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2009 02,21 09:00 |
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【日本株週間展望】下値探る、長期景気停滞を懸念-運用方針見直しも 2月第4週(23-27日)の日本株相場は続落する見通し。世界的な景気後退が長期化する、との警戒感が強い。米国株も、ダウ工業株30種平均が昨年の安値を下抜けて6年ぶりの低水準に沈み、機関投資家のリバランス(資産配分の定期的な見直し)需要に沿った買いも期待しにくく、下値を探る展開となりそうだ。 トヨタアセットマネジメント投資戦略部の浜崎優シニアストラテジストは、「景気の出口が見えない。企業業績が悪いのは分かっていたが、分かっていた以上に悪いので、さらに先行きについて不安になる負の連鎖に陥っている」と指摘する。 20日のTOPIX終値は、前週末比3.3%安の739.53ポイントで1984年1月以来、25年ぶりの低水準となった。世界的な信用不安からみずほフィナンシャルグループや三菱UFJフィナンシャル・グループが52週安値を更新、週末にかけて下げ足を速めた。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
期待リターンの引き下げ検討も 「企業年金の足元の動きをみると、リバランスルールに従って債券売り・株式買いの注文を出しているところは3分の1程度。残りの3分の2はあまりに環境変化が大きいとして、様子見を決め込んでいる」と話すのは、日興フィナンシャル・インテリジェンスの宮井博常務だ。 年金資金は長期運用が大前提。相場に対し機敏に売買するディーラーやヘッジファンドなどとは異なり、「各種データが出そろうのを待ち、政策アセット・ミックスや基本ポートフォリオの見直し議論に入る」(宮井氏)。このため、昨秋以降の世界の株式急落を受けてもいまだ変化の最中との判断で、データの分析ができていないという。 宮井氏によると、年金投資家の間でいま最もホットな話題は、「期待リターンをどこまで下げるか」。電機や自動車など、日本の代表的老舗企業群は今期決算で未曽有の最終赤字を計上する見通し。母体企業の財務健全性が低下する中、企業年金が運用方針自体を見直すケースも散見され始めた。「期待リターンを下げ、ボラティリティー(変動率)の高い株式はウエートを減らす」(同氏)検討を行っているところもある。 ラッセル・インベストメントの喜多幸之助エグゼクティブコンサルタントは、「来年度の最大のテーマはリスク管理の見直しだ」と強調。足元の株安を受け、株式のリスク・プレミアムを低く見直す基金や、割高感が解消したとみて果敢にリスクをとる基金も出てくるとみられている。「問題はどのくらい先を見て年金を考えるかだ。それによって、企業年金の意思決定も変わってくる」と、喜多氏は言う。
企業年金の動きの一部をうかがい知ることができるのは、東京証券取引所が毎週公表する「投資部門別売買動向」の「信託銀行」だ。19 日公表の2月2週(9-13日)分では1397億円を買い越し、6週連続の買い越しとなった。半面、外国人投資家は5週連続の売り越しで、 2009年年初以降、累計1兆2775億円を売り越す。三菱UFJ証券投資情報部の折見世記シニア投資ストラテジストは、「信託銀行の買いが途切れれば株価は下がる。いずれは経験則通り、TOPIX株式時価総額と名目GDPはパラレルな動きを示す」と予測する。 折見氏は、90年代以降のTOPIX時価総額と日本の名目GDPの推移から、「過去2回の景気後退局面では、名目GDPがそれぞれ 20兆円程度減少したところで株価が下げ止まった」と説明。今回の場合、名目GDPはすでに直近の「景気の山」となった2007年10-12 月期の517兆円から、08年10-12月期の497兆円まで20兆円減少、底打ちの兆しが出てもおかしくないタイミングになった。 しかし、「エコノミストの多くが09年1-3月期も前四半期と同等のマイナス成長を予測する現況では、名目GDPはさらに落ちると考えるのが自然」(折見氏)だ。GDPの減少スピードも、過去2回は2年間で20兆円の調整があったにもかかわらず、今回は1年間に短縮。「まさに未曾有のスピードと段差で景気は悪化」(同氏)している。 米証券メリルリンチによる世界の投資家調査(2月)では、日本株をオーバーウエートしている投資家の比率からアンダーウエートしている比率を引いた数値がマイナス26%と、1月のマイナス15%から悪化。今後1年間で日本株を最もオーバーウエートしたいと答えた投資家も、前回のプラス9%からマイナス8%と、08年3月以来の弱気となった。
大和総研は19日、日本経済の成長率予測を下方修正し、改定後の実質GDP予想を、08年度マイナス2.9%(前回マイナス0.9%)、 09年度マイナス4.4%(同マイナス1.3%)とした。新たに予測した 10年度はプラス0.4%。熊谷亮丸シニアエコノミストの結論は、「日本経済が早期に大幅な回復を示す可能性は低い」。欧州投資家の一部が期待を寄せていた日本の早期回復は、見込みにくいという。 むしろ2009年末に在庫調整が完了したとしても、2010年の鉱工業生産の回復ペースは極めて緩慢になると、同総研では予測。ワークシェアリングなどの施策が打たれなかった場合、09年度末までの向こう1年間で270万人程度の雇用が失われるとも試算した。 第一生命経済研究所では、02年以降の景気拡張期にけん引役を果たした輸送用機械、電機の減産の影響を試算した。10%の減産に追われる現状の生産状況が約1年続くと、自動車で12.2万人、電機で 27.7万人の雇用削減圧力になり、鈴木将之副主任エコノミストは「輸出のさらなる低下や、海外に生産拠点が移転することを考慮すると、実際にはさらに大きな影響になる」と警戒する。 2月4週の日本株に影響を与えそうな経済統計の発表は、日本で 27日に1月の鉱工業生産や労働力調査、家計調査など。米国では24日に昨年12月のS&Pケースシラー住宅価格指数、25日に1月の中古住宅販売件数、26日に1月の新築住宅販売件数など住宅関連指標が相次ぐ。このほか、24日には米ホワイトハウスで日米首脳会談、27日からはASEAN首脳会議、週末は緊急EU首脳会議が開かれる。 PR |
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