2011/09/08 株式クロージングコメント
CLUB Fisco　2011年09月08日16時50分
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■イベント待ちの状況に

　日経平均は小幅に続伸。29.71円高の8793.12円（出来高概算14億6000万株）で取引を終えた。ドイツ憲法裁判所の判断を受けた欧州の債務懸念後退を背景とした欧米株式市場の上昇が好感され、日経平均は3日ぶりに8800円を回復して始まった。しかし、その後は今晩のオバマ米大統領による雇用対策に関する講演や英中銀（BOE）、欧中銀（ECB）の金融政策といったイベントを控えていることもあり、膠着感の強い相場展開に。8月の機械受注の悪化が、じりじりと機械株への売りにつながっていたことも手掛けづらくさせていた。

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[1回]

　オバマ米大統領の講演では、給与税減税の延長などを盛り込んだ総額3000億ドル超に上る景気対策を発表する予定である。しかし、実現は困難との見方もされており、慎重姿勢につながったようである。また、中国の8月消費者物価指数(CPI)の伸び率は減速するとの見方や、ドイツ財務相による「イタリアの債務はあまりにも大き過ぎる」といった発言なども伝わっていた。そのため東証1部の騰落銘柄は値上がり数が過半数を超え、規模別指数では大型、中型、小型株指数ともにプラスだったが、出来高は8月15日以来の15億株を割り込んでいる。

　機械受注の悪化については6月の反動があろうが、世界景気の減速や円高進行が先行きの景気回復を遅らせるとの見方に向かわせる。8月5週の投資主体別売買動向では、外国人が6週連続の売り越しだった。予想通りの結果ではあるが、海外勢の動きに変化の兆しが見られない以上、本格的なリバウンド機運は強まらないだろう。朝の外資系注文動向では29営業日ぶりに買い越しだったが、小さな変化として期待。また、メジャーSQ通過後のトレンドにも注目したいところである。
（村瀬智一）