11/12 お昼の『株価材料』PART Ⅱ

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■株価材料

△10月のビール系飲料出荷量、0.8％増・第３のビール好調
ビール大手5社が12日まとめた10月のビール系飲料（ビール、発泡酒、第3のビール）の出荷数量（課税ベース）は前年同月比0.8％増の3933万ケース（1ケースは大瓶20本換算）となり、2カ月ぶりに増加した。
キリン<2503>ビール、アサヒビール<2502>がそれぞれ新商品として発売した第3のビールが同5.2％増の918万ケースと好調だった。ビールは2037万ケースで同0.1％増とほぼ横ばい、発泡酒は978万ケースで同1.8％減少した。ビールは家庭向けが同0.3％増えたが、飲食店向けの業務用が同0.1％減った。昨年秋以降の飲酒運転対策強化の影響は一巡したが、プラスに転じるだけの勢いは出ていない。会社別の販売数量はアサヒビール、キリンビール、サントリーの3社がプラスだった。サッポロ<2501>ビールは発泡酒と第3のビールが不振で前年を下回った。
（NIKKEI NET）

▼住金<5405>が続落歩調、1月の年初来安値478円を更新
住友金属工業が続落歩調となり、１月１０日の年初来安値４７８円を更新した。この１月安値自体はチャート上で大きな意味を持たないものの、昨年１年間、ほぼ４００円台でもみあっていただけに、今年の上昇相場が「いってこい」となったことを形で示した格好。実需勢の売りが目立つ一方、直近の信用残は９８２３万株と依然として高水準となっており、信用取引を利用して買った投資家の投げ売りも出ているという。

▼田中亜鉛鍍金<5980>が大幅安、ジャスダックで値下がり率1位
田中亜鉛鍍金が大幅安となっている。９時２０分現在、同社株はジャスダックで値下がり率第１位。２００８年３月期の連結決算見通しで経常利益が４億０７００万円から３億７４００万円に下方修正されたことを受け、売りを誘った。
（ロイター）

△青山商<8219>が大幅反発、レディーススーツ伸び利益率改善－増益予想に変更
紳士服最大手、青山商事の株価が大幅反発。一時は前週末比160円（5.8％）高の2910円まで買い進まれた。国内の景況感回復を背景に主力の紳士向けスーツ事業が伸びているほか、地方を中心に衣料品小売りの環境が変化してレディーススーツも想定以上に売れている。粗利益率の改善などを理由に通期（2008年３月期）利益予想を増額修正したため、買いが優勢となった。青山商が９日の取引終了後に公表した2007年９月中間期の連結決算によると、売上高は前年同期比0.4％増の948億円、営業利益は同5.1％増の77億円となった。景況感の改善に伴って消費者のスーツ購買意欲が高まっているほか、雇用環境も好転し、若年層を中心に顧客化を進めた。スーツの総販売数は同 4.6％増の113万6000着と過去最高を記録。高価格帯商品が伸びた影響で平均販売単価も同0.4％増の２万5135円となった。単体粗利益率は59.4％で、前年同期から0.5ポイント改善した。スーツ事業の既存店売上高が1.1％増と好調だったうえ、レディース向けのリクルートスーツやフォーマルウエアが伸びたことが奏功した。同社総合企画部長の沖藤博昭氏は、「昨今の流通再編で地方の老舗百貨店やショッピングセンターが淘汰（とうた）され、スーツを買える店が減っている」と解説、郊外型店舗を展開する青山商でも女性客の来店頻度が高まっているという。
青山商は大学生協と組んで女性向けのリクルートスーツを取り扱ったほか、カルチュア・コンビニエンス・クラブ<4756>のポイントカードサービス「Ｔカード」を利用する20代から30代向けにダイレクトメールを発送するなどして顧客の囲い込みに注力し、集客性を高めた。修正後の通期業績予想は、営業利益が前期比0.3％増の230億円、１株利益（ＥＰＳ）が193円09銭で、アナリスト５人による事前の予想値（営業益228 億円、ＥＰＳ190円96銭）を若干上回った。三菱ＵＦＪ証券では９日付で投資判断「１（強い買い推奨）」を継続したが、投資家向けメモでは「スーツ事業はもとより、（カード事業を手掛ける）青山キャピタルの動向も重要」（小場啓司シニアアナリスト）と指摘した。沖藤部長は下半期について、「手堅く予想した」と指摘、羊毛の高騰や改正貸金業法でマイナスの影響を受けることを織り込んだという。主力のスーツ販売事業についても、「消費者の気持ちは生活防衛。消費に強気になれないとみている」（沖藤部長）という。

