済手段は多様化している。サークルKサンクスは今回の導入で、サークルK及びサンクス店舗で既に展開しているプリペイド（前払い）方式の電子マネー『Edy』に加え、ポストペイ（後払い）方式のQUICPay、 VisaTouch（Smartplus）を選択できる。これらのサービスの利用は、マルチリーダライタの導入が完了した店舗で2007年10月3日から一部店舗で導入していたが、このたび全店舗での利用が可能になることで、全国の顧客の利便性が向上し、支払い時のレジでの混雑緩和などの実現を見込んでいる。

△帝国ピストン<6463>、インドネシアの新しい販売会社を設立
帝国ピストンリングは、インドネシアに販売会社を設立すると発表した。同社では、インドネシアでの日系二輪メーカーなどの生産拡大に合わせ、顧客ニーズへの更なる対応と営業力強化を目的に、既存のピストンリング製造拠点「PT.NT PISTON RING INDONESIA社」（NTRI社）内に同社製品の国内市場拡販を担う販売拠点を設立する。新会社は「PT. TPR SALES INDONESIA」で帝国ピストンが全額出資する。資本金は30万ドル。新拠点の設立で、帝国ピストンの海外販売拠点は米国、ドイツ、中国、タイに続いて5か国目となる。

△オークネット<9669>が組織改正…営業本部を新設
オークネットは、2008年1月1日付けの組織改正を発表した。今回、管理職階層を簡素化してフラットな組織体制を構築するため、管理職の階層を「ジェネラルマネージャー」（GM）と「マネージャー」の2階層に簡素化する。また、オートモビル事業部門は「営業本部」を新設し、下部組織として「営業推進部」「営業開発室」「ディーラー営業推進室」を置く。「営業推進部」には「拠点」を置き、そのうち「首都圏支店」を「本店営業部」に名称変更する。「情報流通事業本部」の旧「企画運営部」を「市場流通部」に名称変更する。「リテール・サポート事業本部」に「販売支援部」と「ネットビジネス部」を置く。「ネットワークAA 事業部」を「ネットワークAA事業本部」に統合するほか、「買取支援事業推進室」を新設する。旧「商品サービス企画開発室」を部に昇格させ、「商品サービス企画開発部」とする。その他の部門では社長直轄組織として「内部監査室」、「新規事業開発室」を配置する。旧「経営企画部門」を「経営企画部門」と「グローバル事業部門」とに分割する。「経営企画部門」には旧「事業企画室」を名称変更した「経営企画室」と「広報室」を置く。「グローバル事業部門」には「国際事業室」と旧「PC事業推進室」を昇格させた「PC事業部」を置く。このほか「花き事業部」を「アグリ事業部門」に昇格、「花き流通事業部」を置く。

■アイシン<7259>・エーアイ、チェコの市場調査会社を解散
アイシン・エーアイは、子会社であるアイシン・エーアイ・チェコ有限会社を2008年10月を目処に解散するとと発表した。アイシン・チェコは、2006年3月に欧州地域の市場調査会社として設立したが、その役割がほぼ完了したため、解散するとしている。アイシンチェコはアイシン・エーアイの100％出資子会社で、資本金は2億チェココルナ（約12億円）。解散に伴う影響は軽微としている。

△ケンウッドの音響技術、中小企業長官賞を受賞
ケンウッドは、同社の音響技術が採用されたゼットエムピーのロボット技術搭載ネットワーク音楽プレーヤー『miuro（ミューロ）』が、経済産業省の「今年のロボット大賞」最優秀中小・ベンチャー企業賞（中小企業庁長官賞）を受賞したと発表した。miuroは、世界で初めてロボット技術を搭載したネットワーク音楽プレーヤーで、最先端のロボット技術である自律移動機能によって、家の中で、好きな時に好きな場所で音楽が楽しめるネットワーク音楽プレーヤー。ケンウッドは、移動機能を象徴したmiuroの先進的なデザインを損なうことなく、音楽プレーヤーとしての高音質再生を実現するために、音の最高責任者である音質マイスターが全面的に協力することで、「原音再生」をコンセプトに高音質を追及したピュアオーディオと同様の視点から音質技術を提供した。miuroは、11月27日に行われた発表で、「サービスロボット部門」優秀賞を受賞していたが、今回機械産業記念事業財団で行われた表彰式で優秀賞13件の中から「最優秀中小・ベンチャー企業賞（中小企業庁長官賞）」に選出された。

