GLOBAL STANDARD（世界標準）

「株式は長期投資で、いい株をじっくり持つ」･･･なんて、聞こえはいいが、
後で泣くのは目に見えている･･･って言ったら現在の状況を観れば
よく解るんじゃぁ～ないかなぁ～･････
1/2、1/3、当り前･･･新興株なんて1/10が当り前ってんだから、
長期投資で儲かるなら新興株の「いい株」じっくり持ったら１０倍になるワケェ～

･･･で、だいたい「いい株」って何ん何んだぁ～？
いい株っていうのは、いい会社の株の事？いい会社って何？

　蒸気機関が全盛だった頃、石炭は「黒いダイヤ」と呼ばれ、
東大卒のエリートがこぞって炭鉱会社に就職した。
しかし石炭から石油へと燃料が代わり、現在炭鉱会社を「いい会社」という人は
まぁ～そうそうとはいないだろう。既に石油から石油代替燃料に変わろうと
している現在では･･････
「産業の米」と言われた半導体も、価格競争の激化から大手電機メーカーの
赤字の元凶となり、産業を取り巻く環境は常に大きく変わっていく。

現在のソニーやトヨタ然り･････

興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック！

[0回]

'８０年代後半に起こった「バブル経済」もそうだ。
当時は「土地神話」が健在で、益々土地の価格は上がると考えられ、
「ウォーターフロント・ブーム」とあいまって、土地持ち会社がもてはやされた。
今では死語になった感のある「含み資産」の大きな会社の株が大きく値を上げて
いった。人々は「財テク・ブーム」の真っ只中で、借金してでも「株や土地などの
資産」を買いまくった。資産価格の値上がりは、銀行金利を大きく上回り、
借金して資産を買えば買うほど、資産が拡大する「資産インフレ」状態を生み出し、
幾人もの「バブル長者」を生み出した。

･･･うぅ～ん？？どこかで観た光景だぞぉ～･･･って欧米かっ！！

しかし、その後日銀が金融の舵取りを「緩和型」から「緊縮型」に大転換し、
「不動産融資の総量規制」を発表すると、今まで潤沢に回っていた資金が枯渇、
株も土地も「脳溢血」で倒れた。そして、「資産バブル」は急速にしぼんでいった。
その後１０年以上に渡って「バブル崩壊」の影響は続き、「資産バブル」で
踊った会社の多くが業績低迷や倒産に追い込まれた。

'９０年代後半に起こった「ＩＴブーム」もそうだ。
２０００年初頭に天井を打った「ＩＴバブル」は、米国で発生した
「マイクロソフト」、「インテル」などの「ＩＴバブル」の資金が
日本に流入する事により発生した。
「バブル崩壊」以降日本の株式市場を低迷させた「保合い株」を持たない
新興市場の株は発行株数も少なく、「ＩＴ投信」の設定や２０００年問題で
市場に潤沢に放出された資金を飲み込み、日本でも立派な「ＩＴバブル」を
形成した。ＩＴの名のつくものなら無節操に株価が急騰し、
「ソフトバンク」、「光通信」などの仕手株を生み出した。

その後、２０００年問題をトラブル無しにクリアすると、世界各国の中央銀行は
市場に提供していた資金を回収。'８０年代の「バブル崩壊」同様に、
「ＩＴバブル」もあっけなく、潰れてしまった。

･･･で、今回は金融デフォルト･･･サブプライムである。

ここで、ワタシが強調したいのは「ルールは常に変わる」
ということだ。

先ほどの「株式は長期投資で、いい株をじっくり持つ」なんて意見は、
「ルールが変わる」という前提を全く無視していると思う。
この考えには高度経済成長時代での成功体験が大きく影響しているようだ。
高度経済成長の時代は経済成長率も高く、一貫してインフレだったので、
不況期に株価が安いところで拾っておけば、景気循環により好況時に株価が
戻ったところで売って利益を確定できた。
自分が買った株が下がれば、更に安い値段で買い増し、平均単価を下げる
「ナンピン法」やある一定の値幅で規則的に動く株を捉えて、
安値ゾーンで買い高値のゾーンで売る「ボックス・トレード」も
高度経済成長時代には有効な戦法だったと思われる。