▼日産自<7201>やマツダ<7261>など自動車株が下げる、円高イコール収益悪化の象徴
昨年５月以来の１ドル＝110円20銭台まで急速に円高が進行する中、日産自動車が５日続落となったほか、マツダ、トヨタ自動車<7203>など自動車メーカーの株価が軒並み下げた。東証業種別33指数の輸送用機器指数は、ＴＯＰＩＸに対する下落寄与度で２位。ＳＭＢＣフレンド証券マーケットアナリストの松村茂氏によると、日本の自動車株について「各社のファンダメンタルは悪くないが、円高イコール収益悪化懸念なので、売られている」という。主要自動車会社では、2007年９月期の中間決算で収益拡大の要因として海外販売の拡大や円安を挙げるところが多かっただけに、急速な円高進行は下期業績への懸念材料となっている。マツダの場合、中間期の連結営業利益は前年同期比4.8％増の731億円。この増減要因を見ると、「売り上げ変動」で28億円減、「為替」で247億円増、「商品力向上」で48億円減、「コスト削減」で66億円増、「販売費用増」で11億円減、「その他」で193億円減などだった。　　為替レートは１ドル＝119円（前年同期は115円）、１ユーロ＝162円（同146円）。一方、通期（08年３月期）の計画値は前期比0.9％増の1600億円を維持。想定為替レートは１ドル＝115円（前期は117円）、１ユーロ＝159円（同150 円）となっており、ドル・円の時価水準は５％弱円高方向にある。

▼電通<4324>が続落、消費マインド冷え込みで広告費伸び悩み－営業減益予想に
広告代理店最大手の電通が前週末比１万円（3.5％）安の27万8000円と４日続落し、05年８月以来、２年３カ月ぶりの安値圏に沈んだ。広告費が伸び悩むことを理由に同社は９日、通期（08年３月期）の連結営業利益予想を増益から減益に下方修正した。市場では広告費の回復を見込んでいただけに、業績の先行きに対する警戒感が高まった。電通は９日午後３時半に中間期決算を発表した際、通期業績予想を見直し、連結営業利益は前期比5.7％減の592億円にした。従来は638億円を見込んでいた。同社では、景気は拡大傾向にあるものの、賃金の伸び悩みや年金問題などの将来不安から消費者マインドの盛り上がりは欠けた状態で、広告費が伸び悩んでいると分析。広告会社間で競争が厳しいことも背景にあるとしている。　　日本経済研究センターでは、07年度の総広告費は前年度比0.4％増と前年実績を上回るものの、新聞、雑誌、ラジオ、テレビのマス４媒体の成長率は低くとどまると予想する。ＳＢＩイー・トレード証券投資調査部の藤井知明次長は「前年にサッカーワールドカップの広告を獲得した反動があり、業績は一概に悪いとは言えない」としながらも、「消費マインドが冷え込んでおり、広告が伸び悩んでいる」ことを指摘する。７日に発表された10月の月次単体売上高で、４マス媒体がいずれも前年実績を割り込んだところに、業績予想の下方修正が加わり、「改めて業績の厳しさが認識されている」（藤井氏）ようだ。

