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2009 08,22 09:00 |
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【日本株週間展望】景気現実視で弱含み、政治決戦控えよぎる1993年 8月第4週(24-28日)の日本株相場は、日経平均株価が一時1万円割れと弱含む場面がありそう。世界的な景気底打ちへの信頼度は高まっているが、一段の改善期待は後退気味。国内では日照不足に加え、戦後政治体制の転換の可能性を秘めた衆院選も迫り、年後半に失速した1993年の記憶が頭をよぎる。 日興コーディアル証券の大西史一国際市場分析部長は、「現在は金融相場から業績相場への移行期で、期待先行に実体経済がキャッチアップする必要がある。過熱感もあり、次の上昇に備えるためにも中間的な反落が必要」と見ている。 第3週の日経平均は、前の週末に比べ3.4%安と6週ぶりに下落。17日に発表された日本の4-6月期の実質国内総生産(GDP、1次速報)は、前期比年率3.7%増と5四半期ぶりにプラス成長へ回帰、同四半期では米国のマイナス1%、欧州のマイナス0.1%をしのいだ。輸出の持ち直し、エコカー減税や家電製品のエコポイントなど経済対策による消費下支え、公共投資の増加が寄与し、戦後最悪のマイナス13.1%を記録した昨年10-12月期からの回復が顕著となった。 しかし、設備投資や民間住宅投資は依然落ち込み、実質雇用者所得は急落。バークレイズ・キャピタル証券の森田京平チーフエコノミストが「自民党政策に依存した個人消費の伸びに持続性を見出すことはできない」と述べるなど、専門家の間では冷静な声が聞かれる。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
また気象庁によると、7月は曇りや雨の日が多く、北日本と西日本の日本海側で月間の日照時間が1946年の統計開始以降、同月としては最も少なかった。消費者の晩酌意識は妨げられ、前年の猛暑の反動もあり、7月のビール類出荷数量は同月としての過去最低を記録した。 8月も平年に比べて日照時間は少なく、第一生命経済研究所では93年並みの日照不足となれば、野菜の不作などを通じた食料品価格の高騰、夏物衣料や飲料の売り上げ低迷などから、家計消費を約5000億円、実質GDPで0.3%押し下げると試算する。ブルームバーグがまとめた民間エコノミスト10人による7-9月期GDPは、消費の伸び悩みを理由に年率2.9%増への鈍化が見込まれている。 ここへきて、日本を含む世界の株式市場の波乱要因となってきたのが、中国株の動向だ。上海総合指数は、直近大底の昨年10月28日の1664ポイントから、直近天井の今月4日に付けた3478まで2.1倍に上昇。その後、相場過熱を抑える当局の金融引き締め観測などから急反落し、19日には一時2761と高値から2割調整した。 世界経済を引っ張る新興国群「BRICs」という言葉の生みの親である、米ゴールドマン・サックスのチーフエコノミスト、ジム・オニール氏は、中国株は「もはや非常に割安ではない。調整があっても驚かない」と述べている。その動向は同国景気、新興市場の象徴として世界の投資資金の流れに多大な影響を与え、輪の中にある日本にとっても無視できなくなっている。チャート分析で使われる黄金分割比で見ると、上海指数の直近上げ幅の38.2%押しは2786ポイント、61.8%押しが2358、半値押しが2572で、調整余地の存在に懸念が残る。
8月30日に投開票が迫り、自民か民主かの政権選択色を強める衆院選。全国紙の情勢調査では民主党の優勢が伝えられるが、市場参加者の受け止め方はさまざまだ。 ドイツ証券の神山直樹チーフ・ストラテジストは、「民主党政権となれば、今後の政治的意思決定システムを民意に近い形に変える可能性があり、長期的にポジティブ」と指摘。一方、日興コーデ証の大西氏は「民主党のマニフェストは企業より家計にやさしい内容が多い。また、無駄をなくすだけで政策を実行できるのか、結果的に赤字国債発行で金利上昇を招く懸念がある。『次の内閣』閣僚の発言などから、円高要因も多そう」と話している。 東京都議選の結果を受けて衆院解散、政権交代を株式市場が意識し始めた7月下旬から8月上旬には、民主党の主要政策である子ども手当て、医療・介護、農業、高速道路、環境などにかかわる銘柄が人気化した。しかし、「どのセクターにおいても過熱気味。賞味期限に注意するべきタイミングに近づいている」(ドイツ証の神山氏)とされ、市場は景気の実勢や政権交代実現時の功罪に視線を向けつつある。 「93年に『55年体制』が一時的に崩壊した際、日本新党を中心とした政権ができるまでは相場は期待先行で上昇し、その後実体経済への懸念もあって下落した。政権運営がスムーズに行くか、見極める必要もある」と日興コーデ証の大西氏。重要経済統計と企業の決算発表の一巡で買い疲れ感も漂う中、冷夏と円高、政治波乱に見舞われた当時と現状をだぶらせる投資家は多いようだ。 第4週の日本株相場に影響を与えそうな材料は、国内では25日に3カ月気象予報、26日に7月の貿易統計、28日に7月の家計調査や全国消費者物価、労働力調査などが発表される。海外は、25日に米国で8月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、26日に7月の米耐久財受注と新築住宅販売、28日に7月の米個人所得・支出などがある。 PR |
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