△ケンウッド<6765>、フロントにAUX端子を搭載した1DIN CDレシーバーを発売
ケンウッドは、フロントパネルにAUX端子を搭載することで各種ポータブルオーディオ製品との簡単接続を実現するとともに、AUX端子部にスライドカバー＆ポートイルミネーションを採用することで高級感を演出した1DIN CDレシーバーの新製品『E333』を1月中旬から発売すると発表した。E333は、様々なポータブルオーディオを接続可能なAUX端子をフロントパネルに装備する。ポータブルオーディオをステレオミニプラグケーブル（別売）で接続することで、お気に入りの音楽を車室内で簡単に楽しむことができる。また、別売の『iPod』インターフェースユニット『KCA-iP501』（価＝1万500円）を用いることで、iPodに収録した楽曲の再生だけでなく、さまざまな操作をE333で行うことができる。さらに、CDプレーヤー部は、圧縮ファイルMP3/WMA/AACに対応するとともに、圧縮の際に失われた高音域部分を補間する同社独自の帯域補間技術「Supreme」を搭載し、圧縮された音楽データも高音質で再生する。

△川島織物セルコン<3009>、早期希望退職制度を導入
川島織物セルコンは、早期希望退職制度を導入する。特別転進支援措置を実施する。経済環境の激変に対応した事業構造の再構築と、社員の第二のライフプランを実現するための支援として実施する。同社が認めれば、通常の退職金に割増退職金を加算して支給する。対象は勤続10年以上の正社員で、2008年2月29日現在で満45歳以上、59歳6か月以内。募集期間は2008年2月1日から2008年2月8日まで。退職日は2008年2月29日となる。
（レスポンス）

△ＮＥＣエレ<6723>、来年度の半導体投資を８００億円弱に設定－先端プロセス増強
ＮＥＣエレクトロニクスは０８年度の設備投資額を８００億円弱に設定する。チップ上の回路線幅５５ナノメートル（ナノは１０億分の１）プロセス技術を採用した先端半導体製造のほか、電力用半導体（パワーデバイス）の生産能力増強などに充てる。０７年度の設備投資は６００億円に圧縮する計画だが、２０１０年まで７００億―８００億円の水準で推移する見通し。また、０８年度の研究開発費は１２００億円前後となり、０７年計画１１８０億円と同じ水準になる。半導体生産子会社のＮＥＣ山形（山形県鶴岡市）では回路線幅５５ナノメートルプロセス品のサンプル出荷を始め、０８年から同品の量産を本格化する。同時に、０９年春には一段と回路線幅を微細化した同４０ナノメートルプロセス品の量産も計画する。このため、先端半導体の製造設備や付帯設備などに資金を充てていく。また、携帯電話の充電器や自動車電装品向けに需要が拡大しているパワーデバイスの増産にも資金を充てる。生産子会社のＮＥＣ関西（大津市）に直径２００ミリメートルウエハーラインを新たに敷設。建屋と設備を含めて１００億円を投じる。ＮＥＣエレクトロニクスは設備投資として、０４年度の１６３２億円をピークに、０５年度に８３０億円、０６年度に１０５９億円を投じた。０７年度は当初計画７００億円だったのを１００億円減の６００億円に圧縮。直径３００ミリメートルウエハーラインへの大型投資には一区切り付いたが、回路微細化への投資に資金がかかることから今後２―３年は７００億―８００億円の水準で推移する見通しだ。０８年度の設備投資額については、すでにルネサステクノロジが０７年度と同水準の８００億円程度とする計画を明らかにしている。