△大日印<7912>株は急反発、中間期通過で一段の悪材料懸念が後退－ＧＳ格上げ
液晶パネル向け基幹部材のカラーフィルターで、世界大手の大日本印刷の株価が急反発。一時前日比86円（5.4％）高の1672円まで上昇した。９日発表した中間期連結決算は減益ながら、ゴールドマン・サックス証券では株価へのさらなる悪材料懸念は後退すると想定、大日印株式の投資判断を従来の「売り」から「中立」へ引き上げている。ＧＳ証は９日付で、大日本印刷を売り推奨から削除した。二本柳慶アナリストは同日付のリポートで格上げ理由として、９日の株価がＧＳ証の従来目標株価である1650円を下回る水準に到達したことや、９日発表の上期決算は計画線で通期計画も達成可能との印象で、株価へのさらなる悪材料懸念は後退すると想定したことを挙げている。大日印が９日発表した中間期連結決算によると、主要製品の受注単価下落や原材料価格上昇、出版市場の低迷などが響き、営業利益は前年同期比16％減の403億円。売上高は同6.8％増の7939億円だった。液晶カラーフィルターの売上高は、同54％増と健闘した。需要が順調に拡大した上、シャープ向け第８世代の生産も寄与。会見した山田雅義副社長によると、中間期のカラーフィルターは前年比で約９％の単価下落となったが、「数量の伸びで補った格好」という。　　カラーフィルターの利益は明らかにしていないが、利益率は「若干落ちている程度」（山田副社長）だそうだ。ＧＳ証の二本柳アナリストはリポートの中で、「原油高、印刷用紙高の影響はマイナスだが、堅調なカラーフィルターでカバー」したと指摘。足元の液晶パネルメーカーの堅調な稼働状況を考慮すると、「当面は同様のトレンドが続くと想定、株価へのさらなる悪材料が出る可能性は低い」と説明している。

▼味の素<2802>株は反落、原料高で中間営業益が下振れ－通期は予想上限を減額
調味料国内最大手の味の素の株価が反落。一時は前週末比28円（2.2％）安の1234円まで下げた。９日に発表した中間期の連結決算では、原材料高が響いた国内食品事業が厳しく、営業利益は期初計画を下回った。通期の連結営業利益も上限を下方修正しており、売りが先行している。ただ、下期にかけて業績回復期待などもあり、同社株が採用されている日経平均の下落率（一時2.6％安）などを比べると、下げ幅は限定的だ。東海東京調査センターの角山智信アナリストは、「国内食品事業が厳しく、中間期の着地が計画未達だった」と指摘。ただ、すでに原料高の影響などは株価に反映されつつあり、「国内食品を好調な海外食品などで補い、アミノ酸事業も飼料用リジンの価格が順調など下期の回復基調は強い。業績のモメンタムは今後、改善してくるだろう」（同氏）との見方を示した。９月中間期の連結営業利益は、前年同期比3.3％増の285億円だった。計画は305億－325億円だった。アジアなどで風味調味料が大幅に伸びた海外食品事業は好調だったが、国内食品事業が不振だった。通期の予想は前期比18－22％増の750億－775億円とした。従来予想は750億－800億円だったが、上限を50 億円引き下げた。原料高については、通期で40億円程度のマイナスの影響が出るとしており、燃料高によるコストアップも懸念という。一方で、マヨネーズ、「ほんだし」などの値上げも相次ぎ発表している味の素。山口範雄社長は会見で、「おおむね流通の方々にも値上げは理解していただけており、浸透してきている」と述べていた。今後も商品特性の見直しなどを進め、柔軟に価格改定をしながら、原料高を吸収していく方針。

□セガサミー<6460>株は安値後に戻す、通期減額修正を嫌気－ようやく現実数値
セガサミーホールディングスの株価が続落して始まり、一時前週末比40円（2.9％）安の1352円と、10月９日に付けた年初来安値（1377円）を更新した。パチスロ、パチンコの遊技機事業で販売台数が大幅に減少したほか、アミューズメント販売も不振で、通期（2008年３月期）業績予想を大幅に減額修正したことから売りが先行。ただ、１株当たり純資産（1342円、実績）に接近しているほか、今回の修正で会社側計画が現実的になったとの指摘も出て、その後はプラス圏に浮上するなど下げ渋った。セガサミーは９日の取引終了後に、９月中間決算を発表すると同時に、08 年３月期通期の業績予想を大きく下方修正した。通期連結ベースの営業利益は前期比74％減の200億円（従来予想は700億円）、純利益は同98％減の10億円（同350億円）を見込む。パチスロ機で主力タイトルの許認可取得が遅れたことで販売台数が落ち込んだほか、パチンコ機でも一部タイトルの販売を延期した影響から、同様に販売を大きく減らした。また、アミューズメント施設事業もキッズカードの人気一巡によって不振を余儀なくされた。みずほインベスターズ証券の田村悦子アナリストは、今期からパチスロ機の射幸性に対する規制が強化されたほか、パチンコ機についても自社ブランドの人気機種を欠く状態にあることから、苦戦は予想されていたと指摘。その上で田村氏は、「従来の会社計画は楽観的過ぎた。今回の下方修正で、ようやく現実的な数字に落ち着いた印象だ」と述べている。セガサミーはきょう、アナリスト向けの中間決算説明会を開催する予定。田村氏は、「ゲームソフト販売の研究開発費を若干減らしているもようで、同社のコンシューマ事業における今後の戦略を確認したい」という。
（ブルームバーグ）

