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2008 11,28 13:33 |
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巨額オイルマネーが資金の政府系ファンド 政府系ファンドとは、名前の通り政府が運用するファンドのこと。アメリカ財務省の推計では、世界の政府系ファンドの運用資産総額は2.9兆ドル(約290兆円)とされています。その中でも一際存在感を誇るのが、アブダビ投資庁です。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
今年10月、日経平均株価がバブル後最安値を更新し、6,994円をつけました。世界金融危機の影響を受け、上昇したと思ったら下落するなど不安定な相場が続いています。 最近の相場を見ていると、今から約5年前を思い出します。日本経済が先行き不透明と騒がれ、2006年3月には日経平均株価が8,000円を割り込み、同月4日に7,603円で底を付けました。この時、日本人は株を売却していましたが、中東勢は日本株を割安と判断し、オイルマネーが一気に日本市場に流れ込みました。 その巨額なオイルマネーを運用するのが政府系ファンドです。昨年、新聞やテレビなどで、中東の政府系ファンドがシティバンクに出資、バーニーズ・ニューヨークを買収するといった報道がされ、「政府系ファンド」という言葉を耳にした人は多いでしょう。 政府系ファンドとは、名前の通り政府が運用するファンドで、「Sovereign Wealth Fund(ソブリン・ウェルス・ファンド)」を略してSWFと呼ばれることもあります。民間のファンドがお客さんからお金を集めて運用をするのと異なり、政府系ファンドは原油や天然ガスなどの天然資源の収入や、外貨準備高や不動産の売却益などの国有資産を、株式や債券、不動産などで運用します。 「国」として考えると規模が大きく、イメージしづらいかもしれませんが、私たち個人が貯金の一部を老後に備えて株式投資をしたり、円安に備えて外貨預金をしたりするのと基本的には同じことです。 例えば、中国の政府系ファンド中国投資有限公司は、外貨準備高を原資としています。貿易黒字国である中国では、輸出により利益を得た企業が外貨を元に換金するため、元高を防ぐのを目的として通貨当局が元売り・ドル買いの為替介入をすることで、外貨準備高が増加しました。 2006年2月には、中国の外貨準備高は日本を抜いて世界一の規模となりました。しかし、外貨準備高が増加しすぎると、為替相場の変動により資産価値が元ベースで目減りするリスクが高くなるため、2007年に政府系ファンド中国投資有限公司を設立し、外貨準備高の一部を運用しています。 また、政府系ファンドは、アラブ首長国連邦以外にも、サウジアラビアやクウェート、カタール、中国、シンガポール、ロシア、ノルウェーなどが持っています。在アラブ首長国連邦日本大使館が、アブダビ投資庁に関する情報を公開していますので見てみましょう。
◆設立目的 ◆資産規模 ◆投資概要 一方で投資先への経営には基本的に不干渉。また、最近では新興市場への参入に目論み、新しい部局が創設されている。他方、資産内容に関してはその流動性確保の為、債権を一定の比率で保有している。全体として米国への投資が多い中、日本への投資は400億米ドルで70%がポートフォリオ投資と言われている。
さてアブダビ投資庁はシティグループの筆頭株主となったことで多くの人にその存在を知られるようになりました。
アブダビ投資庁(ADIA)はサブプライムローンの焦げ付きにより損失拡大した米金融大手シティグループに75億ドルを出資し、筆頭株主となったことが、日本のマスコミでも大きく取り上げられました。 その他にも、ドバイ政府系投資ファンドであるイスティマールがファースト・リテイリングとの買収合戦の末、米高級衣料品専門店バーニーズ・ニューヨークを買収、同じくドバイ政府系ファンドのドバイ・インターナショナル・キャピタル(DIC)がソニーの株式を取得し資本参加するなど、どれも2007年の出来事で、私たちの記憶に新しいところです。 政府系ファンドの運用方針は、アブダビ投資庁の投資概要にも記載されているように、ヘッジファンドのような短期売買の差益狙いというよりも、中長期的に運用する傾向があります。アメリカ財務省の推計では、世界の政府系ファンドの運用資産総額は2.9兆ドル(約290兆円)とされています。2008年の日本の国家予算(一般会計)の約3.5倍の額です。 商業用不動産ブローカー大手のCBリチャード・エリス・グループによると、政府系ファンドは今後7年間で不動産投資への割合を4%から7%に増加させ、2015年までに商業用不動産への投資を増やし、株式や債券などの保有資産を多様化させると予測しています。 中国やロシア、中東の産油国など急成長中の新興国は魅力的な投資先とされていましたが、現在では、グローバルな投資家としてサブプライムローンによる巨額な損失を抱えるウォール街や欧州の金融機関を支える存在となりました。 政府系ファンドは、今年これまで2,550億ドルを投資し、昨年同期と比較して投資額が66%増加しました。世界の政府系ファンドの運用資産総額は、今後10年間で10兆ドル(約1,000兆円)まで増加すると予測されています。 【関連記事】 PR |
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