△ウェブドゥジャパン<2138>、携帯ＥＣに本格参入－女性向けサイトを来月開設
ウェブドゥジャパンは携帯電話を使った電子商取引（ＥＣ）事業に本格参入する。０８年１月下旬にも女性用美容品を販売する携帯サイトを正式に開設。ソーシャル・ネットワーキング・サービス（ＳＮＳ）など既存の自社サイトや広告配信で提携する他社の携帯サイトから利用者を誘導し、売り上げを拡大する。２０１０年３月期をめどに０７年３月期比約３倍の売上高１００億円を目指しており、ＥＣ事業の育成で目標達成を確実にしたい考えだ。ウェブドゥジャパンは０７年７月にＥＣの仮サイトを開設し、テストマーケティングを進めてきた。「初月に売上高２０００万円を達成した」（櫻井英哉取締役）といい、その後も同テストが順調に推移していることから、０８年初に正式サイトに移行する。同社は会員数３６万人（１０月末時点）のＳＮＳ・無料ゲームサイト「プチゲーフレンズ」や、電子書籍サイト「寝る前にコミック」などを自社コンテンツ（情報の内容）として運営する。これらのコンテンツは利用者の７割を１０―２０代の女性が占める。ＥＣサイトでも美容品や化粧品など女性の若年層向け商品を中心に販売し、自社コンテンツから効果的に利用者を誘導する。現在、同社は携帯サイトの検索キーワードやコンテンツ内容に連動した広告配信事業と自社コンテンツ事業、子会社が運営する人材コンサルティング事業の三つを経営の柱とする。０７年３月期の売上高は約３５億円。０８年３月期は同３９億円を見込む。

■ＩＨＩ<7013>、海外ＥＰＣから撤退－ボイラ事業を再編
ＩＨＩは海外プラント工事の失敗で巨額損失を出したエネルギー・プラント事業を再編する。海外のボイラ事業を本体機器の供給に特化し、ボイラ事業全体の年間売上高を２０１１年３月期までに現状よりも３０―４０％程度圧縮し、適正規模の「７００億―８００億円」（釜和明社長）とする。海外におけるボイラのＥＰＣ（設計・調達・建設）事業から撤退する。ＩＨＩは２０１０年３月期にエネルギー・プラント事業の営業損益で１５０億円の黒字（０７年度は５４０億円の赤字を予想）を見込む。同事業は０７年３月期までさかのぼって７４４億円の営業損失を計上。０８年３月期は売上高３５００億円（前年度比１・９％減）を見込んでいるが、同事業再建のため、海外のボイラ事業は本体機器供給にとどめ、国内は火力保守・改造工事に力を注ぐ。

△西部電機<6144>、搬送機械工場を建て替え－生産性２０％アップ
西部電機は本社敷地内（福岡県古賀市）の搬送機械工場を建て替える。投資額は約８億円。０８年４月に着工、１０月完成予定。生産性を２０％引き上げ、売り上げベースで年１２０億円の生産能力にする。０７年には事務棟や産業機械工場などを約１３億円投じて建て替えており、生産性向上に拍車をかける。現在の搬送機械工場は築年数が５０年を過ぎ、生産性向上には建て替えが必要と判断した。２月末から取り壊す。延べ床面積は約７０００平方メートル。完成と同時に稼働する。搬送機械部門は受注が好調で、０７年９月末の受注残は６３億円と前年同期の３５億円に比べて８割増加している。自動倉庫と加工機械を組み合わせて「高付加価値な搬送システムを提供できる」（吉住一成社長）強みを生かし受注増に結びつける。

▼来年１月の工作機械受注予測ＤＩ、３．０ポイント減少－日工会まとめ
日本工作機械工業会がまとめた１２月の工作機械短期受注観測調査によると、０８年１月の工作機械受注予測ＤＩ（「増加または良い」と答えた企業の割合から「減少または悪い」と答えた企業の割合を引いた値）は、足下よりも３・０ポイント減少し４・４。「外需主導の傾向は前月までと変わらない」（日工会）。内需は自動車と一般機械向けが前月比で１・６ポイント、１・５ポイント上昇した。電気・精密は同１・５ポイント低下。外需はアジア向けが同３・２ポイント上昇。欧州向けも同１・９ポイント低下するものの高水準を維持。北米向けは同１・８ポイント上昇し底入れ感が見られる。