▼みずほ<8411>---05年8月以来の水準
05年8月以来の水準。一時50万円と上昇基調を強めたスタート時の05年8月以来の水準まで調整しており、06年4月にかけての上昇分は帳消しに。サブプライムに絡む不透明感は根強いが、14日予定の同社決算がアク抜けにつながるか注目されそうだ。

△セガサミーＨＤ<6460>---安値更新後は買い戻し優勢
安値更新後は買い戻し優勢。中間期業績および通期業績の大幅下方修正を受けて10/9以来の安値を更新した。その後は悪材料出尽くし、配当利回りの高さから押し目買いのほか、1倍割れの信用倍率など売り方の買い戻しが優勢に。なお、日興シティでは下期のパチスロ販売台数には依然リスク有り、旧セガのゲーム関連事業の梃入れ急務と会社側の見通しは楽観的とも。

△---25日線サポートに反転
プラスに転じる。一時25万円割れとなるも、上昇する25日線がサポートとして機能する格好からプラスに転じてきている。11/2時点の信用倍率は1.35倍と6週連続で1倍台が続いており、需給妙味も。

△朝日インテク<7747> 堅調。
四半期決算の内容が評価材料となっているようだ。第1四半期は、経常利益で前年同期比31.1％減の4.58億円となった。一方、ＧＳでは期初の会社予想を上回ったとして、投資判断「買い」並びに目標株価4000円を継続している。また、みずほでも同様の見解を示しており、投資判断「2」を継続した。

△応医研<2123> 大幅高。
後発医薬品関連として物色されているようだ。週末は後発医薬品前提の処方せん様式への変更の可能性が高まったとして、後発医薬品関連が軒並み急騰した。応用医研は後発医薬品メーカーからの品質保証試験を受託していることから、後発医薬品関連の出遅れ銘柄として関心を集めているもよう。

▼ＦＵＪＩＭＩ<5384> ストップ安売り気配。
先週末に発表した中間決算の内容を嫌気する。中間期営業利益は前年同期比20％減益の25.5億円、従来予想の29.2億円を下回った。通期予想は68.1億円から52.7億円に減額修正している。原材料価格の上昇が業績下ブレの要因に。メリルでは「買い」判断継続ながら、ネガティブサプライズとして目標株価を4000円から3200円まで引き下げ。

△ＯＢＣ<4733>---緩やかながらリバウンド基調継続
小幅続伸。緩やかながら25日線をサポートとしたリバウンド基調が継続している。中間期決算で好業績が確認されており、8/9戻り高値7690円を意識した展開が続いている。

△アイフリーク<3845>---ボックス下限レベル到達で押し目買いの動きも
反発。9月安値水準での攻防となっている。下降する5日線が上値抵抗として意識されているが、ボックス下限レベル到達で押し目買いの動きも。なお明日、決算発表が予定されている。

△沢井製薬<4555>---続伸、後発品の一角は引き続き堅調
先週末は一時ストップ高まで上昇、本日も続伸の展開となっている。引き続き、後発医薬品の普及拡大期待が高まる格好となっているが、野村では、積極的に調剤薬局シフトを進めている同社の恩恵が最も大きいと指摘。また、三菱ＵＦＪでは、病院に注力している日医工、日本ケミファ、沢井製薬、東和薬品の順で恩恵としている。

▼ＪＤＣ<4815> ストップ安売り気配。
業績予想の減額が売り材料視されているようだ。中間期並びに通期の業績予想を下方修正、07年9月中間期については最終損益で従来の1.65億円の黒字化予想から4.1億円の赤字に引き下げられている。08年3月期については最終利益（6.1億円→3億円）のみの下方修正となっているが、上期の一転しての赤字を受けて、通期での黒字化に不透明感が生じているもよう。

