10/20 今週の決算発表予定銘柄コメント

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楽天証券経済研究所所属のアナリストによる決算発表予定銘柄コメントです。
参考にお役立てください。

［執筆者紹介］
今中　能夫（いまなか　やすお）
楽天証券経済研究所アナリスト
1961年生まれ。1984年に岡三証券においてアナリストとなり、今年でアナリスト歴22年目。
インターネット、ソフトウェア、エンタテインメントを中心にテクノロジー、サービスを幅広くカバーする。

今回は10月20～24日の決算発表銘柄を見ていきます。いよいよ9月中間決算ないし09年3月期第2Q（08年7-9月期）決算発表が始まります。

まず、10月22日にKDDIの09年3月期2Q決算発表があります。上期は携帯電話の売れ行きが不振でした。秋冬商戦の動きと会社側が下期の業績をどう見ているのかが注目されます。

23日には信越化学工業があります。主力事業のシリコンウェハーは半導体市況に左右されます。もう一つの主力事業のアメリカの塩ビ事業はアメリカや南米、中東の建材・住宅需要の影響を受けます。シリコンウェハーは半導体市況低迷の影響でさえない状況が予想されますが、塩ビ需要は南米向けや中東向けが好調といいます。決算を確認したいと思います。

24日には、ヤフー、日本電気硝子、東京製鐵、ファナックがあります。ヤフーは、景気後退がネット広告にどう影響しているのかが注目されます。ネット広告のほかにも、インターネットオークション、インターネットショッピングなどのネット関連サービスを手掛けていますが、一時ほどは成長しなくなっています。足元の状況と今期業績に対する経営者の見方を確認したいと思います。

日本電気硝子は、09年3月期第1Q決算はフラットパネルディスプレイ向けガラスが好調でしたが、09年3月期第2Q決算は液晶向け基板ガラスの生産調整の影響を受けているようです。ただし、9月24日付けで会社側は9月中間期見通しを上方修正しています。下期がどうなるのか注目されます。

このほか、東京製鐵は09年3月期第1Q決算は赤字でしたが、09年3月期第2Q決算は製品値上げが寄与する見込みです。下期の見通しが注目されます。ファナックは資本財セクターの代表銘柄で、設備投資動向の指標の一つです。上期、通期ともに減益見通しですが、実際どうなのかを確認したいと思います。

日経平均が大きく下落したため、PER、PBR、配当利回りなどのバリュエーション指標で見ると、かなり安くなっている銘柄が多くなっています。このような状況では、09年3月期第2Q決算までの実績や、会社側通期見通しの水準、伸び率、会社側が下期見通しを語るときのニュアンスなどで株価が動くことがあります。注意深くファンダメンタルズを観察したいと思います。

※上記コメントは、10月16日（木）作成時点におけるもので将来の市場環境等の変動等を保証するものではありません。