△トヨタ<7203>、新たに海外４工場が環境対応モデルに
トヨタ自動車は２５日、自然を活用し、自然と調和する工場作り「サスティナブル・プラント」の活動で、新たに欧米アジアの海外４工場をモデルとすると発表した。７月から堤工場（愛知県豊田市）をモデルに進めている取り組み。工場と環境の共生を世界規模で本格化する。英（ＴＭＵＫ）、仏（ＴＭＭＦ）、タイ（ＴＭＴ）と２０１０年ごろ稼働する米ミシシッピ（ＴＭＭＭＳ）の計４工場を新モデル工場に指定。（１）革新技術の導入と改善活動による飛躍的な環境負荷低減（２）風力、太陽光やバイオマスなどのエネルギー活用による二酸化炭素削減（３）植林、緑化などによる地域貢献、生態系保護―に努める。

△エクセディ<7872>、ＡＴ向け部品増産－苫小牧に第２工場建設
エクセディは自動変速機（ＡＴ）用クラッチディスク生産増強のため、子会社ダイナックス（北海道千歳市）の北海道・苫小牧第２工場を建設する。苫小牧市内に３万８０００平方メートルの敷地を新たに確保し、床面積９０００平方メートル規模の工場棟を建設。０９年１２月稼働を目指す。投資額は約２９億円を見込む。新工場でＡＴ向けクラッチディスク年産３５００万枚などを予定、２０１０年度にダイナックス全体で年産１億８０００万枚とする。新工場は０８年春に着工、同年秋に建屋を完成する見通し。工場棟完成後、設備の導入を進める。増産分は国内自動車メーカー各社に納入する。ダイナックスのＡＴ向けクラッチディスクの世界シェアは３０％台前半と推定される。生産増強で、世界的なＡＴ車需要の増加による同ディスク受注増に対応する。

△住友ゴム<5110>、原材料価格スライド制導入で一部車メーカーと合意
住友ゴム工業は新車用タイヤについて、原材料価格スライド制の導入で一部自動車メーカーと合意した。主要材料の価格を指標に、自動車メーカーへのタイヤ売価を決める仕組み。タイヤの原料となる天然ゴムや原油高の高止まりに対応する。自動車メーカーが、サプライヤーの提案するスライド制を受け入れるのはあまり例がないという。住友ゴムが採用した価格スライド制では、天然ゴムや原油価格をベースにタイヤの納入価格が変動する。コストの吸収が狙いだが、「材料価格が下がれば売値も安くなる」（三野哲治社長）ため、自動車メーカーにもメリットがある。同社は、０７年に導入を見合わせた自動車メーカーにも今後引き続き採用を促していく。世界規模での自動車普及拡大に伴い、タイヤ需要も増加、主原料の天然ゴム価格も国内外で高騰している。価格に一服感はあるが、いぜんとして高値圏にあり、タイヤ各社の収益を圧迫している。

△日鉱金属（新日鉱ＨＤ<5016>）、台湾にプリント基板のスクラップ集荷拠点を開設
日鉱金属は０８年に台湾でプリント基板のスクラップを集荷する拠点を開設する。銅鉱石の供給がひっ迫する中、スクラップの活用を進めて原料を安定供給するのが狙い。集荷ヤードを設置し、０８年８月から試運転を始める。当面、集荷量は年間１万５０００トンを目標とし、銅、貴金属を含むスクラップを日本に輸出する。将来は集荷ヤード内に溶融炉を設置し、銅品位を８０％超に高めて日本に輸出する方針。溶融炉を含めた投資額は２０億円を超える見込み。台湾に日本企業が集荷ヤードを作るのは初めてという。すでに台中市近郊の彰化県彰濱工業区内の海沿いに、約９９００平方メートルの用地を賃貸で確保した。まず約８億６０００万円を投じて建屋や破砕機、自動サンプリング装置などを設置する。集荷ヤードでは台湾のプリント基板メーカーから生産工程で発生するプレスくずを購入し、保管する。