△富士フイルム<4901>---需給妙味は依然として大きい
7営業日続落も下げ幅限定的。信用倍率は1.40倍から0.14倍となっているが、売り残高が前週比4.5倍に膨らむ一方、買い残高は半減しており、最高値更新で買い方は利食いを進めたことになる。株価は一気に調整基調を強めてはいるが、需給妙味は依然として大きいこともあり、一段の調整過程ではその後のリバウンドを想定して押し目買い意欲を強めたいところか。

△トレンド<4704>---ファンド買い戻しによる動き、8月の時も上昇
3営業日ぶり反発。先週末の急落の反動もあって底堅い展開に。また、ファンド資金の巻き戻しが強まった8月の急落時には逆行高をみせていたこともあり、今回も買戻しによる動きとも。信用倍率は0.13倍と1倍を下回る状況が慢性化している。

△ジオマテック<6907> 買い気配から。
利益予想の大幅な上積みがサプライズとして受け止められているようだ。中間期並びに通期の利益予想を大幅に上方修正しており、07年9月中間期については経常利益で従来予想の2億円から4.8億円に引き上げられている。人件費削減効果に加え、生産工程の適正化などが利益水準を押し上げるためと。

△ＮＴＴ<9432>---しっかり、自社株買いや野村の格上げを評価で
しっかり。先週末に中間決算を発表、中間期営業利益は前年同期比18％減となったが、通期予想は1兆1100億円の従来予想から1兆3200億円に上方修正している。同時に発表した20万株を上限とした自社株買いの発表、光ファイバー加入目標の引き下げなども評価材料となっているようだ。野村では投資判断を「３」から「２」へ格上げ、57.6万円水準の株価は見込めると考えているようだ。

■ＡＣＣＥＳＳ<4813>---下げ幅縮める
下げ幅縮める。一目均衡表の先行スパン（雲）上限レベルでの攻防となっている。日経平均が年初来安値を更新する中、値幅取り資金は新興市場へ。ミクシィなども強含みで推移しており、指標性の高い同社の切り返し期待は大きい。

▼武富士<8564>---続落、10月の利息返還請求は増加に転じる
続落。先週末の説明会において、10月の利息返還請求件数が明らかになっている模様。日興シティによると、8月の9888件、9月の9057件に対して、 10月は12019件で前月比33％増になったと指摘。利息返還請求ピークアウトといった期待感は、やや後退する方向にも。

△ミクシィ<2121>---25日線の攻防に
25日線の攻防に。07/9中間期業績は、営業利益が前年同期比2.1倍だった。通期据え置きで利食いが先行しそうだが、25日線がサポートとして意識されそうだ。また、これを割り込んだとしても140万円前後には週足ベースの一目均衡表の基準線、転換線が位置しており、押し目買いポイントになりそうだ。《

△沢井製薬<4555>---10/10直近戻り高値を捉える
3営業日続伸で10/10直近戻り高値を捉えている。厚労省は、後発医薬品の普及を促す新たな対策を提示したことを引き続き材料視。信用倍率は1倍台と需給妙味は大きく、貸し株市場では調達が難しい中、リコールの動きも強まっているようである。《TM》

▼イリソ電子<6908> ストップ安、年初来安値を更新。
通期予想の下振れが嫌気されているようだ。中間決算の発表と併せて通期予想を下方修正しており、08年3月期は経常利益で従来予想の43億円から37.2億円に減額された。金や銅価格の高騰に加え、上海工場での一部立ち上げの遅れが影響するとしている。

▼みずほＦＧ<8411>---売り優勢、サブプライム問題への懸念強まり
売り先行。米国市場の大幅下落や為替円高を受けて全体相場が急落、大手銀行株も軒並み売り先行の展開へ。先週末には、みずほ証券のサブプライムローン関連の損失が1000億円超に拡大する可能性と報じられ、同社も下げ幅を拡大させていた。会社側では「憶測によるもの」とのコメントを発表しているが、14日の決算発表を控えて警戒感も高まる方向へ。ＣＳでは、海外証券化商品の足元の著しい下落によって、報道内容は十分に可能性のあるものとしているが、先週末の株価下落から、更なる下値余地は限定的とも。

