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2009 02,14 09:00 |
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【日本株週間展望】弱含み、米金融安定策に失望漂う-国内経済減速も 2月第3週(16-20日)の日本株相場は、下値を探る弱含みの展開となりそうだ。米国の金融安定化策が具体性を欠く内容となったことで、市場には失望感が漂っており、目先は投資資金の流出が促されやすい。欧米に比べ、底堅いとみられていた国内の実体経済も減速が目立ち始め、積極的な買いは期待しづらい状況にある。 みずほ投信投資顧問の岡本佳久執行役員は、「米金融安定化策が過度に高い市場の期待値に届かなかった上、グローバル展開している日本企業の業績悪化がいつ、どの程度で止まるかも判断できず、じりじりと売りに押されやすい展開が続く」と見ている。 第2週の日経平均株価は前週末比297円(3.7%)安の7779円で終了。企業の四半期決算発表が相次ぐ中、オリックスやダイキン工業、パイオニアなど通期(2009年3月期)業績予想を下方修正した銘柄を中心に売り込まれた。米国で発表された新たな金融安定化策の詳細が不透明だったことも嫌気された。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
ガイトナー米財務長官が10日に発表した金融安定化策の柱は3つ。大手金融機関への公的資金の追加注入、銀行から最大1兆ドルの不良債権を買い取る官民合同のファンド設立、個人と法人向け融資を促進する最大1兆ドルの信用ファシリティーの設立だ。ただ、示されたのは概略のみで、工程表など実行に向けた具体策に乏しく、ブッシュ前政権時からの課題だった不良資産の買い取り価格の決定方法も先送りされた。 今回の金融安定化策について、「オバマ米新政権の下での政策の手詰まりが早くも露呈した格好」と指摘するのは、しんきんアセットマネジメント投信の藤本洋主任ファンドマネージャー。公的資金で金融機関の不良資産を買い取る専門銀行「バッドバンク」を設立する代わりに、官民共同のファンド活用法を採用したことで、最終的な損失の引き受け手が不明確になり、「ファンドの利用が進まず、不良債権の分離に時間がかかる公算が大きい。金融機関の財務悪化に伴う貸し渋りは長引く」(藤本氏)と警戒されている。
一方、日本国内に目を向けると、東証1部上場企業の第3四半期(08年 10-12月)決算は全体の9割以上が終了。新光総合研究所の2月12日時点の集計では、1132社の10-12月期経常利益は前年同期比83%減。また、09年3月期通期の業績予想を下方修正した企業は687社と、前年同時点での通期業績の下方修正社数(192社)を大きく上回る。 大和投資信託の長野吉納シニアストラテジストは、「明らかになった足元の企業業績は事前予想をはるかに上回る悪さで、惨たんたる状況」と嘆く。国際通貨基金(IMF)の調査で、09年に戦後初めて日米欧の主要国がそろってマイナス成長に陥る見通しとなるなど、マクロ面で世界的に厳しい事業環境が続くと予想される中、投資家は「来年度の収益底入れにも自信が持てず、買いのタイミングを見出せない」(みずほ投信の岡本氏)という。
マクロ経済指標でも、国内景気の厳しさを示す統計が相次いで発表されている。9日発表の機械受注統計によると、国内民間設備投資に半年程度先行するとされる船舶・電力を除く民需(コア機械受注)は、昨年10-12月期に前期比で16.7%減と、4半期ベースで過去最大の減少率を記録した。世界的な需要減退の直撃を受けている自動車や電機メーカーを中心に、前例のない速度で生産を削減しており、一斉に設備投資の抑制を強めていることが表れた。 16日には、内閣府が10-12月期の国内総生産(GDP)1次速報値を公表する。ブルームバーグ・ニュースが民間調査機関24社を対象に調査したところ、実質GDPの予想中央値は年率で前期比11.7%減(7-9月は1.8%減)と、歴史的な失速になる見通しだ。与謝野馨経済財政政策担当相は10日の閣議後会見で、「日本経済のパフォーマンスが非常に悪くなっていることを示す現実の数字を見るのが、16日のGDPだろう」と述べている。 三菱総合研究所の大島一宏エコノミストは、GDPについて「外需の落ち込みが内需の減速にどの程度効いてきているかを見極めたい。消費者マインドの悪化が個人消費支出を大きく押し下げている可能性もあり、注意を要する」と話す。金融市場では、10-12月期の大幅なマイナス成長は共通認識となっているが、「追加的な経済対策を催促する格好で、GDPの内容の悪さを確認してから、外国人投資家があらためて売り姿勢を強める可能性はある」(大和投信の長野氏)。
このほか、日本株市場に影響を与える可能性がある第3週のスケジュールでは、国内では17日に昨年12月の第3次産業活動指数の発表、18日から19 日にかけて日本銀行の金融政策決定会合など。海外では、経営再建中の米自動車大手、ゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーが17日に、米政府への再建計画の提出期限を迎える。18日に1月の米住宅着工や鉱工業生産統計、 19日にはフィラデルフィア連銀製造業景気指数の発表などが予定されている。 PR |
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