△三菱化学（三菱ケミカルＨＤ<4188>）、鹿島事業所の火災事故問題で年内供給分にめど
三菱化学は２５日、鹿島事業所（茨城県神栖市）の第二エチレンプラント火災事故で懸念される顧客への製品供給の問題について、年内納入予定分はおおむね対応が可能であるとの見通しを発表した。同事業所では現在、ポリエチレンプラントが全系列停止しているほか、エチルベンゼンなどのプラントも稼働率を下げているものの、他地区のプラントや同業他社からの融通により、当面、顧客への製品供給に必要な原料などが確保できる見通しとなった。年明け以降については現在調査している。また、事故後、３系列すべてが停止していたポリプロピレンプラントのうち、年９万トンの能力を持つＡ系列が稼働を再開したことを明らかにした。

△東レ<3402>、豪で大型下廃水リサイクル向け逆浸透膜を受注
東レは２５日、豪の大型下廃水リサイクルプラント向けに逆浸透（ＲＯ）膜を受注したと発表した。受注金額は未公表。クイーンズランド州ブリスベーン市に建設するラゲージポイント高度水処理プラントで、造水量は１日当たり６万６０００立方メートル。０８年秋の稼働予定。東レは汚れのつきにくい「低ファウリングＲＯ膜エレメント」を０８年はじめに納入する。同プラントは豪の下廃水リサイクルプラントの中でも最大級で、天候に左右されない水供給源確保が目的の豪最大のリサイクル水プロジェクトの一環。リサイクルした処理水は、ダムに戻し上水道や工業用水として再利用される予定。

△松尾橋梁<5913>など、免震構造の多目的防災貯水槽を開発
松尾橋梁は物林（東京都江東区）、シンシンブロック（茨城県日立市）など８社と共同で、免震構造の多目的防災貯水槽を開発した。阪神・淡路大震災に相当する８００ガル以上の地震でも内部の水を保持できる。０８年１月から受注を始める。価格は設置費込みで、規格品の１０トンタイプが１５０万円、同２３トンが３００万円。現場組み立てが必要な大型貯水槽は１トン当たり１４万円。自治体や工場、一般住宅向けで、２０１０年度に約１７億円の売り上げを目指す。穴が空いた特殊形状のポリプロピレン（ＰＰ）ブロックで水の貯留空間を構築。その外部を塩化ビニールシートと長繊維不織布を交互に重ねた遮水シートで覆う。外殻として、腐食に強いメッキ鋼板を使用している。ＰＰブロックは構造材であると同時に、地震で起きる水槽内部の波を消す役割を果たす。遮水シートは約３００％のひずみに対応。

△戸田建<1860>、コンクリ構造物の補修技術を開発－高耐候・ひび追従性確保
戸田建設は２５日、エービーシー商会（東京都千代田区）と共同でコンクリート構造物の補修技術「高耐候性ひび割れ追従ウレタン被覆工法」を開発したと発表した。新たに開発した特殊ポリウレタン材料で高い耐候性とひび割れ追従性能を確保した。下地にプライマーを塗布した後、主材をこて仕上げするだけで施工が完了する。通常の耐候性上塗り材が省略可能で、工費縮減と工期短縮を実現する。また、コンクリート構造物に発生するひび割れに対し、伸び率６００％以上のひび割れ追従性能を持つため、ひび割れ部などから劣化因子が入ることや漏水を防ぐ。

△三菱商事<8058>、英領北海で油田権益－英社と共同取得
三菱商事は２５日、全額出資の英国子会社２社が英社と共同で、英領北海北部にある油田群の新規権益を取得したと発表した。シェル、エクソンモービル、ノルウェーのスタットオイル、オーストリアのＯＭＶの４社で保有していた「ダンリン油田」で、英国の独立系石油開発会社フェアフィールド・エナジーとともに参画する。権益比率は三菱商事側３０％、フェアフィールド７０％。現在の生産量は日量約１万バレル。追加開発や回収率向上で増産を見込むという。三菱商事は英領北海でこれに先立ち、０６年に南部のトリスタン・ノース・ウエストガス田の権益を取得。石油およびガスの探鉱・開発事業に取り組んでいる。