△阪神調剤<2723> 買い気配から。
ＴＯＢ価格にサヤ寄せの動きとなっているようだ。ＭＢＯを実施すると発表、1株400円でのＴＯＢによって上場廃止になる見通しとしている。ジャスダックではこれを受け、9日付で監理ポストに割り当てると発表した。

△ソフトバンク<9984>---ディズニー、日本の携帯電話市場に参入
米ウォルト・ディズニーは来春をめどに日本の携帯電話市場に参入すると報じられている。ソフトバンクモバイルから通信網を借りてサービスを手がける仮想移動体通信事業者という手法を使う計画。寄り前気配値は直近安値水準であり、サポートとして意識されるようだと思惑買いが先行しそうだ。
（フィスコ）

△ＫＩＭＯＴＯ<7908>は２段上げ、今度は実質増配が支援材料
ＫＩＭＯＴＯは、１８円高の６７０円と変わらずを挟み４営業日ぶりに急反発している。前週末９日に２００７年９月中間期決算を発表、１１月２日の上方修正通りの増収増益で着地するとともに、今度は中間期・期末配当を実質増配し、割安訂正の２段上げ材料となっている。同社の中間期業績は、前回増額通りに前年同期比９％増収、２５％経常増益、１５％純益増益で着地し、３月通期業績も純利益が１８億円（前期比１４％増）と２期ぶりの過去最高更新を予想した。中間期半ば以降に東アジアを中心にＦＰＤ（フラットパネルディスプレイ）市場が、在庫調整一巡から急速に回復、同社の液晶関連機能性フィルムの売り上げが増加、電子・工業材料事業が１９％増と伸びたことを主要因としている。配当は、中間期・期末とも期初予想の各６円を８円に引き上げ、年間１６円（前期実績１８円）と昨年１０月１日付けで実施した１対２の株式分割を勘案して実質増配する。株価は、前回業績増額時にＰＥＲ９倍台の割安修正から窓を開けて９０円高を演じた。実質増配で配当利回りも２．３％と妙味を拡大し、騰勢を強め２段上げに拍車をかけよう。

▼エフピコ<7947>は業績再下方修正が響き連日の安値
エフピコは、７５円安の２７００円と７営業日続落し連日の年初来安値更新となっている。ただ安値後は下落幅をやや縮小している。前週末９日の２００７年９月中間期決算の発表とともに、今年８月に続き中間期業績を再下方修正、３月通期業績も減額修正して期初予想の増益率を縮小することが、同時発表の自己株式取得も吹き飛ばし再度売り先行となっている。業績の下方修正は、新投入した超軽量化製品や高付加価値製品の引き合いは順調に推移しているものの、原料価格の高騰に伴い８月１日出荷分から実施した製品価格の値上げによる２カ月半の価格転嫁の遅れ、販売面での利益改善の計画未達などが要因となった。中間期純利益は、８月減額値から８９００万円引き下げられさらに減収減益率を悪化させ２０億７１００万円（前年同期比７％減）とされた。３月通期業績も、売り上げは期初予想通りとしたが、経常利益を１１億円、純利益を３億３０００万円それぞれ引き下げ、純利益は４５億７０００万円（前期比１％増）と前期の過去最高から減益転換する。自己株式取得は、２０万株（発行済み株式総数の０．９０％）、７億４０００万円を上限に１１月１２日から１２月２８日の間に実施される。株価は、前回減額時は３０００円台央で下値抵抗力を発揮したものの、その後の一段の原油価格の最高値更新から下げ足を速めた。ＰＥ１３倍台の売られ過ぎ水準でなお下値確認の動きが続こう。

