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2008 12,09 17:00 |
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9日の東京市場は株高、債券安。米株市場が記録的な悪化をみせた雇用統計以降、大幅高となっていることで悪材料に対する抵抗感がついてきた、との楽観論が一部で出てきた。 オバマ次期米大統領が大規模な景気対策を打ち出す、との期待感から「オバマ・ラリー」との声も聞かれる。ただ、これに対しては、年末を前にして、投機筋の動きが極端に細ってきた中で株価が押し上げられているに過ぎない、との冷めた見方もある。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
<株価、抵抗力の持続性に関心> 株式市場では日経平均が小幅続伸。前日の米国株市場はオバマ氏による大規模なインフラ投資などを盛り込んだ景気対策への期待感や、米政府による自動車業界救済策への期待などが高まり大幅高となった。これを受けた東京市場でも機械、海運、鉄鋼などこれまで売り込まれてきた景気敏感セクターを中心に買いが先行した。 「景気対策への期待を背景にしたオバマ・ラリーだ」(カブドットコム証券投資情報局マーケットアナリストの山田勉氏)との声が出ている。 寄り前に発表された7─9月期実質国内総生産(GDP)の2次速報値は、市場予想よりもマイナス幅が大きかったものの、市場の反応は限定的だった。新光証券エクイティストラテジストの瀬川剛氏は「現在のマーケットではある程度の景気悪化を織り込んでいる。婦人衣料品やオンラインストアなどクリスマス商戦の中間売り上げ速報が発表されるとみられる今週末から来週にかけて、今のセンチメントが維持できるかが相場の焦点だろう」と指摘している。 世界の株式市場は急速に下振れる実体経済と政策期待の綱引きを続けてきたが、ここにきて景気、企業業績の悪材料に打たれ強さを示しつつある。「各国の相次ぐ対策で金融危機が最悪期を脱した可能性が高まっている。米住宅ローン金利の低下がそれを示している」(大手証券エクイティ部)との見方も出ている。
ただ、ここにきての急反発を受けて上値は重くなってきている。ダウ平均先物が軟化すると、日経平均も午後に小甘くなる場面もあった。 インベストラスト代表取締役、福永博之氏は「日経平均は25日線をいったん上抜いたものの、直近高値である11月28日高値(8518円13銭)付近の上値が重く戻り売りに跳ね返された。短期筋による先物取引が中心で現物の売買が十分ついてこないため、上値が重くなっている」とみる。 大和住銀投信投資顧問、上席参事の小川耕一氏も、国内株のきょうの上げは米株高を受けたショートカバーの域を出ない、という。先行きに関しても、米連邦準備理事会(FRB)の大幅利下げを受けて円高が進む可能性もあり、「グローバルな株式アロケーションで日本株が出遅れる懸念が高まっている」と慎重だ。 さらに米株の上昇自体に疑問を唱える参加者もいる。ある邦銀筋は「ここ数日の米株の急上昇の理由付けがよくわからない。以前に日本でよく言われた株価維持策(PKO)のような人工的な上げ、という人もいる。投機筋が弱体化している中で、こうした買いに上げているだけ、という見方も根強いようだ」と話す。米株が再び、崩れるような局面では日本株もレンジを下抜ける可能性も出てくる。
為替市場では前日と同様、株価がしっかりしている割に円売りは限定的だ。米自動車メーカー救済の最終的な行方、世界景気の急速な悪化など厳しい見方は変わらず、前日海外で上昇したクロス円が早くも反落した。 ある都銀関係者は、「海外市場のクロス円の上昇は、アジア時間でレンジの下限割れを狙って売り込む動きが活発化した反動」といい、テクニカル要因が主導したと分析。そのため買いの勢いが続かず、反落も早かったと話している。 また、年末を控えて、投機筋の動きが急速に鈍ってきた影響もある、という。相場の乱高下が続いた今年はヘッジファンドの運用成績が軒並み苦戦しており「先月あたりからファンド勢の動きが一段と細ってきた。もう年内は実質休業というファンドも出始める始末で、為替市場でもほとんど動きが見られない」(邦銀)。多くの参加者は金融危機の収束は道半ばとみており、円高の進展を想定しているにもかかわらず「円高が大きく進まないのは、多額の資金を運用する投機筋の動きが鈍いため」(外銀)とする声も少なくない。 円TIBOR(東京銀行間取引金利)の上昇に関しても、スポット市場では、以前なら円金利の上昇で、円キャリーの巻き戻しが活発化し、円高の地合いとなるはずだが、いまは「投機筋の弱体化で、もはや円が主語という環境ではない。あくまで主語はドル。(円金利上昇で)スポット市場への影響はない」と信金中央金庫・証券業務部の中村雄一郎氏は話している。
円債は小甘い展開。 前日の米国市場で米自動車大手3社の救済や景気対策に対する期待感が浮上。質への逃 避巻き戻しから米債が売られた流れを引き継いだ。国債先物は限月交代に絡んだテクニカル的な要因で下げ幅を広げる場面もあった。歳出拡大圧力への警戒感を指摘する声も聞かれた。 UBS証券・チーフストラテジストの道家映二氏は「財政規律のタガは外れつつある。 まだ国会に提出されていない今年度第2次補正予算の上積みや、シーリングとは別枠での来年度予算の追加、加えて、来年度補正予算の話まで浮上しているようだ」とした上で「ファンダメンタルズの悪さだけでは、債券相場の上値を追いづらい環境になった」と述べた。 一方で、ここにきての現物売りはこれまで積み上げてきた銀行勢の買いポジションが処分されているだけ、との指摘もある。 ある証券筋は「一部の銀行勢は、日銀の追加的な金融緩和を見込んでディーリング的に買い進めてきたものの、当てが外れる可能性も出てきたため、仕込んだポジションを処分している」と話している。 この日の5年債入札は最低落札価格が100円01銭と、事前予想の100円03―05銭と比べてやや甘かった。「マーケットが混乱している中で、証券などの業者は過剰在庫を避けるために応札額を必要最小限にとどめた」(みずほインベスターズ証券・マーケットアナリストの井上明彦氏)という。 下方修正された7─9月期GDP2次速報値は特段材料視されなかった。三菱UFJ証券・シニア債券ストラテジストの長谷川治美氏は「内需を中心に景気が急減速していることを確認する内容だったが、債券市場はいったん景気の急減速を織り込んでいる」と話している。 PR |
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