しかし、'９０年代に入ると株価は完全な右肩下がり、経済成長も低調で、
経済環境は一変してしまった。
戦後初めて日本経済は「長期的な資産デフレ時代」に突入したのだ。
しかし、多くの投資家は資産デフレの時代にも高度経済成長時代の戦法で臨み、
ことごとく返り討ちにあってしまった。何しろ安値で買ったつもりでも、
新安値が次々に出現するのだから、勝てるわけがない。
「ナンピン法」や「ボックス・トレード」では、買っても買っても株価が下がり、
やがて簿価の高い株の不良在庫が積みますだけだった。

投資家の最大の失敗は、自分達の戦略が「右肩上がりの日本経済」を前提に
していたという事に、気付いていなかった事だ。

新しい市場のルールが創設される度に、それには前提がある。

「資産バブル」の頃の前提は、'８５年の「プラザ合意」を発端にした
日米の基本合意により、日本は金融緩和、資産インフレ政策という前提が出現した。そこから「借金してでも資産を増やす者が勝つ」というルールが生まれた。
しかし、前提である資産インフレ政策の転換により、ルールは塗り替えられた。
その後は逆転現象が起こり「借金して資産を増やした者は負ける」に
１８０°転換した。
借金をテコに資産を増加させた「ダイエー」がバブル崩壊以降経営危機に陥り、
自社店舗を持たない「イトーヨーカドー」が業績を伸ばしたのは、
その典型的な例だろう。

'９９年初頭から日本を席巻した「ＩＴバブル」の時もそうだ。
米国におけるインターネット革命の成功で潤った資金が日本にも押し寄せ、
「ＩＴと名のつくものに触れれば儲かる」と新しいルールが生まれた。
今回の前提条件は米国のＩＴバブルがどこまで続くかと２０００年問題による
世界的な金融当局の金融緩和政策がいつまで続くかだった。
そして、その後米国のインターネット・バブルの沈静化や２０００年問題解消
による金融当局の資金回収によって前提は崩れ、ルールは再び１８０°転換し
「ＩＴと名のつくものに触れていると、資産を根こそぎやられるぞ」に替わった。

ここで、重要なのは、
「一般にルールは顕在化するほど威力を増し、その威力は増すほどルールの転換点は近い」という事だ。

そして、
「ルールが一旦１８０°転換すると、旧来のルールに従えば従うほど大きな損失を被る」という事だ。

また、もっと重要な問題は
「ルールが顕在化しないとルールの存在自体がわからない」事と、
「ルールは終焉を迎える前に最も大きな富をもたらす」と言う事だ。

ルールの転換する前にあまり早く降りてしまえば、「メインディッシュ」に
ありつけないし、「デザート」まで食べようとすると高い勘定を払わされてしまう。

しかし、大抵の投資家は、ルールが転換する寸前に、そのルールに気がつき
「デザート」を半ば食べたところで、「メインディッシュ」の料金まで
払わされるはめになる。
しかも、そこでさっさと料金を払って（その株を売って）店を出てしまえば
いいのに、もたもたしているうちに「他人の食った分まで払わされてしまう」
これは最悪だが、未だに「ソフトバンク」や「光通信」を所有している投資家には
この手の「お人よし」が多い。（売った株が値下がりすると言う事は、
その後の値下がり損を回避した事になるので、値下がり株を保有しつづける事は、
他人の値下がり損を回避してあげている事になる。だからいい人）

では、バブルに乗らなかった東京三菱のように「ルールが顕在化しても乗らない」
という投資行動が正しいのだろうか？

いや、「'８０年後半のバブル」も「'９９年のＩＴバブル」も一度うまく乗れれば
最高の「ビッグ・ウェーブ」で、一気にあなたを「億万長者」にしてくれる
チャンスだったのですから、これを見逃す手はないと思います。

対処法は、一つ「ルールが出現したら、そのルールにうまく乗る」
そして、「ルールが替わったと気がついたら、自分の料金だけ払って
さっさと店を出る」事です。

とにかく、ルールは常に変わると意識して、
ルールの出現・転換に備えていれば投資成果は見違えたものになると思います。
Taro'sより一部転載