■サノヤスヒシノ<7020>は業績増額も利益確定売りで急反落
サノヤス・ヒシノ明昌は、５４円安の８０１円と急反落している。前週末９日に今２００７年９月中間期・３月通期業績の上方修正を発表、通期純利益が期初予想の減益率を縮小するが、全般相場の急落とこのところの造船株人気の後退も響き利益確定売りが先行している。上方修正は中間期が、船舶部門で新ゴライアスクレーン１基の新稼働などにより生産性が向上、コストダウンと合わせて採算が改善、中間期に予定していた補修工事が下期に繰り延べになったことを要因としており、通期では新造船の仕様変更に伴う追加工事、陸上部門の食品タンク、化粧品製造用機械などの追加受注などが寄与する。３月通期業績は、売り上げを期初予想より１５億円、経常利益を３億円、純利益を１億円各引き上げ、純利益は７億５０００万円（前期比２７％減）と設備更新の除却特損を一部カバーして減益率を縮める。株価は、今期第１四半期の経常２ケタ減益、純益赤字着地が響き７０３円安値まで突っ込み１１月１日はにほぼこの全値戻しとなるなど値動きが激しい北浜銘柄特有の展開となっている。造船株全般は、このところ上値の伸びを欠いているが、同社は前期業績を上方修正した今年５月には、年初来高値１１１５円まで５割高しており、北浜銘柄思惑は底流しよう。

△ミクシィ<2121>は中間業績上ぶれ着地にユビキタス上場先取りオンし反発
ミクシィは、寄り付きは３万円安で始まったが、その後持ち直し７万円高の１５８万円と反発している。前週末９日に２００７年９月中間期決算を発表、１０月１７日の上方修正値を上ぶれて大幅増益で着地し、３月通期業績を期初予想の据え置きとしたことから材料出尽くし感が強まり利益確定売りに押されたが、明１３日にジャシダック証券取引所の新市場ＮＥＯ（ネオ）にインターネット関連のユビキタス（３８５８）が新規上場予定で、高人気化も予想されることから関連株思惑買いも強めている。同社の中間期業績は、前年同期比２．３倍増益、２．１倍経常増益、２．２倍純益増益と高変化した。インターネットメディア事業では、モバイルサイトのデザインリニューアルなどによりユーザー数が約１１９０万人、月間ページビュー（ＰＶ）がパソコン経由で約５９億ＰＶ、携帯電話経由が約６３億ＰＶと伸び、広告販売が好調に推移、インターネット求人広告も、ＩＴ計の求人情報に特化して差別化を図ったことが寄与した。３月通期業績は、期初予想を据え置き、純利益は１７億５０００万円（前期比５６％増）と連続過去最高更新を見込んでいる。株価は、前回業績増額時に米国市場のネット関連株の急伸も波及し、年初来高値２１０万円まで９６万円高し、新興市場出直りをリードした。急伸幅の半値押し水準を固め、再度上値を窺う展開が想定される。

△国際帝石<1605>はもみ合い、業績再増額も利益確定売り交錯
国際石油開発帝石ホールディングスは、寄り付きの１万円安から切り返し２万円高の１２０万円と変わらずを含め５営業日ぶりに反発するなどもみ合っている。前週末９日に２００７年９月中間期決算とともに、３月通期業績の上方修正を発表、９日の米国市場で原油先物（ＷＴＩ）価格が、冬場の需要期入りを前に０．８６ドル高１バーレル＝９６．３２ドルと３日ぶりに反発したこともサポート材料となっており、利益確定売りと下値買いが交錯している。同社の今期業績は、第１四半期決算発表時の今年８月に上方修正されたが、中間期実績はこの増額値を上ぶれ前年同期比１０％増収、９％経常増益、２５％純益増益と増益転換して着地した。ＷＴＩ価格が最高値を更新し、為替も円安となる経営環境下で、原油販売量が４％増、天然ガスが１２％増となる販売量の増加により２２２億円の増収要因が発生、販売単価上昇による１１６億円、円安による１６９億円の各増収要因が、ロイヤリティや開発井掘削費用の増加などをカバーして増益転換につながった。３月通期業績は、下期の原油（ブレント）価格を１バーレル＝６０ドル、為替を１ドル＝１１５円を前提に売り上げが８月修正値より１９０億円、経常利益が２１０億円、純利益が７０億円引き上げられ、純利益は１２７０億円（前期比２３％減）と減益率を縮小する。株価は、業績そのものより原油価格の高安への連動性が強く１０月には上場来高値１３３万円まで急伸しており、株不足で逆日歩のつく信用好需給を側面支援材料に高値を窺おう。