△みずほ<8411>銀、中堅・中小向けビジネスマッチングを加速
みずほ銀行は中堅・中小企業同士のビジネスマッチング（顧客紹介）を加速する。マッチングのテーマに「環境支援」を今秋加えたほか、０８年はマッチングのスキームを軸とした中小向けサービスを拡充する。約１０万社ある同行の中小企業ネットワークを活用し、経営資源に限りがある中堅・中小企業の事業底上げと業務の円滑化を後押しするのが狙いだ。中堅・中小企業を対象にしたイベント型の商談会「ビジネスマッチングフォーラム」を開き、新たな販売先や仕入れ先を紹介するとともに、アウトソーシング（外部委託）によるコスト削減などに貢献するパートナー企業などを紹介する。同フォーラムは、流通、通販、ＩＴなど業種ごとに開催。一回当たり数十社が参加している。事前に取引先のニーズをヒアリングしたうえで面談予定を組むことから、成約率が高いという。

△コスモ証券<8611>、法人向けサービスを強化－来春、取引システム更新
コスモ証券は法人向けサービスを強化する。機関投資家などによる取引所外の大量売買を月５、６件の受託を目標に、大口法人顧客層を拡大する。現在の法人向けとリテール（個人向け）の収益比率１対７を、２０１０年３月期までに１対２とし、将来は１対１を目指す。０８年春に取引システムを更新し、売買速度をアップ。市場に関する情報提供なども早く正確に行えるようにし、機関投資家の需要に対応する。法人による取引は個人投資家に比べ、一件当たりの取引額が大きい。取引所外の大量売買は出来高が少ない株式を大量に持つリスクはあるが、まとまった収益を獲得できる。投資家にとっても場外取引手数料を一括して支払う方が、少量の取引ごとに手数料を払うより出費が少なく済むメリットがある。
（日刊工業新聞）

△トヨタ<7203>　リチウムイオン電池量産　「世界一」に環境車攻勢
世界生産台数で２年連続の「世界一」となる計画を公表したトヨタ自動車。２５日の年末記者会見で渡辺捷昭（かつあき）社長は、ガソリンエンジンと電気モーターを併用するハイブリッド車に使う充電池について、高効率のリチウムイオン電池の量産を検討していることを明らかにした。ガソリンの代替燃料と期待されるバイオエタノールについても新技術の開発を表明。ハイブリッド車に軸足を置きながらも“全方位”で環境技術の開発に取り組み、着々と「世界一」の足場を固める戦略だ。「（環境戦略の）役割の中心はこれまで通りハイブリッド車だ」渡辺社長が会見で力を込めたのには、「自社の戦略が正しかった」との自負がある。トヨタのハイブリッド戦略を担ってきた専用車「プリウス」は１９９７年に世界初の量産型として日本でお目見え。４年前に現行型が登場して以来、ガソリン１リットル当たり３５・５キロメートルの燃費性能を武器に市場を席巻した。今月に発売丸１０年を経ても、その勢いは衰えていない。これまでも渡辺社長は２０１０年代の早い時期にハイブリッド車の年間販売台数を１００万台に乗せ、その上で全車種にハイブリッド対応モデルを設定することを表明していたが、この日はさらに踏み込んだ。それが新型充電池の開発だ。現在、プリウスなどにはニッケル水素電池を用い、トヨタは松下電器産業との合弁会社「パナソニックＥＶエナジー（ＰＥＶＥ）」で開発・製造に当たってきた。同時にリチウムイオン電池の開発を進め、本格的な量産のスタートについて検討に入った。リチウムイオン電池はニッケル水素電池より小さいスペースに大量の電気をためられるが、携帯電話やパソコンの発火事故が相次ぎ、コスト面に加えて安全性確保が難しいという難点もある。ＰＥＶＥはこうした安全性やコスト面に一定のめどをつけたもようだ。トヨタはハイブリッド車の“進化形”として電気コンセントから充電可能な「プラグインハイブリッド車（ＰＨＶ）」を開発中だ。ただ、ＰＨＶは電気のみでの走行距離が増えるため、より大容量の電池が必要。「量産時期は未定だ」（渡辺社長）とするトヨタだが、ＰＨＶへの搭載を念頭に置いているのは確実だ。一方、渡辺社長は木片チップから作る代替燃料「セルロース系エタノール」の開発に着手したことも明らかにした。
（FujiSankei Business i）