△安永<7271>は急反発、中間期に続き３月通期業績も上方修正
安永は、寄り付きの買い気配から５６円高の１０５０円まで買い進まれ６営業日ぶりに急反発している。前週末９日に２００７年９月中間期決算を発表、７月の上方修正値を大きく上ぶれて着地するとともに、今度は３月通期業績を上方修正しており、自動車関連の超割安株買いが再燃している。同社の中間期業績は、第１四半期（１Ｑ）決算発表時の７月に上方修正されたが、この修正値を大きく上回り前年同期比２％増収、５４％経常増益、７２％純益増益と伸びた。主要販売先の自動車業界は、国内販売台数が２７年ぶりの低水準に落ち込んだものの、国内生産は新興国向けなどへの輸出が増加して堅調に推移、エンジン部品のコネクティングロッドやシリンダーブロックが順調に伸び、工作機械事業のワイヤーソー、環境機器事業のマンション向けディスポーザーの増加や原価低減運動効果なども加わり上ぶれ着地した。３月通期業績は、売り上げが期初予想より２５億円、経常利益が４億７０００万円、純利益が３億８０００万円各上方修正され、純利益は１６億３０００万円（前期比４５％増）と前期の過去最高を大幅更新する。株価は、前回１Ｑ修正時に年初来高値１１９６円まで３５０円幅の急伸をしており、ＰＥＲ８倍台の超割安修正から再現が有力となる。

△ＮＴＴ<9432>は増益転換の業績増額に自己株式取得オンし急反発
日本電信電話は、１万８０００円高の５１万２０００円と３営業日ぶりに急反発している。前週末９日に発表した２００７年９月中間期決算に合わせて、今３月通期業績を上方修正して期初の減益予想から増益へプラス転換、市場コンセンサスを上回り、さらに自己株式取得を打ち出した需給好転も加わり下値買い再燃となっている。同社の今３月期業績は、売り上げを期初予想より１０００億円下方修正するが、営業利益は２１００億円、税引前利益は２２０億円、純利益は７００億円それぞれ上方修正し、純利益は５３００億円（前期比１１％増）と増益転換して市場コンセンサス平均５２１３億円を上回る。売り上げは、子会社のＮＴＴドコモの業績を反映してダウンするが、利益は、７月に認可されたエヌ・ティ・ティ厚生年金基金の代行返上で代行部分の清算により約３４００億円の営業費用が減少し、旧型電話交換機の減価償却積み増し増約１０００億円、テレホンカードの未使用分の引当金約３００億円などの営業費用増加と相殺して増益転換につながる。自己株式取得は、２０万株（発行済み株式総数の１．４５％）、１０００億円を上限に１１月１２日から来年３月２４日までを期間に実施する。株価は、ナンバーポータビリティー導入以来の契約純増数レースで同業２社の後塵を拝する「負け組」認識が高まり、長期・値幅調整となった。ＰＢＲの１倍割れは下げ過ぎとして底上げ途上にあるが、内需関連のディフェンシブ人気の高まりからさらに戻りを試す展開が続こう。

△三菱ガス<4182>は今度は通期連結業績増額に増配重なり急反発
三菱ガス化学は、２７円高の１０７５円と４営業日ぶりに急反発している。前週末９日に発表した２００７年９月中間期業績が期初予想を上ぶれて着地し、３月通期業績を上方修正、増益転換して純利益が市場コンセンサスを上回るとともに、中間期・期末配当も増配しており、前週末の米国株価の３日連続の大幅安をハネ返し好感する割安株買いを再燃させている。同社は、今年９月に単独決算の９月中間期業績を上方修正し、株価は１８０円高しており、今度は連結決算の増額として連想が働いている。同社の中間期業績は、前年同期比８％増収、８％経常増益、５％純益減益となった。メタノールは、需給緩和で前年同期並みとなったが、海外メタノール生産会社の持分法利益が増加し、芳香族化学品も販売価格が上昇、プリント配線板用材料もユーザーの在庫調整がおおむね終了、受注が好転したことなどが寄与した。３月通期業績は、売り上げが期初予想に８０億円、経常利益が９０億円、純利益が４０億円各上乗せされ、純利益は４４０億円（前期比９％増）と期初の微減益予想から増益転換して連続過去最高となる。配当は、中間期・期末とも期初予想の各７円を８円に引き上げ年間１６円（前期実績１４円）に増配する。ＰＥＲ１１倍台の割安修正に拍車がかかろう。
（東洋経済新報社）